古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】
2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
<元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の9回目となります。
【過去8回の<私の「町の本屋」論>】
(1)2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf
(2)2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1
(3)2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
(4)2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55
(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

(5)2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b
(6)2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-4d9a04.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7555773c70cfe4846b3dc367dbf5493c
(7)2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-6b5805.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/22c8bc62482c03566e741b6b67100f12
(参考書)
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22

(8)2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.15
レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-
<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-16f0d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0bbde416e34436d0ef75c6e041731d82
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 私の読書論195 -
~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>9 ~
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4月17日発売予定の本
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか 知られざる戦後書店抗争史』
飯田 一史/著 平凡社新書

の「まえがき」の「web版」が公開されています。
今回はこれをネタに書いて見ましょう。
・・・
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)
https://note.com/ichiiida/n/n7dd7ed834dd1?sub_rt=share_pb
2025年3月28日 06:10
飯田一史

●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』の概要
まずは、この本の概要を紹介しましょう。
《概要》
かつて本屋は「帰り道にふらっと寄る」場所だった。
だが、いつのまにか町から本屋の姿はなくなり、
「わざわざ行く」場所になってしまっている。
いったいいつから、どのようにして、本屋は消えていったのか?
本書では、出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった
出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史を
テーマごとにたどる。
公正取引委員会との攻防、郊外型複合書店からモール内大型書店への
移り変わり、鉄道会社系書店の登場、図書館での新刊書籍の貸出、
ネット書店の台頭――。
膨大なデータの分析からは、書店が直面してきた苦境と、
それに抗い続けた闘争の歴史が見えてくる。
「書店がつぶれていく」という問題の根幹を明らかにする一冊。
《目次》
まえがき
第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル
コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない
第二章 日本の出版流通の特徴
コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ
第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い
コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視
第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防
コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、
いつ委託ではないと認識されたのか
第五章 外商(外売)
コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題
第六章 兼業書店
コラム6 信認金制度
第七章 スタンドと鉄道会社系書店
コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか
第八章 コンビニエンス・ストア
コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史
第九章 書店の多店舗化・大型化
コラム9 共同倉庫構想の挫折史
第十章 図書館、TRC(図書館流通センター)
コラム10「送料無料」と景表法規制
第十一章 ネット書店
コラム11 2020年代の「指定配本」の増加
終章
あとがき
新書版ながら、350ページ超というかなりゴツい本で、
出版業界における新刊書店の立場や、環境の変化や、
その衰退の歴史を追った本のようです。
元(町の)本屋の兄ちゃんとしては、気になる本です。
●私が「本屋の兄ちゃん」時代にやったこと
私が町の本屋さんで働いていたのは、1980年代の前半ぐらいでした。
もう40年近くになります。
しかし、その頃からすでに町の本屋の売り上げは、
いいお店でも前年並み。
たいていのお店は5%程度のダウンだったかと思います。
コンビニでの雑誌やコミック・文庫の販売が始まり、
また郊外型の大型書店やビデオ店と併存の書店が開業するようになり、
そういう従来とは異なるタイプの販売店が出てきたのです。
そのため既存の新刊書店、従来型のパパママストア的な町の本屋は、
非常に苦しい状況が始まったのでした。
その中で私がやっていたことは、
複数の高校の最寄り駅の駅前書店という文教地区の立地でしたので、
高校生のお客様も多く、学校の休みの時期を考慮して、
若向けの雑誌の入荷数の定期改正を行ったり、
オリジナルのフェアを3カ月程度の期間であの手この手と企画したり、
3年間とはいえ、高校生客を「育てる」ような姿勢でやっていました。
また、ライバル店がスーパー内にあり、うちは昼間の販売が弱い店で、
お子様向けや婦人客向けも限られた条件の中で、
特色を出すように工夫したものでした。
●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき
まえがきの概要を――。
冒頭、今では本屋さんは「本好きが、わざわざ行く」場所になっている、
といいます。
昔は多くの人が毎日のように訪れていた場所だったのに。
なぜこうなったのか。
《戦後の新刊書店のうつりかわりをまとめた》本がないので、
日本の本屋さんのたどってきた道が分からない。
そこで、
《本書で掘り下げたいのは「普通の書店」の商売はどのように
成立し、変わり、また、どんな背景から競争に敗れ消えてきたのか》
について見ていこうといいます。
《本書では「町の本屋」と書くときには中小規模の、
多くは大規模チェーン展開をしていない、地元資本の書店を指す。》
一般的な「町の本屋」さんについての本だということですね。
そこで「書店経営」視点から、書店ビジネスの構造や時代の変化を描く。
《理解しやすくするために、時系列順 (編年体) での記述ではなく、
テーマ別に「町の本屋」とそれ以外のさまざまな勢力との攻防を軸に
各章を分けた。》
●書店の実状と利益率の低さ
●なぜ欧米諸外国とは違い、日本では本の売り上げが減ったのか
●書店を取り巻く競争環境
●本書のタイトルについて
●書店業界の二つの面
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」と題して、今回は冒頭と見出しのみの紹介です。
内容がweb版の「まえがき」の概要説明ですので、そちらを見ていただければ、ということですね。
今回は、特に私自身の考えや経験などを書いているというほどではありませんので。
・・・
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論195-<町の本屋>論(9)『町の本屋は~』(飯田一史)より-レフティやすおの楽しい読書386号
--
【最新号・告知】
2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
<元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の9回目となります。
【過去8回の<私の「町の本屋」論>】
(1)2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf
(2)2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1
(3)2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
(4)2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55
(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

(5)2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b
(6)2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
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(7)2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-6b5805.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/22c8bc62482c03566e741b6b67100f12
(参考書)
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22

(8)2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.15
レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-
<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-16f0d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0bbde416e34436d0ef75c6e041731d82
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- 私の読書論195 -
~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>9 ~
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4月17日発売予定の本
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか 知られざる戦後書店抗争史』
飯田 一史/著 平凡社新書

の「まえがき」の「web版」が公開されています。
今回はこれをネタに書いて見ましょう。
・・・
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)
https://note.com/ichiiida/n/n7dd7ed834dd1?sub_rt=share_pb
2025年3月28日 06:10
飯田一史

●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』の概要
まずは、この本の概要を紹介しましょう。
《概要》
かつて本屋は「帰り道にふらっと寄る」場所だった。
だが、いつのまにか町から本屋の姿はなくなり、
「わざわざ行く」場所になってしまっている。
いったいいつから、どのようにして、本屋は消えていったのか?
本書では、出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった
出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史を
テーマごとにたどる。
公正取引委員会との攻防、郊外型複合書店からモール内大型書店への
移り変わり、鉄道会社系書店の登場、図書館での新刊書籍の貸出、
ネット書店の台頭――。
膨大なデータの分析からは、書店が直面してきた苦境と、
それに抗い続けた闘争の歴史が見えてくる。
「書店がつぶれていく」という問題の根幹を明らかにする一冊。
《目次》
まえがき
第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル
コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない
第二章 日本の出版流通の特徴
コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ
第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い
コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視
第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防
コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、
いつ委託ではないと認識されたのか
第五章 外商(外売)
コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題
第六章 兼業書店
コラム6 信認金制度
第七章 スタンドと鉄道会社系書店
コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか
第八章 コンビニエンス・ストア
コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史
第九章 書店の多店舗化・大型化
コラム9 共同倉庫構想の挫折史
第十章 図書館、TRC(図書館流通センター)
コラム10「送料無料」と景表法規制
第十一章 ネット書店
コラム11 2020年代の「指定配本」の増加
終章
あとがき
新書版ながら、350ページ超というかなりゴツい本で、
出版業界における新刊書店の立場や、環境の変化や、
その衰退の歴史を追った本のようです。
元(町の)本屋の兄ちゃんとしては、気になる本です。
●私が「本屋の兄ちゃん」時代にやったこと
私が町の本屋さんで働いていたのは、1980年代の前半ぐらいでした。
もう40年近くになります。
しかし、その頃からすでに町の本屋の売り上げは、
いいお店でも前年並み。
たいていのお店は5%程度のダウンだったかと思います。
コンビニでの雑誌やコミック・文庫の販売が始まり、
また郊外型の大型書店やビデオ店と併存の書店が開業するようになり、
そういう従来とは異なるタイプの販売店が出てきたのです。
そのため既存の新刊書店、従来型のパパママストア的な町の本屋は、
非常に苦しい状況が始まったのでした。
その中で私がやっていたことは、
複数の高校の最寄り駅の駅前書店という文教地区の立地でしたので、
高校生のお客様も多く、学校の休みの時期を考慮して、
若向けの雑誌の入荷数の定期改正を行ったり、
オリジナルのフェアを3カ月程度の期間であの手この手と企画したり、
3年間とはいえ、高校生客を「育てる」ような姿勢でやっていました。
また、ライバル店がスーパー内にあり、うちは昼間の販売が弱い店で、
お子様向けや婦人客向けも限られた条件の中で、
特色を出すように工夫したものでした。
●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき
まえがきの概要を――。
冒頭、今では本屋さんは「本好きが、わざわざ行く」場所になっている、
といいます。
昔は多くの人が毎日のように訪れていた場所だったのに。
なぜこうなったのか。
《戦後の新刊書店のうつりかわりをまとめた》本がないので、
日本の本屋さんのたどってきた道が分からない。
そこで、
《本書で掘り下げたいのは「普通の書店」の商売はどのように
成立し、変わり、また、どんな背景から競争に敗れ消えてきたのか》
について見ていこうといいます。
《本書では「町の本屋」と書くときには中小規模の、
多くは大規模チェーン展開をしていない、地元資本の書店を指す。》
一般的な「町の本屋」さんについての本だということですね。
そこで「書店経営」視点から、書店ビジネスの構造や時代の変化を描く。
《理解しやすくするために、時系列順 (編年体) での記述ではなく、
テーマ別に「町の本屋」とそれ以外のさまざまな勢力との攻防を軸に
各章を分けた。》
●書店の実状と利益率の低さ
●なぜ欧米諸外国とは違い、日本では本の売り上げが減ったのか
●書店を取り巻く競争環境
●本書のタイトルについて
●書店業界の二つの面
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」と題して、今回は冒頭と見出しのみの紹介です。
内容がweb版の「まえがき」の概要説明ですので、そちらを見ていただければ、ということですね。
今回は、特に私自身の考えや経験などを書いているというほどではありませんので。
・・・
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論195-<町の本屋>論(9)『町の本屋は~』(飯田一史)より-レフティやすおの楽しい読書386号
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