レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

左手で字を書く左利きに優しい伝統的!縦書き幼児向けひらがな練習本

2019-12-30 | 左利き
今年の忘れ物第二弾。


今年知った、左利きの子に優しい――左手で書きやすそうな、幼児向けのひらがな練習の本をいくつか紹介しましょう。

従来紹介してきたものは、

『ひらがなれんしゅうちょう』小野村 哲 (著), 特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所 (編集), 平石 哲 (イラスト)


ぐらいでした。

*参照:『お茶でっせ』2013.10.29
左手書き(左利き)に適した『ひらがなれんしゅうちょう』

日本語の伝統通りの右縦書きで展開されていますので、左手書きのハンディキャップがありません。/文字の構造や書き方の説明、練習の進め方など内容的に優れていても、肝心かなめのこのポイントが押さえられていなければ、左手書き(左利き)用としては不向きな練習帳となり、文字の練習になりません。
と、書いていますように、
左利きの子の場合、「左手で書きやすいかどうか」がいちばんの課題です。


(画像:練習ページ―Amazonより)

最近の文字練習帳には、一応、伝統的な縦書きの体裁になってはいても、肝心の練習部分では、右手で書きやすいように、

左上側にお手本の字、練習スペースは左から順に

「なぞる」マス目 →「けい線付き」マス目 →「白紙」マス目

となっている
ものが増えています。

右利き右手書きの場合は、これならお手本を見ながらなぞり書きし、次に先に書いたものを見ながらけい線付きのマス目、白紙のマス目と書くことができ、流れに沿って練習できるので非常に便利です。


逆に言いますと、左利き左手書きの場合、こういうものを利用しますと、ペンを持つ手でお手本が隠れたり、先に書いた字が隠れたりで、続けて練習していても、一回一回の勝負になり、上達しづらいものになります。

(私が「伝統的」にこだわる理由は、「伝統」の名のもとに、「左使い」を否定する人たちがいたからです。
 たとえば「日本の伝統では、字は右手で書くもの、箸は右手で使うものです」といった考え方です。
 そういう人たちは、最近の上のような右手書き対応の練習帳を否定してくれるのでしょうか?)


そこで、左利きのお子さんのための練習ドリルとしては、左手書きにふさわしい筆記順を採用しているものを探す必要があります。

下に紹介します商品は、どれもネットで確認しただけですので、全ページの内容まではわかりませんが、大体のところは使えそうです。


(1)『特別限定版 3~4歳 はじめてのひらがな (特典つき) (学研の幼児ワーク)』 学研プラス (2019/3/12)


◆セット内容◆
【1】『3~4歳 かいてけせる ひらがな 新装版』1冊
【2】特製ホワイトボードマーカー(3本)
【3】ひらがなおけいこプリント(4ページ)
【4】はじめてのお手紙シート(2種)


ホワイトボードのような練習帳で繰り返し練習できるというのがいちばんの売りでしょう。


(2)『6歳 くせのないきれいな字になるひらがなれんしゅうちょう 学研の頭脳開発』学研プラス (2014/3/25)


ていねいなポイント説明と「よくない例」がある
という点と、
最初のページでしっかり練習→次のページで練習成果チェックという2段階ステップ
というところが売りでしょうか。

レヴューに
一年生の左利きの娘に購入しました[..]やり始めてから字がグングン上達していきました。
とあります。

 ・・・

どちらの本も学研のもので、練習ページの画像に、右から順に

「白紙」マス目 ←「けい線付き」マス目←「なぞる」マス目 

となっている
ものがあり、

この点、伝統的な右から左への縦書きで構成されていて、左手書きにふさわしいものになっています。

(1)






(2)






(画像:表紙、練習ページ―Amazonより)

(3)『ユーキャンの正しくきれいに! かきかたれんしゅうちょう【ひらがな・カタカナ・すうじ】』和田 康子 (著) U-CAN (2014/7/18)


「ひらがな」「カタカナ」は1ページで1字
◆手書き文字のお手本だから、きれいな字形がわかりやすい!
◆1枚ずつはがしても使えて、書きやすく練習しやすい!
◆ていねいに書く練習を重視した、3ステップのオリジナルフォーマット!


というところが売りでしょうか。

「練習しやすい工夫がいっぱい! 」の「(3)手で隠れない位置に書き順を表示」とあります。

お手本や書き順の表示は上側にあり、右から順に一画目から左へ進んでいます。

「四画目」←「三画目」←「二画目」←「一画目」


これなら、左手書きにもちょうどよいものになります。






(画像:表紙、練習ページ―Amazonより)


*参照:【大人のための左利き・左手書きペン字練習帳】

岡田崇花『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』ブティック社・ブティックムック


*参照:
2018.11.26
岡田崇花先生リベンジなる!『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』を買う 2018.10.24
『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』10月18日発売
『お茶でっせ』
『新生活』



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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左手で字を書く左利きに優しい伝統的!縦書き幼児向けひらがな練習本
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(再配信)2005.11.5 第6号から「左利き用品は…」―左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii562号

2019-12-30 | 左利き
―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第562号 別冊編集後記

第562号(No.562) 2019/12/28
「(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は……」



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第562号(No.562) 2019/12/28
「(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は……」
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(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は子供を甘やかす?
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以下の文章は、
2005年11月5日にアップしたメルマガ第6号です。

本文

▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

を紹介します。


今回も、表題を含めて。


↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


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左利きで生きるには
(レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
週刊ヒッキイhikkii

世界の片隅で左手と左利きを考える

><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><

    第6号(No.6) 2005/11/5
     「左利き用品は子供を甘やかす?(1)」

============================================================

左利きで生きる、ってどうなんだろう?
世界の片隅で左利きと左手使いの問題を考えるレフティやすおが、
自らの左利き体験を基に左利きの人の生活の実態を語る、左利きを
メインテーマにしたホームページ『レフティやすおの左組通信』か
ら、左利きで生きるための実用メールマガジンを発行します。
左手や左利き、利き手に興味のある人、左利きの人、左手が利き手
でない人のための、左手・左利き生活にまつわるお話満載のメルマ
ガです。 

------------------------------------------------------------

─目次―
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
  ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす? 
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

 ■マイ・ファースト・レフティ・グッズ■ 読者のお便り募集中
 ●レフティやすおのサイト案内●・・更新情報・・
 ▼次号案内▼
 ▼バックナンバーの閲覧▼
 ●レフティやすおの編集後記●

============================================================

 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

 ◆左手用はさみを使かわせるべきか◆

「―その6―左利きの子にやさしい環境を整えよう」でお話したよ
うな、幼いうちから左利き用品を与えることに不安を抱く親御さん
も稀に見受けられます。

一歩家の外に出るとそこは左手・左利き用品のない右利きの社会。
左手・左利き用に慣れた子では右手・右利き用を使えず、苦労する
だろう。
常に自分用に左手・左利き用品を持っていなければならないのでは
ないか、という心配です。

そこで、家でも左手・左利き用を与えずに右利き用に慣らさせる、
というのですが…。

 ◆「レフティサーブ」に寄せられた意見◆

2005年6月14日発行の「レフティサーブ[90号]左利き用ハ
サミ」でも、次の意見が紹介されていました。

/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\

 ※ 左利きからみた気づきのエッセイ「レフティサーブ」
  http://www.mag2.com/m/0000116367.html
  バックナンバー > No.090 2005年06月14日号 

\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/

■ 「左利き用ハサミ」に関して

  「小さい頃から左用のはさみを与える事に疑問がわいてきまし
  た。
  それに慣れると一生左手用はさみしか使えなくなる可能性があ
  ります。

  左手用はさみで軽やかにサクサク切るのと、
  右手用はさみでサクサク慣れてしまうのとどちらがよいのでし
  ょう?」

このような「一生左手用しか使えなくなる」という不安は、左利き
のお子さんをお持ちの親御さんのあいだでも少なからず感じる人が
いるようです。

以前も聞いたことがあります。
そのお母さんは左手を使うことは認めてはいるが、絶対に左手用品
は買い与えない、という意見でした。

世の中は右利き社会で、右手・右利き用が使えないと大人になって
から苦労するから、いつもマイ左手・左利き用品を持っていなけれ
ばならなくなるから、というのです。

確かにその可能性がまったくないとは断言できないでしょう。
生まれたときから左手・左利き用品を使っていると、右手・右利き
用品が使えなくなる、ということはあるかもしれません。

しかし、本当にそれで不都合があるのでしょうか。


*    

まずひとつは、本当に右手用が使えなくなるのかどうかです。

もうひとつは、もし右手用が使えなくなったとして、それが問題に
なるのか、という点です。

そして最後に、本当に大事なことは何か、ということです。

まず一回目は、本当に左手・左利き用品で育った子は、右手・右利
き用品が使えなくなるのか、その点を考えてみましょう。

 ◆大人になって身に付ける技術はたくさんある◆

たとえば、私たちの世代も昔は右手用のハサミを使うのに苦労した
わけですが、結局使えるようになりましたね。

なぜか? 
使っているうちに要領を覚えたわけです。慣れたのです。
最初は誰だってむずかしいのです。なにごとであれ。

ところで、何事も小さい頃に覚えないと身に付かない、というのは
ただの思い込みです。
大人になってから身に付ける技もたくさんあります。大人になって
からでも身に付くものは身に付くのです。

第一、大人になってからのそのような多少の不便は、子供の頃のよ
うに理屈もわからず、使えないのは自分が不器用なせいだと思い込
んでしまうことに比べれば、なんということもありません。

 ◆右手用のハサミは右手で使うことを想定して作られている◆

本来、右手用のハサミというのは右手の自然な動きで切れるように
設計されたものです。
同じように左手用のハサミというのは、左手の自然な動きに対応し
たものです。

即ち右手用は右手で使用するものであり、左手用は左手で使用する
ものだ、ということです。

もうお分かりでしょう。
左手用を使うことを覚えた子は右手用を使えなくなる、というのは
誤解(発想の誤り?)で、右手用は右手で使えばいい、ということ
になります。
現実に右手で右手用のハサミを使う左利きの人は少なくありません。

ちょっと詭弁ぽくなりましたが、言わんとすることは理解していた
だけるでしょう。

右手用なら右手で使ってみてもいいのです。
あるいは、左手で使ううちに慣れることもあるのです。

 ◆予感の怖さ◆

出るぞ出るぞ、来るぞ来るぞ、起きるぞ起きるぞ、という予感に対
する恐怖、というものが実は一番怖いのです。

そういう悪い予感、恐怖の観念を子供に与えないことが大切です。
親の不安は子供に伝染します。

なーんも怖いことなんかないさ、万事うまく行くさ、そういう太
っ腹な、ちょっと能天気なぐらいでいいのではないでしょうか。

元々、子供は不安を持っていません。
子供の力を信じて精一杯出し切る姿を見守ってあげればよいので
はないでしょうか。

それに、社会は変化しています。
左利きにやさしい時代が来ています。

その辺は、また次回で。

   
―今回の文は、「レフティサーブ[90号]左利き用ハサミ」の感想
として、渡瀬さん宛てにメールしたものを基に、加筆修正したもの
です。


このシリーズ「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、
レフティやすおがウェブログ「お茶でっせ」で始めた、左利きのお
子さんをお持ちの親御さんへの左利きの問題にどう対処すべきかに
ついての独断的アドヴァイス、および提案です。
(既発表分は、「その6」まで「レフティやすおの左利き私論3」
として、『レフティやすおの左組通信』に掲載しています。)
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron03.html

 次回の予定は→
 「―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
   (2)社会は変化している」
  第8号掲載予定。このシリーズは、隔号掲載です。

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●レフティやすおの編集後記●

毎回、青息吐息になりつつあります。
今回は、以前に書いた文章を基に加筆修正するだけだからと軽く考
えていたのですが、いざ書き始めると、いつまでたっても終わらな
い、まるでネヴァー・エンディング・ストーリイのよう…。

もう少し文章のテーマに合わせてポイントを絞る練習をしたほうが
いいのかもしれません。

さて、きょうはこんな言葉を―

Do all the good you can,
By all the means you can,
In all the ways you can,
At all the times you can,
To all the people you can,
As long as ever you can.

イギリスの神学者、ジョン・ウェズリーの言葉です。

ここで大事なのは、you can「あなたができる」ことを Do「やれ」
ということです。
all「すべて」はあくまでも理想でしょう。ひとつでもいいと思い
ます。

私はそういうつもりで日々暮らしてゆきたいと願っています。

では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~


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↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 


【2019年12月21日 追記】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、再配信として、「2005.11.5 第6号」から

 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

を、上のように紹介しました。

以下、「追記」として現在から振り返ってみた印象などを書いています。
そちらの方は、本誌読者だけに許されたお楽しみですので、弊誌をご購読(無料です!)の上、ご確認ください。

 ・・・

「追記」から、一言だけ書けば、

世の中は右利きと左利きだけではなく、その間には、

 弱い左利きから弱い右利きまでの「中間の人」がいる

ということです。

そして、各自がそれぞれの得意とするところの特徴を活かして行くべきだし、親御さんはその子の特徴をしっかりつかみ、伸ばして上げるようにしてほしい、ということ。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
(再配信)2005.11.5 第6号から「左利き用品は…」―左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii562号
--
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辻邦生・北杜夫『完全版 若き日と文学と』―『星の王子さま』をめぐって

2019-12-24 | 本・読書
今年の忘れ物です。
書いたのに、アップするのを忘れていたもの。

辻邦生・北杜夫、そしてトーマス・マンサン=テグジュペリのファンの人は必読の一書です。

 ・・・

9月27日、消費税増税前、久しぶりに本屋をのぞいてみました。
本も増税の対象になっているからです。
もし何か気になる本があれば、上がる前に買っておきたいですからね。

最近は本屋さんもめっきりと減って、毎日のように立寄るという機会も少なくなりました。

あれこれ棚を見ていると、棚差しの一冊の本が目に飛び込んできた。

それがこれ

辻 邦生・北 杜夫『完全版 若き日と文学と』中公文庫 2019/7/23


やじきた(弥次喜多)ならぬ、つじきた(辻北)の対談集です。

このお二人は、旧制松本高校の同級生で、長年の親友であり、文学仲間でもありました。
その友情の証ともいうべきものとしては、↓のような本も出ています。

『若き日の友情―辻邦生・北杜夫往復書簡』辻 邦生・北 杜夫 新潮文庫 2012/10/29

 ・・・

私が日本で一番好きな作家が北杜夫さんです。
(一番好きだといいながら、全著作を読んだわけでもなく、もちろん持っているわけでもありません。
 それでも一番好きな作家であることに変わりはありません。
 それじゃあダメだ、といわれるかもしれませんけれど……。)

だから、すぐに手に取りました。

帯に「没後20年」とありますので、これは辻邦生さんの「没後20年」を記念した新刊ということになります。
でも、私にとっては、久方ぶりの「北さんの新刊」です!

北さんも没後、いくつかの本があれやこれやと復刊・再刊され、単行本未収録の作品が単行本となったり、再編集ものが出たりしました。
(今も出ています。たとえば―『どくとるマンボウ青春の山』ヤマケイ文庫 2019/9/14)


私もポツポツと何冊か新規に、あるいは買い直しをしたものでした。
(置き場所が限られていて、何冊かを残して、押し出し整理法により、処分したものがありましたので。)

 ・・・

1970年に出版された『若き日と文学と』の増補・完全版だそうです。
文庫版は1974年に出ているそうです。

私がちょうど北さんを愛読していた頃でもあり、記憶にはあります。

買っていたかも、と思いつつも目次をのぞいてみました。

最初に目に飛び込んできたのが、「『星の王子さま』とぼくたち」という文章です。
早速そのページを見ると、『星の王子さま』とサン=テグジュペリについて語り合っています。

北さんが『星の王子さま』が好きなことは知っていました。
辻さんも女子学生に人気があるので大学の授業に使ったといい、二人のこの本を巡る文学論になってゆきます。

 ・・・

私も『トム・ソーヤーの冒険』と並んで『星の王子さま』が好きで、サン=テグジュペリが好きだったので、この対談を収めた本書は「絶対の買い」でした。

(『トム・ソーヤー』でも、著者は「まえがき」で子供だけでなく大人にも読んでもらいたい、昔自分がどんな子供でどんなふうに考えどう感じたか、どんな遊びを楽しんだかを思い出してもらいたい、という意味のことを書いています。
 一方、『王子さま』の方は、誰もはじめは子供だったが、それを忘れずにいる人は少ない、と書き、「子どもだったころのレオン・ウェルトに」と献辞を書き換えています。
 どちらの本も、子供向けに書かれていますが、本当は子供の心を持った大人に向けて書かれたものなのかもしれません。)

家に帰って、調べてみましたところ、若い頃には買っていませんでした。
多分辻さんのお話は難しいと感じていたのでしょう。

今回も、「この章があったから買った」と言っても過言ではありません。

私の大好きな作家が、私の大好きな作品と大好きな作家について思い入れたっぷりに語っているのですから、これは最高です!



*参照:メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』

2008(平成20)年2月号(No.2)-080229-
大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』

2008(平成20)年4月号(No.4)-080430-
星になった少年『星の王子さま』

 ・・・

それぞれの『星の王子さま』との出会いから始まり、その印象と内容について語り合います。

たとえば、「飼いならす」という言葉について、原語で読んでいる辻さんがフランス語ではこうで、こういう意味を含んでいるから、どうだこうだ、といったように……。

なかなか深い対話です。
感性で読む北さんに対して、理屈で跡づける理性派文学者の辻さんという印象を受けました。

最後に、北さんは、『星の王子さま』で、ラスト・シーンに《イカれちゃったんですよ》と語っておられます。
辻さんも《うん、いいね。実にいい》と同感されています。

確かに美しい、でも淋しいシーンです。



ここだけに限りません。

そして、(あれやこれや背景となる事柄について深読みしなくても、ストーリーそのものを)素直に読んでも、とてもいいお話だと思っています。

 ・・・

久しぶりにうれしい本との出会いでした。

ネットでは教えてくれませんでした。
普段から色んな本を「オススメ」をしてくれるのに、肝心なところでは役に立たないものです。

やっぱり本屋さんが近くにないと、困りますね。

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
辻邦生・北杜夫『完全版 若き日と文学と』―『星の王子さま』をめぐって
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右用と左用の違い(38)小説編左右反転世界「大喝采」横田順彌-左利きで生きるには週刊ヒッキイ561号

2019-12-21 | 左利き
―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第561号 別冊編集後記

第561号(No.561) 2019/12/21「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」



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 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
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右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第561号(No.561) 2019/12/21「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」
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【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌
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 左手・左利き用品における右用との違いについて― 
 38回目です。

 前回からは単発で、ネタを拾ったときに書くことにしました。

 で、今回は、左手・左利き用品も登場しませんし、
 これといって品物も登場しません。

 【左手・左利き用品を考える】というテーマからは
 完全に逸脱していますね、困ったものです。

 SF、もしくはファンタジー的な小説編です。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
 【左手・左利き用品を考える】
  右用と左用の違い(38) 小説編
   左右反転世界の怪――「大喝采」横田順彌
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

 ●ヨコジュンの明治小説シリーズ



2019(令和元)年9月15日号(No.255)
「私の読書論123-追悼・横田順彌-明治SFを読む」

2019.9.15
私の読書論123-追悼・横田順彌-明治SFを読む
『お茶でっせ』
『新生活』

「S-Fマガジン」2019年6月号
「追悼・横田順彌」監修:北原尚彦


《Short Stories◎小説再録》
「大喝采」横田順彌 ―「押川春浪回想譚」、鵜沢龍岳もの短編

〈押川春浪・鵜沢龍岳・黒岩時子〉シリーズとも呼ばれる
ヨコジュンの明治小説シリーズのひとつで、
『時の幻影館―秘聞 七幻想探偵譚』(双葉社)から始まる
一連のSFミステリ仕立ての連作シリーズの一編です。

第一期
*横田順彌明治小説コレクション 日下三蔵編 柏書房
『時の幻影館・星影の伝説』 2017/8/1
―≪日本SFの祖・押川春浪と門人・鵜沢龍岳が遭遇する数々の摩訶
 不思議―SFの奇才にして古典SF研究の第一人者・横田順彌が贈る、
 科学と綺想、怪奇と幻想に満ちた“空想科学探偵譚”!≫
 前半『時の幻影館』は7つの短編、後半『星影の伝説』長編。


『夢の陽炎館・水晶の涙雫』 2017/9/1
―≪永久機関研究者の執念、日露戦争生還兵の予言、絵から抜け出
 す幽霊、南極探検に端を発する怪事件、押川春浪と鵜沢龍岳が挑
 む超常現象!SF、ミステリ、幻想…“空想科学探偵譚”復刻第2
 弾! ≫
 前巻同様、前半『夢の陽炎館』は7つの短編、後半は長編第二弾
 『水晶の涙雫』。


『風の月光館・惜別の祝宴』 2017/10/1
―≪帝都を襲う怪事件―SFミステリ連作ここに大団円。科学か?迷
 信か?押川春浪、鵜沢龍岳が挑む不可思議事件簿。そして伊藤博
 文、乃木希典ら明治の英傑を巻き込む陰謀の驚愕の真相とは―
 “空想科学探偵譚”最終章。≫
 前半は第3短編集『風の月光館』は7つの短編、後半は長編第3
 弾『惜別の祝宴』、シリーズの集大成的結末編。


第二期(ともに出版芸術社)、
『冒険秘録菊花大作戦』―押川春浪以下が活躍する冒険小説。
『押川春浪回想譚』―第一期のSFミステリ風の
 「押川春浪回顧録」を集めた短編集。

 ●「大喝采」横田順彌―「押川春浪回想譚」

(画像:「S-Fマガジン」2019年6月号「大喝采」と『押川春浪回想譚』)

初出:日本古典SF研究会 会誌〈未来趣味〉第十号(2003年)

(本編収録単行本)
『押川春浪回想譚』出版芸術社 ふしぎ文学館 2007/5/1


 ●映画の左右反転例

・『バルザックと小さな中国のお針子』ダイ・シージエ/著
新島 進/訳 ハヤカワepi文庫(2007.3)


『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第242号(No.242) 2010/12/18「名作の中の左利き(11)
『バルザックと小さな中国のお針子』他」

『お茶でっせ』2010.12.19
名作の中の左利き(11)『バルザックと小さな中国のお針子』他
:週刊ヒッキイhikkii242
『お茶でっせ』
『新生活』

・『キネマ・キネマ』光文社文庫 異形コレクション 2002/9/10
田中文雄「左利きの大石内蔵助」


 ●「大喝采」(ストーリー その2)

 ●左右反転の左世界か鏡世界、あるいは反世界

 ●反転世界へ行った人・もどった人の物語

『鏡の国のアリス(広瀬正小説全集4)』広瀬正
集英社文庫 改訂新版 2008/10/17


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本誌では、「右用と左用の違い(38)小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」と題して、左右反転世界の不思議に出会った人々の物語を紹介しました。

今回は小説編ということで、左手・左利き用品でもなく、表題に偽りありという感じの回になっています。

まあ、時にはそういうことがあってもいいでしょう。

といいつつ、この頃、本からの話題ばかりという気もします。
でも本が、大の、かつ唯一の趣味なので、どうしてもそういうものになってしまいますね。

実は、本誌をお読みの方はご存知のように、次回もこの続きです。

何を取り上げるかは、本誌をお読みの方だけのお楽しみです。

気になる方は、ぜひご購読の申し込みを!(無料です!)

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
右用と左用の違い(38)小説編左右反転世界「大喝采」横田順彌-左利きで生きるには週刊ヒッキイ561号
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私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)リアル編-50代以降世界の四聖編ベスト3(前)

2019-12-15 | 本・読書
―第261号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2019(令和元)年12月15日号(No.261)「私の読書論126-
読書生活書籍購入50年(5)リアル編
-50代以降・世界の四聖編ベスト3(前編)」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2019(令和元)年12月15日号(No.261)「私の読書論126-
読書生活書籍購入50年(5)50代以降リアル編ベスト3(前編)」
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 今回は、5月、6月、7月、そして11月に続き、
 「読書生活&書籍購入50年」の5回目。

 前回は、私の読書初期、20代前半に読んだ、
 その後の「私をつくった本・かえた本」とも言うべき
 著作を紹介しました。

 今回は、
 50代以降の【私のお気に入り「リアル編」ベスト3】を。
 
5月、6月、7月の1回目から3回目までの内容は、
以下の『お茶でっせ』の「別冊 編集後記」からご想像ください。

2019.5.15
私の読書論119-読書生活&書籍購入50年
―第247号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

2019.6.15
私の読書論120-読書生活&書籍購入50年(2)私のお気に入り
―第249号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

2019.7.15
私の読書論121-読書生活書籍購入50年(3)短編集が好き
―第251号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


11月の前回、4回目―

2019(令和元)年11月15日号(No.259)「私の読書論125-
読書生活書籍購入50年(4)初期(20代前半)リアル編ベスト3」

~【私のお気に入り「リアル編」初期(20代前半)ベスト3】~~~

「私をつくった本/かえた本」といえる根本の、
私が心動かされた部分は、いつの時代となっても変化はない
昔の本だけど読んで損はない

(1)相場均『性格―素質とのたたかい』中公新書 昭和38(1963)
―性格の悩みを克服する手がかりになった本

(2)『知的生産の技術』梅棹忠夫/著 岩波新書・青版722(1969)
―読書も含めて、知的生産に関する諸技術を説く古典的名著

(3)箱崎総一『左利きの秘密』立風書房・マンボウブックス 1979
―(左利きの)自分が間違っているのではなく、
 (左利きを差別する)社会が間違っているのだ、
 と気付かせてくれた本

2019.11.15 ―第259号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 私の読書論126-

 ― 令和の時代に向けて ~ 50年史という昔話 ―

  読書生活書籍購入50年(5) 

  【私のお気に入り「リアル編」
    50代以降・世界の四聖編ベスト3】(前編)

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 ●50代以降の「リアル編」三種
 ●幸福人生への助言本

しあわせに生きるための助言本
(1)哲学者の幸福論
(2)宗教関係の聖人(世界の四聖)とその教えに関する本
(3)心理学者や精神科医等の心理学や精神科学系のものや
 お偉い先生方の人生相談・エッセイ等の本

串崎真志『悩みとつきあおう』『心は前を向いている』(ともに、岩波ジュニア新書)


・『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙 大和出版 2017

*参照:『お茶でっせ』2017.01.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

・『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版 2009/11/14

*参照:『お茶でっせ』2009.12.12
今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

 ●「世界の四聖」の共通点
 ●孔子の言行録『論語』

『論語 増補版』加地伸行・全訳注 講談社学術文庫 2009.9.10
―《儒教学の第一人者が『論語』の本質を読み切り、独自の解釈、
 達意の現代語訳を施す。漢字一字から検索できる「手がかり索引」
 等を増補した決定新版! 》


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本誌は、「私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)50代以降リアル編ベスト3(前編)」と題して、50代以降に読んだリアル編の本約750冊の中から、「世界の四聖」編として「ベスト3」ぐらいを選び、その第一弾として『論語』を紹介しています。

『論語』はご存知のように、約2500年前の古代中国の聖人・孔子の言行録で、死後に弟子たちによって編纂されたものです。

弊誌では、創刊号および「中国の古代思想を読んでみよう」(前・後編)で取り上げています。

一番初めに感動を覚えたのは、冒頭「学而」編の一等最初、よく時代劇の寺子屋のシーンで子供たちが一斉に朗読する「子(し)曰(のたま)わく、学びて時に之(これ)を習う。亦(また)説(悦・よろこ)ばしからずや。」の、あのことばですね。

子曰く、学びて時に之(これ)を習う。
  亦(また)説(悦・よろこ)ばしからずや。
  朋(とも)遠方より来る有り。亦(また)楽しからずや。
  人知らずして[いか]らず。亦(また)君子ならずや。
》加地伸行・全訳注『論語』講談社学術文庫 2004


冒頭から、学ぶことや習うことの喜び、友との再会の楽しさをうたい、他人に評価されなくてもいいじゃないか、という。

まさに孔子ならではの発想、といえるのではないでしょうか。

もちろんそのほかにも、色々と気付かせられることが書かれています。
パラパラでいいので、手元に置いて、時々合間合間にひもといて欲しい本です。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)リアル編-50代以降・世界の四聖編ベスト3(前)
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(再配信)2005.10.29第5号からエディンバラ利き手調査-左利きで生きるには週刊ヒッキイ560号

2019-12-15 | 左利き
―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第560号 別冊編集後記

第560号(No.560) 2019/12/14
「(再配信)2005.10.29 第5号から-エディンバラ利き手調査」


今回は「再配信」号ですので、その部分のみ全文掲載、公開します。

現時点での「追記」文は、本誌でご確認をお願いいたします。
(やっぱり毎号定期購読してほしいですから。)


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第560号(No.560) 2019/12/14
「(再配信)2005.10.29 第5号から-エディンバラ利き手調査」
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(再配信)2005.10.29 第5号から-エディンバラ利き手調査
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以下の文章は、
2005年10月29日にアップしたメルマガ第5号です。

本文から

「レフティやすおの左利き実用講座」
と、
「「レフティやすおの左組通信」から
 <左利きプチ・アンケート>」

を紹介します。


今回も、表題を含めて。


↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


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左利きで生きるには
(レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
週刊ヒッキイhikkii

世界の片隅で左手と左利きを考える

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    第5号(No.5) 2005/10/29
「エディンバラ利き手調査」

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左利きで生きる、ってどうなんだろう?
世界の片隅で左利きと左手使いの問題を考えるレフティやすおが、
自らの左利き体験を基に左利きの人の生活の実態を語る、左利きを
メインテーマにしたホームページ『レフティやすおの左組通信』か
ら、左利きで生きるための実用メールマガジンを発行します。
左手や左利き、利き手に興味のある人、左利きの人、左手が利き手
でない人のための、左手・左利き生活にまつわるお話満載のメルマ
ガです。 

------------------------------------------------------------

─目次―
 ▲レフティやすおの左利き実用講座▲ ―隔号掲載―
   エディンバラ利き手調査

 ●「レフティやすおの左組通信」から●
  <左利きプチ・アンケート>
   第22回 エディンバラ利き手調査

============================================================

 ▲レフティやすおの左利き実用講座▲ ―隔号掲載―
   エディンバラ利き手調査

前号の予告で、今回は「利き手調査の結果から利き手/側を分類す
る」としておりましたが、予定を変更して、今回は「エディンバラ
利き手調査」について書いてみます。

10月9日のasahi.com の<be on Sunday>「ののちゃんのDo科
学」で「なぜ右利きが多いの?」という記事が掲載されました。
この中で、利き手の判定法として「エディンバラ利き手調査」が紹
介されました。

※参照―
「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの?
asahi.com home > be > be on Sunday ↓
「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの? 

お茶でっせ版 ↓
「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの?
新生活版 ↓
「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの?


(画像:上記朝日サイトより無断借用)

 *** 利き手調査 ***

前回に続いて、利き手調査として、「レフティやすおの左組通信」
<左利きプチ・アンケート>と連動して、この「エディンバラ利き
手調査」を取り上げてみます。

一般に利き手調査と呼びますが、「利き手」のみに限定するもので
はなく、利き側―身体のどちら側を優先的に使うか、を調べるもの
です。手を使う動作でそれがもっとも明らかになるので、利き手調
査という言い方をしているだけです。

 *** エディンバラ利き手調査 ***

それぞれの項目でどちらの側(の手、足、目)を使うかを調べ、そ
の点数により、あなたの利き手/利き側、およびその利き手度(ラ
テラリティ係数=側性係数 Laterality Quatient:LQ)を判定す
るものです。

▼調査項目―

1 書く 
2 描く 
3 投げる 
5 歯ブラシ  
6 ナイフ 
7 スプーン 
8 ほうき 
9 マッチをする 
10 箱を開ける 
11 蹴る時の足 
12 片目で見る時

▼判定方法―

ほとんどの場合に使う方の手に「1点」
常に決まって使う、好みがはっきりしている場合は「2点」
どちらも使う人は両方に「1点」

 常に右・・・(右2)
 ほとんど右・(右1)
 両方・・・・(右1:左1)
 ほとんど左・(左1)
 常に左・・・(左2)

右左それぞれの側の点数を合計し、
その合計点の(右-左)を(右+左)で割り、
その「プラス」「マイナス」で、「右利き」「左利き」と判定。
その値が、あなたの利き手度(ラテラリティ係数=側性係数
Laterality Quatient:LQ)を表します。

▼計算式―

「(右の総点数)-(左の総点数)」(これをxとする)
÷「(右の総点数)+(左の総点数)」(これをyとする)
=(+)or(-)・(x/y)

【例】
「プラス(+)何%」の場合は、
「右利き」で、その右利き度は、「何%」となります。

 +(数値a)= 右利き、右利き度 a×100 %
 -(数値b)= 左利き、左利き度 b×100 %

<私の場合>
 右の総点数=5番(両方)1点=(計:1点)
 左の総点数=1番から4番、6番から9番、11番、12番
 (常に左)各2点、5番(両方)1点、
 10番(ほとんど左)1点、=(計:22点)

(1-22)÷(1+22)=-21/23≒-0.91

【結果】左利き、左利き度91%

 *** 利き手調査票の比較 ***

この「エディンバラ利き手調査」では、前回の側性係数と同じで、
基本的なその人の利き手/利き側を判定することができます。

前回の利き手調査票の項目との違いは、足と目の項目があること、
箸の項目がなくナイフになっている、ビンではなく箱のフタになっ
ているという点です。
西洋と日本との違いが背景にあります。また、箱のふたあけは簡単
な作業ですが、ビンのフタをひねるのはちょっと高度な作業です。

どちらが日本人の利き手/側をより正確に反映しているかという判
断はむずかしいものがあります。

しかし、私は、ナイフを箸に変えるほうがより反映しにくくなって
いるような気がします。
特に年配層ほどその影響が強く出るのではないかと思います。
日本や中国、台湾、韓国など東アジア諸国では、小さい頃に箸遣い
を強制的に右手に変えさせる躾が行われていたからです。

このような社会的文化的圧力のかかる項目をはずす方が、利き手/
利き側の判定をよりわかりやすくする、ように思います。

私には、より自然な動作を基準にしている、このエディンバラ利き
手調査のほうが、その点で優れているように感じました。

―次回は、「利き手調査の結果から利き手/側を分類する」
(この「レフティやすおの左利き実用講座」は、隔号掲載です。
次回は第7号に掲載の予定です。) 

------------------------------------------------------------
  
 ●「レフティやすおの左組通信」から●
  <左利きプチ・アンケート>
   第22回 エディンバラ利き手調査

先の説明を元に、あなたの実際の利き手を確認してみましょう。

 ・・・ ・・・ ・・・

あなたの利き手度はいくらだったでしょうか。
以下の中で当てはまる番号に投票してください。

*今回は利き手調査のため、利き手別投票ではありません。(手の
不自由な方は、それぞれの判断で考慮の上、投票に参加不参加を決
定してください。)

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます一番下の「ご意
見ボード」をご利用ください。もっと言わせて、という方は掲示板
もご利用ください。貴方のご意見ご感想をお聞かせください

 ※ 今回より、メルマガからも投票できるようにいたしました。
  該当選択肢の下のURLをクリックしてください。
  ぜひ、ふるって投票にご参加ください。
 (注意:誤ってクリックした場合、取り消しはできません。)

1 90以上~100
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530659
2 80以上
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530660
3 50以上
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530661
4 0以上
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530662
5 0
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530663
6 0以下
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530664
7 -40以下
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530665
8 -80以下
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530666
9 -90以下~-100
http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321530667

 ※ このアンケートは、『レフティやすおの左組通信』表紙、
  <左利きプチ・アンケート>欄に、先行して実施しています。   

 ※ 現在の結果を見るのは、こちら ↓ 
http://personal-dictionary.com/enq/view/enq.asp?EID=37004

━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━
*【2019.12.9追記】
(アンケートの一部にミスがあり、配信後訂正した)

【訂正後の結果を見る】

2005.10.29
左利きアンケートのお知らせ:第22回エディンバラ利き手調査
━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━

 *このアンケートは、2005.10.30-11.26まで(4週間)に渡って
  『レフティやすおの左組通信』表紙、<左利きプチ・アンケー
  ト>欄で実施されます。↓
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/

  その後は、それぞれの回のページで新規の投票を受け付けてい
  ます。
  ぜひ投票にご参加ください。
  順次、経過報告を追加してゆきます。


------------------------------------------------------------

●レフティやすおの編集後記●

一週間は早いものです。あっという間です。
4回分の原稿の下書きを用意して始めたこのメルマガでしたが、始
めてみると、まったくあっという間に号を重ね、瞬く間に原稿のス
トックが食いつぶされてしまいました。

青息吐息の毎日になっています。
しかも、今週は直前で内容を一部変更したため、いよいよ大変なこ
とになりました。

それでも、なんとか、発行にこぎつけました。
まあ、その分ブログはお休みになっていますが…。

唐突ですが、お布施の三要素というのをご存知でしょうか。
施者(せしゃ)と施物(せもつ)と受者(じゅしゃ)です。
施者の差し出す施物にそれなりの値打ちがなければ、誰も受け取ろ
うとはせず、受けてくれる人がいなければ、お布施は成立しません。
施者が、無理せず自分の差し出せる精一杯のものを執着なく与える
とき、そのお布施は浄財となるのだそうです。

たとえれば、私が施者で、このメルマガが施物、読者の皆様が受者
となります。
はたして、これはお布施として成立しているのでしょうか。

では、「ぜひ、アンケートの投票にご協力を!」と、締めくくって
おきます。

(これって、脅迫かい? それとも、泣き落としのつもり?)
(いえいえ、滅相もございません!)

では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~

------------------------------------------------------------


↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 


【2019年12月9日 追記】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

以下、「追記」として現在から振り返ってみた印象などを書いています。
そちらの方は、本誌読者だけに許されたお楽しみですので、弊誌をご購読(無料です!)の上、ご確認ください。

 ・・・

今回の「追記」でも、「お布施の三要素」についてふれています。

みんながそういう気持ちで物事をやりとりしてゆけば、世の中はよくなっていくような気がします。

「追記」ではどういう意味でふれているのかは、本誌をご覧ください。

本誌を購読されていない方は、ご自身でご想像ください。
(この記事を読めば、想像のつくことですけれど。)

 ・・・

では「追記」は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
(再配信)2005.10.29第5号からエディンバラ利き手調査-左利きで生きるには週刊ヒッキイ560号
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左利き者の証言から16書家・鈴木金造-左利きで生きるには週刊ヒッキイ559号

2019-12-07 | 左利き
―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第559号 別冊編集後記

第559号(No.559) 2019/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~16 書家・鈴木金造 1980年」



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第559号(No.559) 2019/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~16 書家・鈴木金造 1980年」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 過去の左利きの人たちの言葉を紹介しながら、
 先輩の証言から学ぼう、というテーマの
 9月以来の久しぶりの16回目です。

 今回は、書家・鈴木金造さんを紹介しましょう。


 「書家・鈴木金造といわれても?」
 というのが正直なところでしょう。

 この方は、ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 (原著 The Left-handaers' Handbook)
草壁焔太訳(講談社 1980(昭和55).12)



 の「第二部日本編/第五章左尊右卑の国・日本」の冒頭で
 「左利き書道教室を開いたことのある書家」
 と紹介されている人物です。

 それでは、鈴木さんのお話をお聞きしましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
  左利き者の証言から ~快適左利きライフのために~ 16

  ◆ 1980(昭和55)年の左利き書道事情 ◆
  「左利き書道教室を開いたことのある書家」鈴木金造
ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 草壁焔太訳 講談社 1980(昭和55).12より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左で書く書道家がいない

 
書道家のほとんどは「左手の書道など考えられない」
  と思っている
》p.152

 
左で書くことが、
  あたかも罪悪視されているかのようである。
》p.175

 
「それというのも、左で書く人がいないからです」》p.175


 ●左手の書道教室を始める

鈴木さんは、大正10年の生まれで、生まれつきの左利きだった。

 
小学校のころ、右手で字を書くとあまりに悪筆なので、
  特別の指導を受けたほどだった。
》pp.175-176


 ●左手で書いてもいわなかった

左利きの子供たちに左手で書かせる運動を中断した悩みとは、

 
「左利きの子どもに、左で書かせることが、
  ほんとうにいいことなのかどうか、
  責任がもてないような気がしたからです」
》p.176


書道家の人に相談してみたところ――

 
「書を左手で書くなんて考えられない。
  そんなばかなことを考えるな」というのが、
  書道家たちの一致した意見だった。
》p.176

 
「君は左利きなのに、右手で立派に書いているんだろう。
  君がいい手本じゃないか」
》p.176


鈴木さんは、書に関しては左右利きで、
...
書道展に出した作品にも左手で書いたものがあるそうで、
それを明言しないのは、

 
左手で書くことが一種のむほん行為とみなされ、
 書道界で孤立してしまうからにちがいない。
》p.177


 ●戦前にもいた左手書家

 
書道界は右手のない人、
  右手に障害のある人の左手書きは認めるようだ。
》p.177


 ●指導者のとるべき態度

 
しかし、ふしぎなことに、
  左手を使うように生まれついている人々に
  右手書きを強制しておきながら、
  自ら左手で書いてみてその苦痛をおしはかるような
  研究をした人など一人もいない。
  左利きが右手で書くことは、
  右利きが左手で書くことと同じなのであるから、
  左利きを指導するときは、自ら左手でよい書を書き、
  「自分も左手でこれだけ書けるのだから
  キミも右手で書けるはずだ」というのが、
  指導者のとるべき態度であろう。
》p.177


 ●漢字の成り立ちと右手左手

 
漢字が銅器や石碑に刻まれた
  篆書(てんしょ)の段階にあったころは、
  左手でも、右手でも書けるものだった。
  それが八分(はつぶん)あたりの装飾文字から、
  右利きの癖をつけたものになってきて、
  今日のいわゆる明朝体になってきた。
》p.177

 
だから、刻字の仕事で篆書を書くときは、
  自然に左手を用いるという。
  仕事上、鈴木は看板を描く人をよく知っているが、
  看板を描く人には両手利きが多く、
  とくにゴシック文字は左で書く人が多いという。
》p.177


 ●左手で字を書くときの注意

 
半紙をやや左の方向にずらして書くようにするとよい。
  半紙を四十五度から九十度、横むけにして書く方法もある。
  右利きが左から右へ引く横線を、斜めか、
  あるいは真下に近く引くことになる。
》pp.177-178


日本左利き協会「左利き筆法」
左利き友の会発行『左利き書道教本』に掲載されている
「左きき書道教室」のダイジェスト

1. 斜め書き筆法
2. 横書き筆法
3. 正座筆法

*「左利き筆法」を紹介している本:
・『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館(1998.10)

・『左ききでいこう!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/共著 フェリシモ出版(2000.6)


 ●左利きの人だけが苦しまなければならない理由はない

著者草壁の最後の結びの言葉――

 
鈴木は右手で書家になったために苦悩している。
  しかし、右利きの人で
  そういう苦しみをした人はほとんどいない。
  左利きの人だけが、右手を事故で失った人と同様の苦しみを
  一様に強制されなければならない理由はないはずである。
》p.178


 ●字の書き方教室の昨今の状況

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利き者の証言から~(16)書家・鈴木金造」と題して、1980(昭和55)年発行のジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著『左利きの本――右利き社会への挑戦状』草壁焔太訳(講談社)から「左利き書道教室を開いたことのある書家」鈴木金造三の言葉を、「第二部 日本編」の著者である草壁焔太三の言葉を交えて、「1980(昭和55)年の左利き書道事情」を紹介します。

今回は、引用部分を全て紹介しています。

私のコメントをのぞき、ほぼ本文の全容がご理解いただけるでしょう。

このブログ記事をご覧になり、弊誌にご興味をお持ちになられた方は、ぜひ、定期購読の手続きをとっていただければ、嬉しく思います。

購読者が増えたからといって、無料メルマガですので、私が経済的に豊かになるわけではあありませんが、継続するモチベーションは高まります。
よろしくお願いいたします。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利き者の証言から16書家・鈴木金造-左利きで生きるには週刊ヒッキイ559号
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渡瀬謙の新刊『トップ営業を生み出す最強の教え方』を読む

2019-12-03 | 本・読書

友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの久しぶりの新刊が出ました。

『トップ営業を生み出す 最強の教え方』渡瀬 謙・日本実業出版社)


著者からのメールによりますと、

私のミッションは売れずに悩む営業マンを救うことですが、
そのためにはどうしたらいいのかを考えたときに、
今回のテーマにたどり着きました。

いわば営業を教える人の教育です。
これによって悩める部下と同時に、
育成で悩んでいる上司も救えるというものです。


―とのこと。


営業社員を部下に持つリーダー向けの本――教科書です。

いかにも教科書らしく? A5版の一般の単行本(四六判)よりちょっと大きめの本で、しかも横書きです。

 ・・・

余談になりますが、【左利きライフ研究家】としましては、この左開きの横書き本は、やはり右利き仕様だなと感じました。

この文を書こうと、ペラペラとページをめくりながら、改めて書くべき内容についてチェックしようとしたのです。
ところが、右手に本を持って左手でページを繰ろうとしたら、後ろから前へ、になってしまうのです。

縦書きの本ならこれでよかったのですけれど、ね。

前から順番に見ていくつもりだったのに……。


思えば昨今の教科書は、皆こういうスタイルになっているのですよね。
国語以外はみんな横書き、と聞いています。

困ったもんです、これも新たな左利き差別!? かもしれません。


 ●営業の教え方を書きにふさわしい人物

閑話休題。
話を『トップ営業を生み出す 最強の教え方』に戻りましょう。

著者の渡瀬さんは、営業のコンサルをやっています。

売れなくて困っている営業社員向けのセミナーなどを専門にしています。
そして、売れる営業社員になるための営業の虎の巻ともいうべき著書を色々と書いてきました。

要するに、売れる営業の方法を教えるのが仕事な訳です。


ですから、営業の方法をよく知っているわけですね。

当然、この『トップ営業を生み出す 最強の教え方』を書くにふさわしい人物と言えます。


 ●本書の内容

では内容について少しだけ書いてみましょう。

 ・・・

人間には三種類あるといいます。

(上の人)初めからわかっている人
(中の人)教えられて気づく人
(下の人)教えられてもわからない人


『論語』やアリストテレス『ニコマコス倫理学』や
江國香織の小説『こうばしい日々』に登場します。

洋の東西を超えて、人間の評価として考えることは同じ、ということでしょう。


◎:上の人
論) 生まれながらにして知る人
ニ) 自ら悟る人
こ) はじめから知っている人

○:中の人
論) 学びて知るもの
ニ) 語る人に耳を傾け従う人
こ) 途中で気がつく人

×:下の人
論) 困しみて学ばざる民
ニ) 自ら悟ることもなく、
   他人の言葉を聞いて心に刻むこともない人
こ) 最後までわからない人


◎ 初めから分かっている人
 ↓
○ 言われて気付く人
 ↓
× 最後まで学ばない人


まあ一応、これは倫理的な意味での評価ということになります。

 ・・・

次に、私は工業高校の出身で、今でも覚えていますが、最初に専門の授業で教えてもらったのは、「技術と技能の違い」でした。

「技術」とは、言葉で教えることができるもの
「技能」とは、言葉だけでは教えられないもので、身をもって獲得するもの

そういう意味の説明でした。


営業にも、技術と技能があるはずです。

私が思うに、売れない営業社員に下の三通りがあるのではないでしょうか。

(1)技術も技能もない場合―知識も能力もない
(2)技術は知っていても、技能が伴っていない場合―知識はあるが、能力はない
(3)技能はあるが、技術を知らない場合―能力はあるが、知識がない


先に挙げた上中下の人もそうですが、営業においても言えそうです。

いきなり売れる人(上の人)もいれば、教えられてだんだんと売れるようになる人(中の人)もいます。
あるいは、自分なりに努力をしても、人から教えられても、いつまでたっても全く売れない人(下の人)もいることでしょう。

そこにはどういう違いがあるのでしょう。

 ・・・

さてそこで、売れない人を売れる人に変えるには、この営業の技術と技能を教える、ということでしょうね。

本書では、5章に渡って説明しています。

第1章 営業をうまく教えられない5つの理由
第2章 部下を営業指導する前に押さえておくべき6つのポイント
第3章 営業を6つのステップで整理する
第4章 売れる営業マンを育成するステップ式営業マニュアルのつくり方
第5章 「ほめて認める」いまどきの部下とのコミュニケーション

そして最後に、教科書ですから、付録として「演習問題」を掲げています。

営業の知識を教え、営業の技術を知らしめ、営業の能力を上げ、技能を磨かせる方法を伝授しています。


 ●「誰もがトップになれるしくみをつくろう!」

本書で私の印象に残ったいちばんは、「第5章 9 目標を分散して成功体験のチャンスを増やそう」の中の

 「誰もがトップになれるしくみをつくろう!」

という部分。

 「売れない人にチャンスを与えるのが目的」

だというのです。

 「部下が自信をつけるしくみを用意する」

ということです。

期間を設けたり指標を増やしたりすることで、目標を増やし、それぞれにおいてトップになれる機会という、成功体験の機会を増やせ、というのです。

子供を育てるときと同じで、小さな成功体験を積み重ねることで、自分に自信をつけさせ、何事にも積極的にチャレンジする精神を植え付ける、ということですね。


 ●著者・渡瀬謙の告知文

最後に、著者・渡瀬謙自身による告知文を紹介しましょう。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『トップ営業を生み出す 最強の教え方』(渡瀬 謙・日本実業出版社)
__________________________________

売れない部下をなんとかして育てたい!
そんな思いを抱えている営業リーダー向けの本です。

売れている人が無意識に行っている「営業センス」を可視化することで、
誰でも売れる営業マンに育つ方向を解説。

・なぜ同じトークを教えても人によって結果にバラつきがでるのか?
・自分のやり方を惜しみなく伝えても、全く売れる気配がないのはなぜ?
・同行営業で自分のスタイルを見せるだけではダメなのか?

これらの悩みはすべて明快に解決できます。
ぜひ、「がんばれ」「気合いだ」などの精神論ではなく、
自信を持って論理的に営業を語れるリーダーになってください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


*参照:
・PHP THE21 オンライン
売れる営業マンが、売れる営業マンを育てられない根本的な理由

2019年11月27日 公開
渡瀬謙(サイレントセールストレーナー)

※本稿は、渡瀬謙著『トップ営業を生み出す 最強の教え方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。


渡瀬謙 ほぼ日刊!ツイッター


*(注)人間の三種類について

・『論語』【季氏 第十六】(9)
《孔子曰く、生まれながらにして之を知る者は、上なり。(以下略)》

『論語 増補版』加地伸行/全訳注 講談社学術文庫 2009/9/10


・『ニコマコス倫理学』「第一巻 第四章」
ヘシオドス『仕事と日々』からの引用

《あらゆることを自ら悟るような人は、もっともすぐれた人(以下略)》

『ニコマコス倫理学(上)』アリストテレス/著 渡辺邦夫・立花幸司/訳 光文社古典新訳文庫 2015/12/8


・『こうばしい日々』
黒人の教師が、アメリカに移住してきた日本人少年に話した、人種差別に関しての言葉

《「一つのことを、はじめから知っている人もいるし、(以下略)》

『こうばしい日々』江國香織/著 新潮文庫 1995/5/30


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
渡瀬謙の新刊『トップ営業を生み出す最強の教え方』を読む
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クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ

2019-12-01 | 本・読書
―第260号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」



◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------
2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 毎年、この時期恒例の
 「クリスマス・ストーリーをあなたに」の9回目です。

 昨年は、正確には「クリスマス・ストーリー」ではなく、
 ディケンズの『クリスマス・キャロル』以前の古典、
 小説といいますか、エッセイ風の作品、
 ワシントン・アーヴィングの『昔なつかしいクリスマス』
 を紹介しました。

 今回は、また現代編で、しかもエンタメ。

 昨年文庫化された翻訳作品です。


★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡
 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


-クリスマス・ストーリーをあなたに (9)- 2019

  ~ クリスマスの夢…と悲劇 ~

   『その雪と血を』ジョー・ネスボ


 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

~過去の私のおススメの〈クリスマス・ストーリー〉~

【短篇】
トルーマン・カポーティ
 「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」

1◆2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ

・『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳
文春文庫 2009.6.10
―クリスマス短編「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」収録
 「―思い出」はクリスマスの懐かしい、でもちょっと切ない思い
 出を振り返る愛情あふれる物語で、少年に与えられたクリスマス
 の贈り物、「ある―」は逆に、少年が与えたクリスマスの贈り物
 の思い出話といえる抒情的名編


アガサ・クリスティー「水上バス」

2◆2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から

・『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳
ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)
―おススメ短篇「水上バス」を含む、クリスマスにまつわる小説と
 詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック


コニー・ウィリス
 「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」

4◆2014(平成26)年11月30日号(No.140)-141130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス」
5◆2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」

「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」収録短編集:
・『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス/著 大森望/編訳
早川書房・プラチナ・ファンタジイ(2008.9.25)
―もう一つのクリスマス・ストーリー「ニュースレター」も収録

「まれびとこぞりて」収録短編集:
・『混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)』
 コニー・ウィリス/著 大森望/訳 ハヤカワ文庫SF1938 2014.1.25


【中編】
チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』
チャールズ・ディケンズ『鐘の音』

0◆2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
『クリスマス・キャロル』善意の季節

6◆2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」

・『クリスマス・キャロル』ディケンズ/著 中川敏/訳 
集英社文庫 1991/11/20
―訳者の解説と木村治美の鑑賞など、資料も豊富

・『クリスマス・ブックス』ディケンズ/著 ちくま文庫 1991/12
―落語調訳「クリスマス・キャロル」小池滋/訳、
 「鐘の音」松村昌家/訳

・『クリスマス・ブックス』田辺洋子/訳 渓水社 2012
―前期(1843-48)のクリスマス中編5編を収録。「クリスマス・キャ
 ロル」「鐘の音」「炉端のこおろぎ」「人生の戦い」「憑かれた男」


【長編】
ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』

3◆2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム

・『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著
田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描く
 サンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語

【追記】2019.12.1-----

新潮文庫12月の新刊で、この作品が新訳で登場しています。

『サンタクロース少年の冒険』
ライマン・フランク・ボーム/著 畔柳和代/訳 矢部太郎/イラスト 2019/11/28

カバーと挿絵はなんと矢部太郎さんが担当。

以下に、動画でコメントが!

サンタクロース少年の冒険 新刊案内のサイト
-----


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


~「クリスマス・ストーリーをあなたに」9 [2019] ~

『その雪と血を』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2018/11/20

―ノルウェーを代表するサスペンス作家が描くパルプ・ノワール。
 第8回翻訳ミステリー大賞および第5回読者賞をダブル受賞した。



 ●『その雪と血を』ジョー・ネスボ
 ●犯罪小説×クリスマス・ストーリー
 ●雪のオスロの街で……
 ●悲しいけれど美しいラスト
 ●「物事は解釈である」――自分の物語を生きる
 ●まずは読んでほしい

―『その雪と血を』の続編ではないが、共通する世界の物語―

『真夜中の太陽』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳
ハヤカワ・ミステリ 2018/8/7

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、毎年この時期恒例の、私のお気に入りの、あるいは「これは」という代表的なクリスマス・ストーリーを紹介しています。

今年は「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ」」と題して、ノルウェーの世界的ベストセラー・ミステリ作家の評判の高いパルプ・ノワールを紹介しています。

ミステリのあらすじ紹介は、ネタバレとしてあまり書けないものなのです。
でも書かないと伝えられない。
痛し痒しというところで。

今回は、かなりのところまで書いてしまいました。
そうしなければ、良さを伝えることができないからです。


この小説の主人公のように、人間は皆、自分なりに物語を作って生きているのでしょうか。

人生も歴史も、この世の出来事も世界そのものも、「何事も解釈だ、解釈に過ぎない」という考え方があります。

人は自分なりの解釈で物語を作り主人公を演じている――それを生きているのでしょうか。

うーん、わかりません。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
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