レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

『左組通信』復活計画<左利きプチ・アンケート>(19)第28回チャップマン利き足テスト-週刊ヒッキイ第634号

2023-01-23 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第634号 【別冊 編集後記】

第634号(No.634) 2023/1/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [19]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(19)「利き手調査」番外
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト」



なんと634号です!
(数え間違いがなければ……。)

ムサシ、そう「東京スカイツリー」号です!
やりましたね、うん。

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第634号(No.634) 2023/1/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [19]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(19)「利き手調査」番外
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト」
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 今回は、<利き手調査アンケート>の番外として、利き手ではなく、
 利き足を調べるアンケートで、
 「第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト」
 を取り上げます。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その25)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [19]
  <左利きプチ・アンケート> 全公開(19)
  「利き手調査」アンケート編・番外
   第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 ●第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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<左利きプチ・アンケート>
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(初出)2006.5.6(最終)2008.4.25
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過去に4回、利き手の調査を実施しました。

 第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
 第22回 エディンバラ利き手調査
 第23回 利き手調査第3回 H.N.きき手テスト
 第24回 利き手調査第4回 chapman利き手テスト

利き目の調査も実施しました。

 第14回 貴方の利き目は右左どちらですか

今回は利き足の調査を実施します。

利き足とは作用足、
器用に何か作業ができる、動作をする足のことをいいます。
これに対し、軸足というものがあります。
こちらは、無意識に体重を支える支持足です。

簡単にいうと、ボールを蹴るときに体重を支えるのが軸足、
蹴るほうが利き足です。

では、八田武志著『左ききの神経心理学』から、
「チャップマンきき足テスト」を紹介しましょう。

・調査項目:

1.サッカーボールを蹴る
2.缶を踏みつける
3.ゴルフボールを迷路に沿って転がす
4.砂に足で文字を書く
5.砂地をならす
6.小石を足で並べる
7.足先に棒を立てる
8.ゴルフボールを円に沿って転がす
9.片足跳びをできるだけ速くする
10.できるだけ高く足を蹴上げる
11.足先でこつこつリズムをとる

・採点:

左足を用いる場合:3点
右足の場合:1点
両方の場合:2点


すなわち、全部左足を使う場合は、33点になります。
逆に、全部右足の場合は、11点です。

1987年のこの調査の結果を見ますと、

利き手が右の人では右足利きが多く、
強い左利きの人では左足利きが多い、という結果が出たそうです。

また、28点以上を左足利き、と分類した場合

左手利きの人:左足利き 41パーセント
右手利きの人:右足利き 94パーセント

と、全く傾向が異なる、といいます。

※参照:八田武志『左ききの神経心理学』チャップマンきき足テスト

八田武志『左ききの神経心理学』医歯薬出版 1996年刊




では、あなたの利き足は、どちらでしょう。
それぞれの項目において、あなたはどちらの足を使いますか。
テストの結果は何点になりましたか。

下の選択肢のなかからひとつを選んで投票してください。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
ご自身でご自分の利き手を右もしくは左と、
どちらか判断した上で投票してください。
(どちらかの手が不自由等で必ずしも利き手を使っていない人は、
実際に使っている手の方で投票にご参加ください。)

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます
一番下の「ご意見ボード」をご利用ください。
もっと言わせて、という方は掲示板もご利用ください。
貴方のご意見ご感想をお聞かせください。


1 11、12、13点
2 14、15、16点
3 17、18、19点
4 20、21点
5 22点
6 23、24点
7 25、26、27点
8 28、29、30点
9 31、32、33点


現在の結果を見る (ご意見ボードはこちらから)

※参照:
 第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト
―自己申告による利き手別の投票による利き足テストです。
 利き手の違いとの関連性を確認しようという試みです。
 ぜひ、ご協力ください。
________________________________________
●利き手調査テスト関連アンケート
第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
第46回 利き手テストと意識の一致度は?
第49回 新版・利き目は右左どちらですか?
第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト

その他のアンケートを見る ↓
 <左利きプチ・アンケート>目次

------------------------------------------------------------------
投票結果
実施期間2006.5.7-6.3(4週間・総数:107)
------------------------------------------------------------------

1 11、12、13点 12
2 14、15、16点 14
3 17、18、19点 9
4 20、21点 12
5 22点 12
6 23、24点 7
7 25、26、27点 9
8 28、29、30点 8
9 31、32、33点 21

ご意見ボードへの書き込み
なし

------------------------------------------------------------------
2016.9.11

1 11、12、13点 162
2 14、15、16点 142
3 17、18、19点 108
4 20、21点 111
5 22点 137
6 23、24点 79
7 25、26、27点 113
8 28、29、30点 124
9 31、32、33点 104

≫手は右利きです。この調査項目では利き足も右でした。
ですがキックボードに乗る時は右を軸にし、
左で蹴らないと怖くて前に進めません。
あとスノボもグーフィーです。
こういう場合はどうなのでしょうか?【│08/08/18 15:36:49】

------------------------------------------------------------------
2006/08/27

1 11、12、13点 22
2 14、15、16点 18
3 17、18、19点 24
4 20、21点 20
5 22点 18
6 23、24点 12
7 25、26、27点 11
8 28、29、30点 13
9 31、32、33点 31

------------------------------------------------------------------
2009/06/26

1 1 11、12、13点 90
2 2 14、15、16点 96
3 3 17、18、19点 77
4 4 20、21点 65
5 5 22点 82
6 6 23、24点 52
7 7 25、26、27点 56
8 8 28、29、30点 68
9 9 31、32、33点 80

------------------------------------------------------------------
2010/05/06 (5.3 yahoo!japan news)

1 11、12、13点 145
2 14、15、16点 128
3 17、18、19点 100
4 20、21点 102
5 22点 124
6 23、24点 76
7 25、26、27点 85
8 28、29、30点 111
9 31、32、33点 101

------------------------------------------------------------------
2011/12/01
1 11、12、13点 159
2 14、15、16点 141
3 17、18、19点 107
4 20、21点 111
5 22点 137
6 23、24点 78
7 25、26、27点 113
8 28、29、30点 119
9 31、32、33点 104

------------------------------------------------------------------
<左利きプチ・アンケート>
 第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト
http://personal-dictionary.com/enq/view/view.asp?EID=44202

1 11、12、13点 194
2 14、15、16点 146
3 17、18、19点 117
4 20、21点 124
5 22点 164
6 23、24点 83
7 25、26、27点 121
8 28、29、30点 159
9 31、32、33点 110


------------------------------------------------------------------

↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2023.1.17(追記)

人間の身体には、手や足、目や耳のように、
左右対称に存在する器官があります。
それらには、どちらか「利き側」――得意とする側、好んで使う側――
があるといわれています。

手(腕)の場合は、利き手(腕)といわれます。
これは、よく知られていますね。
で、これと同じ性質が足(脚)にもあります。
手の場合は、だれでもよくわかる片手動作(字を書く・絵を描く、
箸を使う、スプーンを使うなど)で、説明しやすいのですが、
利き足の場合は、手の場合ほどわかりやすいものではありません。

そこで、このような利き足テストが考えられました。

調査項目をみてゆきますと、ちょっと無理矢理な動作も多くみられます。

1.サッカーボールを蹴る
2.缶を踏みつける
3.ゴルフボールを迷路に沿って転がす
4.砂に足で文字を書く
5.砂地をならす
6.小石を足で並べる
7.足先に棒を立てる
8.ゴルフボールを円に沿って転がす
9.片足跳びをできるだけ速くする
10.できるだけ高く足を蹴上げる
11.足先でこつこつリズムをとる


単にボールを蹴る・転がす、缶を踏みつけるというような動作は
比較的わかりやすいですが、
○○に沿って転がすなどは、無理にひねり出したような印象も受けます。
なんとか違いを出そうという工夫なのでしょう。

蹴る・転がす、踏む、あとは片足跳び、リズムをとる、
あとはせいぜい棒を立てるあたりで十分な気もします。

11点が完全な(満点の)右利き
で、以下右利きの程度がだんだんと低くなり、
22点がど真ん中で、
その後、だんだんと左利きの程度強くなり、
33点が完全な(満点の)左利きとなります。

最終結果を見ますと、

1 11、12、13点 194
2 14、15、16点 146
3 17、18、19点 117
4 20、21点 124
5 22点 164
6 23、24点 83
7 25、26、27点 121
8 28、29、30点 159
9 31、32、33点 110

大雑把に言いますと、
真ん中の中間の22点を除きますと、ほぼ「て」の字のような、
一番上(強い右利き)が最も多く、その後だんだんと減って、
下の方(強い左利き)が少し多くなる、といった傾向が見えます。

利き手の場合と同じような傾向です。


利き手と利き足や利き目は相関関係がある、といわれています。

アンケートの説明文中にも、1987年の調査結果が示されています。

「利き手が右の人では右足利きが多く、
 強い左利きの人では左足利きが多い」

28点以上を左足利き、と分類した場合

「左手利きの人:左足利き 41パーセント
 右手利きの人:右足利き 94パーセント」

右利きの人と左利きの人では、全く傾向が異なる、といいます。
このアンケートで中間の人が多かったのは、
その辺の傾向を反映している結果ではないでしょうか。

 ・・・

コメントにありました、
《キックボードに乗る時は右を軸にし、左で蹴》る、
《スノボもグーフィー》ということですが、
こういう場合はどうなのでしょうか?

「グーフィー」とは、スケートボードやスノーボードでの
スタンス(立ち方?)のことで、左足を前にして滑るのが、レギュラー。
その逆で、右足を前にして滑るのが、グーフィー。

ネットで調べますと、利き足で決める、利き目で決める、等々
色々な方法がありました。

私なりにいいますと、やってみるしかないということでしょう。
何から何まで完全な右利き、あるいは左利きという人は、意外に少なく、
だれでも多少は、逆の利きが入っているもののようです。

特に左利きの人では、中間的な人が結構います。
「人体の不思議」といってもいいのかもしれません。

 ・・・

――次回は、
 「第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト」
 (自己申告による利き手別の投票による利き足テスト)
 を紹介する予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「★600号までの道のり」は、お休みです。

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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [19] <左利きプチ・アンケート> 全公開(19)「利き手調査」番外 第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト」と題して、今回も全紹介です。

利き足といいますと――
足(脚で)を使うといえば、最初に浮かぶのが、蹴りですね。
ボールを蹴るといえば、サッカーが思い浮かびます。

サッカーは詳しくないのですが、
左利きで有名なサッカー選手といえば、海外では、アルゼンチン代表リオネル・メッシ選手、
日本の選手では、過去のワールドカップで大活躍の中村俊輔選手や本田圭佑選手、今年の大会では、堂安律選手が目に付きました。

野球では、ピッチャーが投球の際の後ろの脚を「軸足」と呼びます。
体重のかかった後ろの脚で地面を蹴り、同じ側の腕に持つ投球に力を与えます。
たいていの人は、「利き足」の方を使います。

で、利き足に関する科学的研究では、
ボールを蹴ったりするとき、体重を支える方の脚を「軸足」と呼び、蹴る方の脚を「利き足」と呼びます。
「軸足」=体重を支える「支持足」
「利き足」=ものに作用する「作用足」ともいいます。

このように、野球の「軸足」と同じ用語を使っても実態は違う場合があります。
気を付けましょう。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
『左組通信』復活計画<左利きプチ・アンケート>(19)第28回チャップマン利き足テスト-週刊ヒッキイ第634号
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私の読書論165-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前)総リスト&再読編-楽しい読書334号

2023-01-16 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」



例年のことですが、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 今年の一発目になります。
 今年も「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作物を指します。

 まずは、「再読編」から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 昔の感覚に間違いはなかった!? -
  ~ 私の年間ベスト3・2022フィクション系(前編) ~
  2022年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>候補作
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

今年は、冊数そのものは、例年に負けない50冊程度でした。
ただ、再読ものが多数(20冊)となりました。

そこで今年は、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

2022年は、コロナで中断していた本の整理を再開しようということで、
再読ものが増えました。
何十年ぶりかに改めて読み直して不要なものは処分する、ということで、
過去には聖域として除外していた本も、思いきって……。

そこで怪奇・恐怖もの(海外のホラー)をかなり読んでみました。
他にも推理小説(海外ミステリ)も読みました。


 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から」向けの本から――

・[再]『老人と海』ヘミングウェイ 高見浩訳
 新潮文庫 2020/6/24

・[再]『老人と海』アーネスト ヘミングウェイ 小川 高義/訳 
光文社古典新訳文庫 2014/9/11

2022(令和3)年7月15日号(No.322)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(1)
新潮文庫『老人と海』ヘミングウェイ(高見浩訳)」
2022.7.15
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(1)新潮文庫『老人と海』-「楽しい読書」第322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-0bc97e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a3c96264c4e3a66832a5f013d7dfd965

・[再]『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外 角川文庫 1967/2022

2022(令和3)年7月31日号(No.323)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(2)角川文庫『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外」
2022.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(2)
角川文庫『山椒大夫~』森鴎外-「楽しい読書」第323号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-b6a16c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/68c6961aff920da9831353e34d8a34e3

・『光の帝国 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2000/9/20(1997) 
・『蒲公英(たんぽぽ)草紙 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2008/5/20(2005)
・『エンドゲーム 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2009/5/20(2006)

2022(令和3)年8月31日号(No.325)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(3)集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」
2022.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸
-「楽しい読書」第324号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-8cf420.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5d442e3e2fd0fe6a283a313a5147da3d

・(再)『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン/著 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF ピープル・シリーズ 1978/7/1(1959)
・(再)『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン/著 宇佐川晶子, 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF 500 ピープル・シリーズ) 1982(1967)


『左利きを考える 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第624号(No.624) 2022/8/13
「2022年8月合併号―8月13日 国際左利きの日
 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY―」
2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号
-週刊ヒッキイ第624号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-54feef.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e993c67c3ad6bbfb1ae083afb30873aa
第625号(No.625) 2022/9/3
「2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)
左利きとアイデンティティ ~《ピープル》シリーズから考える」
2022.9.3
2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)左利きとアイデンティティ
-週刊ヒッキイ第625号

恩田陸さんの<常野物語>は、
ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズに触発された物語でもあり、
そういう意味で参考文献的に、この本も読みました。
そのまえに、私のもう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』でも、
少数派と差別、多様性といった面から取り上げていました。


「世界の十大(重大?)[小]恋愛小説」の試み のための本から――

・[再]『潮騒』三島由紀夫 新潮文庫 新版 2020/10/28

2022(令和4)年11月15日号(No.330)
「私の読書論162 x161 -小説の王道、それは恋愛小説か?(2)
ハッピーエンド型・悲恋型」
2022.11.15
私の読書論162-小説の王道-恋愛小説(2)ハッピーエンド型・悲恋型
-「楽しい読書」第330号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/11/post-f4ce33.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/02969a20ac7c9b91e9e8615f7da6ee3c

この企画は、
今年の「私の読書論」で、閑をみて書いていこうと考えています。

そういう候補作の一つでもあります。
これは、新版が出ているというので、読んでみました。
解説が「〔新解説〕重松清」に変わっているところが異なります。
本編はもちろん変わりません。


 ●(2)それ以外の古典の名作

これといってなし。
1950年代、60年代も今では古典ともいえますが、
自分の感覚としましては、つい昨日読んだ本のイメージがあって、
古典にはしづらいものがあります。

一つだけあげれば――

・(再)『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
 新人物往来社 新装版 1979

私の蔵書は、1979年の新装版ですが、元の版は1969年出版で、
吸血鬼ものの怪奇・恐怖小説(ホラー)の短編アンソロジーです。
その収録作には、ジョン・ポリドリ「吸血鬼」(1819)や、
レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」(1872)などの
古典と呼んでいい作品があります。

・(再)『妖怪博士ジョン・サイレンス』アルジャーノン・ブラックウッド
 国書刊行会<ドラキュラ叢書 第三巻> 1976

も、1908年刊のオカルト探偵もののホラー短編集
(<シャーロック・ホームズのライバルたち>の変種といったところ)
もありました。


 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

「勉強のため」といいますと、考え方により、何でも挙げられます。
特にこれ、というものはありませんでした。

<左利きミステリ>
・『探偵コナン・ドイル』ブラッドリー・ハーパー ハヤカワ・ミステリ
 2020

――「左利きの殺人鬼」として知られるジャック・ザ・リッパー
(切り裂きジャック)を、名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルが、
ホームズ流推理のモデルといわれる医学の恩師ベル博士、
同じく作家の女性マーガレットの三銃士で追いかける時代ミステリ。
・(再)『強盗プロフェッショナル』ドナルド・E・ウェストレーク
 角川文庫 1975

――2012年の<クリスマス・ストーリーをあなたに~>で紹介しました、
天才的犯罪プランナーにして職業的窃盗の第一人者、哀愁の中年泥棒
<ドートマンダー>ものの長編に登場する、
仲間の一人の甥の青年が抱く妄想の中のヒーローが左利き。

2021(令和3)年11月30日号(No.307)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-
「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク」
2021.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-「パーティー族」
-楽しい読書307号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-89135b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18c776f043925c645747d63c43d02f2c


 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
   ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

<海外ミステリ>
・(再)『リリアンと悪党ども』トニー・ケンリック 角川文庫 1980
・『マイ・フェア・レディース』トニー・ケンリック 角川文庫 1981
・『バーニーよ銃を取れ』トニー・ケンリック 角川文庫 1982

・『暗くなるまで待て』トニー・ケンリック 角川文庫 1984
・『俺たちには今日がある』トニー・ケンリック 角川文庫 1985

――トニー・ケンリックは、1974年『スカイジャック』という、
ジャンボ機ともども300人超の乗員乗客を誘拐するという
とんでもないアイデアをひっさげて登場した作家。
その後ボチボチと新作が刊行され、私も次々と買いました。
でも初めの3作は読んだものの、それ以後は買っただけで積ん読でした。
今回、蔵書整理の一貫でまとめて読みました。やっぱりおもしろい。
コメディタッチのサスペンスものから、冒険ものに移行しています。

・(再)『マンハンター』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1978
・『ハメット』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1985

アメリカの元探偵会社の探偵出身という経歴のハードボイルド系作家。
前者は、金持ちのお嬢さんを麻薬中毒に引き込んだ連中を罰するべく
活動する、しがない私立探偵の物語。その仕掛けがすごくて、かつ……。
後者は、同じく元探偵で作家となったハードボイルド系作家ハメットを
主人公にしたハードボイルド・ミステリ作品。

・(再)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ ハヤカワ文庫NV
 1981
・(再)『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
 扶桑社ミステリー 1998


――ヒョーツバーグも、時折、意外な仕掛けのミステリを発表する。
前者は、オカルトもので、後者も一部オカルトがらみで、
コナン・ドイルのアメリカ公演旅行中の事件を描く。
ドイルと共に脱出王ハリー・フーディニが探偵として活躍し、
のちに作家となる新聞記者デイモン・ラニアン、
そしてドイルにしか見えない存在としてポーの亡霊が現れる、
など有名人たちが登場する。

・『タラント氏の事件簿』デイリー・キング 創元推理文庫 2018
――1930年代の短編集。<ホームズのライバル>ものとして読んでみた。
・『サム・ホーソーンの事件簿II』エドワード・D・ホック
 創元推理文庫 2002
――1000編もの短編ミステリを書いたと言われる著者ホックの
田舎医者の名探偵ぶりを描く本格謎解き時代ミステリ第二弾。
・『オクトーバー・リスト』ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫 2021
――事件の終わりから逆に遡って描くという大逆転発想のミステリ。
・『木曜殺人クラブ』リチャード・オスマン ハヤカワ・ミステリ 2021
――老人テーマの小説。養老院のクラブの一つ探偵クラブのメンバーが、
経営者の一人が殺されるという実際の事件を解決に導く物語。
各人の過去が織り込まれた物語が読ませる。

・『祖父の祈り』マイクル・Z・リューイン ハヤカワ・ミステリ 2022
・『父親たちにまつわる疑問』マイクル・Z・リューイン
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2022


――マイクル・Z・リューイン生誕80周年記念出版のうちの新作二冊。
前者は、コロナ禍を思わせるパンデミック下の近未来アメリカを舞台に、
妻と娘の夫を亡くした祖父が、娘と孫の少年を守り抜こうとする物語。
後者は、心優しき私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作、
エイリアンだと自称する青年にまつわる事件、連作四中編。

・(再)『世界ショートショート傑作選1』各務三郎/編 講談社文庫
 1978
――海外作家による、<クライム&ミステリー>、<怪奇&幻想>、
<コント>の三部からなるショートショートの傑作アンソロジー。

<SF>
・(再)『世界SFパロディ傑作選』風見潤、安田均編 講談社文庫 1980
――海外作家によるSFのパロディ短編アンソロジー。

<怪奇/恐怖小説(ホラー)>
・(再)『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
 ハヤカワ文庫NV 1980
――吸血鬼の短編アンソロジー。古典から1970年代の現代ものまで。
・(再)『きみの血を』シオドア・スタージョン ハヤカワ・ミステリ 1971
――吸血鬼ものの変種。意外な青年のラブ・ロマンスもの。
・(再)『鳥』ダフネ・デュ・モーリア ハヤカワ・ミステリ 1963

――表題作はヒッチコックの映画の原作で、鳥が人を襲うというホラー。
家族を守り抜く父親/夫の活躍。他に二作の心理ものホラー収録。

・(再)『地球最後の男』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977
・(再)『縮みゆく人間』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977
・(再)『地獄の家』リチャード・マシスン ハヤカワ・ノヴェルズ 1972
・『ある日どこかで』リチャード・マシスン 創元推理文庫 2002

――リチャード・マシスンは、近年再評価の動きがあるという
アメリカのSF系ホラー作家。『地球――』は吸血鬼もののSF。
『縮みゆく――』は身体が徐々に縮んでしまうという人間の冒険物語。
『地獄――』は幽霊屋敷ものに科学を持ち込んだ本格サスペンス。
『ある日――』は時間旅行による恋物語。

・(再)『ロイガーの復活』コリン・ウイルソン ハヤカワ文庫NV 1977
――『賢者の石』以前の「クトゥールー神話」ものの中編。
・(再)『怪奇な恋の物語』ヘンリー・クレメント ハヤカワ・ノヴェルズ
 1970
――不調の青年画家が田舎の屋敷で出会った戦争で死んだ少女の幻影。
・(再)『闇の展覧会1』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982
――キングの短い長編「霧」を含む怪奇恐怖小説のアンソロジー一冊目。
・(再)『闇の展覧会2』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982
――SFやファンタジー系などの作家によるオリジナル・アンソロジーの2。

<国内ミステリ>
・『リラ荘殺人事件』鮎川哲也 角川文庫 2016
――芸大学生の連続殺人事件の謎を解く本格推理小説。
・『硝子のハンマー』貴志祐介 角川文庫 2007
――テレビドラマ化もされた「防犯探偵・榎本」シリーズの傑作長編。
・『しのぶセンセにサヨナラ』東野圭吾 講談社文庫 1996
――「浪花少年探偵団」シリーズ第二弾、休職中のセンセの事件簿。

<その他一般小説>
・『下町ロケット ガウディ計画』池井戸潤 小学館文庫 2018
・『下町ロケット ゴースト』池井戸潤 小学館文庫 2021

――池井戸さんは、2019年の新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェアで
『陸王』を読んだのが最初で、図書館でこのシリーズ作が並んでいて
『下町ロケット』から順に。私は工業高校の機械科卒なので級友にも
町工場の息子がいたりして、必ずしも他人事でもなく、楽しめました。

2019(令和元)年7月31日号(No.252)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から」
2019.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から―『陸王』他
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/07/post-e5f434.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f113ad87a21f783d36d0d35c255ab158


 ●<再読ベスト3>の候補

再読24冊、初読21冊というところでしょうか。
他にもあるのですが、ヒ・ミ・ツということで。

今回は<再読ベスト3>を、と考えていたのですが、
詳細なリスト作りに手を取られ、その紹介ができませんでした。
次回に<初読ベスト3>ともども紹介します。

最後に、<再読ベスト3>の候補の書名のみあげておきます。

『果てしなき旅路』『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン
『マンハンター』ジョー・ゴアズ
『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
『縮みゆく人間』『地獄の家』リチャード・マシスン
『鳥』ダフネ・デュ・モーリア
『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
『闇の展覧会1・2』カービー・マッコーリー/編

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★創刊300号への道のり はお休みです
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本誌では、「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年は、コロナ禍で滞っていた蔵書整理の再開で、初読よりも再読本が多くなりました。
読み直して、やはり残しておくべきか否か判断しよう、というわけです。

昔から好みが変わっていたり、価値観の変化が起きているのか等、再確認しています。

案外、好みに変化がなかったものでした。
また当時どうしてこの本が気になっていたのか分からなかった点が今回の再読で理解できた、という経験もありました。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論165-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前)総リスト&再読編-楽しい読書334号
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2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)-週刊ヒッキイ第633号

2023-01-08 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第633号 別冊編集後記

第633号(No.633) 2023/1/7
「2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第633号(No.633) 2023/1/7
「2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 遅くなりましたが、明けましておめでとう。
 旧年中はお世話になりました。
 本年もまた一年よろしくご精読のほどお願いいたします。

 さて新年早々ですので、軽く放談ということで。

 今年も第一土曜日の発行分では、
 左利きと音楽(楽器演奏)について考えていこうと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ――2023年新春左利き放談――
  左利き楽器演奏:左右平等理想社会の指標として
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左利き用楽器の普及度が左利き差別のバロメーター

昨年も、
「左右平等理想社会の指標としての楽器」という放談を書いています。

・第611号(No.611) 2022/1/15
「2022年新春左利き放談2――左右平等理想型社会と楽器」
・2022.1.15
2022年新春左利き放談2―左右平等理想型社会と楽器-週刊ヒッキイ第611号
(「新しい生活」版)


《左右平等社会の指標は楽器》と書きました。

1970年代「左利き友の会」を主宰された
左利き解放運動の活動家でもあった、精神科医の箱崎総一先生の著書

『左利きの秘密』(立風書房マンボウブックス 1979)に


 《左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、
  左利きの人たちがなんら苦痛を強いられることなく
  生活していけるときである。
  それをはかる物指しは、結局、
  左利きのための道具・器具の普及度である、と私は考える。》

といい、続けてこう説明されています。

 《たとえ人々の頭の中から
  左利きに対するあやまった考えがなくなったとしても、
  それだけでは左右同権の社会とはいえないのだ。
  左利きの人たちが
  右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしているかぎり、
  真の解放はありえないのだ。/
  こうしたことを考えるとき、わが日本の左利きにとって
  まだけわしい前途が横たわっているといわねばならない。》


「左利きのための道具・器具の普及度」という観点から
楽器について考えてみますと、
左利き用の楽器で普及しているものといえるのは、
ギターの類いのみでしょう。

これはほとんど左利きのための世界にはなっていない、
というのが現実だ、ということです。

他の分野ですは少しずつ改善されているとはいえ、
この分野では、遊びにしろ趣味にしろ全くといっていいほど、
左利き演奏が認められていない状況ですから、
ましてやプロの世界では……。

こういう現実があるという事実にすら気付いていない、
そういう人が多いのではないでしょうか。

まずはここから始めていかなければなりません。


 ●心に届く音楽のためにすべきこと

いつも書いていますように、私の持論は、
「利き手は心につながっている」
です。

音楽(楽器演奏)は芸術であり、心の表現です。
それならば、心につながる利き手で演奏すべきでしょう。

実際に、世の右利きの人たちはみなそうしています。
ところが、左利きの人たちの多くは、それができないままです。

こんな名言があります。

 《音楽は心で生まれ、心に届かなければ意味がない。
   セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)》
    『教養としての世界の名言 365』p.386

その通りです。
音楽は心に届かなければ意味がないのです。

心で生まれるためには、心につながっている利き手で演奏し、
音楽に心を込めなければ、相手の心にも届きません。

だからこそ、左利きの人は左手で弦を弾くべきなのです。
左手主体で演奏するべきなのです。

今までは、左利き対応の楽器がなかったので、できませんでした。


過去にいい結果が出せなかった人は、考え直しましょう。

自分の技術が下手で演奏が悪かったのではなく、
そもそも自分に合った楽器ではなかった、という可能性について。

自分の身体に合った楽器で再チャレンジしてみましょう。

そんな楽器がない、って?
それじゃあ、作ってもらいましょうよ。


不都合があるならば、まず当事者が声を上げるべきです。

物事をはじめから知っている人もいれば、
教えてもらって気付く人もいます。

知らない人には教えてあげましょう。
みんなが暮らしやすい世の中に変えてゆくために。

*参考:
『教養としての世界の名言 365』佐藤 優/監修 宝島SUGOI文庫
2021/11/5


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「★600号までの道のり」は、お休みです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)」と題して、今回も全紹介です。

一年間毎月、左利きと音楽(楽器演奏)について考えてきました。
色々ネット上で情報を探してみましたが、なかなか思うようなものに出会えませんでした。

情報がないというより、そもそも「左利き(に対応した)演奏」という概念そのものが見いだしにくかった、というべきでしょうか。

楽器を左利きで演奏しようという考えそのものに出会えることが少なかったのです。

他の左手・左利き用品の場合と同じで、道具はみな「右手で使うのが当たり前」的な意識が「常識」としてあります。
これが楽器の世界――演奏の世界においても、厳然として存在するのです。

「右利きの人だから右手で、左利きの人だから左手で」というのが、左利きの私の「常識」なのですが、世間ではそうではないのです。

少しずつ左利きを取り巻く環境はいい方向に変化してきた、というのが昨今の左利きを取り巻く状況でした。
ところが、こと楽器の世界に関しては、ギター等の一部の楽器をのぞきますと、全く無視されてきた、というのが現実です。

(一つの例を挙げておきます。
 「両手・両腕を使うから左右平等じゃないか」と思われているピアノ等の鍵盤楽器では、右手・右腕の動きに対応した音階の配列――右側に行くにつれて高音になる――になっています。
 これは、右腕の動かしやすい方向になっています。右腕は右に引くように動かすのが自然な動きなのです。
 一方、左腕は左側に引くように動かすのが自然な動きです。
 そして、人は、低音から高音への展開には心が高揚し気分がよくなり、逆に高音から低音への展開には心が沈むように感じるものです。
 このように、右利きの人が演奏するのに心地よい構造になっているのです。)


[画像] 左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏している
クリストファー・シード(Christopher Seed)さん
Left-Handed Piano
https://youtu.be/uIgO4LqvU-0


[画像] 左利き用のフルートって右手すごい疲れそう...(<フルート 吹奏楽垢> 2014.11.19twitter より)
(第622号(No.622) 2022/7/2「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(5)フルート演奏の右左」で紹介)


[画像] 《単段の鍵盤楽器左右平等方法を考えてみました(妄想してみました(^_^;))》
2022年04月05日 妄想楽器?(^_^;)
https://plaza.rakuten.co.jp/gabochan2007/diary/202204050000/
右側――右手・右腕パートは、通常の右利き用の左から右へ音階があがっていく鍵盤。
左側――左手・左腕パートは、それとは正反対の右から左へ音階があがっていく鍵盤。
これを真ん中の低い方の「ド」音をはさんでドッキングしたもの。
(第618号(No.618) 2022/5/7「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(3)左右合体型鍵盤の提案」で紹介)

まあ、改めて今年も、この楽器の世界における左利きの戦いを継続して行くつもりです。
是非とも応援を、よろしくお願いいたします。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)-週刊ヒッキイ第633号

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明けましておめでとうございます-2023(令和5)年

2023-01-04 | Weblog
(三日になってしまいましたが、)
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年はお医者通い二年目となり、薬がまた一種類増えましたが、なんとか「やれやれ」状態です。
健診の結果は、一応は異常はなく、「健康」でありました。
ただし、糖尿病の数値(空腹時血糖値、HbA1c)が「要注意」状態でした。

他には、昨年もまた、やり残したこと山積みです。
でも、私のメルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』年内最終発行の

・2022(令和4)年12月31日号(No.333)「私の読書論164-
 私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」

・【別冊 編集後記】2022.12.31
私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後)『生きがい』他-楽しい読書333号
(「新しい生活」版)

の冒頭にも書きましたように、

《やり残したこともたくさんありますが、
 まずは、やり遂げたこと、やり通せたことを思い返し、
 自分を褒めてやりたいものです。》

というわけで、
メルマガを二誌一年完遂ということで、これは褒めておきましょう。

昨年を漢字一文字で示しますと、何はともあれ「やり通した」という意味で、
「通」
でしょうか。

あるいは、「生き延びた」という意味で「延」でしょうか。
人生の「延」長戦で、なんとか結果を出せれば、というところです。

さて、今年の抱負としましては、
「勝負はここからだ!」
としておきましょう。

2022(令和5)年1月3日
レフティやすお <(_ _)>

(画像:2023(令和5)年の年賀状より)

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
明けましておめでとうございます-2023(令和5)年
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私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後)『生きがい』他-楽しい読書333号

2023-01-01 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2022(令和4)年12月31日号(No.333)「私の読書論164-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年12月31日号(No.333)「私の読書論164-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 今年もいよいよラストになりました。
 やり残したこともたくさんありますが、
 まずは、やり遂げたこと、やり通せたことを思い返し、
 自分を褒めてやりたいものです。

 「私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)」です。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」のその前編から。


 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 人生を考え、哲学する人のための人生談義 -
  ~ 私の年間ベスト3・2021リアル系(後編) ~
 『生きがい』『哲人たちの人生談義』『「空気」を読んでも従わない』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●まず候補から――『ロウソクの科学』

今年は本当に読んでいる冊数が少ないので、
いきなりですが、早速「ベスト3」を挙げてしまいましょう。

前回ラスト、候補を挙げておきました。

・『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業』荻野弘之 ダイヤモンド社
・『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎 新潮文庫
・『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』鴻上尚史
 岩波ジュニア新書
・『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
――(現在進行形で読書中の本ですが、入れておきます。)
・『ロウソクの科学』ファラデー 岩波文庫

古典的名著といえば、なんといっても最後の『ロウソクの科学』です。
これはやはり一度は読んでいて欲しい本といえましょう。

特に現代でも科学的思考のできない人が多いように思います。

例えば、新型コロナに関しても、
科学的思考から外れたような解説? 意見? を述べる
メディアのコメンテーターがいたりしました。

当初、全く正体不明な病気でした。
しかし、徐々にその真実の姿が明らかになってゆきました。
それでも分からないことがたくさんあり、
例えば、当初の従来種では、日本人の感染が少ないのとBCGの関係や、
人種の違いに原因があるのでは、とか色々言われました。
実際今でも分からないことが色々あります。

ワクチンに関してもそうです。
今私たちが接種しているワクチンは、
従来のものとは全く違う種類のワクチンです。
そういう意味ではもっと長いスパンでみていかなければ、
その影響がどのようなものとなるかは分からない、といえるでしょう。

しかし、これも科学的にみていかなければ、意味がありません。

では、科学的思考とはどういうものでしょうか。

それを教えてくれるのが、この『ロウソクの科学』です。
ロウソクの燃焼という日常的な題材で、
科学的にものを考えていくとはどういうことかを
順を追って紹介してくれます。


 ●人生論という哲学書

それ以外の候補は、基本的に人生論といったものです。

『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業』と
『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』は、
ローマ時代の後期ストア派の哲学者たちの著作を扱ったものです。

特にエピクトテスを扱ったものが、近年、増えています。

『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』と
『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』は、
前者は、脳科学者からみた日本人の生き方論を英語で書いた小著の翻訳、
後者はジュニア向けの日本的な悩みの解消法を説いた生き方論です。


 ●<私の年間ベスト3・2021リアル系>

今年はとにかく本を読んでいませんので、
数少ないなかでのベスト3です。
でも、前回も書きましたように、まさに少数精鋭で、
ベスト3候補はみな、かなりのハイレベルの争いでした。


(3)『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』
 鴻上尚史 岩波ジュニア新書 2019/4/20
―まわりの「空気」に惑わされず、自分らしく生きる方法を説く。

「はじめに」にこうあります。

 《よりいい生き方を見つけ、楽になるために考えるのです。/
  ですから、あなたの生き苦しさのヒミツも考えるのです。》p.vi

日本では、まわりに合わせることを強要される、といいます。
「同調圧力」という言葉は、このコロナ禍でもよく聞きました。

だれでも人なら、まわりに、世間に決められたくない、
という思いがあるものです。
それでも、それを世間が許してくれない、というムードがあり、
そこで自分を失ってしまい、結果的に生き苦しくなってしまう……。

まあ、そういう状況から逃れるための方法を教えてくれる本です。

まずは、自分を大切にすることが大事です。
自分の人生を決めるのは、自分。

実際には、他人は自分が考えているほど、
自分のことを気にしてはいない、という事実があるのです。
「世間」も同じで、大半は自分の「思い込み」だといいます。

そうはいっても、「世間」はなかなか変わらないものでもあります。
そういう「世間」を変えるためには、
小さな戦いを続けていくしかないのです。

 《「世間」はなかなか変わらないと悲しむのではなく、
  変わらない「世間」のルールをうまく使って戦うのです。》p.139

そして、

 《あなたの戦いは、あなただけの戦いではない。(略)
  あなたの「世間」や「空気」との戦いを心から応援します。》p.189


私も、もう一つのメルマガにおいて、左利きの問題で戦っています。
小さな戦いですが、もう何十年か、
メルマガだけでも18年ぐらい続けています。

いつの日か、この戦いに勝利する日を夢見て!


(2)『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
2022/7/21
―近年の哲学者が話題にしない「幸福とは何か」を古代ストア派の哲学者
 ――エピクテトス、セネカ、マルクス・アウレリウス等の言葉から
 <よく生きる>を哲学する。

「序章」冒頭、
 《哲学者が幸福について語らなくなって久しい。》(p.2)
といい、
 《巷には幸福になるための自己啓発本が溢れかえっているが、
  現今の哲学者は概して幸福論を語りたがらない。》(同)
と続け、
三木清の『人生論ノート』の「幸福について」から引用しています。

この文章は昭和13年(1938)頃のもので、
今の哲学界においてもそれほど変わっていない、といいます。
しかし、
 《古代の哲人たちは人生談義を幸福論から始めることが多かった。》(同)
と。

 《幸福の追求は過去の多くの哲学の出発点であった。》(p.4)
とも。

こうして、ヨーロッパにおいて長きにわたって読み継がれてきた
ストア派の哲人たちの著作から人生論的な哲学思想を紹介しています。

 《古代の哲学を学びたい人は
  プラトンやアリストテレスの書物を読むだろう。
  しかし、人生論といえば、ローマ時代のストア派の哲人の書物を
  繙くことが多い。それはなぜかと言うと、
  哲人たちの言葉が私たちの心の琴線にふれるからであろう。》(p.208)
と。

例えば「死」について――

 《人びとを不安にするのは、
  事柄ではなく、事柄についての思いである。
  例えば、死はなんら恐るべきものではなく――そうでなければ、
  ソクラテスにも恐ろしいと思われたであろう――、
  むしろ死は恐ろしいものだという死についての思い、
  これが恐ろしいものなのだ。》『要録』5 [下巻 364頁](p.172)

『要録』とは、
奴隷の子に生まれた元奴隷で、のちに解放され哲学者となった
足の悪いエピクテトス(後50年年頃-135年頃)、
その弟子のアリアノス(後86/90頃-175頃)が残した著作の二点のうち、
講義の内容を著作にまとめたものが『語録』と呼ばれ、
その思想の要約の方が『要録』と呼ばれるもので、その後者をいいます。

 《エピクテトスが哲学に求めたのは、
  「人はいかにして精神の自由を得ることができるか」
  という問いに尽きている。》

それは『要録』の冒頭にある、

 《物事のうちで、あるものはわれわれの力の及ぶものであり、
  あるものはわれわれの力の及ばないものである。(略)
  そして、われわれの力の及ぶものは本性上自由であり、
  妨げられも邪魔されもしないが、われわれの力の及ばないものは
  脆弱で隷属的で妨げられるものであり、本来は自分のものではない。
  『要録』1 [下巻 360頁]》(pp.101-102)

この一文に集約されます。

自分の力でコントロールできるものとできないものに分けて考えろ、
というのです。

多くの人が言い、実践していることです。

*エピクテトス『人生談義』(上下) 國方栄二/訳 岩波文庫
(上巻=『語録』第一・第二巻
 下巻=第三・第四巻、断片、『要録』を収録)
『エピクテトス 人生談義 (上)』岩波文庫 2020/12/17
『エピクテトス 人生談義 (下)』岩波文庫 2021/2/18

*参照:『要録』に関して、「ベスト3」候補の一冊――
『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業
 ――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために』荻野弘之
  かおり&ゆかり/漫画 ダイヤモンド社 2019/9/12
―漫画と共に、元奴隷の哲学者エピクテトスの哲学を解説する。



(1)『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎
 恩蔵 絢子/訳 新潮文庫 2022.5.1
―脳科学者が英語で世界に向けて出した日本人の生き方をめぐる小著。

西欧でブームになっていたという<IKIGAI>を
日本人から説明して欲しいと、
茂木健一郎さんが英語での本をオファーされ、
2017年にロンドンで出版された

 THE LITTLE BOOK OF IKIGAI:
  THE ESSENTIAL JAPANESE WAY TO FINDING YOUR PURPOSE IN LIFE

の日本語訳の文庫版。

日本の本質を知るためには、一度日本を離れ外から見る必要がある、
英語で書くことはその一つの方法である、というのです。

こうして書かれた内容は、寿司、大相撲、雅楽、伊勢神宮、コミケ、
アニメ、ラジオ体操といった、現代日本の様々な日常を取り上げながら、
<生きがい>という概念を分析、それらを通して見える、
日本人の生活と文化といった日本らしさと、
日本人の生き方について追求し、幸福に生きる方法を考える本。

冒頭に<生きがい>に大事な五本柱として、

 柱1:小さく始める 
 柱2:自分を解放する
 柱3:持続可能にするために調和する
 柱4:小さな喜びを持つ
 柱5:<今ここ>にいる

 《それぞれの柱は、<生きがい>が花開くための支えとなり、
  <生きがい>の基礎を作るもの》(p.12)

だといいます。

<生きがい>についての研究論文(曽根ら『日本における、
生きるに値する人生の感覚(IKIGAI)と死亡率の関係:大崎研究』2008)
によりますと、

 《<生きがい>を持っていることは、
  幸せで活動的な人生を築くことができる
  と感じる精神状態にあることを指す、と言えそうだ。》(第一章p.24)

といいます。

 《<生きがい>は、あなたに頑張る力をもたらし、
  あなたの人生に目的を与えるものである。》(同p.25)

と。

<生きがい>は、自分の専門分野で成功をおさめている人でなくても
使うことのできる言葉であり、《どんな人にも開かれている》もので、
《生き方の多様性を讃美している、とても民主的な概念》だ(p.19)、と。

 《<生きがい>とは、自分にとって意味がある、人生の喜びを発見し、
  定義し、楽しむということにつきる。》(p.29)

この本で自分の人生を見直し、<生きがい>が与えてくれる
健康や長寿についてのヒントを得られる、と。

以下の二つの質問に答えることで、

 《もっと幸せで、もっと実り多い人生にするために、
  あなた自身の<生きがい>を見つけよう。》(同p.30)

・あなたが心の中で一番大事にしているものは何か?
・あなたに喜びを与える小さなことは何か?


さて、あなたにとっての<生きがい>とは何でしょうか。

私の場合は、このメルマガ(ともう一つのメルマガ)でしょうか。

とにもかくにも、このメルマガが300号超、もうひとつの方がが600号超、
10年以上続けています。

何かしら自分に「生きる力」を与えてくれています。
(これもひとえに、読者の皆様の存在のお陰ですけれど。)
「自分のために、(かつ)誰かのために」という。



 ●私の年間ベスト3・2021年〈フィクション系〉ベスト1――

今年のベスト1は、やはりこれでしょう。

小著にこそ価値がある、といいますと、言い過ぎな感じですが、
簡潔にまとめるという面からいいますと、
やはり小著が優るという気がしませんか。

小説より詩、詩の中でも短詩系の究極的な短歌や俳句となりますと、
簡潔にズバリとポイントを押さえている表現になります。

で、一見そのようでありながら、
一語一語に創造力の広がりがある表現にもなっています。
読む人それぞれに受け止め方が変わってきます。
自分で想像する余地も生まれてきますよね。

小著には、そういう部分もあります。
要点を押さえながらも、
読者自身が過去の経験に照らして、読み取れる部分が。


うすっぺらい本だと何かしら頼りない印象があるでしょうね。
分厚い本で活字がぎっしり詰まっている本は、
確かに充実感があり、頼りがいがあるように思えます。

しかし、その分読み終えるのに、ハードルが高くなります。

どんなにいい本でも、最後まで読み終えなければ、価値は半減します。

一冊通して書かれたものですから、
部分だけでは理解できなくても当然でしょう。

ポイントだけ拾い読めばいいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どこを読めばいいのか、などということは、
実際に読み込んでみないと分かりませんよね。
どこに大事なことが書かれているか、読んでみないと分かりませんから。


なにしろ、小著には、まず一番に、
とにかく、早く読み終えられる、という利点があります。

多少読みづらく感じても、一息ガマンするだけで読み終えられます。
読み終えてみれば、あれこれいいところが見つかり、読んでよかった、
という気になれるでしょう。

ムダな文章が少なく、
ポイントだけを取り上げて書かれていることが多いので、
要点を取りやすい、というのも小著の利点です。

例を挙げて説明するのは、一見わかりやすそうに思えますが、
ポイントのずれた例だったりすると、マイナスにしかなりませんし、
適切な例でなければ、話がまわりくどくなったり、
冗長になってしまうこともあります。

念のためにと例外事項まで羅列した結果、
ムダに話の展開が間延びすることもあります。


要点だけを順序よくまとめられた小著を読むのが、
一番手っ取り早いものです。

物事を初めて勉強するときも、
微に入り細を穿つような、すべてを網羅したゴッツイ教科書より、
ますは、小著を読んでみましょう。
ポイントだけをコンパクトに押さえた本で、
全体像のイメージを知ってから個々の部分に進んで行くのがベストです。


そこで、この『生きがい』という、
薄っぺらい本を
「私の年間ベスト3・2021年〈フィクション系〉ベスト1」
に挙げておきましょう。


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 (1)『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎
      恩蔵 絢子/訳 新潮文庫 2022.5.1

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 ★創刊300号への道のり はお休みです

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本誌では、「私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年はとにかく数を読んでいないので、まさに少数精鋭の中からの「ベスト3」ですので、意外にレブエルは上がっているようです。

騙されたとおもって一度読んでいただきたいものです。

で、今号で創刊以来333号となりました。
東京タワー到達です。
次は、スカイツリーの634号を目指します!

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後)『生きがい』他-楽しい読書333号
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