こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『早朝始発の殺風景』青崎有吾

2019-03-15 19:57:32 | 読書感想
高校生たちが主人公の、連作短編ミステリ。

始発の電車で学校へと向かう男女の高校生。
それぞれの目的と理由とは?

クラスTシャツのデザインと発注の仕事を押し付けられた仲良し三人組。
デザインの1つを考えた子は自分のを選ぶとして、二案のうち一方を選ぶのに、2人の考えが二転三転したのはなぜなのか?

フォークソング部の追い出し会のため、千葉でもローカルな遊園地をわざわざ選び、観覧車に乗るのは何のためなのか?

両親が離婚し、別々に暮らす兄妹。
猫アレルギーの妹が猫を拾い、飼えないかと兄を呼び出すと、捨てろ捨てないの口論になるが、兄が飼えないのには理由があった。

クラスで孤高の女子高生が、風邪のために卒業式を欠席した。
その真相が、思いがけない方向に行ってしまう。

エピローグで、これら5編のその後が描かれ、大団円となる。

初っ端から思いがけないタイトルの事実を知り、少し笑ってしまいました。

それぞれの日常の中から、十代ならではの思考や行動が現れてきます。

そして、表題作の二人の考えに同調してしまう自分が、成長していないのか、人として平均的な考え方なのか、悩んでしまいます。

とても面白かったです。
コメント
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