レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

『左組通信』復活計画[3]<左利きプチ・アンケート>全公開(3)-週刊ヒッキイ第587号

2021-01-19 | 左利き
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 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。

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引き続き、再配信はしばらくお休みとします。


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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第587号(No.587) 2021/1/16
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その12)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [3]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(3)」
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ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [3]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(3)
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 「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年」
 の12回目です。

 2004年年頭から2009年年末までの更新し続けたホームページ
 『レフティやすおの左組通信』復活計画として、
 メイン・コンテンツを順に全面的に
 このメルマガで再生・復活させる、の3回目です。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
 2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その12)
  ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [3]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(3)
  第3回 左利きの子に右手使いを試みるべきか否か
  第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか?
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 ●<左利きプチ・アンケート> 全公開(3)

今回も、
アンケート作成サイト<プチ・アンケート>のサイトから
削除され、現在見ることのできない初期のアンケートのうち、
まずは第3回と第4回を紹介します。


アンケート投票者による「ご意見ボードへの書き込み」の転載は、
著作権等の観点から今回は割愛しました。
ご了承ください。

 ●第3回 左利きの子に右手使いを試みるべきか否か

これは、私にとっては一番重要な問題、
特にその初期の活動においては、最も気になる問題でした。


(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』の<左利きプチ・アンケート>ページのトップページ)

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』の<左利きプチ・アンケート>の第3回のページのヘッド部分)

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(初出)2004.5.22(最終)2004.6.4/2007.11.16
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<左利きプチ・アンケート>
 第3回 左利きの子に右手使いを試みるべきか否か
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 かつて左手で箸を使ったり字を書くことを無作法なことと考え、
 右手使いに変えるように強要する事が「左利きの矯正」
 と呼ばれて行われてきました。

 現在では左利きが生来のもので
 ひとつの個性として考えられるようになり、
 自然に任せる教育が浸透してきました。

 しかし、現実は社会の多数が右利きで、
 道具その他生活上の不便さなどを思うと、
 字を書くことや箸を使うことなど
 特定の作業だけは右手でできた方がよいのでは、
 という考えを持つ方もいます。

 また実際に、
 私は右手使いに変えてよかったという経験談も聞かれます。
 右手使いを試みるべきか否かと
 悩む親御さんは少なくありません。

 このような左利きの子に箸を使うことや字を書くことなど
 特定の作業だけでも右手使いを試みるべきか否か、
 という相談に接したとき貴方はどのようにアドバイスしますか?
 次のなかからひとつを選んでください。

 投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
 ご自身でご自分の利き手をどちらか判断した上で
 投票してください。

*一言言わせて、というお方は投票後に表示されます一番下の
 「ご意見ボード」をご利用ください。
 もっと言わせて、というお方は掲示板もご利用ください。
 貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1(右利きの人)絶対賛成―必ず成功する、やるべきだ
2(  〃  )積極的賛成―積極的に試みるべき、
         ダメでもともとできればプラスになる
3(  〃  )消極的賛成―基本的には反対だが、
         現状では試みるだけなら否定はしない
4(  〃  )絶対反対―プラスにならない、
         成功しても失敗しても問題が残る、
         自然に任せるべき
5(左利きの人)絶対賛成―必ず成功する、やるべきだ
6(  〃  )積極的賛成―積極的に試みるべき、
         ダメでもともとできればプラスになる
7(  〃  )消極的賛成―基本的には反対だが、
         現状では試みるだけなら否定はしない
8(  〃  )絶対反対―プラスにならない、
         もし万一成功しても問題が残る、
         自然に任せるべき

結果/ご意見ボードを見る

*このアンケートは、(2004.4.25-5.22)まで
(4週間)に渡って実施されました。

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投票結果(初出締切時) 実施期間2004.4.25-5.22(28日間)
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1(右利きの人) 絶対賛成―必ず成功する、やるべきだ 0
2(  〃  ) 積極的賛成―積極的に試みるべき、
         ダメでもともとできればプラスになる 1
3(  〃  ) 消極的賛成―基本的には反対だが、
         現状では試みるだけなら否定はしない 6
4(  〃  ) 絶対反対―プラスにならない、
         成功しても失敗しても問題が残る、
         自然に任せるべき        1
5(左利きの人) 絶対賛成―必ず成功する、やるべきだ 0
6(  〃  ) 積極的賛成―積極的に試みるべき、
         ダメでもともとできればプラスになる 4
7(  〃  ) 消極的賛成―基本的には反対だが、
         現状では試みるだけなら否定はしない 22
8(  〃  ) 絶対反対―プラスにならない、
         もし万一成功しても問題が残る、
         自然に任せるべき        20
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【投票結果について】

回答別では「消極的賛成」が最多です。

利き手別に見ると、
右利きの人では「消極的賛成」が多いのに対し、
左利きの人では「絶対反対」とほぼ同数になっています。

左利きの人の意見によると、右手使いに成功しても、
弊害を感じる人が少なくありません。
中途半端は両手使いになり、
新しいことを始めるときにどちらの手を使うべきか迷う、
とっさに右左の区別がつかないなど。
無理な「矯正」は心身ともに弊害があると訴える方もいました。

賛成意見は、両手が使えることは便利で、
挑戦してみる価値がある、というもの。

―まとめ―

・基本的には、右利きであれ左利きであれ、
 自然に任せてそれぞれの利き手を生かすべきだある。
・左利きといっても、両利き的な要素を持つ人もあり、
 利き手を判別する意味で
 右手使いを試してみても良いのではないか。
・現状の右利き偏重社会では
 もし右手が使えればそれに越したことはないし、
 両手が使えれば便利である。
・試す場合は訓練ではなく、
 遊びの一環としてみんなで楽しんでやるのが良い。
 もし、本人が嫌がる場合は即座に止める。
・右手使いができるようになっても、
 それなりに悩みの種がある。

【やっちゃんのアドバイス】―2004.5.5―

左利きの子への右手使いの指導については、

「私論2/(かつては「左利きの矯正」と呼ばれた)
 右手使いを試みる行為について:
「〈矯正〉すべきは〈右利き社会〉」」のなかで、

従来からの私の考えを書いています。

基本的には今もこの考えは変わりません。

しかし、その後多くの方からのご意見を伺い、
若干の修正を加え、
ひとつのアドバイスとしてここにまとめてみます。

 ・・・

左利きの子の右手使いを考えるとき大事な点:
 ことわざ「敵を知り己を知れば百戦危うからず」

1.「利き手」というものを正しく理解する―
 左利きの本なり科学解説書を2,3冊は読む。
 左利きについてのサイトで体験談や左利き情報を知る。

2.子供の利き手を見極める―利き手は成長の過程で、
 左右の成長のバランスの違いから一時的に右利きに見えたり、
 左利きに見えたりします。
 最終的に明らかになるのは8歳ぐらいといわれています。
 だいたいの目安がつくのは5,6歳。
 早い子は2,3歳で使う手が決まっている場合もあるようです。

3.その子にとってどうするのがよいか判断する


私の考えを述べますと、
昔は左利きの成因などわからず、左手使いは無作法だとか、
見苦しいといって右手使いにさせることを
「左利きの矯正」と呼んで躾として正しいことと考え、
実行されてきました。

その後、科学の進歩から左利きは脳神経系に関わるもので
生来の性質と判明し、自然に任せる方向になっています。

しかし実際にこの世の中は右利きの人が多数派で、
社会は右利きに有利にできているので、
右手使いができた方が良いのでは?、
と言う疑問が生まれるというわけですね。


●利き手は「才能」―左利きは左手がうまく使える「才能」

利き手を「才能」と考えてください。
「才能」があって「努力」する人(右利きで日常右手を使う人)
に、左利きの子が「努力」だけで追いつくのはむずかしい。
まったく「才能」がないのなら
無理をしても「努力」させるべきでしょう。
しかし、別の「才能」(左利き)があるのなら
その「才能」を活かす方法を考えてやる方が子供のためでしょう。


●「才能」にはレベルがある―「才能」のレベルを見極める

才能ですからレベルがあります。
ある人はどちらもそこそこあるかもしれません。
右手も使えるかもしれません。
そこで才能を見極めるため、
右手使いを試してみることは必要かもしれません。

左利きの子だけを特別扱いしない―
マイナスのイメージを与えない

しかしそのとき大切なのは、その子だけが特別で、
訓練が必要なのだというような意識を持たせないこと。
マイナスのイメージを与えないこと。
よく両手が使えると便利だから、という方がいます。
しかし両手が使えて便利になるのは、右利きの人でも同じです。
名人といわれる職人さんはみな両手をうまく使える人です。

左利きの子だけに右手使いを強要するのはよくないと思います。
親子で(兄弟がいればみんなで)楽しくチャレンジしてください。


●みんなで楽しくチャレンジ
 ―子供の身になって、苦労してみよう!

しかし両利きといわれる人には、
またそれなりに苦労があるようです。
どちらか一本の方がよかったという体験を述べる方もいます。
逆に右手使いをできるようになってよかったという人もいます。

私のように幼稚園時代に左腕を骨折しても、
左使い一本のものもいます。
左利き度というものは人によりそれぞれです。
よく利き手を見極め、その子の反応も見て子供本位で考えて、
親子で楽しく苦労して欲しいものです。


●利き手に関わらず、差別や不便のない社会に!

最後に一言、
左利きで差別されたり
嫌な思いや不便を強いられたりする世の中というものは、
その社会の方に問題があるのです。
本来は子供に適応させるのでなく、
社会そのものを変えてゆくべきなのです。
男女の問題でも人種の問題でも障害者の問題でも同じように。
私は左右共存社会の実現を夢見ています。


※参照:右手使いへの変更(矯正)について
―レフティやすおの左利き私論 2―
:左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
―レフティやすおの左利き私論 3―

「お茶でっせ」関連記事―2004.5.16
なぜ今アンケート
「左利きの子に右手使いを試みるべき否か」なのか
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/05/post_6.html

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』の<左利きプチ・アンケート>の第4回のページのヘッド部分)

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(初出)2004.6.20(最終)2004.6.23/2007.11.16
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<左利きプチ・アンケート>
 第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか?
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 左利きをあらわす呼び名といえば、
 日本語としては「左利き(の人)」「(左)ぎっちょ」、
 英語から来たものでは「サウスポー」「レフティ(ー)」などが
 あります。

 一言で左利きの呼び名といっても、
 人それぞれさまざまな思いをお持ちのようです。

 「××」と呼ばれて嫌な思いをした、「○○」の方がいい。
 カタカナ言葉より日本語の方がわかりやすい。
 いや、カタカナの方が差別くささがなくてすっきりする。
 なんかカッコイイ、などと。
 あるいは普通に「左利き」でよい、という人もいます。

 「(左)ぎっちょ」は「差別語」と考える人もいます。

 (私は最近「ぎっちょ」の語感も「結構かわいいじゃん!」
  と感じるようになっています。)

 「サウスポー」は本来は左腕投手を意味する言葉でしたが、
 あるアメリカ人はアメリカ発の非差別的用語として
 世界中に広まった言葉であると自慢しています。

 (ジェームス・ブリス/ジョセフ・モレラ
  『左利きの本―右利き社会への挑戦状』
  草壁焔太訳 講談社「われらの右利き社会」21p
  〈左利きにとっても不快でないアメリカのスラング
   「サウスポー」が急速に世界中に広まった。〉)


(画像:〈左利きにとっても不快でないアメリカのスラング「サウスポー」が急速に世界中に広まった。〉(ジェームス・ブリス/ジョセフ・モレラ『左利きの本―右利き社会への挑戦状』草壁焔太訳 講談社「われらの右利き社会」p.21))

 日本でもピンクレディーの歌で、
 広く一般にも知られるようになりました。

 しかしこれも、「ポー」は動物の前足を指す言葉で、差別語だ、
 証拠に右利きを「ノースポー」とは言わないだろう、
 という意見もあります。
 (ジーニー・ヘロン編集『左きき学 その脳と心のメカニズム』
  近藤喜代太郎 杉下守弘監訳(西村書店)
  「第1章 左利き:初期の学説、事実、空想」
  ローレン・ユリウス・ハリス 4p(欄外注釈)
 〈“サウスポー”は侮辱用語ではないが、
  少数者を差別する用語には相違ない。
  右きき党首は決して“northpow”とよばれるわけではない。〉)

 「レフティ(ー)」は、長島元巨人軍監督が「レフティーズ云々」
 の発言により市民権を得たようです。

 さて、貴方がご自分で「こう呼ばれたい」と思う呼び名、
 あるいは「私はこう呼んでいる」という
 呼び名を教えてください。
 次のなかからひとつをお選びください。

 また、こういう呼び名もあるよ、
 というご意見もお待ちしています。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
ご自身でご自分の利き手をどちらか判断した上で投票してください。

*一言言わせて、というお方は投票後に表示されます
一番下の「ご意見ボード」をご利用ください。
もっと言わせて、というお方は掲示板もご利用ください。
貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1(右利きの人)「左利き(の人)」
2( 〃 )  「(左)ぎっちょ」
3( 〃 )  「サウスポー」
4( 〃 )  「レフティ(ー)」
5(左利きの人)「左利き(の人)」
6( 〃 )  「(左)ぎっちょ」
7( 〃 )  「サウスポー」
8( 〃 )  「レフティ(ー)」
9その他(具体的にお書きください―例:レフトハンダー)

結果/ご意見ボードを見る

*当アンケートでは、右利きと左利きの二通りに分類しています。
どちらとも分類しにくい
いわゆる両利きといわれる人に関しましては、
あくまで自主的判断でどちらかで投票していただきたいと存じます。

*このアンケートは、(2004.5.23-6.19)まで
(4週間)に渡って実施されました。

------------------------------------------------------------
投票結果(初出締切時)
実施期間2004.5.23-6.19(28日間)
------------------------------------------------------------

1 (右利きの人) 「左利き(の人)」 5
2 ( 〃 )  「(左)ぎっちょ」 0
3 ( 〃 )  「サウスポー」 0
4 ( 〃 )  「レフティ(ー)」 1
5 (左利きの人) 「左利き(の人)」 22
6 ( 〃 )   「(左)ぎっちょ」 2
7 ( 〃 )   「サウスポー」 2
8 ( 〃 )   「レフティ(ー)」 6
9 その他(具体的にお書きください―例:レフトハンダー) 2

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(略)

*「レフティやすおのお茶でっせ」6/9付記事
「「サウスポー」は人気薄―
 アンケート中間発表と意外に感じたこと」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/06/post_1.html
―中間発表並びに感想を掲載しています。


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結果発表(2004.6.23)実施期間2004.5.23-6.19(28日間)
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投票総数:40 (右:6 左:34)
 左利き(の人):27 (左)ぎっちょ:2 サウスポー:2
 レフティ(ー):7 その他:2

1 右利きの人 左利き(の人) 5
2  〃  (左)ぎっちょ 0
3  〃  サウスポー 0
4  〃  レフティ(ー) 1
5 左利きの人 左利き(の人) 22
6  〃  (左)ぎっちょ 2
7  〃  サウスポー 2
8  〃  レフティ(ー) 6
9 その他(具体的にお書きください―例:レフトハンダー) 2

------------------------------------------------------------

圧倒的に「左利き(の人)」が多数を占めました。
当然の結果といえば、そうですが、
ご意見欄にもありましたように、
右利きと対になっている言葉であり、最もふつうの言い方である、
この言葉が支持されました。

私としては、もっと他の言い方が支持されるかもしれない、
という思いがありました。
平凡を嫌い、特別な存在としての
左利きをアピールする言葉を支持する人があるのではないか、
と考えたのですが…。

変に目立つよりは、平凡が一番。

異端視されるのは嫌、蔑視されるのはもっと嫌、
でも変に持ち上げられるのも困る、
ごくごくふつうの存在として見て欲しい、
という気持ちの表れか、という解釈は考えすぎでしょうか。

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本誌では、「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その12)ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [3]<左利きプチ・アンケート> 全公開(3)」と題して、今はなき私のホームページ『レフティやすおの左組通信』から<左利きプチ・アンケート>の第3回と第4回のアンケートを結果とともに紹介しています(第4回は一部を省略)。

「第3回 左利きの子に右手使いを試みるべきか否か」のアンケートは、本文にも書いていますように、《私にとっては一番重要な問題、特にその初期の活動においては、最も気になる問題でした。》
こちらは今ならもう少し違った結果になっているのかも、と言う気がします。

16、7年の変化というのはどうなのか、もう一度アンケートしてみたい気もします。

「第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか?」も、ある意味では、左利きの人にとって非常に関心のあるものではないか、と思い取り上げました。
こちらはあまり大きな異論のない結果になっています。

左利きの呼び方一つで、その人の抱いている左利きに対する認識の違いが明らかになるのではないか、という予想だったのですけれど。

 ・・・

詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
『左組通信』復活計画[3]<左利きプチ・アンケート>全公開(3)-週刊ヒッキイ第587号
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私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後)フィクション系-楽しい読書286号

2021-01-17 | 本・読書
2021(令和3)年、
年明け第一発目の「レフティやすおの楽しい読書」です。

今年もよろしくお願いいたします。 (゚゚)(。。)ペコッ

コロナ第三波が拡大真っ最中ですが、
おうち時間を大切に!

本でも読んで、力をためる時間にしましょう。

そして、
転んでもただ起きない、不撓不屈の精神で乗り切りましょう!

レフティやすお


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年1月15日号(No.286)
「私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後編)
フィクション系
『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 恒例のその年、もしくは前年に私が読んだ本から選んだ
 「私の年間ベスト3」です。

 今回は「フィクション系」から。

 小説・詩等の文芸作品を「フィクション系」と呼んでいます。
 一部のエッセイは、分類が難しいものもありますが、
 その辺は私の判断で。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 本屋さん絶滅の危機と名探偵の決り事 -
  ~ 私の年間ベスト3・2020(後編)フィクション系 ~
  『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ/著
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

<クリスマス・ストーリーをあなたに>
<夏の文庫>

(略)

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

(略)

 ●(2)それ以外の古典の名作

(略)

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

<左利きミステリ入門>(1)(2)
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>(3)(4)

(略)

 ●(4)個人的な趣味の本

(海外ミステリ)
(海外ホラー・怪奇小説系)

(略)

 ●私の年間ベスト3・2020(後編)フィクション系

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
[初読]から―


(画像:[書影]『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ)

1.『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ
田口 俊樹/訳 集英社文庫 2018/9/2


(画像:[書影]『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ)

2.『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ
 酒寄 進一/訳 東京創元社 2019/6/12

[再読]から―


(画像:[書影]『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』)

3.『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
シャ-リイ・ジャクスン 深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫NV 1974/5/1

*2020年末に出た
『短編ミステリの二百年4』小森収編 創元推理文庫 2020/12/21
に、『野蛮人との生活』の一編「家中が流感にかかった夜」が収録されています。
ぜひ、ご一読を!

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

(略)

 ●私の今年2019年〈フィクション系〉ベスト1

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 

  ~ 本屋さん絶滅の危機と名探偵の決り事 ~
  『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ
    田口 俊樹/訳 集英社文庫 2018/9/2


 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――「左利き」


(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『左手のための小作品集─100のエピソード─』)

・『左手のための小作品集─100のエピソード─』
J・ロバート・レノン 李 春喜/訳 関西大学出版部 2020/2/6

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――ホラー冒険もの


(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『ナイトワールド(上下)』F・ポール・ウィルスン、『マンハッタンの戦慄(上下)』F・ポール・ウィルスン)

・『ナイトワールド(上下)』F・ポール・ウィルスン
広瀬 順弘/訳 扶桑社ミステリー 1994/3/1

・『マンハッタンの戦慄(上下)』F・ポール・ウィルスン
大滝 啓裕/訳 扶桑社ミステリー 1990/8/1

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――アンソロジー


(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『短編ミステリの二百年1~4』小森収編 創元推理文庫)

・『短編ミステリの二百年1』小森収編 創元推理文庫

(略)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後編)フィクション系『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ」」と題して、2020年に読んだ本の中から、今回はフィクション系の本から「私のベスト3」を選び紹介しています。

詳細は本誌をお読みください。

書名は上げています。
知ってる人は知っているで、わからない人は読んでみましょう!

一言だけ書きますと、『泥棒はスプーンを数える』は、<元・本屋の兄ちゃん>として本屋さんの気持ちがわかるということが、大きな魅力になっているシリーズだということもあります。

このシリーズのファンには、ミステリが好きというよりも、本が好き、本にまつわるお話が好きというファンがきっと多いのだろうと思います。


本に限らずですが、リアル店舗で商品を確認してネット検索で安値の商品を注文する→「かしこい消費者の買い物」と言えるのかもしれません。
でも、何かしら心にひっかるものを感じる人もいるのでは?

いいカッコするつもりでも良心的な人間を演じるつもりもないのですが、私はそういう一人です。
できる限り、リアル店舗重視でありたいと考えています。
(昔、お店で働いていたという経歴も影響していると思います。)

それが、目先の利益ではなく、回り回って、自分の生活を潤すことになるような気がしています。
特に地元の身近なお店を利用することが、経済のみならず地方の活性化にもつながると思います。

お店の経営も成り立つし、地元の雇用も増えるし、税収も安定するし、と……。

(うちの近くでも、大型総合スーパーが進出し、商店街や小さな個人店が衰退し、その後、隣町に超大型ショッピングモールができ、総合スーパーも落ち目になり閉店、一気に買い物が不便なまちになってしまった、ということがありました。)

ネット販売によって、地方の小さな店でも経営的にやっていけるようになった、という面もあるとは思いますが……。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後)フィクション系-楽しい読書286号
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2021(令和3)年 新春放談 自分の力の及ぶものと及ばないもの-週刊ヒッキイhikkii第586号

2021-01-03 | 左利き
_○_
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新年明けましておめでとうございます

新春を迎え読書の皆様のご多幸をお祈り申し上げます

旧年中はお世話になりました
本年もよろしくお願い申し上げます。

レフティやすお


(画像:2021(令和三)年年賀状)

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

引き続き、再配信はしばらくお休みとします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第586号(No.586) 2021/1/2
「2021(令和3)年 新春放談
自分の力の及ぶものと及ばないもの」
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○新春放談○ 自分の力の及ぶものと及ばないもの
------------------------------------------------------------

 今回は、久しぶり?に、新春放談です。

 (手抜きという見方もありますけれど……。)

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
  ○新春放談○
   自分の力の及ぶものと及ばないもの
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

年末に、
古代ローマの奴隷出身の後期ストア派の哲学者
エピクテトスの哲学書(弟子のアリアノスが筆記した)
『人生談義(上)』の新訳版が出版されました。

・エピクテトス『人生談義(上)』國方栄二訳 岩波文庫
2020.12.15(2020/12/17)


彼の哲学は、人生哲学といった種類のもので、
その原点は奴隷時代の経験に立脚した哲学と言えるでしょう。

この『人生談義(上)』収録の『語録』の冒頭の
「第一巻第一章」の表題が今回の表題にした文の元ネタです。

 《「われわれの力の及ぶものとわれわれの力の及ばないもの」》

 《われわれの力の及ぶものは、
  最も善いように処理しなければならないが、
  力の及ばないものは
  自然のままに扱うようにしなければならないということだ。/
  「自然のままにとはどういうことだ」/
  神が望むままにということだ。》p.23

 《...何が自分の手元にあるのだろうか。
  何が自分のものであり、何が自分のものでないのか、
  何が自分に許されており、
  何が自分に許されていないのかを知ること、
  これ以外に何があるのだろうか。》p.24

 《...私を縛るのか。君は私の足を縛るだろう。
  だが、私の意志はゼウスだって支配することはできない。》
  p.25


この『語録』とは別に『要録』という著作があり、
こちらは、『語録』の抜粋版飛べもいうべき、
もっと端的にその思想を言い表したものです。

これは、この岩波文庫版では、下巻に収録されます。
(来月にでも出るのでしょう。)


その『要録』を翻訳紹介しているのが、
スイスの哲学者ヒルティの著作『幸福論 第一部』です。
この中の一章「エピクテトス」がそれ。

・ヒルティ『幸福論 第一部』草間平作訳 岩波文庫
「エピクテトス」
―エピクテトス「提要」を翻訳紹介している章


次に、その第一節を引用してみましょう。

 《世にはわれわれの力の及ぶものと、及ばないものとがある。/
  われわれの力の及ぶものは、判断、努力、欲望、嫌悪など、
  ひと言でいえば、われわれの意志の所産の一切である。
  われわれの力の及ばないものは、われわれの肉体、財産、
  名誉、官職など、われわれの所為(せい)でない
  一切のものである。われわれの力の及ぶものは、その性質上、
  自由であり、禁止されることもなく、妨害されることもない。
  が、われわれの力の及ばないものは、無力で、隷属的で、
  妨害されやすく、他人の力の中にあるものである。》pp.43-44


自分の力の及ぶ範囲と及ばない範囲、
及ぶものと及ばないもの、とをしかり把握せよ! といいます。

いかにも奴隷の身にあった人らしいと思いませんか。

奴隷は自分の意志で働くのをやめたり、休憩したりはできません。
しかし、どのように働き方を工夫するかは、
可能なのではないでしょうか。

自分の判断できることは自分が判断し、
自分の手の届かないものは「自然に任せる」。

奴隷の身であれ、自暴自棄になって、諦めてしまえば
おしまいです。

必ず自分の力にできることがあるはずです。
そこに専念し注力する、そうすれば何かしら変化が生まれる。

奴隷の子に生まれ、奴隷であったエピクテトスも
のちに解放され、
哲学者として生きて、弟子を育てました。


私たちも
コロナの感染状況そのものをどうこうすることはできません。

しかし、コロナ感染を避けるべく、
ある程度の手段を講じることはできるでしょう。

人の集まるところにはなるべく近づかないとか、
やむなくそういう場所に行くときは、マスクをするとか、
人との距離をとるように心掛ける、
消毒や手洗いなどなど……。


それと同じで、何事も自分でコントロールできることと、
できないことを分けて考える。

それは一つの知恵です。




(画像:エピクテトス『人生談義(上)』國方栄二訳 岩波文庫他、ストア派哲学者哲学書・入門書など―國方栄二『ギリシア・ローマ ストア派の哲人たち』、マルクス・アウレーリウス『自省録』、中野孝次『ローマの哲人 セネカの言葉』、宮下志朗『モンテーニュ 人生を旅するための7章』ヒルティ『幸福論 第一部』)

 ●「長いものには巻かれろ」ではない

(略)

 ●松井秀喜『不動心』にも

(略)

●今、私の力の及ぶもの――『左組通信』【復活版】

(略)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「2021(令和3)年 新春放談 自分の力の及ぶものと及ばないもの」と題して、昨年末出版されたエピクテトス『人生談義(上)』國方栄二訳 岩波文庫からの引用とともに私なりの今自分の力の及ぶものとしての今年の抱負的なものを語っています。

いつものことですが、詳しい内容は本誌でご覧いただきたいと思います。

もし、気になるという方がいらっしゃれば、ぜひご購読をお願い申し上げます。

 ・・・

詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
2021(令和3)年 新春放談 自分の力の及ぶものと及ばないもの-週刊ヒッキイhikkii第586号
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私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前)リアル系-楽しい読書285号

2021-01-02 | 本・読書
 ―第285号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」


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2020(令和2)年も終わります。

今年は、コロナ禍の一年となりました。

本来なら1964年以来の
二度目の日本の首都でのオリンピック

 2020東京オリンピック/パラリンピック

の年となるはずでした。

多くの方の希望と努力の日々が
無残に砕け散った結果となりました。

でも、来年もう一度チャンスがあります。
希望を胸にチャレンジしてゆきましょう。

今でも遅くない諦めるべきだという人もいます。
様々な得失を考えれば、
止めるという決断も間違いではないのかもしれません。

しかし、夢を自ら諦めるのではなく、
最後の瞬間まで諦めないこと、最善の努力を続けるということも、
勇気ある、大事な決断だと思います。

頑張りましょう!
明日のために!

輝く希望の星を見上げて。


今年もお世話になりました。
来年も変わることなく、応援よろしくお願いいたします。

では、良いお年を!

レフティやすお


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 恒例のその年、もしくは前年に私が読んだ本から選んだ
 「私の年間ベスト3」です。

 まずは、「リアル系」から。


 いつも書いていますが――

 「リアル系」とは、
 いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、をいいます。

 それに対して、小説等の文芸作品は、
 「フィクション系」と呼んでいます。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 しかし「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルになってしまいますので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 現代にも通用する古典エッセイ -
  ~ 私の年間ベスト3・2020(前編)リアル系 ~
  『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
   岩波新書
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2020年の傾向――コロナ禍

(略)

 ●分類してみると

リアル系の内訳を例年のように分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強本―漢詩、読書関連
(2)その他の古典系のお勉強本
(3)小説や左利き本等著作のためのお勉強本
(4)個人的な趣味で、仏教や空海・弘法大師に関する本

(略)

 ●『モンテーニュ 人生を旅するための7章』


(画像:宮下志朗『モンテーニュ 人生を旅するための7章』)

(略)

モンテーニュという人は、現代にも通じる普遍性という、
物事の本質に関わる考察を続けていた人だったのでしょう。

全体は全6巻と長いので、手に取りにくいと思いますが、
本書の著者・宮下志朗さんがいうように、
1章ずつ別のお話ですので、それを積み重ねて行けばよいのです。

 《『エセー』を、気ままなエッセイとして読み始めてみよう。》
  「第7章「エッセイ」というスタイル」p.223

(略)

*参照:モンテーニュ
[Michel Eyquem De Montaigne1533年2月28日-1592年9月13日]

・『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
岩波新書 2019/7/20


・全訳【宮下 志朗/訳 白水社版 全7巻】2005-2016
『エセー〈1〉』2005/10/1

―1595年版を底本に、モンテーニュ自身の加筆を明確にするべく、
 版に合わせて、(A)(B)(C)と追加された文章を区別しながら訳す
 従来の翻訳をやめ、通して読める翻訳にした新訳。

・全訳【岩波文庫】版
『エセー 6冊セット』原 二郎/訳 2015/7/10

―ボルドー版を底本に、1580年の初版の文章に(a)、
 1588年版の増補分に(b)、それ以後手沢本の加筆を(c)、
 と『エセー』の進展ぶりを明瞭に区別して翻訳している。

・選集【荒木 昭太郎/訳 中公クラシックス】版・全3巻
『エセー〈1〉人間とはなにか』2002/9/1

『エセー〈2〉思考と表現』2002/10/1

『エセー〈3〉社会と世界』2003/3/1

―私が最初に読んだ本。全体のほぼ3分の2。

 ●気になる出版企画――『世界哲学史』ちくま新書

(略)

 ●『ブッダ伝 生涯と思想』中村元

(略)

 ●「人生はいかに生きるべきか」の教え

 《仏教とは、もともと「人生はいかに生きるべきか」を説く
  実践の教えでした。
  その実践とは、聖なる道につとめ励むことです。(略)
  その道とは、「最上の道」、「彼岸へいたる道」、
  「道を得る」などといわれる普遍的な理想的な道のことです。》
   「第八章 善き友、ブッダ」p.244

(略)

 《「人間は苦なる存在である」というのは、
  仏教の出発点であって、数十年の熟慮反省の結果、
  ついに「人生の味わいの深さ、美しさ、楽しさ、喜び」を
  体得するのが本当の仏の教えだと思います。》
   「第十二章 入滅の時」p.393

私の思うに、本来、仏教というのは、他の宗教と違い、
戒律戒律と締め上げるものではなく、
宗教といいつつも、もっと人間的なものだと思います。

生きるという行為は、「真善美」を極めるという、
真理や善的なものや美を求める道のようなもの、
ではないでしょうか。


(画像:中村元の著書『ブッダ伝』と訳書・岩波文庫版
『ブッダのことば――スッタニパータ』
『ブッダの真理のことば・感興のことば』
『ブッダ最後の旅――大パリニッバーナ経』)


 ●リンドバーグ『翼よ、あれがパリの灯だ』

(略)


(画像:『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1)

 ●夢と計画と実行と

最も大事なことは、夢を持ち、計画を立て、実行に移すこと。

本書は、いろんなことを教えてくれますが、
なかでも一番心に留めておくべきこと、最も大事なことは、
夢を持ち、計画を立て、実行に移すことだ、
という姿勢でしょうか。


 《人間の着想(アイデア)というものは種子のようなものであり、
  それは最初手に取り上げたときは、
  全く取りに足らないものなのだ。(略)
  しかしひとたびしっかりと根をおろすと、
  それはぐんぐん成長してどんな花も咲かせ、
  トウモロコシの茎にもなり、アメリカ杉にもなる――
  つまり、大洋を横断する飛行にもなるのだ。
  着想というものは種子以上に不思議なものである。(略)
  人間はどんな空想をえがこうとも、
  もしあまりにも傲慢になり神の正義を侵害しない限り、
  達成はできる。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』 
    「第二部 ニューヨークからパリへ」p.32

 《私は計画を生かしておくことがたいせつだ。
  私はどこでも計画を推し進め、
  大西洋横断飛行の話をするときは、
  本気であるということを人々に示さなければならない。
  これがやがてベランカ機買い入れまで運ぶことになる。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(上)』 
    「第一部 2 ニューヨーク」p.92

 《あの星を見つづけるんだ。星によって導かせるのだ。
  けっして星を見失ってはいけない。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』 
    「第二部 ニューヨークからパリへ」p.67

この場合の「星」は、夢や希望を意味する比喩ではなく、
現実の方位を確認するための「星」なのですが、
比喩的に読んでもふさわしいものがあると感じています。

夢を失ってはいけない、自分の目指す方向を見失ってはいけない、
ということ。

(略)

 ●私の今年2020年〈リアル系〉ベスト3

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

1.『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
岩波新書 2019/7/20


2.『ブッダ伝 生涯と思想』中村元/著 角川ソフィア文庫

3.『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・
リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1

『翼よ、あれがパリの灯だ』チャールズ・A・リンドバーグ/著
佐藤 亮一/訳 恒文社 1991/10/1

―復刻版。

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡


(画像:私の今年2020年〈リアル系〉ベスト3
『モンテーニュ』『ブッダ伝』『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』)

 ●ベスト3以外のリアル系の本

今年(2020)のベスト3は以上ですが、
ベスト3以外では、

・『読む力 現代の羅針盤となる150冊』松岡正剛・佐藤優
中公新書ラクレ 2018/4/9

―本誌でも何回か取り上げた本です。

・『人はなぜ物語を求めるのか』千野帽子
ちくまプリマー新書 2017/3/6

―『ミステリマガジン』の連載コラムでその存在を知った著者・
千野帽子さんの「物語」とは何か、なぜ人は物語に惹かれるのか、
という一連の「物語」論の1冊です。
『物語は人生を救うのか』(同 2019/5/7)

という次の1冊も出ています。

・『空海「秘蔵宝鑰」こころの庭を知る手引き』
加藤純一・加藤精一 角川ソフィア文庫 2010/4/25

―現代語訳。

・『NHK宗教の時間 空海「秘蔵宝鑰」をよむ(上下)』福田亮成
NHK出版 2008/3/1、2008/9/1

―NHKラジオのテキスト。2020年、国書刊行会より
『空海「秘蔵宝鑰」をよむ』として書籍化。


・『空海コレクションI』宮坂宥勝監修 ちくま学芸文庫 2004/10/7

―現代語訳「秘蔵宝鑰」「弁顕密二教論」収録

(一部、略)

といった本は、空海の主著の一つ
『秘蔵宝鑰』の現代語訳本や解説書の類いですが、
空海の思想「十住心論」(主著『秘密曼荼羅十住心論』)を
短く説いた、この著書を挙げておきたいですね。

心の発達段階を本能に基づく第一段階から
頂点の第十段階である密教まで10段階に分け、
それぞれに対応する心のあり方や宗教・宗派の思想を解説する
「十住心論」は、
『世界哲学史』の3巻でも空海の章で取り上げられています。

中世日本を代表する哲学の一つといってよい、
ということでしょう。


(画像:ベスト3以外から、空海『秘蔵宝鑰』の現代語訳本や解説書
『NHK宗教の時間 空海「秘蔵宝鑰」をよむ(上下)』
『空海「秘蔵宝鑰」』『空海コレクションI』)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系 現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」と題して、2020年に読んだ本の中から、今回はリアル系の本から「私のベスト3」を選び紹介しています。

本文でも書いていますように、今年はコロナ禍の影響で精神が不安定で、思うように本の世界に没入できず、冊数は進みませんでした。
50代から朝読をはじめ、年間100冊以上読むようになっていたのですが、今年は80冊ちょい。

また図書館の休館もあり、手持ちの本から読むことが多くなり、特に初期の持ち本は小説本が多く、必然的に買い置きの本や持ち本の再読では、リアル系の本が少なく、結果的に今年はリアル系の本が25冊程度。
例年ならリアル系とフィクション系が半々なのですけれど、ね。

で、そのなかから選んだものが、これでした。

今年のもう一つの傾向としては、メルマガの月末発行分の古典紹介編用の勉強がほとんど進んでいなかった、ということでしょうか。
やはり、これは図書館の休館が大きかったですね。

西日本最大級の規模を誇る府立図書館が、3月から5月下旬頃まで。
地元の市の図書館が、新図書館に移転するということで、お正月明けに休館に入り、3月7日新図書館開館の予定だったのですが……。
結局そのまま休館状態が5月下旬まで。

そんなこともあり、図書館本で勉強していたメルマガの古典編は、勉強が滞り、思うように進められませんでした。
その点がちょっと残念なことでした。


でも、こうやって振り返りますと、それなりに読んできたのかな、という気もします。

ただ問題があるとすれば、やはり本に触れる機会が大きく減ったという点。
新刊書店にしろ古本屋にしろ、本屋さんの営業時間の短縮だったり、休業だったり。

それでなくても、本屋さんが激減状態になっていて、本にふれる機会が減っている。
さらに古本市のイベントが中止になったこともあり、購入本の半分ぐらいを占めていた古本のほうもふれる機会が激減。

その辺のところですね。
困ったことでした。

古本市のイベントは後半はどことも復活していますが、新規感染者数の多い大阪市内が会場のものが多く、つい敬遠してしまいました。
来年は気軽にどこへでも出かけられるようになればいいのに、と願っています。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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新年明けましておめでとう!2021(令和3)年1月1日

2021-01-01 | 新しい生活のために
昨年は色々お世話になりました。


コロナ禍で大変な一年になってしまいましたね。

でも、世界がどうなろうと、日本がどうなろうと、やっぱり私たちは生きてゆくしかないのです。

死すべき人間として生まれてきた限り、一日一日死に向かって今このときを生きていくしかないのです。

だからこそ、一年一年区切りを付けながら、流されることなくその日々を、希望を胸に生きてゆくのです。

また新しいこの一年に、夢を抱き、期待しながら……。


また今年もよろしくお願いしたします。

それぞれ各人の持てる力の限り、明るい未来に向けて、ゆっくりでもいい、歩んでいきましょう!

いつかきっと、きっといつの日にか、輝ける地にいたる日が来ることを祈って。


◎私の読書メルマガ昨年の最終号から――

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
https://www.mag2.com/m/0000257388.html

2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」

 
あの星を見つづけるんだ。星によって導かせるのだ。けっして星を見失ってはいけない。》『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』「第二部 ニューヨークからパリへ」p.67


この場合の「星」は、夢や希望を意味する比喩ではなく、現実の方位を確認するための「星」なのですが、比喩的に読んでもふさわしいものがあると感じています。

夢を失ってはいけない、自分の目指す方向を見失ってはいけない、ということ。


『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1

レフティやすお


(画像:2021(令和三)年レフティやすお年賀状)

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