認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

若年性アルツハイマー型認知症の真の正体(C-08)

2018-05-14 | 仕事とは無縁になる「第二の人生」をどう生きるか

若年性アルツハイマー型認知症」の名前で、テーマにした報道、『3050歳代という働き盛りの若い年齢層の間で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』と題するテレビ番組や新聞報道に接すると、驚くと共に不安になって関心が高まる人達が相当多いのではないかと思うのです。NHKの番組が、何度も何度も、何年間にもわたり、繰り返して報道する程高い視聴率を稼げるのでしょう。これまで私のブログ中でも何度かこのテーマを取り上げてはいるのですが、今回は、放置できない状況及び組織的な活動としての新たな動きが出て来たので、メインテーマとして取り上げて、その重大な誤りの内容を指摘し、関係者に注意を促したいと考えるのです。正しく、世の為人の為に、問題を指摘し、問題提起しておきたいと考えるのです。

&1世間を騒がせる「若年性アルツハイマー型認知症」の正体とは

「若年性のアルツハイマー型認知症」は、誤解と誤診の産物

発病する年齢に関して言うと、「アルツハイマー型認知症」が第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象として発病するという特徴、言い換えると、老年発症型であるのを特徴とするのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、若年発症型を特徴としていて、30~50歳代の若い年齢での発症特徴である為に、両者の無知からくる誤解誤診により、『若年性アルツハイマー型認知症』という現実には存在しない認知症名が、医療機関による誤診を発信源(情報源)として、世の中に広く、大手を振って、まかり通っているということなのです。

その背景には、世界中の認知症研究及び診断の専門家とされる人達(学者、製薬会社の研究者及び医師)でさえ、肝心要の「アルツハイマー型認知症」に対しても、発病の原因(メカニズム、機序)が全く解明できていなくて不明とされているという事情【アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説という4つの意味不明な仮説が存在する】だけでなくて、様々な程度及び態様により発現してくる症状についても、「中核症状と周辺症状」と言う言葉による区分をするだけで、症状が発現してくる元である「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」との機能構造面との関係が、ほとんど、分かっていないという事情が存在しているのです。

〇  診断の誤りの基礎となる「記憶障害」の症状という要件

後述するように、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られるのです。若年者3050歳代の年齢)であっても、重度の記憶障害の症状さえ確認されると、「アルツハイマー型認知症」の発病者であるとする診断(『若年性アルツハイマー型認知症』の発病であるとの診断)がまかり通っているのですが、正しくは、『側頭葉性健忘症』であるのを誤診しているだけなのです{稀に、感覚性失語症』(sensory aphasia)を誤診しているケースも見受けられる

30~50歳代の若い年齢で「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断された当事者等(彼らは、誤診だとは知らないで、若年性アルツハイマー型認知症の発病と信じて居る)でつくる「日本認知症本人ワーキンググループ」が協力し、東京都健康長寿医療センターが製作したとされるパンフレットであり、「若年性アルツハイマー型認知症」と診断されたばかりの人に向けた『本人にとってのより良い暮らしガイド』と題されたガイドブックの内容は、本来なら、「側頭葉性健忘症」の発病者に対して提供されるべきものであって、「アルツハイマー型認知症」の発病者(「DSM-4」の規定に準拠しての診断がなされている場合は、末期の段階である大ボケの段階の症状が発現してきている人達となる)に対して提示しても、意味がないこととなる(本人自身が期待に沿えない)のです。

 &4で例示している症状のレベルと内容から言っても、「大ボケ」の段階の症状が発現してきている「アルツハイマー型認知症」の高齢者の場合には、「前頭葉」を含む脳全体の機能の働き具合という機能面からすると、ガイドブックの内容を理解することが出来ないだけでなくて、読むことさえも出来ないはずなのですから。

勿論のこと、自分の「日々の生活」(あるいは、その在り方)に活用することなど不可能ということになる訳なのですから。一方で、「側頭葉性健忘症」の発病者である場合には、後述のように、(重度の記銘力障害に起因した)「重度の記憶障害の症状」に加えて、脳の萎縮(海馬の萎縮)が確認されることがあっても、「DSM4」の規定が確認を要求する失語、失認又は失行の症状は確認されないのです。側頭葉性健忘症」の発病者は、「前頭葉」の機能が(正常なレベルに在る為)、ガイドブックの有用性を理解できるし、生活に活かすことも出来るのです。配布する相手を間違えないで頂きたいのです。

問題を整理して提起すると、『「重度の記銘力障害に起因した」「重度の記憶障害」及び「海馬の萎縮」は、共に、「側頭葉性健忘症」の発病を確認できる重要な要素ではあるものの、「アルツハイマー型認知症」の発病を確認できる要素ではないということなのです。ところが現実の医療の現場では、『「重度の記憶障害」の症状と「脳の萎縮(海馬の萎縮)」という要素の確認により、「アルツハイマー型認知症」の発病(この場合に即して言うと、「若年性アルツハイマー型認知症」の発病)という重大な誤診がまかり通っているということなのです。裏を返せば、いい加減な診断が行われているということになるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病者であれば、末期の段階の症状が発現している「大ボケ」(セルフケアにも支障)の段階のお年寄りだけでなくて、其れより軽い段階の症状を呈している「中ボケ」(家庭生活にも支障)及び「小ボケ」(社会生活に支障)の段階のお年寄りでさえも、私たちの意識的な世界を創出し、構築し、支配し、管理し、コントロールしている機能であり、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が、すでに異常なレベルに衰えてきていることを知らないか、見落として診断しているのです。認知症の専門家とされている人達と言っても、『自分が置かれている状況を理解し、判断して、状況判断に沿った何らかの「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を企画し、計画して、実行した場合のシミュレーションに基づいて必要な修正を加えた上で実行を決断し、脳の各部に対して実行の指令を出す』という役割と機能を有している「前頭葉」という脳機能について無知であるか、浅薄な知識しか有していない上に、そもそも、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定する「手技」を持ち合わせていない人達なのですから。更に問題を指摘すると、医療機関による診断に際しては、「DSM4」の規定基準に依拠して「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断が行われるのが通常なのです。その第二の要件が確認を要求しているのは、失語、失認又は失行の症状と言う極めて重度の症状なのです。脳の後半領域の働き具合を判定するMMSEの実施を基礎として言うと、30点が満点のMMSEの得点が9点以下しかならない人達の場合にしかそれらの症状の発現は確認されないのです。加えて言うと、その第一の要件での確認が要求されている「記憶の障害」の症状の発現は、第二の要件で確認が要求されている症状の確認と同時に確認が要求されているものなのです。即ち、極めて『重度の記憶障害の症状』が確認される人達ということになる訳なのです。そうした症状が確認されていて、「アルツハイマー型認知症」の発病者であるとの診断を受けた人達の脳の働き具合、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに照らして言うと、上述したように、『ガイドブックを活用できる脳の機能レベルにはない』人達と言うことになる訳なのです。&4で例示してある「大ボケ」の段階の症状を参照して頂ければ、私の指摘/問題提起に納得いただけると思うのです。再度注意を喚起すると、『発病の年齢』という視点から言っても、『「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」という視点から言っても、「側頭葉性健忘症」が正しい診断であるべきものを(病名も含めて)「若年性アルツハイマー型認知症」の発病であると誤診しているだけ』なのです(こうした誤診は、現在、世界中で行われているのです)。

)「記憶」は、記銘、保持、想起という3つの工程から構成されるのです。「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)で確認される『記憶障害の症状』(「記憶障害」に起因した症状。以下、同じ)が発現してくるメカニズムについて脳の機能面から言うと、私達が「前頭葉」の三本柱と呼ぶ、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能について生じてくる「加齢」に基づいた機能低下並びにナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に基づいた廃用性の異常な機能低下という要因に起因して(その二つの要因の相乗効果により)記銘及び想起の機能が衰えて行くことが、「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)が発現するメカニズムなのであって、「仮説」が主張しているようなアセチルコリンの不足とか、アミロイドベータの蓄積とか、タウ蛋白の蓄積とか、脳の萎縮の進行とかは、単なる憶測の類のものであって、直接の原因とは無関係の代物に過ぎないのです。仮説の提唱者/支持者達には、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化のメカニズムを解明する上で最も重要なテーマである、脳の機能面から見た『意識的な世界』という視点が欠けているのです。

『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であり(脳の使い方としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続が決定的な要因)、早期診断による「回復」並びに発病自体の「予防」が可能なものである』にも拘わらず、『発病の予防も治すことも困難なタイプの認知症である』とする彼等の主張、重大な誤りである主張内容が(超高齢社会に到達した/到達しようとしている世界中の国々を混乱させているのです。

〇 医療現場での誤診とその原因

医療現場では、二つの重大な誤診横行しているのです。その一つが、「アルツハイマー型認知症」に対する誤診であり、もう一つが「側頭葉性健忘症」(temporal amnesia)に対する誤診なのです。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。我が国を含む世界中の認知症の専門家とされる人達の間では、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因がわからないし、見つけても治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とされているのです。『「アルツハイマー型認知症」は、早期診断により治すことが出来る』と私たち二段階方式が主張してきているように、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までに見つけることが出来れば、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する為の日々の脳の使い方、「生活習慣」の改善)を実行することにより、治すことが出来るものなのです。治すことが出来ないとされているのは、見つけている段階が遅すぎるだけの(末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけている)ことなのです。見つけている段階が遅すぎる原因は、米国精神医学会が策定した診断基準である『DSM4』の規定内容の重大な誤りにあるのです。DSM4』の規定が確認を要求している第一の要件及び第二の要件の規定内容自体に共に重大な誤りがあることこそが諸悪の原因なのです。医療現場の実際の診断に際しては、世界中で最も権威があるとされるDSM4』の規定に従って診断が行われる状況にある為その誤った内容の通りに同じ誤りを踏襲することになるという訳です。

〇 『DSM4』の規定内容の重大な誤り

第一の要件が確認を要求している内容とは、『「記憶の障害の症状」が確認されること』が、「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する上での必要条件とされているのです。「記憶の障害」という要件と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の、直接の因果関係自体が存在していないのに(因果関係の存在を立証できてもいないのに、策定した権威ある人達の協議により)記憶の障害が必須の要件であると想定され、規定されただけの程度のものでしかないのです。

仕事とは無縁となる第二の人生での日々の脳の使い方としての生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な生活習慣継続起因した廃用性の異常な機能低下という条件、『廃用性の異常な機能低下に起因した前頭葉」の機能障害』を第一に確認すべき必要条件とすべきものを、「前頭葉」という機能自体について無知でありながら、権威だけが極めて高く評価された人達の寄せ集めの集団が、重大な誤った内容の規定内容を生み出し、世界中を混乱させてしまった張本人なのです。アセチルコリン説もアミロイドベータ説もタウ蛋白説も脳の萎縮説も、全ての仮説が、「DSM4」の規定が、第一の要件(必要条件)として確認を要求している『記憶の障害』(「記憶の障害」に起因して)という要件が正しいもの』として、「記憶の障害」を惹き起こさせる原因(要因、条件)探しに奔走することになってしまったのです。第一の要件が重大な誤りの条件であることを知らないで(疑ってみもしないで)。

第二の要件が確認を要求している内容、『失語、失認又は失行の症状」が確認されることが、「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する上での十分条件とされている』のです。この要件こそが、医療現場での診断について、末期の段階の症状しか見つけることが出来なくさせてしまった元凶であり、早期の段階の症状(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状)を見落としてしまうことにさせてしまった張本人なのです。策定した彼等自身が気づいていないことなのですが、「失語、失認又は失行の症状」が確認されるお年寄りの脳の働き具合はというと、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能が極めて異常な機能レベルにあって殆ど機能していない状態にあることに加えて、左脳及び右脳の働き具合も、MMSEで判定される機能レベルで言うと、30点が満点であるMMSEの得点が一桁にしかならないレベルにある、言い換えると、極めて重度の症状(私たちの区分で言う大ボケの段階の更に後半の段階で初めて発現が確認される症状)が発現してきている人達だけが、「アルツハイマー型認知症」の発病者と診断されることにされてしまったのです。策定者達自身が、「アルツハイマー型認知症」の発病原因だけでなくて、「アルツハイマー型認知症」の症状についても、ほとんど無知というしかないのです。昨日まで、隣人たちに交じって、ゲートボールや日帰り旅行を楽しんでいたお年寄りが、一晩寝たら、日常の会話もままならなかったり、ズボンのはき方が分からなくて頭から被ってみたり、同居の家族の顔も名前もわからなくなっていたり、夜中に家中の電気を消して回ったり、畑に行くと言い張って家を出て行こうとしたりしはしないのです。そうした「末期の段階」の症状、重度の症状が出てくる前の段階、もっと軽い段階、『脳のリハビリ』により正常なレベルに回復させることが出来る本当の意味での早期の段階が存在していることを彼ら自身が知らない、無知から来た暴挙だと指摘し、指弾したいのです。

 &2 「側頭葉性健忘症」と「アルツハイマー型認知症」の鑑別

〇 脳の機能面から見た「側頭葉性健忘症」の特徴

高度の物忘れ」(新しい情報が入って行かないタイプの記銘力障害が特徴)が特徴的であるため、専門家にもアルツハイマー型認知症と間違われることがよくあるのが、「側頭葉性健忘症」なのです。

二段階方式」の手技による脳の機能検査を実施してみると、高度記銘力障害のほかには、「前頭葉」の機能(かなひろいテストで判定)及び大脳後半領域の機能(MMSEで判定)共に正常範囲に保たれていることが分かるのです。「前頭葉」を含む脳全体の神経心理機能を順々に精緻に調べていくと、『「アルツハイマー型認知症」とは全く異なる病像が見えてくる』のが「頭葉性健忘症」なのです。

アルツハイマー型認知症」の場合、特に末期の段階である「大ボケ」の場合には、「前頭葉」の機能が(就中、実行機能を駆使する働きの注意の分配力の機能が)極めて異常なレベルに低下してきて殆ど働かなくなっているので、自分が置かれている状況の理解と判断が困難となっているだけでなく、重度の記憶障害(物忘れ)の状況に対して、切実な問題としての認識に欠けるのですが、それとは対照的に、「側頭葉性健忘症」の場合には、「前頭葉」がちゃんと働いているので、「重度の物忘れの症状」(重度の記銘力障害の症状)に対して切実な問題としての認識があり、『高度の物忘れがあり困っている』という本人自身の訴えがとても切実で、切迫感を持っているのが特徴なのです。

側頭葉性健忘症は、新しい記憶が全く入っていかない(高度の記銘力障害)という障害なので、手続き記憶(お茶の入れ方、お風呂の入り方など)といわれる生活習慣になってしまったような記憶では、トラブルはあまり起きないのです。なお、頭部CTでは余り特徴がみられないのですが、MRIを用いた海馬の断層撮影を実施してみると、大抵は両側(時に一側)の海馬顕著な萎縮を確認できることが多いのです(『海馬の萎縮』という特徴が認められるのです)。

「アルツハイマー型認知症」発病の場合とは異なり側頭葉性健忘症の場合は肝心の「前頭葉」がちゃんと働いているので(正常な機能レベルにあることが確認されるので)、会議中に豊かな発想の発言や提言が出来ていたのに、会議が終わった後は、高度の記銘力障害原因で肝心のテーマ内容についての記銘度が極めて低い為に、想起できない(結果として)、記憶が残っていない為に、会議時に決められた重要テーマを忘れてしまっていて(記銘できていない為に想起することが出来ない)、周囲から驚かれるような失敗(「アルツハイマー型認知症」についての正しい知識を有していない医師や周囲から、「アルツハイマー型認知症」を発病しているのかと誤解され/疑われる類の失敗)をしてしまったりするのです。

〇 脳の機能面から見た「アルツハイマー型認知症」の特徴

「アルツハイマー型認知症」の発病者は、第二の人生を送っている60歳を超える年齢高齢者に限られることを知るべきなのです。その原因は、私たちが発病の「第一の要件」に掲げる『正常老化の性質』に起因しているものだからなのです。3050歳代の若い年齢で発病する『若年性アルツハイマー型認知症』患者というものは、そもそも存在していないのです。そして、鑑別する為の更なる特徴はというと二つの客観的な要件が存在しているのです。その一つは、私たち人間だけに特有な機能であり、私たちの『意識的な世界(目的的な世界)』(私たちが意識的に何かのテーマを発想し、目標や目的をもって、それを実行に移す世界)を創出し、構築し、統括し、支配し、管理し、コントロールしている機能であり脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(前頭前野局在する「前頭葉の三本柱」の機能、「評価の物差しの機能=意識の首座=自我」及び「実行機能」により構築される複合総合機能体を言うものとする)の機能から異常なレベルに衰えていくのが特徴なのです。『小ボケ』の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルにある中で、肝心の「前頭葉」の機能だけが既に異常なレベルにあるのです。更に言うと、『中ボケ』の段階になると「前頭葉」の機能が「小ボケ」の段階のときよりも更に異常なレベルに衰えてきていて、且つ、左脳も右脳も共に異常なレベルに衰えてきているのです。更に、末期の段階である『大ボケ』の段階になると「前頭葉」の機能並びに左脳及び右脳の機能が『中ボケ』の段階のときよりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。この段階になると、肝心の「前頭葉」の機能(就中、「注意の分配力」の機能)が、殆ど働かなくなってきているのです。世界中の認知症の専門家とされる人達が、此の重大な要件(要素)を知らない(気づいていない)のです。

様々な程度及び態様により発現してくる小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の各症状は、『加齢』に起因した正常老化の性質による機能低下という第一の要件が規定する条件内容及び日々の暮らし方における脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの『単調な「生活習慣」の継続』に起因した廃用性の異常な機能低下という第二の要件が規定する条件内容が同時に存在し充足される『相乗効果』に因り、『廃用性の加速度的で異常な機能低下』が進行して行くことが、直接、且つ唯一の原因で発現してきたもの、言い換えると、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に厳密にリンクした症状が特徴なのです。

世界中の権威が未だに気づいていないこと、私たち二段階方式が世界に誇るのは、『廃用性の加速度的で異常な機能低下』が発病及び症状が重症化していく原因である「アルツハイマー型認知症」は、且つ、「アルツハイマー型認知症」である場合に限り、MMSE を実施し判定した場合に確認される特徴として、下位項目について出来なくなっていく厳密な順番が存在するのです(私たちが発見し、命名する『MMSE下位項目の項目困難度の指標』という脳機能データ)。

その順番は、必ず、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです。

これは、二段階方式の手技を活用して判定し鑑別した14689例に上る「アルツハイマー型認知症」患者の(小ボケ、中ボケ及び大ボケの各段階を含む)精緻な「脳機能データ」が示唆する客観的な事象事実なのです。発病の原因について様々な「仮説」の類を提示し、主張している専門家達の誰一人として、この事象事実としての「脳機能データ」の存在に無知であり及びその重要な意味に気づいていないのです。上述した、客観的なデータの存在というバックグラウンドの下に、医療現場で行われている『重度の記憶障害の症状の存在の確認による鑑別』という誤った方法ではなくて、『「前頭葉」の機能レベルが正常なものであるか(「側頭葉性健忘症」)、異常なものであるか(「アルツハイマー型認知症」)の判定並びにMMSEの下位項目が出来なくなっていく順番の通りであるか(「アルツハイマー型認知症」)、順番とは異なるか(「側頭葉性健忘症」)を検査する方法により、『側頭葉性健忘症』と『アルツハイマー型認知症』との鑑別を的確、且つ精緻に行うことが出来ることを指摘し、問題提起しておきたいのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の真の正体と見分け方


〇 老化廃用型の「生活習慣病」が本態なのです

アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であり、発病するかしないかを決定づける「第一の要件」(必要条件)が「加齢」であり(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)、「第二の要件」(十分条件)が脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続なのです。この二つの条件が同時に充足される状態の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能についての『廃用性の加速度的で異常な機能低下』が進行していくことにより、「アルツハイマー型認知症」を発病し、症状の重症化が進行していくことになるのです。

〇 「前頭葉」の正常老化のカーブ

私たち「二段階方式」の手技を活用して集積した「前頭葉」の正常老化のカーブは、以下の図に示す通りなのです(「前頭葉」の個別認知機能の働き具合を左右し、下支えしている脳機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の『加齢』に伴う緩やかな機能低下のカーブが存在しているのです)。

  この図は、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し、下支えしている機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の加齢による機能低下の「緩やかな下降カーブ」を示すもの。

〇 廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブ

誰の脳にも生来的な性質として存在している脳の正常老化のカーブに起因して機能が低下していく要因に加えて、第二の人生を送っている60歳を超える年齢に達した「高齢者」の日々の暮らし方脳の使い方としての生活習慣)、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因が加重されることにより、『前頭葉』を含む脳全体の機能が(以下の図に示すように)、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです(二段階方式は、アルツハイマー型認知症の発病患者であると判定された『14689例の脳機能データ』の解析結果を保有)。

  この図は、「アルツハイマー型認知症」を発病しているお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブを示すもの(右側⇒左側⇒左下方向)=前頭葉の機能が異常なレベルに衰えてくると、左脳と右脳の機能レベルが(3つの段階)に区分されることが読み取れるのです。

   (左のグラフは、14689例の発病患者の生の脳機能分布図)

  (小) (中)  (大)

&4 「アルツハイマー型認知症」の各段階別の症状の類型

アルツハイマー型認知症の症状は、私たちが回復させることが出来る可能性と程度により三段階に区分する症状から成り立っているのであり、「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する上で、「DSM4」が「第二の要件」で確認を要求している失語や失認や失行の症状は、末期の段階である「大ボケ」の段階でも更に後半になって、具体的には、MMSEの得点が一桁にしかならなくなってきて初めて発現してくる極めて重度症状なのです。

「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」、それぞれの段階に「類型的で特有な症状」をまとめて順番に並べて表示したものは、このGooブログの(G-12)を参照して下さい=kinukototadao と入力し、クリックして下さい。


 コーヒー・ブレイク) 服を自分で着られなくなり、ズボンを頭から被るとか;自分の家が分からなくて、徘徊して迷子になるとか;同居してる家族の顔も分からないとか;失禁した服を平気で着ていたりしたら、自信を持って、その人はボケている(「アルツハイマー型認知症」を発病している)と皆さんは思うのではないでしょうか。正確に言うと、これは、「アルツハイマー型認知症」の末期段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状)なのです。

 こうした症状が出てくるもっと前の「軽い段階」(小ボケ及び中ボケの段階)があるのを、世界中のアルツハイマー型認知症研究の専門機関(専門家達)や専門の医師達までもが、見落としているのです。元凶は、「DSM-4 」の規定の誤り。

 昨日まで、ゲートボールをしたり、町内会の旅行に参加して楽しんでいたお年寄りが、一夜明けたら、洋服が着られないとか、現在居住している自分の家が分からないとか、同居している家族の名前や顔が分からないとかにはならないのです。回復が困難な末期段階の「大ボケ」(重度認知症)の段階でしか、「アルツハイマー型認知症」を見つけられないでいる医療機関は、その社会的な使命を果たしていると言えるのでしょうか。  アディオス!サイチェン!

   本著作物「Cー08」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 

   エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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