認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

原因不明とされているアルツハイマー型認知症の真の正体は、老化・廃用型の生活習慣病なのです(D--02)

2019-05-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

4つの仮説」の中核を担う学説で、世界的にも未だに通説の地位を維持している仮説であるアミロイドベータ説の主張に基づいた「治療薬」の開発が悉く失敗に帰した状況を背景としてなのか、或いは、「AI技術」の進歩によるものなのか、従来とは全く異なった視点からの新たな学説が、スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会や、我が国では、国立精神神経医療研究センターから提示されてきているのです。『アルツハイマー型認知症は、生活習慣が危険因子である』とするものなのです。私たちは、1995年の活動開始時から首尾一貫して、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と主張し、450を超える市町村での『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践指導により、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきたのです。私たちの主張は、人間だけに特有な意識的な世界を対象として、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定及びその機能レベルの直接のアウトプットである「症状」の精緻な判定並びに発病及び症状の重症化の進行をもたらした基礎としての「生活歴」、脳の使い方としての「生活習慣」である生活歴の確認に基づいた、14689例もの膨大な数の『アルツハイマー型認知症』発病患者の「脳機能データ」の解析を基礎としているのです。その核心は、意識的な世界を構築し、統合し、統括し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能、左脳、右脳及び運動の脳からなる三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」である『前頭葉』に焦点を当て、且つ、その機能レベルを精緻に判定することが出来る二段階方式という独自の手技を活用していることなのです。権威が有るとされる機関が、何かをキッカケにして私達と同様の主張を展開し出すと、『トンビに油揚げ』を持って行かれる危険が高いので、私たち独自の主張内容の中核をなすテーマを再度取り上げ、再確認をしているのです。世界中の認知症研究の専門家達から発病の原因が不明であるとされているアルツハイマー型認知症について、私たち独自の見解である『本態廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること』の主張並びにその基礎となる脳の機能面から見た『アルツハイマー型認知症』の発病原因(メカニズム)、症状の重症化が進行するメカニズム(機序)、症状を三段階に区分する基準とその内容、脳の使い方としての生活習慣の改善である「脳のリハビリ」により症状を治す方法、介護の予防、更には、発病自体を予防する方法に関する私たち独自の主張内容に関わる著作権が成立している内容と範囲を再度明確にしておく意図でもあるのです。私たちだけが世界で初めて解明したテーマでもある『実行機能発揮上の二重構造の存在』及び『意識的な世界における注意の分配力の機能の働き方と機能構造』並びに『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方の継続という脳の使い方としての「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の問題』及びアルツハイマー型認知症の発病患者だけに特有な性質として確認される『MMSE下位項目の項目困難度』(下位項目に、出来なくなっていく厳密な順番が存在すること)を示す「脳機能データ」について、過去のブログ内容の一部を引用し、それ等が私たち独自の主張内容であり、著作権が成立していることを明確にしておく意図なのです。

& 意識的な世界の機能構造と「注意の分配力」の機能の役割(『意識』についてTadが提示する仮説

私は今、ダイニングで、遅い朝食をいただいているところ。目の前は、一枚板の大きなガラスのWindow。その窓越しに、外の景色を眺めているというのが、今の私の状況という訳。ところで、「注意の分配力」の機能と言うのは、『異なった複数の「テーマ」を同時に並行して処理する』上で必要不可欠の機能であり、「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のことを総称)の中でも最も高度な機能であり、「加齢」に起因した脳機能の老化に因り潜在的な能力としての機能レベルが低下していく際も(私たち人間の誰にでも生来的に内在する性質であり、私たちは「正常老化の性質」と名付けている)、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続に基づき「廃用性」の機能低下に起因して潜在的な能力としての機能レベルが低下していく際も、最も早い段階からその機能が衰えていく性質を有するものなのです。「アルツハイマー型認知症」発病の仕組みを解明する上で、この性質に気が付くことが極めて重要な手掛かりとなるのです。そこで、『異なった複数の「テーマ」を同時に並行して処理する』とはどのようなことを言うのかについて、目の前の具体的な情景を利用して、皆さんの脳にも体験してもらいながら分かり易く説明していこうと考えたのです。「注意の分配力」の機能は、私たち人間だけに特有な機能であり、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにさえも備わっていなくて、「意識」 を構築し、統合し、管理し、統括し、コントロールする上で、更には、様々なテーマや状況や場面や行為や行動の実行結果、或いは思索や考察の実施結果を洞察し、推理し、シミュレーションする上で不可欠の機能なのです。猶、個別の各意識は、御者の判断により、注意が選択的に分配される対象となる事象テーマごとに同時に複数(多数)存在していて、前頭葉の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能の発揮度が高くなるほど、『個別の各意識』の覚醒の度合い及び質感の度合い(意識のクオリア)が増していき、注意の分配力の機能の発揮度が低くなるにつれて、個別の各意識の区分が薄れていくものなのです。視覚的注意が特定の対象に向けられたままであっても、(興味や関心の度合いの変化、若しくは、評価の物差しの機能による事象に対する評価の変化、又は、別の動機の発生による注意の対象の変化等により)前頭葉の三本柱の機能の発揮度が変化すると、当該対象から感得されていた質感自体が変化するのです。或る特定の事象に的を絞って、注意の分配力の分配対象が絞られている場合でも、何等かの契機により前頭葉の三本柱の機能の発揮度自体が変化することに因り、其れまで感得されていた質感が変化することになるのです。更には、意識に関わる研究で知覚交代刺激の図として実験によく使われるネッカー・キューブの図形、又は、ルビンの壺の図形の知覚交代の識別は、一定レベルの機能発揮状態下に在る意欲、注意の集中力が関与することが要求されるのは言うまでもないことなのですが、核心となるのは、『注意の分配力』の機能なのです。一定レベルでの「注意の分配力」の機能が発揮されている状態下でないと、知覚の交代を識別することが出来ないのです(注意の分配力の機能が備わっていないサルに、知覚交代の識別は不可能)。私たちは、ネッカー・キューブの図形についての知覚交代の識別の可否『前頭葉の機能レベルを判定する為のテスト』の一部に活用してもいるのです。意識の覚醒の度合い及び意識の質感(クオリア)の度合いを左右し/下支えているのが『注意の分配力』の機能を核心とした前頭葉の三本柱の機能発揮の度合いなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するか/否かを左右している真の要因(真犯人)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『前頭葉の三本柱』の機能の廃用性の異常な機能低下の進行という要因なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する方法は、「意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割」を担っているが『前頭葉』が活性化する生活習慣、『評価の物差し』(意識の首座=自我)による評価、注意、観方に従い、『注意の分配力』の機能が『実行機能』を行使する出番が出来るだけ多い『生活習慣』の構築とその継続的な実践が、『唯一のもの』となるのです。花瓶の花の部分に注意の分配力の分配を集中すると(注意の分配量を増加させる)、花が生けられた花瓶を一体のものとして認知しつつも、花瓶の部分に対する注意の分配量が少なくなる為に、花瓶の部分の質感がそれだけ薄れるのです。両者に対する質感の差異を含みつつも、花の部分に対する意識と花瓶の部分に対する意識という『質感が異なる複数の個別の意識』が生じ、存在している。一定レベル以上の「注意の分配力」の機能が発揮され、分配されている対症毎に、「意識」が生じ管理されているのです。

今私は、テーブルの椅子に深く腰を落として掛け、窓の方を向いて座っていて、窓越しに庭の景色を楽しんでいる状態、且つ、遅い朝食を摂っているところだと言いました。①花水木の木の下で餌をついばんでいる四十雀の親子連れの愛くるしい姿と動き、澄んだ冬の光を受けて輝く羽の色等に私の感情を豊かにしてくれる情感と質感(qualia)を感じ取っている情景として、記憶の倉庫に貯蔵していきながら(複数の重層した個別の意識が生起し、存在している)、更には、②You Tube から流れてくるMriah Careyの歌に合わせて、心を晴れやかにして躍らせつつ、その歌詞を口ずさんでいるという心の動きと(別の異なる複数の意識が存在する)その基礎である私の脳の働きの具合と状態下で、異なった複数の「テーマ」を同時に並行して処理してくれているのが、私の「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」)の発揮度を左右し/下支えている「前頭葉」の三本柱の中核をなす機能である『注意の分配力』の機能ということなのです。上述した①、②の場面で「意識」が形成し感得する心の感覚として生じ、心が感じるその質感及びその変化又は差異こそ、『注意の分配力』の機能が生殺与奪の核心的な役割を担い、『前頭葉の三本柱』の機能が中心的な役割を担って、生み出させているのです(意識の消長と注意の分配力の機能とは、不可分の関係)。

意識の質感及びその差異は、対象となる事象それ自体が生み出しているものではなく、対象に捉えた事象を実行機能が都度処理する過程で、その瞬間に、注意の分配力の働き具合を核心としつつ、『前頭葉の三本柱』の働き具合により生み出されているものなのです(対象となる事象ごとに異なる個別の質感を同時に並行して覚えてもいる)。そのメカニズムを説明するには、私がこれまで問題提起してきた「前頭葉」の働きと必然的で不可分の連動関係にある「評価の物差し」及び「記憶の倉庫」について語る必要があります。意識が最も覚醒された状態、意識の覚醒度が最も高い状態とは、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が最も高度に発揮されている状態下で、評価の物差しも記憶の倉庫も含む全体の機能が、即ち、三頭立ての馬車の馬も御者も全開状態に在る瞬間であり、質感を最高度に感じることが出来る瞬間でもあるのです。注意の分配力の機能の働きを抑えて、注意が分配される対象を「特定のテーマ」に出来るだけ絞って、意欲、注意の集中力の機能という風に、順を追って、発揮度を高めていくことに因り、「特定のテーマ」に対する意識の覚醒の度合い及び意識の質感が高まっていくのです。前頭葉の三本柱の発揮度を意識的に選択して調節することに因り、質感を感知する閾値を増減させる選択が出来るのです。猶、意識の質感は、識別されている個別の意識を同列に覆っているのではなくて、興味や関心の変化により「注意の分配力」の機能が様々な対象に拡販されていくのを抑制した状態下で、即ち、「注意の分配力」の機能が働く対象を特定のテーマに絞ることに因り並びに特定のテーマに対する注意の集中力及び意欲の働き具合を高めることに因り、それに応じて高まっていく機能構造なのです。そのこと自体もまた、無意識が支配している訳のものではなくて、『意識』に基づく「自由意思」(conscious free will)による選択』が行われているのです。意識と無意識との関わり方に関する有名な『リベットの実験』は、『注意の分配力』の働きと働き方に無知な権威達が、解釈を誤っているだけのことなのです。

ところで選択は、必然的に比較と評価と取捨という経路を要求します。比較し評価し取捨するということは、異なったテーマを同時に並行して処理することが要求されるのです。即ち、『選択』という処理も、一定レベル下での「注意の分配力」の機能なしには行うことが出来ないのです。前頭葉の機能障害に起因した症状だけが確認される小ボケの段階では、感動することが無くなり、質感の差異の感得もコントロールも出来ないのです(私たち二段階方式が開発した「表情読み取りテスト」に不合格となるのです)。

『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行していくメカニズムを理解する上で、『注意の分配力』の働き及び働き方並びにナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下という問題の理解が不可欠のテーマとなるのです。この「注意の分配力」の機能は、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際には、なくてはならない機能なのです。意識的に何かのテーマを発想し、何等かの行為や行動を行うに際しては、一定レベルでの「意欲」及び「注意の集中力」という基礎的な機能の発揮が要求されることにもなるのです。認知される対象となる事象に関わる意識の質感は、客観的なものではなくて、眼前の事象であれ、人の表情であれ、リンゴの赤さであれ、それを感じ取るその人のその折々の脳と身体の働き具合と更には体調(「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度、就中、注意の分配力の機能の発揮度並びに「事象」の捉え方、切り取り方、感じ方、考え方、或いは評価の仕方などで構成される『評価の物差し』の働きとその発揮の度合い、収納されている「記憶の倉庫」との照合により取り出される知識や体験や更には、感情や身体の動静など三頭の馬の関与の度合い、或いは、その時の体調や感情の有り様等)が、質感を感得するその度合いに直接影響するのであり、個別で、主観的なもので、且つ、「特定のテーマ」毎に感得されるものなのです。Tad曰く、”石の心は、観る人の心”。意識が覚醒されている状態下では、『注意の分配力』の機能が向けられ分配の対象となっている複数の異なる様々なテーマ(事象)毎に『意識』が形成されていて、且つ、「注意の分配力」の機能が分配されているその程度に応じる形で、様々な程度でのそれぞれの「意識」の質感が感得される機能構造になっていると考えるのです。「注意の分配力」の機能が分配されている様々な程度及び態様による「事象」毎に形成されている複数の「個別の意識」を統合し、統括している機能の総体が、『前頭前野』領域に宿ると想定される「意識の首座=自我」(ホムンクルス)ではないかと考えるのです。

更なる問題として、上述の『意識の首座』の構造問題に加えて、脳機能の発達年齢と密接に関わる『発揮される機能差』と言う問題が存在していることに注意が必要です。かなひろいテストで判定される『注意の分配力』の機能は、6歳児から判定可能となり18~22歳が機能の最高発揮年齢となるからなのです。『記憶の倉庫』としての機能の発揮及び自分独自の『評価の物差し』としての機能の発揮もまた、『脳機能の発達年齢』との密接な関わりがあるのです。

加えて、私たち人間の思考及び考察並びに身体の動静としての行為や行動は、無意識が支配しているのではなく、『意識』に基づく「自由意思」による『選択』が行われていると考えるのです。然も、その「自由意思」は、「評価の物差し」に規制されているのです。「評価の物差し」が規制する「自由意思」に基づき、思索や考察、行為や行動及びその程度や態様並びに対象事象の選択及びその切り取り方並びに対象となる事象の評価を含む全ての「選択」が行われているのです。種を保存させる為に環境に順応する「機能連合体」としてのニューロン群の進化したシステムであるその完成型が、『意識的な世界における思考及び行動の規範である「評価の物差し」の機能と「前頭葉」の個別認知機能(実行機能)と「記憶の倉庫」の機能と「前頭葉」の三本柱の機能との連絡による「連結された、目的的で、有機的な機能構造体」であり、「意識の座」の機能の核心を構成している』と考えるのです(「意識の基本設計図」=Tadの私案)。

日常の生活面でふと気が付いてみれば、「異なった複数のテーマ」を同時に並行して処理できている「注意の分配力」の働きの存在に気がつくはずなのです。脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉の機能が、眼前の様々な対象事象を自分なりの視点と視野で切り取り、自分なりにそれと認知して、その事象に感動さえ覚えながら、且つ、様々な程度及び態様による質感を感得しながら、同時に今日の夕ご飯のメニューをあれこれ考える等、不思議でもなんでもなく、当たり前のようにできている貴方の日常があるはずなのです。但し、そのことの「大前提」として、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能が「正常な機能レベル」にあることが要求されることになるということなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する原因(メカニズム、機序)を解明する上で、「注意の分配力」の機能及び廃用性の機能低下という要因を含むその機能レベルを変化させる要因についての深い理解が不可欠となるのです。

古希の祝いの楽しい旅行日程の会話でさえも、「注意の分配力」の働き無しには成り立たないということなのです。TadがKinukoとKinukoのお友達に対して説明している古希の祝いの旅行の案、オーストラリアのケアンズを楽しんでくるその案を、資料を手渡しながら、成田空港での出発から、ケアンズ空港を発つまでの間の日々の旅やイベントを楽しむその日程について、言葉で説明する内容をとりあえず聞き取り、理解し、同時に、提示されるイベントに対してKinukoとKinukoのお友達私なりの想像力を働かせて具体的な場面を頭に描きながら、且つ、彼等なりの理解に立っての質問や、案の一部修正を唱えるには、この「注意の分配力」の機能が働いていることが必要不可欠の条件となるのです。脳の機能面からの状況としては、まさしく、異なった複数のテーマを同時に並行して処理している状況にあるからなのです。然も上述したように、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能が「正常な機能レベル」にあることが要求されることになるのです。世界的な権威を今なお保っているとされる『DSM-4』の規定の第二要件が、アルツハイマー型認知症の発病と診断する上で不可欠のものとして要求している失語や失認や失行(実は、この表記も間違いであり、紛いの症状と表記すべきもの)の症状の発現な等という極めて重度の症状が確認できる段階(末期の段階で初めて発現が確認される症状)ではなくて、本当の意味での最初の段階、左脳も右脳も運動の脳もその全てが正常な機能レベルに在る中で、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが既に異常な機能レベルに在ることが確認される小ボケ』の段階、「アルツハイマー型認知症」発病の最初の段階の症状は、「前頭葉」の機能障害(器質的な原因病変は何ら存在していなくて、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行した「前頭葉」の機能障害)に起因した症状に過ぎないのです。注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきていることが判定出来ない限り、「小ボケ」の段階の鑑別は出来ないのです。

世界中で私達だけが「アルツハイマー型認知症」を発病させる要因として問題提起している核心的な条件、「脳の使い方」としての生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されている生活状況下で、この「前頭葉」の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能の低下を進行させていき、且つ異常なレベルにまで衰えたことの直接のアウトプットそれ自体が、「アルツハイマー型認知症」としての発病の症状、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状であり、「前頭葉」の三本柱の機能の更なる機能低下の進行と左脳及び右脳の機能が異常な機能レベルにまで衰えたことの(「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきたことの)直接のアウト・プットそれ自体が、「中ボケ」の段階の症状であり、そして、「前頭葉」の三本柱の機能の更なる機能低下の進行と左脳及び右脳の機能が更に異常な機能レベルにまで衰えたことの直接のアウト・プットそれ自体が、末期の段階である「大ボケ」の症状となるのです。

私たちは、私たちが独自に開発した神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析と、北海道から沖縄だけを除く九州全域に至る全国450を超える市町村の各地域で実践してきた、住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果を根拠として、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」である』と主張しているのです。「アルツハイマー型認知症」は、日々の生活習慣、脳の使い方としての生活習慣」が発病の核心的な原因となるのです。私たちの意識的な世界を構築し、支配し、統括し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能(「前頭葉」の三本柱の機能、中でも、「注意の分配力」の機能)の出番が極端に少ない生活習慣」の継続、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されていく状況の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことに直接起因して「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が惹き起こされてくるだけなのです。その最初の段階が、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです。私たちが、「アルツハイマー型認知症」の症状を「三つの段階」に区分する理由は、「脳のリハビリ」(その人の日常生活を、「前頭葉」の出番が多い生活、「前頭葉」を含む脳全体が活性化される生活習慣へと改善すること)を実践することにより、「小ボケ」の段階で見つければ、正常な機能レベルに改善させること(症状を治すこと)が容易であり、「中ボケ」の段階で見つければ(家族の後押しがあれば)、治すことが未だ可能であり、「大ボケ」の段階で見つけて居たのでは、治すことはもはや困難となるからなのです。生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけを対象として発病する「アルツハイマー病」の場合は、働き盛りの若い年齢、若年発症と症状の急速な進行が特徴であり、且つ、治すことは出来ないのが特徴であるのに対して、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎない『アルツハイマー型認知症』の場合は、第二の人生を送っている高齢者だけが発病するという老年発症が特徴であり、症状の進行が緩やかであり、徐々に進行していくのが特徴でもあるのです。「アルツハイマー型認知症」は、早期診断【小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つける)及び脳のリハビリの実施(脳の使い方としての生活習慣の改善)により治すことが出来るものなのです。更なる問題点を指摘しておくと、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」の構築、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣(自分なりの実践テーマ、目標が有り、自分なりに喜びや生き甲斐を覚えるときがある生活習慣)の実践により発病自体を予防することが出来るのです。『治すことが出来ないし、予防することが出来ない』というのは、「末期の段階」の極めて重度の症状の確認だけで「発病」と診断している医師達の重大な誤解なのです。

医師達から『アルツハイマー型認知症は、治らない』とされている本当の理由は、見つけて居る段階が遅すぎるだけ。末期の段階の症状が確認されないと「アルツハイマー型認知症」の発病とは診断しない「診断の基準の誤り」にあるのです。その上、効きもしない「薬」を処方して平気で金もうけだけに走っているのが医療現場の実態なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した後に、症状の進行(重症化)のスピードが緩やかになるか或いは、逆に速くなるか、それは脳の使い方としての『生活習慣』の内容次第なのであり、医師が処方した薬の効能によるわけではないのです。そのことは、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した「脳機能データ」が証明してくれているのです。「アルツハイマー型認知症」が発現してくるそのメカニズムからいって、飲むだけで(貼るだけで)、症状を治したり、症状の進行(重症化)を抑制したり、更には、発病自体を予防できる効能がある「薬」など開発されることは、『絶対に有り得ない事』と断言できるのです。

st-medicaには、着衣失行」について次のような説明が載っています。『運動麻痺や観念性失行を認めず、半側空間無視や半側身体失認構成障害によらない着衣障害を着衣失行といいます。着衣の方法を口頭で説明することはできますが、上着やシャツを着る際にその裏表、上下、左右を逆にしてしまい、上手く着ることができなかったり、ボタンを掛け違えたりします。右側(劣位側)頭頂葉を含む広範な病変でみられ、特に上頭頂小葉から下頭頂小葉が責任病巣といわれています 』。

ところが、これはあくまで、「器質的な病変」が原因で起きる後遺症としての着衣失行についての説明に過ぎないのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化廃用型の単なる「生活習慣病」であり、器質的な病変が発病の原因ではなくて、「第二の人生」でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「廃用性の加速度的で異常な機能低下」が発病の原因に過ぎないのです。しかも、アルツハイマー型認知症の発病による症状としての失語や失認や失行(紛いの)の症状は、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきていること、言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えてきていること、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の中でも核心的な機能であり最も高度な機能である「注意の分配力」の機能が衰えてきて殆ど働かない機能レベルに在ることが直接の原因となって、「上着の袖に頭を突っ込んでみたり、ズボンに腕を突っ込んでみたりする」と言った症状が発現してきているのです。st-medicaが取り上げている上掲の器質的な病変が原因での着衣失行の症状が発現している場合は、肝心の「前頭葉」が働いているので、着衣の仕方の説明をすることが出来るのですが、「大ボケ」の症状としての着衣失行の症状が発現しているお年寄りの場合は、「前頭葉」の機能(特に、注意の分配力の機能)が殆ど機能しないレベルに在るので、上掲のst-medicaの説明に見られるような、「着衣の方法を口頭で説明することはできますが、、」のようなことは不可能になるのです。両者の根本的な相違は、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たち人間の意識的な世界を構築し、統合し、統括している「前頭葉」と言う機能が働いている状態に在るか否かの差異にあるのです。

「アルツハイマー型認知症」発病の真の原因は器質的な病変ではなくて、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)に起因した廃用性の機能低下が原因だということに専門家達が気付いていないだけのことなのです。器質的な病変が発病の原因に違いないとの過度の思い込みから視野が狭くなってしまっていて、アミロイドベータの蓄積であるとか、タウ蛋白の蓄積であるとか、脳の萎縮の進行であるとか言った『器質的な病変探し』の森に迷い込んでしまっているのです。意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移すにあたっては、「意欲」、「注意の集中力」の機能の一定レベルでの発揮が必要なのは言うまでもないことなのですが、『注意の分配力』という機能の一定レベルでの発揮が必要不可欠となるのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断するにも、状況判断に沿った「テーマ」を発想するにも、テーマの実行内容や実行の仕方を企画し、計画するにも、計画した実行内容について洞察し、推理しシミュレーションするにも、シミュレーションの結果に基づいて必要な修正を加えて、最終的な実行内容を選択するにも、実行の決断を下すにも、更に言うと、特定の事象に向けて注意を集中するにも、複数の異なる多数の事象に向けて注意を分配するにも、意欲注意の集中力の機能だけでは、足りないのです。意欲、注意の集中力の機能が一定レベルで働くそのことに加えて、『注意の分配力』の機能が一定レベルで働くことが必要不可欠なのです(赤字表記は、「前頭葉」の個別認知機能の例示です)。従って、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の機能低下を進行させていくときは、それに付随して、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度も低下していくことになるのです(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の関係の存在)。私たちが金子医師と共同開発した『かなひろいテスト』は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、かなひろいテストに従事している被験者のそれらの機能の個々の/及び又は/総合的な機能の発揮具合を精緻に判定することが出来るのです。この手技の開発に成功したからこそ、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』というテーマに焦点を当てることが出来たのです。このことを出発点として、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定、更には、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『前頭葉』の廃用性の機能低下の進行という視点/着眼点に到達することが出来たのです。その成果があったが故に、認知症研究の専門家とされる人達が、失語や失認や失行の症状、或いは、それらの症状よりも更に重い症状である「極めて重度の症状」にしか目が行かない状況の中で、私達だけが、本当の意味での早期の段階(「脳のリハビリ」により症状を治すことが出来る「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在を主張しているのです。

& 脳の機能面から見た事象の認知に関わる「注意の分配力」の働き

窓越しに、視野の対象範囲内に在る目に入ってくる対象を全体としてとらえた時、認知の対象となる各々の対象物(範囲)が、どのように認知されているのかを詳細に分析していくと、面白いことが分かってくるのです。丁度、カメラの焦点を開いたり絞ったりして、自分が写したい景色を、あれこれとシミュレーションしている時と似た状態が、貴方の脳でも起きていることに気がつくことでしょう。眼前の窓とその枠、花水木の木と紅葉色に色づいた葉、満々と水をたたえて表面が風に揺れているプールの水面、天高く伸びた枝々を覆うように紅色の花を樹上一杯に折り重なってつけているブーゲンビリアの樹、真っ赤な小粒の実を鈴なり状態に枝先につけて重そうに垂れている枝を風に揺らしている鼠モチの樹の大木、その向こうに隣家との境界として植えられているサンゴ樹の垣根。これらの情景を全体として一度に認識している状態(その分、個々の認知対象であり、且つ、発現してくる個々の意識の質感が薄くなる)と特定の事象に注意を選択的に向けて認識している状態(その分、個々の認知対象の質感が濃くなる)、更には、その中間の状態という風に、意欲、注意の集中力及び「注意の分配力」の機能の各々の発揮度をカメラの焦点を開き/絞るように、様々に変え、各意識の対象の認知度及び質感の差異を体験してみて下さい。

眼前の景色を全体として意識し、認知しようとすると、様々なレベルでの差異を伴った「意欲」と「注意の集中力」と「注意の分配力」と言う機能の発揮が要求されていることに気づくのです。対象を特定し、花水木の木と紅葉色に色づいた葉に注意を向けてみると、それ以外の周りの対象物に対する認知度が下がるのです。更に、花水木の木の紅葉色に色づいた葉の濃淡だけでなく、葉脈までもがはっきりと認識出来るほどに注意をその部分に集中し、対象を絞ると(「注意の分配力」の分配対象を絞り、且つ、「注意の集中力」の発揮度を高めてみると)、鼠モチの樹も、ブーゲンビリアの樹も、輪郭はそれなりに認知できてはいるものの細部の認知が出来ていないことに気づくのです。そして、花水木の樹に対する注意の集中の程度を次第に下げていくと、それに反比例するかのように、鼠モチの樹も、ブーゲンビリアの樹も認知の度合いが上がってきて、例えば、ブーゲンビリアの花の色が次第にはっきりとしたものになってくることに気づく自分が居るのです。意欲、注意の集中力の働きが高まってきていても、「注意の分配力」の働きが高まってきていないと、音楽を楽しみながら、外の景色を楽しみながら、小鳥が餌をついばむ姿を観察しながらという風に、言い換えると、『異なった複数のテーマを同時に並行して処理する』ことは出来ないのです。三者の関係はと言うと、「意欲」が湧いてこない状態下では「注意の集中力」が高まってこないのです。「注意の集中力」が高まらないと、「注意の分配力」の機能の発揮度が上がってこないのです。「意欲」を源として「注意の集中力」の機能が在り、「注意の集中力」の機能が分化し、機能拡大したものとして「注意の分配力」の機能が在るのです。

「前頭葉」の個別の認知機能(実行機能)の働き具合自体が、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合にリンクしているという問題、機能発揮上の「二重構造の問題」が存在しているのです。「二重構造の問題」と言うテーマに気が付いたのも、精緻で膨大な量の「脳機能データ」の存在と私自身の実体験が出発点になっているのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』での『実行機能』の働きとそれ等の機能の発揮度を左右し/下支えしている前頭葉の三本柱の最も核心的な機能である『注意の分配力の機能について、私の知見の概要を述べているのです。前頭前野に局在する「実行機能」と総称される個別認知機能を司る各ニューロンの存在並びに意欲、注意の集中力、就中、特定の事象に選択的に注意を集中し、或いは、複数の異なる多数の事象に注意を分配する機能、更には、複数で多数の個別の各意識を統合し、統括する上で不可欠の機能である「注意の分配力」の機能を司る各ニューロンの存在及びそれ等が連結された回路網の発見、更には、それ等の各ニューロンの興奮及び抑制のメカニズムを早く解明して欲しいのですが、それには、「生きた人間」を対象とする困難が伴うのです(注意の分配力の機能が備わっていないサルでは無理なのです)。

ところで、「加齢」に因る脳機能の低下、私たちが「正常老化の性質」と呼ぶその性質に起因して「前頭葉」の三本柱の機能の潜在的な機能発揮能力のレベルが低下していくにつれて、認知できる「対象範囲」が狭くなっていき、認知の度合いも低くなっていくのです。第二の人生を送っていて、自動車を運転されている『高齢者』なら体験的にお分かりだと思うのですが、年を取るにつれて、自分では十分気を付けている筈なのに、ガムテープ等を張って対応しようとする程度の小さなかすり傷や、小さなへこみを付ける程度の、小さな自損事故が増えてくるものなのです。気になっている方は、『11時間の「速足の散歩」を楽しんでください』。『意欲』の潜在的な機能レベルが膨らんでくるのです。廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣、就中、「前頭葉」の三本柱の機能が活性化する「生活習慣」、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多い「生活習慣」の構築と実践とが不可欠になるのです。   

世界中の脳科学者達の誰もが及び世界中の認知症の専門家達の誰もが未だに気が付いていないテーマ、それが、『前頭葉の個別認知機能である「実行機能」(「前頭前野」)の発揮度と前頭葉の三本柱の機能との機能発揮上の構造的な関係』として私たちが世界で初めて解明した、『実行機能の機能発揮面における二重構造の関係』という問題の存在なのです。自分が置かれている状況の分析と理解と判断、状況判断に沿った「テーマ」の発想、発想テーマに沿った発言、身体の動静としての行為、或いは行動の実行に関わる企画と計画、実行結果についての洞察、推理及びシミュレーション、シミュレーション結果に基づく修正と選択、実行内容並びにその程度及び態様の選択、実行の決断と脳の各部に対する実行の指示その他抑制や感動や共感等の「前頭葉」の個別の認知機能は、「前頭葉」の三本柱の機能の発揮の度合いにリンクして、その機能の発揮度が形成されるメカニズムになっているという構造問題のことなのです。これは、私たちが『意識的な世界』の機能構造を追求する過程で及び『廃用性の機能低下』の進行というテーマを追求する過程で、世界で初めて発見し、解明したものなのです。この延長線上のものとして、『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合には(且つ、その場合に限って)、『MMSEの下位項目に出来なくなっていく厳密な順番が存在する(MMSE下位項目の項目困難度の順番)』という『指標』の発見があるのです。

そのことに加えて、この「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、私たちが独自に付けた呼称)には、「正常老化の性質」と私たちが名付けている生来的な性質があるのです。「前頭葉」が生き生きと働くような「テーマ」を日々追求して生活していようとも、「加齢」とともに働き具合が次第に低下していくという(生まれながらに備わっている)『生来的な性質』が、誰の脳にも例外なく備わっているということなのです。私たちが、「第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者」という条件を、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」として定義している根拠がここに在るのです。我が国で「第二の人生」が始まる65歳くらいの年齢になると、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合が、最盛期である20歳代の前半の頃のそれに比べて半分くらいに衰えてきていることを「脳機能データ」が示しているのです。その要因が存在しているからこそ、何かをキッカケとして意欲を喪失すると、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に陥っていった場合、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるという訳なのです。30~40歳代の若い年齢に在るものが、何かをキッカケにして意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が始まり継続していこうとも、前頭葉の機能の廃用性の機能低下は起きてこないのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、第二の人生を送っている、60歳を超える年齢の「高齢者」だけ(に限られる)という事象事実が示す根拠は、この要因の存在に在るのです。

脳の使い方としての「生活習慣」とは無関係に、20歳代の前半をピークとして、その後は、100歳に向かって緩やかに直線的に衰えていくという性質、「正常老化の性質」に起因して「前頭葉」の三本柱の機能レベルが或るレベル以下に低下してきて居り、且つ「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が(私たちが定義する発病の「第一の要件」)、何等かの出来事や状況の発生及び継続を「キッカケ」として、心が折れてしまい、その人がその時遭遇した精神的、肉体的及び/又は経済的な逆境に対して、立ち上がり、這い上がって行こうとする『意欲を喪失してしまった結果、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続されていくとき(私たちが定義する発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが同時に充足されることの相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常機能低下を進行させていくこととなり、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです。

世界中の認知症研究の専門家達の全てから、発病の原因が不明であるとされている「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、「脳の使い方」としての生活習慣なのであり、食生活や糖尿病の発病とは無関係)であるというのが私たち独自の見解であり、主張なのです。そのことに加えて言うと、私たち独自の考え方に立ち、私たちが独自に開発した手法である「二段階方式」の考え方及び「二段階方式」の手技の活用により、北海道から九州に跨る450を超える数の市町村での「地域予防活動」の実践指導により、私達の主張内容が正しいことを疫学的方法により、実証してきているのです。

アルツハイマー型認知症発病及び重症化が進行して行くメカニズムを理解し、解明する上で不可欠の「廃用性の異常な機能低下の進行要因」の条件を構成している脳の機能要因である、自分が現在置かれている状況の分析と理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、テーマを実行する上で必要となる実行内容の企画と計画、実行内容の実施結果を予測する為の洞察、推理、シミュ・レーション、シミュ・レーション結果に基づいた実行内容及び実行の仕方の選択と修正、最終的な実行の内容、その程度及び態様の選択、実行の決断、左脳や右脳や運動の脳と言った脳の各部に対する実行の指令、更には、抑制や感動や共感等「前頭葉」の「個別の認知機能」である『実行機能』(executive function)の発揮度を左右し/下支えしているのが、『評価の物差し』による評価、注意、観方に従い、実行機能を行使する働きを担っている『注意の分配力』の機能なのであり、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのだということに気が付いたのです。この理解を出発点にして、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」発病患者の精緻な「脳機能データ」の解析により、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」である』との結論に達したのです。『前頭葉の三本柱』の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなることが原因で、「アルツハイマー型認知症」を発病し、症状の重症化が進行する訳なのです。

&ボケない(アルツハイマー型認知症を発病しない)生活習慣

様々な種類が数有る認知症の内の大半、90%以上は、「アルツハイマー型認知症」なのです(脳梗塞や脳出血等の脳の一部の器質的な病変の発生による単なる後遺症レベルのものが、脳血管性認知症と診断されている誤診が多い為に、その分、アルツハイマー型認知症の割合を少ないものにしている実態があるのです。正しくは、脳血管性認知症ではなくて、アルツハイマー型認知症なのです。脳梗塞や脳出血の後遺症が残ったことをキッカケとして、何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が始まり継続していった結果、前頭葉を含む脳全体の機能について廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、アルツハイマー型認知症を発病している患者について、一つには、因果関係の確認作業の杜撰さにより、もう一つには、アルツハイマー型認知症についての知識の浅さにより、誤診しているケースが極めて多いのです。

 私たちの意識的な世界を構築し、支配し、統括し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の出番が出来るだけ多くなるような「生活習慣」、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の出番が出来るだけ多くなるような生活習慣、更に言うと、「注意の分配力」の機能が働く機会が出来るだけ多くなるような、あなたなりの「テーマ」を継続的に実践する「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」)が、「加齢」という条件(「正常老化」の性質)により緩やかなカーブを描きつつも、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを正常な機能レベルのままに維持させてくれることになるのです。私たちの14689例にも上る精緻な「脳機能データ」が示唆し、証明しているように、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、脳全体の機能の中で「前頭葉」だけが最初に異常なレベルに衰えてくることから発症する(「小ボケ」の段階)という厳然たる機序が存在するのであり、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに保たれている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に無いのです。 

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