旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

「シチリアを見せたい」と言った人

2014-04-21 06:06:07 | イタリア
4月21日から5月1日までのイタリア11日間の旅は、ある老社長の想いからはじまった。
いかに利益があがっている会社であろうと、「社員にヨーロッパの素晴らしさをみせてやりたい」という想いで、全員をヨーロッパの旅へ連れ出すというのは、そう出来ることではない。

社長がそう言われるのは自分自身がシチリアをご存じだからだと思っていた。ところが、アグリジェントのあたりはご自身もはじめて行かれるのだという。その事を旅の企画をしている途中で知った。

89歳の社長にとって、いくらお元気であっても、これは最初で最後のシチリアになるのかもしれない。よし、それならば、きっときっと良い旅にいたしましょうぞ!

★今回の旅は、日ごとではなく、全体を俯瞰してお伝えします。

**
21日、夜。スーツケースがすべて無事届いてほっとしたパレルモ到着。翌日、午前中にモンレアーレへ。大聖堂の入り口。

ノルマン風の二つの塔にはさまれた身廊のいちばん奥・アプスの外側にはシチリアのロマネスク独特の模様があるアプスから見下ろすキリストは、現トルコのイスタンブールなどに見られるビザンチンの金色モザイク。手の高さだけで2メートルもあるのだ。
全体の様子はこんな古代のものから流用しただろう柱も風格がある。
側廊にあった洗礼者ヨハネのモザイク画の表現
遠近法などなくとも、これだけの表現が出来る

***パレルモに戻ってノルマン宮殿を見学。ここはアラブ時代から要塞があったとされ、その建物をどんどん改築して、現在はシチリア州議会がおかれている。ここを訪れるのはパラティーナ礼拝堂を見るため天上はアラブの工人によってつくられたのかもしれない、モスクによくあるスタラクタイト様式洗礼盤は、昔ロマネスク時代のものときいたが、近年19世紀のレプリカだったことが判明したのだとか

昼食は茄子のペンネこれを何故か「ア・ラ・ノルマ」と呼ぶのです。デザートはシチリア銘菓カンノーロ殻のサクサク感を感じるために、食べる直前にリコッタをいれてくれた。

****パレルモ大聖堂この内部もかつては黄金のモザイクで飾られていたというが、18世紀にフェルディナンド・フーガが改築した際に跡形もなくなってしまった。
ここに最近改葬された司教パレルモのもっとも貧しい地区で活動し、反マフィアをはっきり言っていた彼は、教会の前で射殺されたのだった。列福されたのを機に大聖堂に移された

*****
24日、シチリア島の山を越えてアグリジェントへ。

パレルモを出る時には小雨が降っていたので心配したのだが、素晴らしいお天気になった。※昼食レストランの前のテラスから見晴らす「神殿の谷」とアフリカへ続く海。

ギリシャ神殿には青空が似合う。社長も青空の下軽やかに歩いておられる。

このコンコルディア神殿は教会に転用されていた事が幸いして、建設後二千五百年以上もの間ずっと倒れずに立ち続けているのである たくさんあった神殿の中でも最大であったゼウス・オリンピア神殿の柱頭部すごい迫力の砂岩。ここではギリシャ本国の様な大理石はとれなかったので、砂岩を使いそれを白く塗っていた。

******アグリジェントに一泊した翌日、ピアッツァ・アルメリーナへ

比類なきモザイクの床がある。これはアフリカからダチョウを船に乗せている図。

・・・翌日へ続く

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