認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症(「アルツハイマー病」とは、根本的に異なるもの)の末期の段階と類型的な症状(D-10)

2019-10-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)世界中の認知症研究の専門家達から異句同音に、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であると言われている『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であるにすぎない【但し、此処で言う生活習慣とは、食生活とは関係が無くて、第二の人生を送る上での、脳の使い方としての『生活習慣』を言うことに注意)のであり、早期診断により治せるし、「脳のリハビリ」の実施による症状の進行の抑制(末期の段階である「大ボケ」にまではさせないこと)により介護の予防が可能であるし、更には、脳(「前頭葉」を含む脳全体の機能)が活性化する『生活習慣』の構築と実践により発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが私たち『二段階方式』の主張なのです。kinukoとtadaoの二人だけが研究及び指導活動の中核である、小さな組織エイジングライフ研究所は、数多くの『市町村』での実践により、私たちの主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのです。残念ながら、私たちには権威が無く、市町村で実践するのが医師ではなくて、保健師さんであること等もあり、世の中に十分浸透していかないのです。第二の人生を送っているお年寄りで、私たちの主張内容に興味がある方は、ぜひ実践して見ていただきたいのです。時間はかかろうとも、将来的には、私たちの主張内容が正しいことが認められ、「世界標準」となる日が必ず来るのですから。医師達に更なる問題を提起したいのです。正しい診断が行われれば、様々な種類が数ある認知症のうちの90%以上をアルツハイマー型認知症が占めることになることであり並びに『アルツハイマー型認知症』こそが、早期診断により治せるし、脳のリハビリの実践により症状の進行を緩やかにして、末期の段階の大ボケにまでは落とさない(症状の段階を中ボケまでにとどめる)ことに因り『介護の予防』が可能であり、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』の構築と実践により『発病自体を予防』することが出来るのです。

)様々な種類が数有る認知症の内の90%以上を『アルツハイマー型認知症』が占めていることに注意してください{皆さんが日常見かける認知症の内の殆どのものは、「アルツハイマー型認知症」なのです。徘徊したり、家族の顔が分からなくなったり、ズボンを頭から被ったりするようになるのは、末期の段階の症状(日常の生活面での介護が不可欠となり、もはや治すことが出来ない大ボケの段階)なのであり、『脳のリハビリ』の実践により治すことが出来る段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階というもっと軽い段階があるのを専門家達が見落としているだけなのです;左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」であり、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』の機能レベルの判定が不可欠なのであり、馬車を牽引するだけの馬の役割である「左脳及び右脳」という脳の後半領域を判定するだけでは、見つけられないのです}。

 

&1「諸学説」の主張内容の誤りとその概要

アルツハイマー型認知症』(生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけが発病の対象となり、若年発症を特徴とし、一旦発症すると極めて急激に症状が進行してしまい、治すことも、症状の進行を抑制することも、発病自体を予防することも不可能な「アルツハイマー病」とは,根本的に異なるタイプの認知症であることに注意して下さい)の発病原因について重大な誤りの内容でありながら、未だに権威を保ち続けていて、世の中に害悪を流し続けているのが、米国精神医学会が策定したアルツハイマー型認知症の診断規定である『DSM―Ⅳ』の規定(“Diagnostic Criteria From DSM-Ⅳ”)は、現在は、DSM-Ⅴが発行されているのですが、内容が実態を説明できない不都合を解消しようとして試みられた改訂の結果、規定内容があいまいになってしまい、『発病原因と初期症状』については、DSM-Ⅳの規定内容が医学会では今も幅を利かせたままなのです。

DSM-Ⅳの規定では、発病の原因について規定する「第一要件」が、「記憶障害起因して発病する」(memory impairment )と規定し、更には、「第二要件」が、「失語、失行又は失認の症状が初期症状である」と規定し、発病と診断する為には、両者の確認を要求しているのです【  one or more of the following cognitive disturbances:a)aphasia, b)apraxia, c)agnosia, d) disturbance in executive functioning 】。

この規定が未だに世界的に権威を保ち続けていて、第一の要件が正しいものとの前提に立って、発病原因に関する『4つの仮説』が提唱されてきているのです。即ち、記憶障害を惹き起こす犯人として、アミロイドベータの蓄積老人斑)が原因と想定したのが「アミロイドベータ仮説」であり、タウ蛋白の沈着神経原繊維変化)が原因と想定したのが「タウタンパク仮説」であり、アセチルコリンの不足が原因と想定したのが「アセチルコリン仮説」であり、脳の萎縮が原因と想定したのが「脳の萎縮仮説」に過ぎないのです。それらの学説の全てが仮説とされているのは、それぞれが発病の原因と主張する主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を未だに立証することが出来ていないからなのです【因果関係自体が存在していないというのが、『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実としての『脳機能データ』の存在を根拠とした私たちからの反証なのです】。認知症研究の専門家として及びそれを支える肩書だけを背景にして、権威だけを振りかざして、何時まで、憶測の類を主張し続けるのでしょうか。

1廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態であるにすぎない『アルツハイマー型認知症』の場合、脳の機能が異常な機能レベルに衰えて行く/更なる異常な機能レベルに機能低下が進行していく際の『厳密な順番』が存在していることが確認されるのです(『二段階方式』の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」発病患者の『脳機能データ』が根拠データなのです)。その場合は、脳の機能部位についての順番と『MMSE下位項目の項目困難度』の順番に見られる脳の個別認知機能についての順番が確認されるのです。脳の機能部位についての順番では、『前頭葉』が真っ先に異常な機能レベルに衰えていくのであり(小ボケの段階)、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えて行く(中ボケを経由して大ボケ)のです。DSM4の第二要件の規定内容は、このこと(衰えて行く順番)を知らないで、上述したように、同列に規定したものと言うしかないのです。『アルツハイマー型認知症』の発病である場合は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が真っ先に衰えて行くという事象事実小ボケの段階の症状が発現する脳全体の機能レベル】の存在が確認されているのです。「アルツハイマー型認知症」の三段階に区分される段階的な症状という重要な区分及び視点の必要性を理解すべきなのです。更なる事象事実としての証拠である、脳の個別認知機能についての廃用性の機能低下により衰えて行く厳密な順番として『MMSE下位項目の項目困難度』のデータが示す順番が存在していて、その順番は、『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合は/ある場合に限って、必ず以下の順番の通りとなるのです。項目困難度が高い順番に:想起;注意と計算;時の見当識;所の見当識;三段階口頭命令;模写;文を書く;記銘;書字命令;復唱;命名と言う順番に出来なくなっていく『極めて厳密な順番』の存在が確認されるのです。

2)そもそも、アルツハイマー型認知症の発病としての「記憶障害」自体が、『前頭葉』の廃用性の機能低下の進行に因る機能障害、更なる要因としては、『意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力』の機能の廃用性の機能低下の進行に起因して惹起されることに気づいていないことが問題。海馬が、短期記憶と長期記憶とを仕分けている等と奇妙奇天烈な説明が幅を利かせていたりするのです。『記憶のメカニズム』についてのその程度の理解(実は、誤解なのですけど)を基にして、「アルツハイマー型認知症」の症状(但し、認知症の専門家とされる人達は、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状については見落としていて知らないので、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状のことを考えているだけなのです)が、「記憶障害」に起因して発現してくるものと誤解し、信じて居るという訳なのです。そもそも、『記憶』は、記銘保持想起という過程があるのであり、良く記銘された対象は、良く保持され、良く想起されるものなのです。『記銘度』を左右するのは、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の関わり方次第なのであり、加えて、各機能に対する『加齢』に因る機能低下(アルツハイマー型認知症を発病すると、廃用性の機能低下が加重され、加速度的に機能低下が進行していくことになるのです)の進行という要因が背景にあるのです。短期記憶となるか/長期記憶となるかは、それらの各要因のもたらす相乗効果による結果に過ぎないのであり、『海馬が仕分けている』というのは、単なる憶測にすぎないのです。『その結果、後述する「大ボケ」の段階の症状、更には、「大ボケ」の後半の段階になって初めて発現が確認される失語や失行や失認と言った症状が、記憶障害に起因して発現するとの憶測に基づいただけの誤った規定内容である『DSM-4』の第一要件の規定内容を微塵も疑うことなく信じて居るありさまなのです。注意の分配力の機能の働き無しには、私たちの意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界は有り得ない事を知らないのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行内容を計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションし、シミュレーションの結果を評価し、比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断を下して、脳の各部に実行の指令を出すには、『注意の分配力』の機能なしには、何事も行うことが出来ないことを知らないのです。太字表記した実行機能群は、注意の分配力の機能が関わることに因って初めて機能を発揮することが出来るという重要な機能構造に気が付いていないのです(私たちが世界で初めて発見した『実行機能』についての、機能発揮上の二重構造の問題が存在しているのです)。

1)昨日の夜更かしがたたって、今朝は遅くまで寝ていて、目覚めてみたら小ぬか雨が僅かに降っている状態だったのです。天気だったら、ゴルフの練習に行く予定だったのですけど、予定を変更することにしたのです。伊豆高原のすいらんそうという地区内に、名古屋・カフェがオープンしていて、御近所の評判が良いのを聞き知っていたので、そこへ行って、ブ・ランチと決め込むことにしたのです。実は、この程度の選択でさえも、「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルに在ることが不可欠の条件となるのです。「大ボケ」の段階に在る「お年寄り」はおろか、「中ボケ』の初期、MMSEの換算値が20点を確保できている「お年寄り」であっても、もはや困難なことなのです。「DSMー4」の規定の策定者達も、「4つの仮説」の提唱者や支持者達も、皆さん、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという「物差し」を持たないがために、客観的で合理的な根拠も無いまま、権威に任せて、誤りだらけで意味不明の主張を展開しているのです。アルツハイマー型認知症」の症状を発現させている張本人(核心的な要因)は、「記憶の障害」という要件とは無関係のものなのです。認知症研究の専門家という肩書をひけらかしつつ、「記憶障害」とか、「認知機能」とか言う専門用語を並べ立てながら、肝心の意識的な世界、意識を構築し、統括し、コントロールする脳の機能構造については全くの無知な人達ばかりなのです。『前頭葉』と言う脳機能が備わっていなくて、『注意の分配力』の機能も備わっていないマウス(アルツハイマーマウスとて同じこと)の尻を追い掛け回しているだけで、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカイズムや発現する症状について、テレビに出て来てまでして、物知り顔に語る人達の自尊心の奥底をのぞいてみたいと思うのです。どんな「評価の物差し」が眠っているのでしょうか。

意識機能構造を理解できない限り、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、特に重要な要因である、廃用性の機能低下という要因に辿り着くことは出来ないのです。認知症研究の専門家達の正しい理解がいつの日になるのか。

2)人類最大の難問と言ってもいい程の超難問であり、未だに機能構造が解明されていない『意識』の機能構造が関わるのが、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムなのです。『実行機能』の機能発揮上の二重構造の問題、実行機能の機能の発揮度を左右し、下支えている機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能についての、「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての生活習慣ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続起因した廃用性の機能低下という加重要因、更には、多重、多層に構築され、存在し、コントロールされている『複数の意識』を構築し、統括し、統合し、コントロールする上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能についての深い洞察と理解なしには、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状が重症化するメカニズムを解明することは不可能なことなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて、世界中の認知症研究の専門家達が未だに仮説の類しか提示できていない背景には、意識的な世界意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界の要となる機能が、私たち人間だけに特有な機能であり、専門家達にも余りよくは知られていない『注意の分配力』という脳機能であるからなのです(ここを「クリック」してください)。『意識』について語る専門家達でさえ、『注意の分配力』の機能については、洞察も深い理解も、未だに為されていないのが現状なのです。

3)『アルツハイマー型認知症』を発病させる原因としての第一の要因は、『加齢』に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能低下の進行という要因であり、そのことに、加重される原因要因である『廃用性の機能低下という』第二の要因の存在に、専門家達が、未だに気が付いていないのです。

第二の人生』における「キッカケ」を契機に「意欲を喪失」したことで開始されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下という要因の同時存在による「相乗効果」に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくことに因り発病し、症状の重症化が進行していく病気なのです。第一の要因である『加齢』に起因した機能低下の進行という要因と第二の要因であるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因、異なる二つの要因同時に存在し、充足されることによる『相乗効果』に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくこととなり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現し、症状の重症化が進行していくという特徴を有するのが、『アルツハイマー型認知症』なのです。「記憶障害」に起因して発病するとか、症状の重症化が進行するとかいう主張は、単なる憶測の類に過ぎず、客観的的で合理的で科学的な根拠を持たない主張なのです。

 

&2「三段階」に区分されるのが、「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴

アルツハイマー型認知症』の末期の段階であり、『脳のリハビリ』の実践に因る回復が最早困難となる段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階は、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の働きが「中ボケ」のときより更に異常なレベルに加速度的に衰えてきています。然し、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、司令塔の『前頭葉』の個別認知機能群(「実行機能」と総称される)を構成する各個別機能が、殆ど働かなくなっているとはいえ、「大ボケ」の前半の段階(MMSEの換算点が、14点以下10点迄)であれば、左脳と右脳と運動の脳の働きは未だある程度残っているのです(『時の見当識』で言うと、季節があいまいになってきてはいても、昼夜の区別はまだできる脳の機能レベルに在る)。

重度認知症」(大ボケ)の段階になると、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」寝たきり状態になって殆ど機能していないのです。前頭葉の「三本柱」の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が殆ど働かないので、就中、「実行機能」が機能を発揮する上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が殆ど機能しないレベルに衰えてきているので、いろいろな場面で要求される「個別認知機能」自体が殆ど働いていない状態なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットが、「大ボケ」の症状となって現れてくるのです。直前に食事をしたことさえ覚えていない「重度の記憶障害」の症状等は、その典型です。脳の機能レベルは、3歳児以下のレベルであり、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるようなテーマや会話には、或る程度の対応ができるのですが、身体に浸みこむほどの経験がないテーマや通常レベルでの会話には殆ど対応出来なくなっているのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を厳密に反映したものなのであり、専門家達が主張するような「記憶障害に起因した(或いは、記憶障害を反映した)症状」ではないのです。

但し、3歳児以下のレベルといっても、症状が進行するにつれて、「機能年齢」は急速に0歳に向かって衰えて行くことになり、同時に「症状」が重くなっていきます。「アルツハイマー型認知症」は。脳がもたないのに、身体がもつのが特徴なのです。そのため、症状が進行するにつれて左脳も右脳も機能が急速に衰えて行くのに対して、身体だけは持つのです。重度認知症(大ボケ)は、MMSEの換算値で14点~10点迄の人と10点を切った人とでは、全く別の視点からの『介護対応』が必要になると考えてください。認知症のお年寄り(「アルツハイマー型認知症」を発病し、且つ、大ボケの段階の症状が発現してきているお年寄り)が、その人らしく、「第二の人生」を送っていく』というのは、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点が欠けている発想であり、『標語』としても不適切と言うしかないのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行に移すには、「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルの下で働くことが不可欠の条件となるのです。「小ボケ」の段階で既に、『前頭葉』の機能(就中、「注意の分配力」の機能)は異常な機能レベルに在るのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、『脳のリハビリ』の実践により「回復」させて、何らかの事情によりそれがかなわない場合であっても、末期の段階である大ボケにまでは落とさないことに因り『介護の予防』を達成出来るのです。それらの実績をもとにして、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」(「注意の分配力」の機能の出番が多い日々の暮らし方)の構築と実践という考え方を、世の中に広く情報発信することに因り、発病自体を『予防』するという、明確な『国策』を国民に提示すべきなのです。

認知症の専門家が気づかず見落としていて、施設の職員も理解していないのが、(「前頭葉を含む脳全体としての脳の機能レベル」のアウトプットが「三段階に区分される症状」として現われてくるものだという点です。状況に応じた会話ができないと言うことは、相手方の話の内容を理解することも保持することも出来ていないと言うことなのです。施設の職員が、「大ボケ」レベルのお年寄りに、話が一向に通じないのに、一生懸命話しかけている姿をテレビでよく見かけますが、この点を理解していないからだと思います。日常の簡単な挨拶程度の会話であれ、『注意の分配力』の機能の発揮が、不可欠の条件となるのです。『介護』の世界にも、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という物差しが必要となるのです。

廃用性加速度的異常な機能低下の進行により、意欲、注意集中力及び注意分配力が殆ど機能しないこととなる大ボケの世界では、 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能)が殆ど働かなくなる結果、思考に関わる認知とその記銘、保持及び想起が極めて不完全なレベルでしか機能しない為に、自分の身の回りのことをするセルフ・ケアにも重大な支障が出てくるので、『介護』が不可欠となるのです。

食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分でできなくなり、日常生活に継続的に介助や介護が要るようになるのです。

1)認知症の専門家と言われる精神科医達は、「DSM-Ⅳ」の規定を未だに金科玉条と考えているので、この段階にまで「脳の働き」が衰えてきて初めて(その結果として、重度の記憶障害や失語や失行や失認などの極めて重度の「症状」が出てくるようになって初めて)、「重度認知症」の後半の段階になって初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病だと診断しているのです。それより軽い段階、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)や「中等度認知症」(中ボケ)の段階は、外観だけからの症状の観察と「物忘れの」程度が少し重いような『記憶障害の症状』に着目しただけの診察が行われている結果、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えてもいないので、「不活発病」や「老化現象」として見落とされ、放置されているのが現状なのです。専門家と言いながら、『前頭葉』の機能レベルという視点がないことに加えて、「前頭葉の機能レベル」を精緻に判定できる手技を持たないことが一番の問題なのです。

  

&3「大ボケ」の段階の類型的な症状の概観

大ボケ』レベルでの「特有で、類型的な症状」の特徴の概要を挙げると、以下の通りとなります。

ⅰ)「時の見当識」:今日が何年何月何日なのか、今の季節は何なのか、今の時刻はいつ頃なのか(朝なのか、昼なのか、夜なのか)が分からなくなるので、夜中でも歩き回ったり、騒いだり、外に出て行こうとしたりするのです。

ⅱ)「所の見当識」:自分が「今居る場所」がどこなのかが分からなくなるので、自分の家であることも分からなくなり、自宅に居ても落ち着かなくなります。何かの拍子に家の外へ出ると、自宅がわからないので、徘徊し迷子になります。

ⅲ)「人の見当識」:「大ボケ」の初期のころは、家族の名前を正確には言えない程度ですが、中期には対面している家族の顔も分からなくなります。それを過ぎると、同居している家族の名前も顔も分からなくなります。

以下に、「二段階方式」の判定基準である「大ボケ」に特有の類型的症状を列記しておきます。医師から発病と診断された同居の親がいる場合は、該当する症状がいくつあるか、チェックしてみてください。3つ以上に該当していると、「大ボケ」であることが疑われます。基本的に、症状が軽いものから重いものへと並べてあるので、この先出てくる症状の参考になるはずです。但し、『二段階方式』の考え方では、「脳のリハビリ」の実践指導による『回復』及び症状の進行を緩やかにすることによる『介護の予防』を主題と考えるので、中ボケと大ボケとの区分けに必要不可欠である大ボケの早期の段階(MMSEの換算点が10点以上)に注力する関係上、大ボケの後半の症状については、それほど詳細ではないのです。「大ボケ」の段階になると、「脳のリハビリ」の効果が期待できなくなり、身体が持つ限り症状が更に重くなっていくだけであり、最終的には、植物人間状態にまで衰えていくことになるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、『大ボケ』の段階にまで症状が進んでしまうと、『回復』させることも『介護の予防』を期待することも、もはや困難となり、『介護』の途しか残されていないのです。「アルツハイマー型認知症」も一般の病気と同じこと、症状を治すには早期診断(「小ボケ」、「中ボケ」の段階で発病を見つけること)及び早期治療(『脳のリハビリ』の実践)が不可欠となるのです。

1)専門家達に問題提起したいのです。『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではないのです。『治すことが出来ない』とされているのは、『医師達が見つけている段階が遅すぎるから』なのです早期診断と早期治療が不可欠となる

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、配偶者を子供と間違えたりする

□ 食事や挨拶をしたことなど直前に起きたことを直ぐに忘れてしまう

□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)

□ 自宅に居ても落ちつかず、意味不明の目的を並べて、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)

□ 自宅の方向が、たびたび分からなくなる

□ 同居している家族の名前も顔も分からない(家族かどうかも分からない)

□ 今は昼なの か夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)

□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□  痛んで腐りかけたものや熱すぎるものを平気で食べ、食べ物でない物も口にする

□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする

□  何を言っているのかが分からない独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□  せん妄、妄想、徘徊、便コネ等の「問題行動」が出てくる人がいる

2)せん妄、妄想、徘徊、便コネ等の「問題行動」は、大ボケの誰にでも出てくる症状ではありません。『前頭葉』(特に、「注意の分配力」の機能)が寝たきり状態で殆ど働かず、左脳も極めて不十分な働きしか出来なくなっている機能レベルで、『右脳』の感情の機能だけは未だそれなりに働くので、介護や介助してくれる人との「人間関係」や「対応の仕方」などに不安を感じている状況下にあると、こうした『問題行動』を症状として出すことがあるのです。

 3)大ボケレベルでも、その前期のころは(MMSEの得点が二桁)、日常生活の自立度自体は低くても、言語能力はそれなりに保たれていることが多いので、身体にしみこんだ日常の挨拶程度の簡単な内容のやり取りは可能です。但し、前頭葉の状況判断や理解の機能がほとんど働かなくなってきているので、状況に即した的確な応答はもはや困難です。身体に染み付いたような状況やテーマでの、言葉の単なるやり取り程度のものでしか対応は出来ていないのです。

 

4)大ボケの段階の症状を見ても、それ等が「記憶障害」に起因して発現したものではないことに注意してください。前頭葉の機能、就中、『注意の分配力』の機能が殆ど機能していないことが、上述の症状発現の核心的な要因なのです。

「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が廃用性の機能低下の進行により異常な機能レベルに衰えてきているので、病識の理解(アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行が原因で、日常の生活面で様々な支障が出てきていることについて言うと、『中ボケ』の段階で既に当の本人は、状況を認識することも理解することも出来なくなっていることを知っていただきたいのです。末期の段階である『大ボケ』の段階になってくると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが廃用性の加速度的で異常な機能低下の更なる進行により、ほとんど機能しなくなっていくのです。そうした「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(就中、『注意の分配力』の機能が、ほとんど機能しなくなっている)を色濃く反映した、脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であることを理解すべきなのです。 

)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです(状況の理解や判断、必要な動作や手順の比較と選択、自分が置かれている状況に応じて行われているこうした判断は、『注意の分配力』の機能が正常に働くことが必要不可欠。誤解により、医師達が発病の初期症状であるとしている『大ボケ』の段階(実は、末期の段階)では、注意の分配力の機能は最早働いてはいないのです)。 

)『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではない。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではない。「注意の分配力」の機能が殆ど機能しなくなるまでに機能低下してきていることが直接及び核心の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、服を正しく着ることが出来ないだけ。『家族の顔が分からなくなり、配偶者を子供と間違えたりする』という症状も同じこと。器質的な病変が原因で発症する場合の失語、失認又は失行の症状と、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発症する『アルツハイマー型認知症』の症状としてのそれとは、別物なのです。

『記憶障害に起因』して、或いは、『記憶障害の程度を反映』して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる、或いは、症状の重症化が進行していく、と主張する『DSM-4』の規定内容自体が誤りであることに、認知症研究の専門家達が早く気づいて欲しいと願うのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムは、世界中の認知症研究の権威とされるレベルの専門家達が憶測しているような、複雑怪奇なものではなくて、分かってしまえば、『コロンブスの卵』程度のもの、簡単で単純なものなのです。少しばかり『前頭葉』(注意の分配力)を働かせてみれば、私たちのような『門外漢』でさえ、比較的容易に解明できる代物なのですから。 

 

本著作物「Dー10」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

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エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 

 

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