認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の正体と治療および予防の方法( 「実務研修会」の講義録 [その一]:Cー14)

2018-09-26 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

二段階方式」の実務研修会での講義録からの引用です。プロジェクターを使って、図表や絵や脳機能データを映して、説明しています。グーブログの字数制限枠との関係で、2回に分けて掲載してありますので、二回分(C-14とC-15)を併せて一度に読んでください。

  

 おはようございます。所長の高槻です。今日の主題である「アルツハイマー型認知症」については、発病の原因が分からないし、症状を治せないし、発病を予防できないとして、様々な『仮説』が横行する中で、医療機関は発病のレッテルを貼るだけの診断と副作用ばかりで効きもしない薬の処方という状況が放置されています。「脳機能データ」の解析並びに早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした市町村が実施する住民参加型の「地域予防活動」による実証結果(疫学的実証)に基づき、「アルツハイマー型認知症」の正体に関わる「二段階方式」の考え方を、分かり易く説明したいと思います。私たちの主張である『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病であり、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来る』との考え方は、近い将来に、世界標準になると考えています。

 最近になって、その兆しとも言える研究論文が世界最大の研究機関であるカロリンスカ研究所を初めとして、いくつかの権威ある専門の研究機関からも発表されてきている状況にあります。老々介護認々介護、更には100万人を超えたと言われる介護離職という社会問題、加えて、年度総額が20兆円に迫ろうとする膨張し続けている介護関連の総費用の額を大幅に削減すべきという社会の要請に応えることが出来るのは、「二段階方式」の手技だけなのです。この研修会で、基礎となる「考え方」を出来るだけ理解し、同時に、手技の「使い方」を十分に実習して頂きたいのです。

アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」は、極めて有効で、有益な処方箋なのですが、二段階方式の手技の活用が不可欠となります。ところが、医療機関が二段階方式を実施しても、必要な規模の売上高を稼げないのです。医療機関が使用しているCTやMRIやPET等の機器が不要とされる上、薬の使用も不要となるからです。超高齢化社会に特有の落し子である「アルツハイマー型認知症」の発病者数は、末期の段階である「大ボケ」の症状が発現しているお年寄りの数だけでも、我が国だけで、500万人を超えるとされる巨大な病気なのです。極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状を基準に発病と診断される為に、認知症の専門家達からは見落とされている小ボケ及び中ボケの段階(早期の段階)の発病者を加えると、天文学的な数字になるのです。「大ボケ」のお年寄りを抱えた家族の精神的、肉体的、経済的負担は極めて大きく、国策として解決を図るべきなのです。問題解決の為の処方箋を提示することが出来る「二段階方式」を実施する「担い手」は、売上高の確保が必要とならない市町村の活動となり、保健師さんが主役となるのです。

アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説という、「アルツハイマー型認知症」の発病原因について主張されている『4つの仮説』の内で世界的に通説としての支持を集めている「アミロイドベータ説」の主張者達はというと、「前頭葉」という脳機能も無ければ、「意識的」な世界も存在しない『マウス』(アルツハイマー・マウスとて同じこと)が檻の中で餌を探して動きまわる行動を調べることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病原因を突きとめることが出来ると妄想し、日夜研究に励んでいるのです。世界中の巨大な規模の製薬会社による「アミロイドベータ説」の考え方に立脚した治療薬の開発の試みは、全てが失敗に終わっているのです。

アルツハイマー型認知症」を発病させる核心的な要素が「記憶の障害」であるとするのは、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定であるDSM4が「第一要件」でその確認を要求していることが源なのです。実は、そのことが、認知症研究の専門家とされる人達を出口がない迷路に足を踏み込ませる遠因となってもいるのです。通説であるアミロイドベータ説を含む「4つの仮説」も全て、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」を発病させている核心的な要素であるとの「DSM-4」の第一要件の規定内容が正しいとの前提に立脚した単なる憶測に過ぎないのです。後述するように、「第一要件」の規定内容自体が誤りなのですから。

ところで、記憶は、記銘保持想起という3つの過程から成っていて、その全ての過程に、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が関わるのです。良く『記銘』された内容は、良く想起されるのです。良く『記銘』するには、意欲と注意の集中力が良く発揮されている状態下で、『注意の分配力』の機能が良く抑制されていることが必要となるのです。良く記銘され、良く保持された内容を良く『想起』するには、意欲、注意の集中力の機能が高度なレベルで発揮されている上に、取り分け、『注意の分配力』の機能が高度に発揮されることが要求されるのです(私たちが開発した『動物名想起』テストのデータ解析)。先ほどのマウスには、「前頭葉」の機能が備わっていないだけでなく、『注意の分配力』の機能も備わってはいないのです(これは、笑い事ではないのです。彼等は、真剣に研究しているのですから)。

         

私たちが独自に開発した「二段階方式」の考え方及び手技の神髄は、私たち人間だけに特有な『脳の働きという物差しにあります。就中、脳全体の『司令塔』の役割を担っている『前頭葉』の機能に焦点を定めているのです。然も、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の働き具合(機能レベル)に光を当てているのです。

二段階方式』の手技では、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』の機能レベル並びにその手足となる左脳及び右脳の機能レベルの判定を基礎とした脳全体の機能レベルの判定脳全体の機能レベルのアウト・プットとしての三段階に区分される症状の判定、症状発現の原因である脳の使い方としての「生活習慣」の聞き取り(「生活歴」の聞き取り)、更には、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)からの回復(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと)を目的とした『脳のリハビリ』(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)の指導、更には、発病自体の予防を目的とした「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の組み立ての為の体験教室としての『イキイキ教室の運営がメインのテーマとなります。

私達人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的な世界を創出し、構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能に焦点を当てているのは、世界広しと言えど、私たちだけなのです。「二段階方式」の考え方及び「二段階方式」の手技では、『前頭葉』という脳機能について、脳の使い方としての『生活習慣』が原因で起きてくる『廃用性の機能低下』及び「前頭葉」を活性化させる脳の使い方としての『生活習慣』という「テーマ」が、極めて重要な追及命題及び課題となります。このテーマに焦点を定めることにより、早期診断による回復及び発病の予防が見えてくるのです。世界中の認知症研究の専門家とされる人達(学者、医師、製薬会社の研究者)が主張している『アルツハイマー型認知症は、治せないし、予防することが出来ない』との考えが根本的に誤りであることについて、客観的な脳機能データ及びいくつかの事象事実を提示して具体的に説明しておきます。個別事例の『早期診断による回復』の事例の積み重ねと住民参加型の「地域予防活動」としての『イキイキ教室の運営』の成功体験を通じて、「二段階方式」の考え方が正しいことを実感し、確信し、「二段階方式」の手技の活用に自信を持って頂きたいのです。私たちが独自に開発した『二段階方式』の考え方及びその実践展開を支える手技は、権威こそないものの、実力は世界一、他に抜きんでていることを実践を通じてできるだけ早く体験して欲しいのです。『早期診断による回復が可能である』ことを体験し、体感して欲しいのです。『治して見せる』こと及びそうした数多くの事例の積み重ねによる『疫学的な実証』が、地域住民の考え方を良い方向に変えさせ、発病を予防する為の『生活習慣の改善(構築)』に対する高い関心を呼び起こすことになるのです。

 

&1(認知症の種類と「アルツハイマー型認知症」の正体)

この図に示すように、認知症にも、色んな種類がある上、治せるものもあれば、治せないものもある。色々なんです。

「二次性認知症」は、様々な病気が原因で発病するタイプの認知症のことを言います。例えば、脳腫瘍や水頭症、慢性硬膜下血腫等の発病が原因で認知症を惹き起こします。原因の病気が治ることで、認知症の症状も、治ります。『二次性認知症が、認知症全体に占める割合は、2%程度』。

「脳血管性認知症」は、脳出血や脳梗塞などの、脳を養う血管からの出血や血管の詰まりが原因となって、十分な量の血液を脳の機能部位に送れなくなる為に、認知症を惹き起こします。脳血管性認知症の数も少なくて、認知症全体に占める割合は5%程度(25%程度とされている内の20%分は、「アルツハイマー型認知症」であるものを「誤診」しているだけ。『脳梗塞の既往』と目立つ程度の記憶障害の症状があれば、全てを脳血管性認知症と診断する誤診が原因)。

 最初に発見した人の名前を冠して呼ばれ、認知症の代名詞のように言われるのが、「アルツハイマー病」。3050歳代の若い年齢を対象に発病するので、若年性又は早発型アルツハイマー病とも言います。極めて特殊なタイプで、『生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけが発病の対象』。働き盛りの「若い年齢」で発病し、僅か数年の経過で寝たきり状態になる程、症状が極めて急激に進行します。アルツハイマー病は、治すことも予防することも出来ませんが、『アルツハイマー病が認知症全体に占める割合は1程度』。

 認知症の大多数、90%以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」。仕事とは無縁となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象に発病するので、晩発型又は老年性「アルツハイマー病」とも呼ばれます。皆さんが、普段街中でお目にかかるのは、殆どが、このタイプの認知症なのです。両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼ぶ専門家が我が国には多いのですが、両者は、発病のメカニズムも、発病後の症状が進行する速さ及び態様も全く異なり、更には、治療及び発病の予防という面でも全く異なるものであり、混同しているだけなのです。

アルツハイマー型認知症」は、60代より70代、70代より8080代より90代、90代より100歳代という風に、高齢になるほど発病する人の割合が多くなっていきます。

世界中の認知症の専門家とされる人達が、これまで、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治すこともできないし、発病を予防することも出来ない」と言ってきました。その上で、発病の原因については、『DSM4』の第一要件が確認を要求している「記憶障害」が核心的要因という前提に立脚しての様々な『仮説』が主張されてきました。「アセチルコリン」の不足が記憶障害の原因と考えるアセチルコリン説、「アミロイドベータ」の蓄積により形成される老人斑の持つ毒性が情報を伝達する役割を担う神経細胞の大量死を惹き起こすことが記憶障害の原因だと考えるアミロイドベータ説、「タウタンパク」の蓄積により形成される神経原繊維変化が情報を伝達する役割を担う神経細胞の大量死を惹き起こすことが記憶障害の原因だと考えるタウタンパク説、脳の顕著な萎縮が記憶障害の原因だと考える脳の萎縮説等の「4つの仮説」が提唱されて来たのです。中でも、アミロイドベータ説が世界的に通説の地位にあります。仮説と呼ばれる理由は、各々が主張する発病原因と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するはずの「因果関係」を未だに立証することが出来ていないせいです。謂わば、『憶測の類』に過ぎない程度の内容と言えるのです。

 最近になって、スエーデンのカロリンスカ研究所や英国のロンドンに拠点を置くランセット委員会が、更に、今年の7月には、我が国の国立精神・神経医療研究センターが、『アルツハイマー型認知症を発病させる危険因子は、「生活習慣」である』と言い出したのです。このことが、発病原因に関する学説の主張内容に『コペルニクス的転回』がもたらされる『キッカケ』になるのではと考えています。

エイジングライフ研究所は、1995年の活動開始以来首尾一貫して、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病である』と主張し、更には、『早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来る』ことを、住民参加型の「地域予防活動」の実践指導により、全国452の市町村で、疫学的に実証してきているのです「アルツハイマー型認知症」は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の日々の暮らし方、脳の使い方としての「生活習慣」が発病するかしないかを決定づける『唯一の核心的な要因』であり、『「廃用症候群」に属する老化廃用型の「生活習慣病」に過ぎない』のです。「器質的な原因病変」は、存在していないし、「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)が、「アルツハイマー型認知症」を発病させる核心的な原因要素ではないのです。真の犯人は、一つは、お年寄りの誰の脳にも起きてくる性質のものである『加齢に起因した老化の進行による機能低下』という要因(正常老化)と、もう一つは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方、『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」』が継続されている特定のお年寄りの脳だけに起きてくる性質のものである『廃用性の機能低下』という要因(異常な老化)、『異なるこの二つの要因』が同時に存在し充足されることによる「相乗効果」により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が『廃用性の、加速度的で、異常な機能低下』を進行させていくその先に「アルツハイマー型認知症」の発病及び『三段階』に区分される症状の重症化が待っているのです(脳機能データの解析と疫学的実証)。DSM4」の規定内容も、その「第一の要件」を基礎として組み立てられている『4つの仮説』の類も、規定内容(主張内容)自体に重大な誤りがあるのです。何時になったら我が身の重大な過ちに気が付くのか、もどかしい限り。

医療機関が行っている診断の実態はというと、認知症が専門の医師と言いながら、肝心の「アルツハイマー型認知症」については無知な人達ばかりなのです。25%を占めるとされている「脳血管性認知症」との診断の内の20%分は、「アルツハイマー型認知症」なのに、「脳血管性認知症」と誤診していたり、「アルツハイマー型認知症」と「アルツハイマー病」とをまとめて「アルツハイマー病」と呼んだりしている人達は、認知症の専門家とは言いながら、「アルツハイマー型認知症」については殆ど無知な人達なのです。医療現場で実際に行われていることと言えば、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断には不必要であるCTMRIPET等、高額の診療費を稼げる機器を使用して、発病の原因と症状とが分かっている種類の認知症から順に消去していき、最後に残ったものについて、脳の萎縮とか、頻度が少しばかり多い程度の物忘れの症状の確認により、「アルツハイマー型認知症」の発病だと診断していたりするのです。おまけに、症状の更なる進行が半年から1年程遅れることが期待できるかもしれない等と説明して、(副作用ばかりで、効きもしない)薬を処方していたりするのです。薬が効かないと家族から言われると、量を増やしたり、種類を変えて、売り上げを稼ぐ為に、相変わらず薬を処方するのです。彼等の主たる関心は、副作用の程度だけ。

これから先、この研修会では、「アルツハイマー型認知症」に的を絞って、「発病のメカニズム」、「治療法」、「予防法」について、分かりやすく、説明していきます。

様々な種類が数ある中で、「アルツハイマー型認知症」が認知症全体の90%以上の割合を占めています。皆さんが関わっていくのは、その「アルツハイマー型認知症だけを対象とした、『早期診断による「回復」及び発病の「予防」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」』の実践ということになります。CTやMRIやPETの使用が不要で、薬も無用というのでは、早期診断による回復も発病の予防も、売り上げ至上主義である医師達には、期待できないのです(医療機関を対象に活動を開始した初期に経験したこと)。

発病の有無の判定、三段階に区分する症状の段階の判定、症状を治す為及び発病を予防する為の「生活習慣」の改善の指導等の全ての業務が、医師法が禁止する「医行為」を含まないので、保健師さんが主体性をもって、その判断により、関連する業務の全てに関わることが出来るのです。二段階方式の手技を活用した早期診断による『回復』業務も、更には、地域『予防活動』業務も、医療機関にとっては死活的な命題である相当規模での売上高を稼ぐことが出来ない為、それらの活動を、医療機関には期待することが出来ないのです。「アルツハイマー型認知症」は老化廃用型の生活習慣病であるという考えが、近い将来に世界標準になります。「アルツハイマー型認知症」の発病の判定、症状の段階区分の判定、治療となる「生活習慣」の改善指導業務、更には、イキイキ教室の運営による住民参加型の地域予防活動という発病の予防業務の全てが「保健師」さんが主役となるのです。

 

&2(末期の段階の症状)

この絵に挙げているような症状を見れば、皆さんのような専門家でなくて、一般の人達でも、認知症を発病しているお年寄りだと100%分かると思うのです。認知症の診察が専門の医師達はどうなのでしょう(皆さん、どう思います?)。

様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状については、特に、回復させることが可能な『本当の意味での早期の段階の症状』については、専門家とされる医師殆ど何も知らないのです(嘘でなくて本当‼)。判定する「手技」を持たないし、知識も有していないのです。米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第二の要件が、発病と診断するに際して、失語失認、又は、失行の症状の確認を要求している。それらの症状は、脳の後半領域、左脳と右脳の働き具合を判定する神経心理機能テストであり、30点が満点のMMSEの得点が一桁になるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により大幅に衰えてきている「お年寄り」だけに確認される『極めて重度の症状』なのです(第二要件の誤り)。

☆専門家とされる医師の誰一人として内容の重大な誤りに気が付かない儘、且つ、その規定に世界的な権威がある為、失語失認失行の症状を出発点として、それより重い症状だけが「アルツハイマー型認知症」の症状だと誤解しているのです。その結果、もっと軽い段階の症状が見落とされているのです。私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状も、「中ボケ」の段階の症状も、末期の段階である「大ボケ」の段階の前半の症状(MMSEの得点が換算点で14~10点迄の範囲)までもが、「アルツハイマー型認知症」の症状とは考えられていないのです(見落とされている!)。失語や失認や失行の症状が発現する直前の症状、末期の段階である「大ボケ」の段階の前半の症状を見つけることが「早期診断」であると誤解した診断がまかり通っているのです。

この絵に見られるような症状、『洋服が着られない/道に迷い徘徊する/家族の顔が分からない/失禁しても平気』の症状は、末期の段階の症状であり、この段階で見つけていたのでは、治すことは最早困難となるのです。『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないのではない』。『医師達が見つけている段階が遅すぎるだけ』なのです。治すことが出来ない末期の段階で見つけるだけ、レッテルを貼るだけの診断に何の意味があるというのでしょうか。

 

&3(前頭葉の機能テストと年齢別の成績)

意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能レベルを判定するテスト)である「かなひろいテスト」による「前頭葉」の機能テストの実施が可能となる年齢の6歳に始まり、以降、4歳間隔毎に「かなひろいテスト」の成績をグラフ化。図は、「加齢に伴う脳の正常老化のカーブ」を示しています。

     

18~20歳をピークにして、『緩やかに低下していくカーブ』を描き、「第二の人生」が始まる年齢の60歳過ぎになると、最盛期の18歳頃に比べて、半分位のレベルにまで機能が衰えていく。その後は100歳に向かって、「前頭葉」の機能が直線的で緩やかなカーブを描き、正常な機能範囲の中で衰えていくことが分かる(「正常老化」のカーブを示すもの)。後述する、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という要素が出てこない通常のお年寄り、『加齢』に起因した機能低下という要素だけの場合は、『「アルツハイマー型認知症」の発病という事態は、起きては来ない』のです。「アルツハイマー型認知症」の発病が、単に『加齢』の延長線上にあるという主張は間違いなのです。

 

&4(年齢別の発生比率)

これは、私たちのデータが示す、「アルツハイマー型認知症」の年齢別の発生比率です。但し、これは、厚労省が発表している「大ボケ」の段階の「お年寄り」だけの数値なのではないことに注意が必要。私たちの区分で言う、小ボケ、中ボケ及び大ボケの「全ての段階のお年寄り」を含む人数です。60歳代で12%、70歳代で30%、80歳代では50%となり、90歳代になると75%、加齢の極まりの100歳代では97%仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者だけが、「アルツハイマー型認知症」発病の対象者となるというのが事象事実なのです。

    

ところで、加齢に伴い発病するお年寄りの割合が次第に増加していくとは言え、発病しないお年寄りの数も相当数に上るというのが実態なのです。このことを言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」の発病が、「加齢」という要因だけの延長線上にある訳ではない』ということも事象事実です。

 

&5 『かなひろいとMMSEの散布図』(廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブ)

(1)第二の人生を送っているお年寄り誰にも起きてくる性質のものである『加齢に伴う機能低下のカーブ』(正常老化)が緩やかで徐々にしか衰えていかないものであるのに対し、この図は、「全く異なる様相」(カーブ)を提示しています。前掲の『加齢に起因した正常老化のカーブ』とは異なる要因としての、「廃用性の機能低下加重された加速度的異常な機能低下のカーブ」(異常な老化=加速度的な機能低下)。

             

二段階方式」の場合は、小ボケ、中ボケ又は大ボケと判定されたお年寄り(「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」がこの「カーブ」と同一の範疇内にあると判定された並びに「30項目問診票」との照合により、症状の各段階ごとに要求される必要数の「アルツハイマー型認知症」の症状が確認された全ての「お年寄り」)について、後述する「キッカケ」を契機に開始され、継続された対象期間中の、『脳の使い方としての単調な「生活習慣」』の詳しい聞き取り(生活歴の聞き取り)を行います。生活歴の聞き取りにより、当該機能低下の原因が、脳の使い方としての「生活習慣」に起因したもの、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『廃用性の機能低下』であることが明らかになるのです。然もその場合、知らず知らずのうちに、廃用性の機能低下が開始されていくのではなくて、全ての患者について、明確な『キッカケ』が存在しているというのが事象事実なのです。

(2) このデータは、地域高齢者総数303人という静岡県内の山間の小さな村での、且つ、「二段階方式」が未だ浜松方式から分離独立していない1992年に実施した、『全数の実態調査』による「脳機能データ」の解析図なのです。この図が示す小ボケ、中ボケ及び大ボケのお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えていくカーブは、私たちが「二段階方式」の手技を活用して判定し、集積した14689例に上る「脳機能データ」(「アルツハイマー型認知症」の発病患者と判定された小ボケ、中ボケ及び大ボケを含む)が示すカーブと全く同じ性質のものなのです。『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の内で、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている「特定のお年寄り」だけに確認される『特有なカーブ』なのです。私たちの主張は常に、客観的な脳機能データに裏打ちされているのです。

)廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、高度な機能から順番に衰えていく。最初に衰えていく機能は、「前頭葉」の機能なのです。「前頭葉」、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくのです。手足となって働く(情報のやり取りや処理を行う)左脳や右脳や(運動の脳も!)が未だ「正常な機能レベル」を保っている中で、最も高度な働きをしていて脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた結果として、「異常な機能レベル」にあることが確認されるのが、発病の最初の段階である『小ボケ』の段階ということなのです。認知症の専門家達が見落としているこの「小ボケ」の段階の症状は、意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしている前頭葉自体の機能が異常な機能レベルにあるので、そのアウト・プットとしての症状は、左脳及び右脳が正常な機能レベルにあろうとも、異常な症状、『アルツハイマー型認知症』の症状というべきものなのです。

)ここで、脳の後半領域である左脳及び右脳の働き具合を判定する『MMSE』の実施結果に関わる重要な指標を提示しておきます。『キッカケ』を契機に開始され,継続されたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因して、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくとき、MMSEの下位項目について、衰えていく極めて厳密な順番が存在するという事象事実の存在があるのです(私たちが独自に解析し、『MMSE下位項目の項目困難度』と名付けている「脳機能データ」の解析結果)。

その厳密な順番は、「アルツハイマー型認知症」の発病患者だけに確認される特有な性質』のものであり、「アルツハイマー型認知症」の発病者であるか否かの判定、鑑別の上で(他の種類の認知症との鑑別並びに認知症と紛らわしい病気との鑑別の上で)、客観的で、且つ、極めて有効な指標となっているのです(個別事例判定マニュアルB章)。

順番は、『想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名』となります。仕事とは無縁の日々となる第二の人生を送っているお年寄りの日々の生活の中で、使われる機会が極端に少ないと(日々の暮らしの中で、具体的なテーマとの関わりが少なくて、出番が極端に少ないと)、『廃用性の機能低下』が惹き起こされてくることになるのです。高度な機能であるほどその順番に、出番が少しでも少ないと廃用性の機能低下が進行していくことになるということなのです。

発病の原因に関わる『4つの仮説』である「アセチルコリン説」、「アミロイドベータ説」、「タウタンパク説」、「脳の萎縮説」の何れも、『事象事実』としてのこの『厳密な順番』の存在理由を合理的、科学的に説明することも、反証することも出来ないのであり、それら仮説の主張内容が誤りであることのダメ押し的なデータであると言えるのです。

(3) 生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方。『あーすれば、こうなる。こうすれば、あーなる』という風に、発想や工夫の機能の出番が極端に少ない、『心に何等の刺激も起きてこない単調な日々』の暮らし方のお年寄りの場合に特有なカーブなのです。『正常な老化のカーブ』と『加速度的で異常な機能低下のカーブ』を区分ける要因とは何かを追跡したのです。脳の使い方としての「生活習慣」こそが、『発病するか/しないか』を決定づけている核心的で唯一の要因なのです。

)お年寄りが糖尿病を発病し、その症状が重いことが発病の原因ではないのです。血糖値を低下させる目的で指示される体重の引き下げ、食べるのが苦痛なほどのまずい食事制限により、そうした生活が余儀なくされて、この先も限りなく続いていく生活状況の下で、何事に対しても意欲を低下させていく、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まり継続されていくことが直接の原因で、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果として、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。

「アルツハイマー型認知症」発病の有力な「危険因子」として専門家達にしばしば引用される久山町の全数調査の結果は、因果関係の有無の評価を誤ったものなのです。『糖尿病』の発病と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、直接の因果関係は存在していないのです。「第二の人生」を送っている高齢者が、糖尿病の発病とその後の困難な闘病生活(夢も希望もない)の継続という「キッカケ」の発生を契機に開始され継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続することが発病の直接の原因なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する数多くの/様々な視点からの医学論文を読んでみて感じること、それは、因果関係の存在の立証(確認)を余りにも軽視していること。訴額が数百億の巨大な規模の国際訴訟を数多く戦い、全勝してきた私には、その余りの杜撰さを到底理解できないのです。

 

&6 (身体が持つ限り脳が持つ「カクシャク老人」の「日々の暮らし方」の特徴)

加齢に伴う機能低下以外の異なる別の要因を詳しく調べた。東京都、神奈川県、静岡県及び愛知県に居住する「超百歳老人」819人について「実態調査」を実行し、解析したのです。「前頭葉」の機能が、100歳を超えてもなお正常な機能レベルにあるお年寄り達、『カクシャク老人』に特有な共通項として特徴的に確認されたこと、それは、脳の使い方としての「生活習慣」だったのです。多岐にわたって、『自分なりの喜びや生き甲斐を覚える』テーマや日々や時があり、趣味や遊びや交遊や運動や地域活動への参加を自分なりに楽しみ、自分なりの明確な「目標」をもってイキイキと生活しているという『脳の使い方としての「生活習慣」の共通項』が確認されたのです。

 

&7 (早々とボケていくお年寄りの日々の暮らし方の特徴)

カクシャク老人とは対照的なのが、『早々とボケていくお年寄り達』の生き方、日々の暮らし方、脳の使い方としての「生活習慣」の特徴なのです。「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」でのその特有で顕著な特徴はと言うと、『時間だけは、たっぷりあるのに、することがない毎日』なのです。生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、『単調な日々の暮らし方』(すなわち、これといった楽しみ事も、目標となることも、生き甲斐や喜びを覚えることも無い日々)。心に何の刺激も得られない単調な日々が継続する暮らし方であり、外に出ていき他人と交わる場所も機会も少なくて、『家に籠り勝ち』の「生活習慣」が特徴なのです。『単なる加齢ではなく、食生活でもない、脳の使い方としての「生活習慣」という要因の存在』です。

 

&8 (脳の機能分担と「前頭葉」の役割)

(1)   自分なりの生き甲斐や達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が数多くあり、地域興し等の活動にも興味があるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報が「前頭葉」に送られてきて処理されているような「生活習慣」が日々継続されているお年寄りは、前頭葉の老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる(「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の第二の人生)、「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです。

(2)「かくしゃく老人」である場合の特徴として言えることは、脳の使い方としての「生活習慣」が、早々とボケていく「お年寄り」のそれとは、対極の内容の「生活習慣」を実践しているということなのです。両者の間には、世の中で言われているような「食生活としての生活習慣」ではなく、「脳の使い方としての生活習慣」の顕著な相違が存在するのです。AI技術を活用するにしても、この視点が必要不可欠となる。発病者に確認される共通項と言うだけでは、因果関係の存在を立証したことにはならない。

(3)器質的な原因病変が全く存在していないにもかかわらず、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行する際に、様々な支障が出てくる病気なのです。社会生活面、家庭生活面、最後は、セルフ・ケアの面での様々な支障が出てくる病気なんです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する状態下で、発病の最初の段階である小ボケ、次いで中ボケへ、最後は、末期の段階である大ボケへと重症化が進行していくのです。

(4)大病院の『精神科』のみが認知症を専門に診断するとされた制度の下で(平成元年に、老人性痴呆疾患センターに国が認定 )浜松医療センターの脳外科(唯一の例外)で、金子医師と共同して認知症の診断に移っていったのが副所長なのです。脳外科手術の処置後に、社会復帰がどの程度可能であるかを追求していて、意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(前頭前野)の機能構造、特に、脳の『廃用性の機能低下』という要因に目を向けたことが出発点となり、「精神科」が専管した他の病院とは異なる道を歩んだ

(5)脳は、場所によって機能が特化している。この図で示す、左脳の部位は、デジタル情報の処理(言葉、論理、計算、場合分け)を専管していて、右脳の部位はアナログ情報の処理(感情、時間の経過、空間、色や形、雰囲気)を専管していて、運動の脳という部位は、身体を動かす為の情報処理を専管してるんです。額のところの此処は、「前頭葉」という部位。左脳、右脳、運動の脳を手足として駆使しつつ、脳全体の司令塔の役割を担っているんです。脳の活性化、脳の廃用性の機能低下というとき、「前頭葉」が核心となるのです。大方の医療機関が実施しているMMSEでは、左脳と右脳の働き具合しか判定できない(「前頭葉」の働き具合が命!)

    

&9 三頭立ての馬車の『御者』が「前頭葉」

左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』が「前頭葉」という脳機能なのです。

私たちが、意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移そうとする世界、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』のコントロールタワ-が「前頭葉」なのです。左脳、右脳及び運動の脳のどれもが元気一杯であろうと(正常な機能レベルにあろうと)、『御者』が居眠りをしていたのでは、馬者は目的地に行きつくことが出来ない。「前頭葉」の機能が異常なレベルにある場合は、脳全体としての機能が異常なレベルになくても、そのアウト・プットは全て異常なものとなり、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現するのです。私たちの区分で言う小ボケ、中ボケ及び大ボケの「症状」の全てが、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映としての「アルツハイマー型認知症」の症状となるのです。

4つの仮説』の内で、世界的に通説としての地位にある(内容が優れていて説得力があるというものではなくて、単に、支持する学者の数が多いというだけの意味)「アミロイドベータ説」は、「前頭葉」という脳機能も備わっていなければ、「意識」という世界も存在していない、更には、「注意の分配機能」も備わっていないマウス(アルツハイマー・マウスとて同じこと)が檻の中で餌を探して徘徊する行動からの単なる憶測による主張に過ぎないのです。

本著作物「Cー14」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。出版物の中の記事の内容で、違法な引用の事例を散見するのですが、当社が発行している『個別事例判定マニュアル』のA、B、C及び当該グーブログ中の記載の中から、一部の内容を引用する際は、著作権法の規定に則った引用の仕方が必要となりますので、『注意を喚起』しておきます。 

    エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

    脳機能からみた認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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アルツハイマー型認知症の正体と治療および予防の方法(「実務研修会」の講義録:そのニ:C-15)

2018-09-25 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

二段階方式」の実務研修会での講義録からの引用です。プロジェクターを使って、図表や絵や脳機能データを映して、説明しています。グーブログの字数制限枠との関係で、2回に分けて掲載してありますので、二回分(C-14とC-15)を併せて一度に読んでください。

 

&10 (前頭葉の個別認知機能と「前頭葉」の三本柱の機能)

(1)私たち人間だけに特有な『意識的な世界』、自分が置かれている状況分析理解判断、判断に沿ったテーマの発想、テーマを実行する為の内容の計画、実行結果の洞察推理シミュレーション、シミュレーション結果に基づいた創意工夫修正、実行の決断と、実行の指令。それ等の『個別認知機能』発揮度を左右し、下支えしている機能が、私たちが前頭葉の三本柱の機能と名付ける「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。中でも、注意の分配力の機能(異なる複数の複雑に錯綜する「テーマ」を同時に並行し、重層して処理する機能であり、私たち人間だけに特有な機能)が、極めて重要。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『注意の分配力』の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が、様々な程度及び態様により発現する「アルツハイマー型認知症」の症状発現の核心的な要因。

(2)個別認知機能が正常なレベルで発揮され機能するには、三本柱の機能が正常な機能レベルにあることが要求されるという関係、私たちが、『個別認知機能の機能発揮上の二重構造』と名付ける重要な関係が存在しているのです。三本柱の機能が廃用性の機能低下により衰えていくとき、そのことが基礎にあって、同時に(その反映、反射的な効果)、個別認知機能の発揮度も低下する。そのことが、「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状として発現してくることになる。

(3)米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の規定の策定者達も、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説と言った「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関わる仮説(発病との間に存在するはずの因果関係が未だに立証できていないためにこのように呼ばれている)である「4つの仮説」の提唱者達も、「二重構造の関係」に気づかないまま、推測や憶測により、「記憶障害」が発病させる核心的な要因だと勘違いしているのです(重大な誤解)。「前頭葉」が構築し、統括し、コントロールしている『意識的な世界』の機能構造を理解しない限り(「前頭葉」と言う脳機能も備わっていない、更には、「注意の分配力」の機能が備わっていないマウスを追いかけていては)、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明することは出来ないのです。

 )『注意の分配力』の機能とは、過去、現在及び/又は未来に直接及び間接的に関わる「テーマ」であり異なる複数の錯綜する「テーマ」について、同時に、並行し、重層的に処理する(している)脳機能であり、その発揮には、意欲及び注意の集中力の機能が常に関わっている機能なのです。

 

&11 「単調な生活」が始まる「キッカケ」

(1)「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」(私たちが、定義する発病の「第一の要件」)が、雨上がりの玄関先で、足を滑らせて転び、挙句に複雑骨折して長期入院し、見舞いに訪れ世間話に花を咲かせてくれる友達さえもいない寂しい状態に置かれると、入院という状況の発生を『キッカケ』にして努力する意欲を喪失してしまうのです。

キッカケの発生により心理的に大きな衝撃を覚えたことにより、意欲を喪失した精神状態が続くようになり、その結果、何事に対しても努力をしようとはしなくなり、挑戦しようとはしなくなるのです。病院のベッドで寂しく独りで暮らして、時間が経つだけの日々の暮らしが続くのです。骨折事故に遭遇する前の、日々の暮らし方をどこかに置き忘れ捨て去ってしまったような単調な日々の暮らし方、単調な「生活習慣」が始まるのです。骨折する前の生活は、仕事とは無縁の「第二の人生」とは言え、趣味や遊びや人付き合いや運動等を自分なりに楽しむ生き方、自分なりの目標があり、自分なりに喜びや生き甲斐を覚える出来事や体験が時にはあって、自分なりに「第二の人生」を楽しめて居た生活があったのです。

自分なりに設定した「目標」に向かって生きる姿勢と努力する生活があったのです。骨折事故による入院後は、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続していくことにより、『前頭葉』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです(キッカケを契機に開始された単調な生活習慣の継続としての「生活歴」の聞き取りの中で、単調な「生活習慣」が継続した具体的な内容を詳しく聞き取ることが、「生活改善」の指導について、本人に見合った適切な内容を組み立てる上で極めて重要)。

(2)「キッカケ」の発生が本人にとって重大で、心理的に極めて大きな衝撃をもたらした結果、努力や挑戦する『意欲』を何事に対しても喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が半年間も続いていると、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。

私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」を発病する「第二の要件」は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続することなのです。

「仕事」とは無縁となる生活が続く「第二の人生」での、大きな出来事の発生又は、生活上の大きな変化を『キッカケ』にして、努力や挑戦する意欲を何事に対しても喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が(「前頭葉」を含む脳全体の機能が)廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです(「アルツハイマー型認知症」の本態を端的に表現すると、廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」なのです)。コロンブスの卵程度と思うのですが、マウスを追いかけても解明できないものなのです。

&12and13 (「キッカケ」となる出来事や状況の発生の類型)

(1) 『キッカケ』(その1)

一つは、目標をもって、頑張って生きようという本人の意欲を支えてきた生活がなくなってしまうこと

①仕事だけが生き甲斐の人生を送ってきた人にとっては;

●定年退職により仕事とは無縁の生活となった後のテーマが何も見つけられない状況の継続(時間は有り余る程なのに、『「意欲」を発揮することが何も無い毎日』なのです)

●跡を継ぐ者が居なくて、やむなく会社や店の経営を止める

●息子(娘)に代を譲り、仕事の第一線を退くこと(会長とは名ばかりで、会社に出てもすることが無い毎日:遺伝子の異常が原因で発病し、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」の場合は、30~50歳代の年齢で、且つ、現職でバリバリ働いているにも拘らず発病するのです。他方で、老化廃用型の生活習慣病であり、「第二の人生」を送っている高齢者のみが発病の対象者となる老年発症が特徴である「アルツハイマー型認知症」の場合は、現職で発病する人はいないのです。唯一の例外は、現職とは名ばかりであって、高齢者であって、且つ、肩書だけの実態の場合に限られるのです。

脳の使い方としては、実質的には、現職を退いていて、何もすることが無い生活を送っているのと同じ。)

●孫が成長して手離れること(幼稚園の送迎がなくなる;孫との密で楽しい触れ合いの場が無くなること)

② 趣味や遊びの集まりに参加することが生き甲斐の人は;

●趣味や集まりの会が中止になること

●友人、仲間達との茶飲み会(お茶っこ)の中止

③「別れ」をキッカケに、生き生きした生活が出来なくなる

●配偶者/可愛がっていた子や孫の死亡

●仲が良かった兄弟姉妹の死亡(特に年少の場合)

●頻繁な交友があった友人との別離(転居、施設への入所、死亡、不和になること)

●可愛がっていた孫との交遊機会の喪失(進学、就職、結婚で家を出ていく)

●ペットの死亡

④重大な自然災害の被災(家族の一員、友人や仲間を失う、家屋敷や職場を失う:東日本大震災、北海道胆振東部地震)

キッカケ』と言っても、様々なのです。絶対的なものがある訳ではなくて、要は、本人の受け止め方次第。出来事の発生/状況の変化を本人自身がどう受け止めたのか、そのことがどの程度本人の『意欲』を喪失させたのか次第なのです。

(2) 『キッカケ』(その2)

もう一つは、「目標をもって、頑張って生きようとする意欲を喪失させてしまうような状況が発生し、継続すること」

①  肉体的な条件/状況

 ●重大な病気やケガの状況の継続(骨折による長期の入院)

 ② 家庭内の様々な問題(何をしていても、何時も気にかかり、心の重しとなる事態が発生し継続していること)

●子供の離婚やリストラやサラ金問題

●解決困難な孫の不登校や非行問題

●表に出せない(友人にも話せない)家庭内の不和の状況の発生と継続

相続に関連した複雑な争いや不和の状況の継続

③認知症を発病した配偶者の身の回りの世話をするだけの生活の継続

④独り暮らしの生活(寂しい生活)

配偶者の死後、昼も夜も独りで家に居て、お茶を飲んでは居眠りして、水戸黄門を見ているだけのようなボンヤリした単調で孤独な暮らし(或いは、家族と一緒の生活とは言え、生活時間のズレや不和で、家族との挨拶も会話もなく、毎日の食事も独りという寂しい生活も同じこと)

大ボケの段階になると「脳のリハビリ」により症状を治すこと(脳の機能を回復させること)は最早困難となり、身体がもつ限り(老衰又は、何等かの病気が原因で死を迎えることになるまで)、大ボケの区分枠の中で症状が更に重いものになっていくのです(廃用症候群に過ぎない「アルツハイマー型認知症」が原因で死亡することは、無いことに注意)。「大ボケ」のレベルになると、正常レベルへの回復を期待することはもはや困難となります。その「大ボケ」のレベルの中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活改善」により或る程度の改善がみられることはありますが、「中ボケ」レベルへの改善の見込みさえも極めて例外的なものになるのです。

但し、「大ボケ」レベルでも(MMSEの得点が二桁の段階迄であれば)、右脳や運動の脳を刺激する「生活改善」を実践していれば、症状の進行は或る程度緩やかなものになることが期待できるのです。MMSEの得点が一桁の段階になってくると、就中、『DSM-4』が「第一の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状が発現してくると、『脳全体の機能の低下が加速されるだけ』の状況になるのです。

&14 (ボケの三段階「小ボケ」)

(1) 脳の機能面からの定義

「小ボケ」は、この範囲。「前頭葉」の機能レベルを判定する神経心理機能テストである「かなひろいテスト」が不合格で異常な機能レベルと判定され並びに左脳及び右脳の機能レベルを判定するMMSEの得点が換算後の点数で24点以上で合格、正常な機能レベルと判定されることが要件。

☆「前頭葉」の三本柱の機能が異常なレベルにある、即ち、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルにあることの反映、反射としての症状が確認されるのが特徴。その程度は、「セルフ・ケア」にも「家庭生活」面にも支障は出てこなくて、『社会生活面』での支障が出てくるだけ。

(2) 脳の機能面から見た「小ボケ」症状の特徴

アルツハイマー型認知症」の極く初期の段階である「小ボケ」の段階では、自分が置かれている状況の分析や理解や判断が不十分なものになり(的確さを欠く)、状況判断に沿った「テーマ」の発想が出来ないし、分析やシミュレーションが的確には出来ないので、先の見通しが立たないし、何をどうするのかという実行内容の計画も立てられなくなってくる。慎重さを欠く言動がある一方で、実行の為の意思決定である最終的な決断も周りの人に頼り勝ちとなり、足元が揺らいでくる。行動が伴わず、内容がチグハグなのに、口先だけは達者で、『口から出まかせ』ともいえる類の発言が多くなる。

意識的に何等かの「テーマ」を発想し、実行内容を計画し、実行を決断する上で(際に)不可欠の働きを担っている「意欲」の機能が不十分にしか働かず/十分な時間続かないので、「あれも遣り掛け、これも遣り掛け」という風に中途半端なものになるのです。注意の分配力の働きも異常な機能レベルに衰えてきているので、頭の回転が衰えていて(シミュレーションや分析や検索する機能が働かない)、何事につけかつてのようにテキパキと判断や用事を処理できなくて、毎日をボンヤリと過ごし、居眠りばかりするようにもなる。家の外に出ていき、他人と交わり、共通のテーマに一緒に取り組む『社会生活』面での様々な支障が出てくるのが特徴。何事につけ、人に頼ろうとする『指示待ち人』となるのです。

(3)「小ボケ」の段階に特有で類型的な症状の8項目

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、何も思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした表情や笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端な事を繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

 

&15 (ボケの三段階「中ボケ」)

(1) 脳の機能面からの定義

中ボケは、この範囲。「小ボケ」の段階になっても、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、小ボケの期間が3年間続いた後は、「中等度認知症」(中ボケ)の段階に移っていく。「前頭葉」の機能レベルを判定する「かなひろいテスト」が不合格で異常な機能レベルと判定され並びに左脳及び右脳の機能レベルを判定するMMSEの得点が換算後の点数で23点以下15点以上で不合格、異常な機能レベルと判定されることが要件。中ボケの段階から、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルになる。

症状は小ボケの段階よりも複雑なものとなる。「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルにあることの反映、反射としての症状が確認されるのが特徴。家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんと出来なくて、家庭生活面での様々な支障が出てくる。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が小ボケの段階よりさらに衰えてくる。あーしたらこうなる、こうしたらどうなると言ったシミュレーションや検索の機能である注意の分配力の機能の衰えが目立ち、時の見当識は、昼夜の区別は出来るが、日、年、月、季節が揺らいでくる。

(2)「中ボケ」の段階に特有で類型的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか、石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

)「小ボケ」及び「中ボケ」の期間について、『小ボケは、3年間。中ボケは2~3年間』と言う「標準的な滞留期間」が存在するというのも事象事実なのです。前述した、『MMSE下位項目の項目困難度』のデータが示す、衰えていく順番のデータと共にこのデータもまた、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることを証明する証拠となる。

&16 (ボケの三段階「大ボケ」)

(1)   脳の機能面からの定義

大ボケ」は、この範囲。「中ボケ」の段階になっても、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、中ボケの期間が2~3年間続いた後は、「重度認知症」(大ボケ)の段階に移っていく。(かなひろいテストが不合格で前頭葉が異常な機能レベルに在り、MMSEの換算点が14点以下0点までの範囲の不合格のレベルで左脳、右脳及び運動の脳までもが、次第に機能しなくなっていく)。

左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、殆ど働かないこととなる「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」)。『かなひろいテスト』の実施が可能で、且つ、合格点が取れるのは、6歳児以上の年齢なのです。セルフ・ケアにも支障が出てきて、『介護』が必要となる「大ボケ」の脳の働きは、3歳児以下のレベル(下は、0歳児まで)となります。 

「大ボケ」の段階の症状が発現するまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてしまうと、最早治すことは出来なくなる。身体がもつ限り(病気や寿命で死を迎えることになるまで)、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになる。

「前頭葉」の機能、就中、注意の分配力の機能が殆ど働かなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」の段階では、自分の身の回りの「セルフケア」にも支障が出てくるのです。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり日常生活面での「介護」が不可欠の状態となるんです。

(2)「大ボケ」の段階に特有で類型的な症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□自分の子供を配偶者と間違えたりして、同居の家族の顔も区別出来なくなる

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

(3)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っている(状況の理解や判断、必要な動作や手順の比較と選択、自分が置かれている状況に応じて行われているこうした判断は、『注意の分配力』の機能が正常に働くことが必要不可欠。大ボケの段階では、注意の分配力の機能は最早働かないんです)。

『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではない。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではない。「注意の分配力」の機能が殆ど機能しなくなるまでに機能低下してきていることが直接及び核心の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、服を正しく着ることが出来ないだけ。『家族の顔が分からなくなり、子供を配偶者と間違えたりする』という症状も同じこと。器質的な病変が原因で発症する場合の失語、失認又は失行の症状と、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発症するアルツハイマー型認知症の症状としてのそれとは、別物なのです。

&17 (三段階の症状と治癒の可能性)

(1)「アルツハイマー型認知症」は、基本に、「加齢」に伴う脳の老化の問題があるのです。私たちが規定する発病の「第一の要件」は、『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者』なのです。とはいえ、「加齢」の延長線上に発病がある訳ではなくて、もう一つ別の異なる要因が存在するのです。私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」は、『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下』なのです。この二つの異なる要因が同時に存在し、充足されることが原因で、『前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく』その先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。

(2)「アルツハイマー型認知症」は、「三段階に区分」される症状が存在している。『社会生活』面で支障が出てくる小ボケ、『家庭生活』面でも支障が出てくる中ボケ、更には、「末期の段階」であり、『セルフケア』の面にも支障が出てきて、日常の生活面での介護が不可欠となる大ボケの段階に区分されるのです。それを区分する最も重要で客観的な指標は、脳の機能、就中、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルとなります。その場合、脳の後半領域、左脳と右脳の働き具合を判定するMMSEだけでは足りないのです。肝心要の機能であり、脳全体の司令塔、三頭立ての馬車の御者の働き具合を判定することが不可欠となるのです。「意欲、注意の主注力及び注意の分配力」の機能の働き具合を調べる『かなひろいテスト』を超える手技は、今のところ見当たらないのです。f-MRIやPETでも不十分。脳の使い方としての「生活習慣」の内容の変化に起因した「前頭葉」の機能レベルの変化とリンクした形での、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、『注意の分配力』の機能の働き具合及びその変化を精緻に判定することが出来ないからなのです。

 &18 (「脳のリハビリ」の対象は、「中ボケ」まで)

(1)    廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病が本態であるアルツハイマー型認知症」については、症状を治したり、症状の進行を遅らせる効能を有する薬というものは存在し得ない。唯一の治療方法が、「脳のリハビリ」なのです。

その場合、『脳のリハビリ』の対象となるのは、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのお年寄りであって、末期の段階である「大ボケ」の段階になると遅すぎる。回復させることが困難となるのです(医師が見つけているのは、末期の段階)。

(2)本当の意味での早期の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する為の方法である「生活習慣」の改善策としての「脳のリハビリ」に励むことにより、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが出来る(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る)ということも確たる『事象事実』なのです。

(3)『認知症の専門家』とされる医師達の共通の主張である、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ない』というのは、「アルツハイマー型認知症」の性質それ自体を正確に言い表しているものではないのです。彼等は、『DSM-4』の規定の「第二の要件」に毒され、惑わされていて、彼等が見つけている症状が、言い換えると、失語や失認や失行の症状を含む「アルツハイマー型認知症」の症状が、極めて重度の症状であるが故に治すことが出来ないだけということに気づいていないだけなのです。諺に言う、『木を見て、森を見ず』の類の典型的な悪癖だと言えるでしょう。

&19 (ボケの治療は、「脳のリハビリ」が唯一の方法)

(1) 『症状を治す』ことの具体的な処方箋は、発病前の本人が日々行っていた『元々の生活習慣』に引き戻すこと自分なりの生き甲斐」や喜びがあり、それなりに時間が経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を自分なりに楽しみ、或いは、居住地域での地域活性化活動に関わり、自分なりの目標」がある日々の暮らし方』という、『元々の生活習慣』に引き戻すことが、治す為の『処方箋』になるのです。

発病前の本人の暮らし方を詳しく聞き取り、現在置かれている状況の下での「最善策」を探り、実行させること。その場合、当の本人の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(小ボケ、中ボケの前半、又は、中ボケの後半)への配慮が不可欠であり、全てが『ステップ・バイ・ステップ』であることが、注意事項となります。『急いては、事を仕損じる』のです。

(2)「アルツハイマー型認知症」を発病しているので、即ち「小ボケ」の段階で「前頭葉」の機能が異常なレベルに低下してきているので、「脳のリハビリ」の過程で、本人が、『生き甲斐』を覚えるということは期待できないのです。「脳のリハビリ」となる「生活習慣の改善」を組み立てる際の設定目標について、「前頭葉」の三本柱の機能を駆使して、あれこれシミュレーションし、検索することは、期待できない脳の機能レベルにあることに注意と配慮が要求されるのです。たまにと言うか、一端の口を利くことがあっても、状況の理解も判断も出来て居なくて、子細に考えた上での発言ではないのです。『口から出まかせの発言の類』に過ぎないのです。『前頭葉』、就中、あれこれとシミュレーションする機能である「注意の分配力」の機能が働いてはいないのですから。

(3) 家族(周りの人達)が中心となり、「脳のリハビリ」の対象となるテーマや目標値を決定してあげることが不可欠の条件となるのです(周りが支えて、後押ししてあげること)。

注1)脳全体の機能が正常な機能レベルにあれば、就中、「前頭葉」が正常な機能レベルにあれば、設定する目標が大きなものであればある程、「目標」を達成する過程で、或いは、「目標」の達成により、生き甲斐や喜びを覚えることが増え、又は、大きくなり、目標の遂行課程での脳機能への効果もそれだけ大きくなるはずなのですが、「脳のリハビリ」の対象者は、「前頭葉」が異常な機能レベルにある小ボケ、又は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルにある中ボケの段階のお年寄りということなのです。そうした問題点を克服するには、「脳のリハビリ」の実施上設定するテーマ及び目標は、脳の機能レベルの問題に配慮したもの、余り大き過ぎない目標とか、達成する上での困難さが余り大きくなり過ぎない目標であることを考慮することが必要で重要となるのです。達成可能であり、努力の継続実施が可能なものでなければ、必要な「脳のリハビリ」の効果を期待できないから。

注2)ここで留意すべき重要な条件があります。注意点とは、『「前頭葉」の働きを活性化させ、『前頭葉』を含む脳全体の働き具合を、正常な機能レベルに引き戻す為の唯一の方法である「脳のリハビリ」の実践に関わるテーマ及び実践の程度は、小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半の「三つの段階」に区分することが必要となるのです。小ボケ及び中ボケの前半までに対しては、集団での「脳のリハビリ」が可能であるのに対して、中ボケの後半に対しては、個別の『特別メニュー』の実践と家族の協力が必要不可欠になるんです。

注3)脳が活性化、「前頭葉」が活性化するテーマは、言葉で表現するのは簡単なことなのですが、個々のお年寄り、特に、「第二の人生」を送っているお年寄りについて、具体的にどんなテーマが前頭葉の活性化に役立つのかというと、実は、とても難しいこと。

「第二の人生」を送っているということは、仕事とは無縁の日々の暮らしということなのです。「仕事」が関わらない日々ということは、『左脳』(言葉、論理、計算、場合分け等のデジタル情報の処理に特化した脳機能)の出番が、「第一の人生」に比べて極端に少なくなるということ。

「第二の人生」で前頭葉を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに保ち続ける条件(アルツハイマー型認知症の発病を予防し、「第二の人生」を完走するために必要不可欠の条件)、それは、第一の人生では脇役であった「右脳」及び「運動の脳」の出番が多くなり、活躍する場面が出来るだけ多くなるような『テーマ』を発想し、選択し、工夫して、日々の暮らしの中に取り込み、生活習慣化する必要があるのです。

注4)脳の活性化、前頭葉の活性化、或いは、アルツハイマー型認知症の発病の予防というテーマについて、食生活や運動等といった類の様々な仮説が主張されているのです。記憶のメカニズムについての理解も不十分で、「物忘れ」の症状の僅かな程度及び頻度の改善を脳の活性化、或いは、脳の機能レベルの改善の判断基準にしていたりもするのです。前頭葉の機能についての理解が足りないのです。

注5)『脳のリハビリ』という「テーマ」について、小ボケ、中ボケの前半(MMSEの換算点が、23~20点)、中ボケの後半(MMSEの換算点が、19~15点)に区分して設定することが重要と言いましたが、『速足の散歩』は、全てに共通した、且つ、極めて有効な脳の活性化策となります。意欲が刺激され、強化されることになるからです。「意欲」の機能が強化されることが、「注意の集中力」の強化に直結して、更には、「注意の分配力」の機能の強化につながるからです。

「居住地域」周辺を第一のコースとして選定し、飽きを避け、気分転換を図る意味で、時には、車やバスを利用して、景色が良いところへ連れて行き、「右脳」を刺激することも効果が大きくなります。無理のない範囲で、上述の区分に応じた、「テーマ」の選定及び目標設定の仕方及び実行の仕方を工夫して頂きたいのです。

注6)アルツハイマー型認知症の薬として処方される4種のは、症状を治し/進行を抑える効能は無く、症状発現の程度を変化させる抑制型/昂揚型の『対症療法薬』に過ぎない。「症状に変化がない」のは、症状の進行が抑えられている成果で、服用して居なければ、もっと症状が進んでいた可能性があるとの診断は、症状の進行を実際に抑えた「生活習慣」の存在という要因を知らないで発言しているだけ(『脳の老化のスピード差と生活習慣の要因』)。

 

&20 (発病を予防する「生活習慣」の構築「五ヶ条」)  

(1)     私達が社会生活を営んでいく上で不可欠の働きをしていて、脳全体の『司令塔』の役割を担っている前頭葉が正常に働いている限りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです。「前頭葉」が老化を加速させ、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくる先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです。

(2) 第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が、趣味もない、遊びも楽しまない、友達づきあいもしない、運動もしない、これといった目標もない生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると、運動の脳、左脳、右脳と協働する場面が大幅に減ってきて、あーしたらどうなる、こうしたらどうなる等の検索やシミュレーションをした上で、何をどうするのかを決める「脳の司令塔」としての「前頭葉」の出番が、極端に少ない単調な「生活習慣」の継続により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることとなって、間違いなく「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。

(3)「左脳中心」、仕事偏重だった「第一の人生」とは生き方を変え、仕事とは無縁となる「第二の人生」では右脳中心の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、『自分らしさ』を前面に出せるような生き方をし、毎日の生活の中に、実践の過程や目標達成の結果に「楽しみ」を感じられ、「喜び」や「生き甲斐」が得られるような『テーマや目標』、自分がイキイキしていると感じられる「脳の使い方」としての「生活習慣」を打ち立てることが必要不可欠の条件となるのです。

(4)「趣味や遊びや人付き合いや、地域活動等を中心とした生活」の中に、「生き甲斐」や「喜び」が得られるような「目標」の設定と実行、「生活上の張りのある生き方」を見つけ、自分らしい生活の楽しみ方をして何かに挑戦する「意欲」が湧いてくるような生活習慣を組み立て、実践するのです。

①   熱中し、夢中になれる、趣味や遊びをできるだけたくさん持ち;

②   趣味や遊びを通じて、できるだけ多くの友達と交わり;

③   趣味や遊びや人付き合いや地域活動に、生き甲斐や目標や喜びを見つけて;

④   精神的な張りと緊張感のある毎日を過ごしながら;

⑤   速足の散歩やラジオ体操など、毎日、運動するのです。

(5) 早期診断(本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)により、実際に治して見せることが極めて重要なのです。『「アルツハイマー型認知症」は、仕事とは無縁となる『第二の人生』での脳の使い方としての「生活習慣」が、発病させたり、症状を治したり、発病を予防する上で、唯一絶対的な要因である』ことを国民に対し情報発信していくのです。小ボケ及び中ボケの段階で見つけて(早期診断)、『脳のリハビリ』としての「生活習慣」の改善により治して見せる事が、発病自体の『予防』というテーマに関心を喚起することとなり、更には、『「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築とその実践』という「テーマ」に対しても関心を喚起することになるのです。その為の効果的な方法が、出来るだけ小さな地域単位での住民参加型の「地域予防活動」の密な展開ということなのです。 

注)全国452の市町村の指導を副所長独りで担当という状態下では、十分な個別指導を為し得なかったとの反省から、将来的には、「二段階方式」の手技による個別事例の判定と脳の使い方としての「生活習慣」改善の指導並びに講演会の講師を担当できる『女性の専門職集団』を育成する考え。

世界中の認知症の専門家達から『発病の原因が分からないし、症状を治せないし、発病を予防することが出来ない』とされている「アルツハイマー型認知症」について、早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開の為の要石として、女性の専門職集団が活躍することにより、『女性が活躍する社会』を実現する牽引車となり、更に、「早期診断により、症状を治す」ことが、「発病の予防」に直結するのです。

☆お年寄りが居住地から歩いて行き来できるほどの場所に、間伐材と竹で構築した平屋建ての家で交流の促進を目的とした『交流の駅』を建設し、そこで、『お年寄りの脳のイキイキ度チェック』を恒常的に実施し、早期診断による回復と発病の予防を徹底する制度の国策化を実現したいと考えるのです。血圧や体重を何時でも簡便に測定できるのと同様に、お年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを簡便に判定し、必要な場合は、脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導が行える場所にしたいと考えるのです。

&21 「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」を国民的な課題に

(1)「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者、日本中の全ての自治体及び我が日本国にとって、極めて重要、且つ、重大なテーマとなる『「二段階方式」の手技に基づいて実施される「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開』を、日本中の全ての市町村の出来るだけ小さな地域の地区単位で展開する為の効果的な手法、システム及び事業の実施結果に関わる情報共有の為の連絡体制のパターン化等を実現する為の基盤となる「Model事業PRJ」の早急な実施が極めて重要となると考えているのです。

(2)私たちが開発した「二段階方式」の手技及び主張内容の正しさと実効性と有効性と有益性とが実証されたやり方を基礎としつつも、或る一定の規模での「Model事業PRJ」の実施により、もっと効果的に実施する手法の工夫と改善及びそうした手法のパターン化及びモデル化(標準化)を徹底させることが、この先導入市町村が急速に拡大していく上で不可避的に起きてくる実施品質のバラツキを抑制し、平準化して、早期診断による回復及び発病の予防についての成果のバラツキを抑制することにも繋がると考えるのです。

(3) 色々な事情があり、思うように進んではいないのですが、準備が整い次第出来るだけ早急に『建白書』を政府に提出したいと考えているのです。皆さんもその先兵として、高い意識と気概とを持って、住民参加型の『地域予防活動』事業に携わって頂きたいと願うのです。 

 本著作物「Cー15」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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アルツハイマー型認知症の本当の正体、早期診断による回復と発病の予防(その四:C-13)

2018-09-10 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

永年の間、世界中の専門機関(専門家達)から発病の原因が不明とされてきていて、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM4」の規定、或いは、アセチルコリン仮説、アミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説、脳の萎縮仮説等の4つの「仮説」(発病との間の因果関係が実証できていない為に、学会では仮説の扱い)が推測に基づいて主張(憶測)する「記憶障害」が発病を惹き起こす原因ではなくて、『生活習慣』が発病の危険因子であるとする考え方を、世界的な権威ある機関であるカロリンスカ研究所ランセット委員会、更には、我が国の国立精神・神経医療研究センターが、最近になって相次いで、唱え始めたのです(すべて、コホート解析の結果だけの主張)。

私たち、『二段階方式』(主体は、KinukoとTadの二人で活動するエイジングライフ研究所)は、活動を開始した1995年以来一貫して、『「アルツハイマー型認知症」は、『老化・廃用型の生活習慣病』(但し、食生活は無関係であり、仕事とは無縁の日々の暮らしとなる「第二の人生」を送る上で展開される脳の使い方としての視点と意味で言う単調な生活習慣であることに留意する)である』と主張し続けているのです。

加えて、試みの先駆的な活動ではあるものの、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践展開』を、10年の期間が有償の「使用許諾契約」(「二段階方式」の手技並びに「個別事例判定マニュアル」A、B、C及び各種の独自様式の使用許諾)の締結に基づいた、北海道から九州に跨る全国的な規模、450を超える市町村での指導の成果により、主張内容が正しくて、手技の活用が有効であることを疫学的方法により実証してきてもいるのです(導入先が尻すぼみとなってきた背景は、「アミロイドβ仮説」の登場と国が『川下対策に重点化』してきたことなのです。市町村の保健師さんは、国の方針に絶対服従するしかないのです)。

 世界的な権威ある上述の研究機関が正しい見解を主張し始めた(但し、コホート解析の結果に過ぎず、理論的な根拠はないことが問題)ことにより、潮目が大きく急速に変わっていくのではと期待してはいるのです。今日は、私たち二段階方式独自の考え方【世界中で唯一、正しくて、実証された主張と手技】を専門家達だけではなく、一般の皆さんにも分かりやすく整理して、提示しておきたいと考えたのです。


&1三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の類型的な症状

1.認知症研究の専門家とされる人達の考え方は誤り

(1) 認知症研究の専門家とされる学者も研究者も医師も、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階の症状(小ボケ及び中ボケ)については殆ど無知と言うに等しく、認知症の軽い症状、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階の症状のことを知らないで居るのです。米国精神医学会が策定した「DSM4」の規定の「第一の要件」及び「第二の要件」の重大な誤りに気付かないで、「記憶障害」が「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる核心的な要因だと誤解していて、加えて、失語や失認や失行(紛い)の症状が極めて重度の症状であることも知らないで、むしろそれ等の症状の確認を皮切りに、「アルツハイマー型認知症」の症状を捉えようとしている誤りにも気づいていないのです。

(2)極めて重度の物忘れの症状が確認され(DSM-Ⅳの第一要件が確認を要求しているもの)及び失語や失認や失行(紛いの)症状(DSM-Ⅳの第二要件が確認を要求)が発現してくる段階、私たち二段階方式の区分で言う発病の末期の段階である『大ボケ』の後期の段階以降の症状だけを捉えていては、治すことは愚か、症状の更なる進行を抑制することさえも不可能となるのです

DSM-Ⅳの第二要件が確認を要求している失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくる「大ボケの後期」の段階は、30点が満点のMMSEの得点が一桁になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて初めて発現が確認されるという『極めて重度の段階の、極めて重度の症状』なのであり、この段階で発病を見つけることに何の医学的な意味もないのです。医学的な治療であれば、第一番に治すことであり、第二番に症状の進行を抑制することであるはずと考えるのです。この段階で、アルツハイマー型認知症の発病を見つけたところで、為す術は何もなく大ボケの枠の範囲の中で、身体がもつ限り更なる重症化が進行して行くだけなのです。

私たち二段階方式が、予防に傾注して言った理由は、この1点にあるのです。
アルツハイマー型認知症の診断が専門の精神科医は、発病自体の予防が出来る典型的な認知症であり、本当の意味での早期の段階である、「小ボケ」は症状の回復/症状の進行の抑制(中ボケにさせないこと)が可能であり、「中ボケ」は症状の進行の抑制(大ボケにはさせないこと)が可能であることにも無知な儘で、症状を治すこと又は進行を抑制する事については為す術がない、末期の段階である「大ボケ」の更にその後期で発病を見つけて、『アルツハイマー型認知症は、治らない』と語るのです。アリセプトが単なる対症療法薬興奮型で、症状の発現の仕方を昂進させるだけのもの)であることの認識も無く、(場合によっては、症状の進行が2~3年程度抑制できるかもしれない)などと説明し、処方しているのです。

2.「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の考え方

(1)私たちは、『「アルツハイマー型認知症」が、「前頭葉」(前頭前野に局在する複合機能体を言う)が創出し、構築し、コントロールしている意識的な世界、「意識的」に何かのテーマを発想し、実行する際に、様々なレベルで支障が出てくるタイプの認知症であること及び様々な程度及び態様により発現してくる症状が、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくるのが特徴であることに着目し、「アルツハイマー型認知症」の症状の類型を、厳密な定義の下で、「三段階に区分」(小ボケ、中ボケ、大ボケ)しているのです(『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できる独自の手技を有しているのが「二段階方式」の特徴)。

(2)「アルツハイマー型認知症」の症状は、いきなり、失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくるものではなく(失語や失認や失行紛いの症状の確認が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する上での十分条件であるとする「DSM4」の「第二の要件」は重大な誤り)、最初に小ボケの段階があり、次いで中ボケの段階があり、最後に末期の段階である大ボケの段階があるのです(徐々に、段階的に症状の重症化が進行してくる。失語や失認や失行紛いの症状は、大ボケの段階の後期で初めて発現してくるものなのです)。

(3) DSM-Ⅳ」の規定に準拠した診断では、『脳のリハビリ』(前頭葉が活性化する生活習慣への改善と継続的な実践)により、症状を治す/症状の進行を抑制することが可能である「小ボケ」の段階も、症状の進行を抑制することが未だ可能である「中ボケ」の段階も見落とされることになるのです。

彼等専門の精神科医が見つけて居るのは、末期の段階の「大ボケ」の段階の症状であり、廃用性の異常な機能低下の進行に因り、ここまで前頭葉を含む脳全体の機能が衰えてくると、『治すことは愚か、症状の進行を抑制する事さえも、可能性がなくなるのです。とはいえ、回復/又は症状の進行を抑制 させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を判定するには、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定できることが不可欠のテーマとなるのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態である『アルツハイマー型認知症』の場合には、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、廃用性の機能低下が進行して行くからなのです(14689例の発病患者の脳機能データが根拠=末期の段階の症状しか知らない精神科医には、未知で、無知の世界の「脳機能データ」)。

(4) アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、性質それ自体として治すことが出来ないのでなく、精神科医が見つけて居る段階が遅すぎるが故に治すことが出来ないだけのことCTMRISPECTやら、果てはPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、治すこと/症状の進行を抑制することが最早出来ない「末期の段階」である大ボケの前期の段階(あるいは、大ボケの後期の段階)で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけている(アルツハイマー型認知症の発病と診断している)医師達は、単なるレッテル張りをしているだけ。その上、症状の進行の抑制には効きもしない薬、アリセプトなどの単なる対症療法薬を処方して、『半年から1~2年くらい、症状の進行が遅れることが期待される』と説明する診断状況が放置されたままの不条理な医療診断(含む、対症療法薬の処方)に対して、天文学的な規模での血税が垂れ流されているのです【世界で最多の病床数を誇り乍ら、新型コロナの初期に、病床数が足りなくて騒いだ医療機関の不条理な考えと行動と同じ類のものなのか)。


&2『小ボケ』(軽度認知症)の典型的な症状の類型とは

(1) 脳の機能面からの定義(「二段階方式」独自の考え方)

「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階である「軽度認知症」(「小ボケ」)は、左脳と右脳と運動の脳の働きは未だ正常レベルにあるのに対し、『脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常な機能レベルに衰えてきている』のが特徴。「左脳」と「右脳」の働き具合を調べるテストであり、大抵の病院で活用しているMMSEの得点は、合格範囲内に在り、正常レベルなのに対し、「前頭葉」の働きは、異常なレベルとなる(私たちが独自に開発した『改訂版かなひろいテスト』による判定で、設定された「基準点」に対して不合格となり、異常な機能レベルと判定される)。

左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」が居眠りしている状態下では、馬車は目的地には行き着けない。4つの仮説が主張の前提としている記憶障害が原因ではなくて(御者が目的地や目的地に行く道を忘れている訳ではない)、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界を構築し、統括し、コントロールしている「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルにあることが原因。

馬車を牽引する三頭の馬が正常な機能レベルに在ろうとも、前頭葉」が異常な機能レベルに在る状態下では、その働きに起因した(前頭葉が統括し、管理している)アウトプットは全て異常なものとなるのであり、アルツハイマー型認知症の症状として発現するのです。私たちの区分で言う、小ボケ及び中ボケの段階の症状は、単なる老化現象なのではなく、「アルツハイマー型認知症」の症状であることが見落とされているだけ。診断のための「客観的」な物差しを持たないで、主観的な基準を使用しているが故の誤りなのです。

(2)猶、「加齢」に起因した機能低下のカーブ(下記左側の図)と廃用性の機能低下が加重された廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブの図(下記右側の図)を参照。加齢に起因した『老化のカーブ』とは、全く異なるカーブであり、小ボケ、中ボケ及び大ボケの各段階の症状の基礎には、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が横たわっている(私たちの主張の根拠は、14689例の「アルツハイマー型認知症」発病者の『脳機能データ』)

(3)小ボケに特有な症状を後に例示する。「記憶障害の症状」、或いは、「記憶障害に起因した症状」は、その欠片も確認されないことに注意。末期の段階でなく、ごく初期の症状を観察し、分析する方がより正しく理解できるはず。

注)加齢による機能低下(左図) 廃用性が加重された機能低下(右図)

 (前頭葉) と    (脳全体)。

 (14689人のアルツハイマー型認知症の発病患者のデータ) 

4)「アルツハイマー型認知症」の症状は、『DSM4』の第一要件の規定が確認を要求する『記憶障害』に起因して発現してくる訳ではないのです

大ボケの更に後期の段階の症状である失語や失認や失行(紛い)の症状のいずれもが、記憶障害に起因したものではなく、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて、極めて異常な機能レベルに在ることの反映(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの反映=アウトプット)に過ぎないことに気が付かないでいるだけのもの。

老人斑、神経原線維変化、或いは、脳の顕著な萎縮は、「アルツハイマー型認知症」発病の原因なのではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行した結果としての副産物に過ぎないと考えるのです。

注)「アルツハイマー型認知症」の症状としての失語(紛い)の症状は前頭葉と左脳が、失認(紛い)の症状は前頭葉と右脳が、失行(紛い)の症状は前頭葉と右脳及び運動の脳が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて異常な機能レベルに在ることが直接の原因で、且つ、その機能レベルの反映として発現しているに過ぎない。『器質的な原因病変』は存在しないし、『記憶の障害』という要件は、誤解に基づく憶測が条件設定の基礎になっているだけ(「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下により殆ど働かなくなってきている為に、状況の理解と判断が出来ず、シミュレーション機能も分析機能も検索機能も働かないので、何をどう組み立てればいいのかが分からないだけ)。


&3 個別認知機能の機能の発揮面における「機能発揮上の二重構造」

(1)状況の分析と理解と判断、テーマの発想、実行内容の計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーション結果に基づく比較、検討、修正並びに選択と決定、更には、実行の決断等意識的に何かのテーマを発想し、選択し、目的的に実行していく過程では、前頭葉の個別認知機能群(Executive Function)が働くことが不可欠となる。更には、個別認知機能群が働くには、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が(取り分けて、注意の分配力の機能が)関与することが不可欠となる。『前頭葉の三本柱の機能が、前頭葉の個別認知機能群の発揮度を左右し、下支えしている』関係、『個別認知機能発揮上の二重構造』の関係を理解することが、発病のメカニズムの解明には不可欠となる。

(2)発病の原因及び症状の重症化が進行する原因は、「加齢」に起因した機能低下(正常な老化)とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下(異常な老化)という異なる二つの要因の同時存在による相剰効果により、前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて、極めて異常なレベルに機能低下が進行して行くことにあるのです(発病及び重症化のメカニズム)。

注)生来的な遺伝子の異常が発病の原因である「アルツハイマー病」が、働き盛りの30~50歳代という若年で現職中でも発病するのに対し、『アルツハイマー型認知症』の場合には、60歳を超える年齢の「高齢者」であろうとも、現職でバリバリ仕事をしている場合には(職業の種類とは無関係で、経営者、会社員、農家を問わない)、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないという事象事実が存在。『4つの仮説』の内の何れも、この事象事実の存在理由を合理的に説明することは出来ないのです。

「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」である場合には、&2(2)の脳機能データが示すように、誰の脳にも存在する性質としての「加齢」による機能低下(正常な老化)と言う問題が基礎に在って、加えて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されているお年寄りの場合には(且つ、その場合に限り)、同じく&2(2)の脳機能データが示すように単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(異常な老化)という問題が、加重要因として、「前頭葉」の三本柱の機能の発揮度を左右し、衰えさせていく。

注)『加齢』による正常な性質としての機能低下と単調な生活習慣の継続に起因した異常な性質としての廃用性の機能低下という異なる二つの要因が同時に存在していることの相剰効果の結果として、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果として、前頭葉の個別認知機能である実行機能の発揮度が前頭葉の三本柱の機能レベルを反映したものとなる)。脳の機能面から言うと、「アルツハイマー型認知症」の各段階の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接、且つ、厳密に反映したものとして発現してきているもの。私たちの意識的な世界、自分が現在置かれている状況の分析と理解と判断、状況の判断に沿って、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行内容を計画し、実行の決断をして実行に移す世界では、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた前頭葉を含む脳全体の機能レベルを厳密に反映したもの(前頭葉を含む脳全体の機能レベルの直接的な反映)としてのアウトプットそれ自体が、【アルツハイマー型認知症】発病の症状として、具体的には三段階に区分される症状として、発現してくるのです。左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者が『前頭葉』という脳機能であり、馬車がどのような経路を辿り、どのように目的地に行き着くかは、御者次第となると言えば、分かり易いか4つの仮説」が提起しているような、アセチルコリンの不足とか、アミロイドベータの蓄積による老人斑やタウタンパクの蓄積による神経原繊維変化により、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が惹き起こされる結果として、アルツハイマー型認知症の症状が発現してきている訳のものではない。その意味で、『DSM4』の規定内容も、4つの仮説も、同類であり、全てが誤り

(3) 世界中の専門家達(学者、研究者、医師)から、発病の原因が不明とされてる「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムは、発病の第一の要因が、誰の脳にも起きてくる性質のものである「加齢」による機能低下(正常老化)並びに発病の第二の要因が、『第二の人生』を送っている高齢者で、且つ、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている「特定のお年寄り」の脳だけに起きてくる性質のものである廃用性の異常な機能低下(異常な老化)という、異なる二つの要因が同時に存在し、且つ、充足されることの相剰効果により、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行による『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの低下の反映(直接の原因)として発現してくるだけのものなのです。


&4 『軽度認知症』(小ボケ)の段階とは

(1)   脳の機能面から見た特徴 

認知症研究の専門家達から不活発病と名付けられていたり、或いは、老化現象と混同されていたりする段階の症状でもある「アルツハイマー型認知症」の発病としての極初期の症状、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状が発現してきている『お年寄り』達の脳の何処にも、「器質的な原因病変」は存在しない。加えて、「記憶障害」に起因した症状は、存在しない。小ボケの段階の全ての症状が、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した(即ち、『前頭葉』の異常な機能レベルを反映した)症状ばかりなのである。認知症研究の専門家達とは言いながら、「前頭葉」の機能レベルを客観的に、且つ、精緻に判定する手技を持たない彼等は、脳の後半領域、左脳と右脳の働き具合を判定するMMSE による判定でお茶を濁しているだけ。『意識的な世界』は、謂わば、三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」が運行する世界なのであり、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が元気いっぱいでも、御者である「前頭葉」が居眠りしている状態下では、馬車は目的地にはたどり着けない結果となるのである。「小ボケ」の段階では、日常の「社会生活」面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能レベルの低下により異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因で、十分には発揮出来ない機能状態に在ることが見逃されているのです。

こうした状態は、「空気ポンプ」に例をとれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(アミロイドベータ説やタウ蛋白説の考え方:情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死が主因だとする考え方)、そもそも、チューブに空気を送り込む働きをする役割のポンプの部分自体の機能低下のせい(脳全体の司令塔としての役割を担っている「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した機能発揮レベルの低下が原因。意欲が湧かない、集中力が発揮できない/集中力の発揮が続かない、注意の分配力が働かないことが症状として際立つ「小ボケ」は、家の外に出て行って、他人と交わり、何等かの共通目的を実行する場である『社会生活面』での、様々な支障が出てくるのが特徴となる。人間だけに特有な意識的な世界、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行内容を計画し、実行の結果をシミュレーションした上で必要な修正を行い、実行の内容を決定し、実行を決断する上での様々な支障が目立つ人「何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が小ボケの特徴」。  

(2)  「軽度認知症」(小ボケ)の段階に特有で典型的な症状の8項目

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした表情や笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

注)意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能障害(異常な機能レベルにあることの反射的効果)が原因の症状ばかりなのが特徴(『小ボケ』は、かなひろいテストが不合格となり「前頭葉」が異常な機能レベルに在る一方で、MMSEの得点は、換算点が24点以上の合格点となり、左脳及び右脳は正常な機能レベルに在ることに注意)。


&5 『中等度認知症』(中ボケ)の段階とは

(1)     脳の機能面から見た特徴

ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されたままで居ると(小ボケの標準的な滞留期間は3年間)、中ボケの段階に移っていくことになる。前頭葉の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルになる(改訂版かなひろいテストが不合格で、MMSEも換算点が23点以下15点以上の範囲で不合格となり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに在ると判定されるのが、「中ボケ」のレベル)。前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきていることを反映した症状が発現してくる「中ボケ」のイメージは、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんと出来ないで(家庭生活」の面でも、様々な支障が出てくる)、言い訳ばかりしている「幼稚園児」が特徴。

注)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があることが重要な指標。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき用事を処理出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じている。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきて(脳全体が異常なレベル)、そうした自覚を持つこと自体が出来ない

自覚がないので、不安も全く感じていない。『こんな点が、おかしいと』家族が指摘しても、『私は、ボケてなんかいない』と言い張り、平気。自分のおかしな行動についての、ヘリクツを並べ立てる。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなる。前頭葉を含む脳全体の機能年齢は64歳児のレベル。

(2) 「中等度認知症」(中ボケ)に特有で典型的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む23種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

(3) 小ボケが3年も続くと、次は、中ボケの段階に移っていくことになる。

アルツハイマー型認知症である場合は(且つ、その場合に限り)、時の見当識についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていく。□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)という中ボケの症状は、季節が分からなくなってきているという脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという脳全体の機能レベルの反映。いずれの症状も、木隠岐障害に起因した症状ではないのです


6 『重度認知症』(大ボケ)の段階とは

(1)  脳の機能面からの定義

「中ボケ」の段階になっても、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、中ボケの期間が 23年間続いた後は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に移っていく(かなひろいテストが不合格で前頭葉が異常な機能レベルに在り、MMSEの換算点が14点以下0点までの範囲の不合格のレベルで左脳、右脳及び運動の脳までもが、次第に機能しなくなっていく)。猶、「DSM4」の規定が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、末期の段階である大ボケの段階も後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状30点が満点のMMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される症状)であり、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の症状を見逃してしまう原因要素となっている。「DSM4」の「第二の要件」に従って、『アルツハイマー型認知症』の発病と診断している限り、「せっかく見つけても手遅れ」、治すことは最早出来ないことになる(診断の中身としては、単なる「レッテル貼り」に終わってしまうのです)。

大ボケの段階になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきている(就中、『注意の分配力』の機能が、殆ど働かない。『かなひろいテスト』が実施可能で、且つ、合格点が取れるようになる年齢は、6歳児以上となることに注意)。「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」(セルフケアにも支障が出てきて、『介護』が必要となる)。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベル。 

医療現場では、大ボケの前半の段階(かなひろいテストが不合格で、MMSEの換算点が1410点までの範囲で不合格のレベル。失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくるより前の段階)を、大病院のホームページに見られるように、「アルツハイマー型認知症」の早期という表現を使用しているが、「脳のリハビリ」により回復/又は進行の抑制が可能な本当の意味での早期の段階は、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのこと。「大ボケ」の段階の症状が発現するまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてしまうと、進行の抑制も出来なくなる。身体がもつ限り(病気や寿命で死を迎えることになるまで)、脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになる。大ボケの段階になると、その前期においてさえ、「前頭葉」が殆ど寝たきりの状態になっている為、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるような「言葉」や「テーマ」に対しては或る程度の対応が出来るが、折々に直面する新しい状況や身体に浸みこむ程の経験が無いテーマに対しては、理解することも対応することも出来ないのです。 

「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が殆ど働かなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」の段階では、自分の身の回りの「セルフケア」にも支障が出てくる。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介護」が必要な状態となる。

(2) 「重度認知症」(大ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□自分の子供を配偶者と間違えたりして、同居の家族の顔も区別出来なくなる

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っている(状況の分析や理解や判断、必要な動作や手順の比較と選択、自分が置かれている状況に応じて行われているこうした判断は、『注意の分配力』の機能が正常に働くことが必要不可欠。大ボケの段階では、注意の分配力の機能は、最早働かない)。

上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではない。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではない。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である「注意の分配力」の機能(複数の異なった錯綜する「テーマ」を同時に並行して処理する為の機能)が、廃用性の加速度的で異常な機能低下により、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、服を正しく着ることが出来ないだけ。『家族の顔が分からなくなり、子供を配偶者と間違えたりする』という症状も同じこと。「子供を配偶者と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなく、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、機能が低下してきている為』。

DSM4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行(紛い)の症状は、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのとまったく同じメカニズムの下で発現してくるものなのであって、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り。「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶障害」に起因した症状だとする考えは(「DSM4」の規定が、第一要件の規定で確認を要求)、科学的な根拠がある訳ではない。「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行し、更には、失語や失認や失行(紛いの)の症状が確認されるまで身体が持っていた『お年寄り』の死後の脳の解剖所見に見られる老人斑(アミロイドβ仮説)、神経原線維変化(タウ蛋白仮説)、或いは脳の顕著な萎縮(脳の萎縮仮説)を犯人と決めつけ、加えて、外観から観測し、推測しただけの『仮説』は、「器質的な原因病変」とか、「記憶障害」とかのトラウマに凝り固まり、肝心要の要件である『「前頭葉」を含む脳全体の機能低下』と言う視点並びに『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』と言う重大で不可欠の要因を見落としている(『木を見て森を見ず』)。


&7 三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の症状の特徴

 (1)   標語的な表現による全体としての特徴

ⅰ)「小ボケ」の段階の特徴

「小ボケ」の段階の特徴は、「指示待ち人」。

ⅱ)「中ボケ」の段階の特徴(6歳児以下~4歳児のレベル)

「中ボケ」の段階の特徴は、「言い訳ばかりしている幼稚園児」。

ⅲ)「大ボケ」の段階の特徴(3歳児以下~0歳児のレベル)

「大ボケ」の段階の症状が発現している『お年寄り』の特徴は、セルフケアも自分では、出来なくて、日常生活面での『介護』が不可欠となる状態、いわば、「脳が寝たきり」の状態。「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で、そこまで、異常なレベルに低下してきて働かなくなってしまっていることが、上掲の症状が発現する直接の原因であり、「記憶障害」に起因してというのは憶測。

(2) 症状を回復させる(症状が治せる)薬は未来永劫存在し得ない

我が国では、「アルツハイマー型認知症」の症状を発病したお年寄りの為の薬として、「アリセプト」を含む4種類の薬が医療現場では処方されている。但し、それらの薬のいずれもの薬が、症状を治す(改善させる)効能は有していなくて(治療薬ではなくて)、対症療法薬(興奮型、又は、症状の抑制型)。私たちは、「前頭葉」が、活性化される要因/不活発となる要因に区分される「生活習慣」としての要因の存在から、『それらの薬は、主張する効能との間に要求される因果関係自体が存在しないもの』と考えている。それらの治験の評価段階で、私たちが独自に発見した要因である「症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす生活要因」の存在の影響について無知であるが為に、「因果関係の不存在」という真実の実態を見落としているだけのこと(杜撰な評価)。

3)私達が独自に発見し、住民参加型の「地域予防活動」の活動の柱(根拠)として実践してきた「アルツハイマー型認知症」の症状を治す方法である「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の改善、工夫及びその実践)による回復(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと)の可能性と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の症状を三段階に区分している。

「小ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により症状を治す/進行の抑制が、可能

「中ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により進行の抑制が、未だ可能

「大ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により進行の抑制も、最早困難


&8廃用性の機能低下が発病/症状の進行の原因である根拠データ

 DSM-4」の第一要件の規定内容及び『4つの仮説』が主張する発病原因が共に誤りであることを示す事象事実として、以下の項目を挙げることが出来るのです。

(1)  「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は(その場合に限り)、『MMSEの下位項目に出来なくなっていく極めて厳密な順番が存在すること。その順番とは、

想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名(『MMSE下位項目の項目困難度』の指標)

(2)  本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で見つければ、『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の改善)により、前頭葉を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させること/症状の進行の抑制が未だ可能(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと及び/又は、症状の進行の抑制が可能)。

(3)  「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状については、『脳のリハビリ』により回復させることが出来るか否か及びその程度により、三段階に区分されるのであるが、以下のような標準的な「滞留期間」が存在する。

「小ボケ」 3年間が標準的な滞留期間

「中ボケ」 23年間が標準的な滞留期間

猶、末期の段階である「大ボケ」については、滞留期間は存在しないことに注意(身体がもつ限り、大ボケの枠の中で、症状が更に重いものになっていくだけなのです=大ボケの段階で発病をみつける事には、何の意味もない)。


&9 『二段階方式』が提唱する対策方法「前頭葉が活性化する生活習慣」

症状を治すための指針は、『発病前に被験者が日々行っていた、その人本来の生き方としての「生活習慣」に引き戻すこと』なのです。発病の直前ま、その人なりに、追及すべき「テーマ」(「第二の人生」であるので、仕事は対象となっていないことに注意。趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは、居住地域の活性化等がテーマであったはず)及び達成すべき「目標」があり、そのテーマ及び目標遂行の過程で、或いは、目標の達成により、自分なりの喜びや生き甲斐が得られていた「生活習慣」の復活が当面のターゲットとなる。発病前の本人の日々の暮らし方を詳しく聞き取り、現在置かれている状況の下での最善策を、家族や周りの関係者が探り、実行させることに尽きる。

注)「脳のリハビリ」の実践に関わるテーマの選択及び目標達成上の困難さの程度は、小ボケ、中ボケの前半(MMSEの換算点が2320点)及び中ボケの後半(MMSEの換算点が19~15点)の三段階に区分し、実行させることが必要不可欠。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに対する配慮が不可欠となる。「前頭葉」の機能、就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきているので、その機能レベルに見合った目標の困難度の設定が不可欠となる


&10   『発病の予防対策』についての有効で有益な情報の発信

本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケ)で見つけて、出来るだけたくさんの症例について、治してみせて、「脳のリハビリ」が有効で唯一の対処策であることを示すことが、そのまま、発病の予防(適切な生活習慣の維持により、「前頭葉」が正常な機能レベルを保っていれば、発病はしない)に対する関心を醸成させることに繋がると考えるのです。世界中の権威ある機関やその所属の研究者達から『原因不明で治らないし、発病を予防することが出来ないとされてきた「アルツハイマー型認知症」が、「生活習慣病」である』ことについて、言葉で説明し、納得を得ることも極めて重要であるが、それ以上の説得力及び情報の発信力を有するのが『実際に治してみせること』。

小ボケ及び中ボケの段階(本当の意味での早期の段階)で見つけさえすれば、『脳のリハビリ』、『「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の実践』により、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと及び/又は、症状の進行の抑制が出来、且つ、その方法が唯一のものであることを、多数の実践事例によって証明して見せることが極めて重要。小さな地域単位で、明確に実証して見せることにより、地域住民の及び我が国民全体の目を『発病自体の予防』(「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の構築)に向けさせることになると考えるのです。小ボケ及び中ボケの早期の段階で見つけて(早期診断)、実際に治して見せることが、発病の予防に向けた最も有効な情報の発信策となるのです。


&11  『発病自体の予防』の為の有効で有益な施策の展開方法

「二段階方式」の考え方に基づいて、且つ、「二段階方式」の手技を活用した組織的な活動、「アルツハイマー型認知症」の「早期診断」による回復及び発病の予防を明確な目的とした「住民参加型」の「地域予防活動」を、我が国の全ての市町村で、且つ、小さな地域単位での密な実践を国策化する活動を全国展開することを建白する考えなのです。

注)『意識の機能構造』や『複合機能体である前頭葉の機能』については、専門とする学者でさえ未だに殆ど分かっていない状況に在ります。

このブログ中で、私が、「前頭葉の個別認知機能の発揮度」という表現をしているのは、例えば、理解や判断の機能の働き方を例にとって説明すると、意識的な世界では(意識が覚醒されている状態下では)、何等かのテーマや状況についての理解や判断が働く際には、『前頭葉の三本柱』の機能と私が呼ぶ、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、就中、注意の分配力の機能の関わりの程度により、理解や判断の機能の発揮度が左右され、下支えされているという意味なのです。言い換えると、前頭葉が統括し、管理し、コントロールしている状態の下で、理解や判断の機能が発揮されている状態を、『前頭葉の個別認知機能の発揮度」と表現しているのです。意識状態、或いは意識の覚醒度という風に、意識自体を動態的に捉えているので、個別認知機能についてもその働き方を動態的に捉えて表現しているのです。

本著作物「Cー13」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 (「個別事例判定マニュアル」並びに二段階方式独自の各種様式及び本ブログ中の記載内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則った手続きが必要です。厳しく注意を喚起しておきます) 

 

 

 

 

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