認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病原因、症状を治す方法、介護の予防及び発病の予防 ( D-01)

2019-04-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

&1「仮説」が幅を利かせていて、「誤診」が横行する社会状況

今日は、新元号発表の日。東日本大震災の発生から、8年の歳月が過ぎて、道路や箱モノの復興が華々しく取り上げられる中で、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行というテーマは、どのマスコミのテーマにもならなかったのです。重大なテーマではないからという訳ではなくて、問題の存在についての認識が欠如しているせいなのです。認知症研究の専門家とされる人達の無知による誤解が世の中を誤らせ、深く静かに潜行する形で、今もなお日毎に取り返しのつかない方向に向かって進んで行っているのです。アルツハイマー型認知症が記憶障害に起因して発病すると誤解したままで、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行真犯人であることも知らないで、権威だけで生きている誰かの話を鵜呑みにして、実際にはこの世に存在してもいない架空の病気である『若年性アルツハイマー型認知症』とか言う造語まで作り出されているのです。正しくは、側頭葉性健忘症脳の変性が原因で起きるものであり、新しい記憶が入って行かないという重度の記銘力障害海馬の萎縮を特徴とするものの、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能は正常な機能レベルに在るのが特徴なのです)であることも知らないで、視聴率が高いせいなのか、何度も繰り返してテレビ放映されていたりするのです。『働き盛りの若い年齢で、アルツハイマー型認知症を発病する人たちが増えてきている』等の見出しが躍っていたりするのです。後述する発病のメカニズムから言うと、社会問題になるほどの規模での発病という事態は、高齢化率低い国では起きてこないのです。『超高齢社会』を達成した社会(国)でしか発現することが無い認知症であり、現職で(肩書だけの場合を除く)仕事を続けているお年寄りは発病の対象とはならないで、第二の人生を送っている60歳を超える年齢のお年寄りだけが発病の対象となるという特徴を有することが確認できるのです。そうした基本的なことも知らないで(気づかないで)、更に言うと、前頭葉という脳機能自体が備わっていなくて、異なった複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能である『注意の分配』の機能が備わっていない『マウス』(アルツハイマー・マウスとて同じこと)のお尻を追い掛け回している程度の研究内容を基礎としていながら、『アミロイドベータが沈着して形成される老人斑の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、「記憶障害」が惹き起こされ、そのことが直接の原因アルツハイマー型認知症発病する』ことになる等という奇妙な学説(アミロイドベータ仮説と呼ばれる)を著書で取り上げたり、テレビに出てきて物知り顔に語る人達が多いのに驚かされるのです。『因果関係の存在の有無』に無関心で、支離滅裂な主張が横行している状況に在るのです。アルツハイマー型認知症について言うと、権威が有る人達や機関が言っていることこそが誤っているのです。

2DSM-4」の規定内容の重大な誤り及び「4つの仮説」の問題点

アルツハイマー型認知症発病のメカニズム、早期発見と認知症の症状からの回復、症状の進行の抑制及び介護の予防と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位でのアルツハイマー型認知症の発病の予防の仕方について、正しい情報を発信することが私たちのテーマです。マニュアル化され、システム化された「二段階方式」と呼ばれる私たちのシステムの使用は、有償となっていますが、(使用許諾契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センター、介護施設事業者に限定されています)、このブログの中で、その概要を逐次みなさんに公開していく予定なのです。勿論、関連する「脳機能データ」も逐次公開していく予定です。『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』タイプの認知症であるとする世界中の認知症研究の専門家達の主張の内容が根本的に誤りであり、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎず、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来る典型的なタイプの認知症である』ことを世の中に広く浸透させていきたいと考えているのです。

アルツハイマー型認知症』の発病原因については、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』並びに世界的に「通説」の地位にあるアミロイドベータ仮説を筆頭にして、タウタンパク仮説、脳の萎縮仮説及びアセチルコリン仮説という『4つの仮説』が提示されています。ところが、「DSM-4」の規定内容は、アルツハイマー型認知症の発病と診断する上で不可欠の条件として、第一要件では、『記憶障害』の確認を要求していて、第二要件では、失語、失認、又は、失行の症状の確認を要求しているのです。その結果、11の項目からなっていて、30点が満点である MMSEの得点が一桁になるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた発病患者だけにしか確認されることが無い『極めて重度の症状』の発現の確認を要求する結果となっているのです。このことに加えて、『4つの仮説』(仮説とされているのは、それぞれが発病の原因であると想定している主張内容とアルツハイマー型認知症の発病との間に存在するべき肝心要の「因果関係の存在」を未だに、立証できないでいるが為に、単なる仮説として扱われているということ)の主張内容も、科学的な根拠が無く、同様に誤りであることの根拠を提示していきたいと考えるのです。「仮説」であるとは言え、権威が有るがために、世の中をかく乱しているだけのものであり、弊害をもたらすだけのものなのです。「DSM-4」の規定はというと、その「第二要件」がアルツハイマー型認知症の発病の初期症状として挙げ、確認を要求しているのが「失語」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により日常の簡単な言葉のやり取りさえもかなわないレベル)、「失認」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により鉛筆やハサミ程度のものの認知さえもかなわないレベル)、又は、「失行」(器質的な原因病変は存在していないが、歯を磨いたり、ズボンをはく程度のことさえもかなわないレベル)という症状なのです。『第二の要件』の重大な誤り(問題点)は、私たちの区分で言う末期の段階である『大ボケ』の段階の更に後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状を発病の初期症状であると誤解していて、それらの症状の発現が確認されないと、「アルツハイマー型認知症」の発病と診断してはならないと規定していることなのです。誤解に基づいた重大な規定内容の誤りなのです。

脳の後半領域の機能である左脳及び右脳の機能レベルを判定することが出来る神経心理機能テストであるMMSEを基準に問題点を指摘すると、30点が満点であるMMSEの得点が一桁になって初めて発現してくる『極めて重度の症状』である失語や失認や失行(紛いの)の症状の確認が発病と診断する為の不可欠の条件と規定していることなのです。私たちが本当の意味での早期の段階の症状であるとして提起している段階、私たちの区分で言う「小ボケ」(軽度認知症)及び「中ボケ」(中等度認知症)の段階の存在に気が付かないで居て(見落としていて)、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の更に後半になってからでないと発現が確認できない「極めて重度の症状」を発病の初期症状だと規定しているのです。その結果、『出来るだけ早期の段階で見つけて、治せる病気であれば治して見せる事が医師本来の役目、医療機関の社会的責任であるはず』なのに、失語や失認や失行の症状の確認を基礎として発病とする診断がまかり通ることになってしまった結果、発病のレッテルを貼るだけの役割に満足していて、日常生活に介助や介護が不可欠となる末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)のお年寄りを徒に増産し続けているのが現状なのです。

『内容自体が重大な誤りである』この規定が、世界中の認知症研究の専門家達を迷路に迷い込ませ、早期診断による回復及び発病自体の予防という最も重要な「テーマ」を闇の中へと葬り去ってしまったのです。『4つの仮説』の全てが、「DSM―4」が「第一要件」で確認を要求しているもの、『記憶の障害』に起因して『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してくるものと誤解し、『記憶の障害』を惹起する原因として、アミロイドベータの蓄積という条件を想定したのがアミロイドベータ仮説であり、タウ蛋白質の蓄積という条件を想定したのがタウタンパク仮説であり、脳の萎縮の進行という条件を想定したのが脳の萎縮仮説であり、アセチルコリンの不足という条件を想定したのがアセチルコリン仮説というのに過ぎないのです。それらのいずれもが、科学的な根拠をもっていない、単なる「憶測の類」に過ぎないのです。

挙句の果てにというか、最近になって、『アミロイドベータ仮説』という仮説を世界の先頭に立って牽引してきた米国のハーバード大学が初めて提唱し、我が国では東京大学が追随することとなった新たな憶測の類とも言うべき「テーマ」が提示されてきてもいるのです。アミロイドベータ仮説の考えに基づいて、我が国だけでなくて、世界中の巨大な規模の製薬会社が挑戦した「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発が、悉く失敗に終わった状況を踏まえてのことなのです。発病してからでは、薬が効かないので(治療の効能を有する薬の開発がことごとく失敗に終わった、即ち、一旦発病してしまってからでは、治療することが極めて困難な事という認識に到達した)、発病を予防するというテーマを今後は追及していく(方法論としては、「アミロイドベータ」が僅かでも脳内に蓄積が検出される出来るだけ早期に、アミロイドベータを脳内から除去する方法を開発していく)という考え、治療の方法を追求することを断念して、発病の予防へと方針を大転換したということのようなのです。治療から予防へ。聞こえだけは良いのですが、中身が全くのこと無いのです。昨年の後半になって始まり、3年間を目途に実行していくテーマだというのですが、『3年先になって得られる結論』を私たちが今日、明確に指摘しておきたいと、老婆心ながら思うのです。そんなところを掘っても、何も出て来はしないのです。その理由はというと、『そもそも、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間には、因果関係自体が存在していない』からなのです。アミロイドベータの蓄積とか、老人斑の沈着とかは、発病し、症状が末期の段階にまで進行していった結果としての産物であり、発病の原因ではないからなのです。私たちが、過去にこのブログ中でいくつもの客観的な証拠を挙げて問題提起し、今回提示してある二つの科学的で客観的で、且つ、『事象事実』としての脳機能データの内容に鑑みれば、容易にわかることだと思うのです。

 此処で核心的な問題点を指摘しておくと、『そもそも、「記憶障害」自体が、「前頭葉」の機能障害に起因して惹起されてくるもの』なのです。アルツハイマー型認知症は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して『前頭葉』の廃用性の機能低下が進行していき、前頭葉の機能が異常な機能レベルに在ることの直接の反映としての症状(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状であり、「前頭葉」の機能障害に起因した症状)が、「アルツハイマー型認知症」としてのごく初期段階の症状という訳なのです。脳の働きと言う物差しを当ててみると、「アルツハイマー型認知症」の発病の最初の段階である『小ボケ』の段階では、左脳右脳運動の脳も全てが未だ正常な機能レベルを維持している中で、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが既に異常な機能レベルに衰えてきているのです⦅14689例もの「脳機能データ」が根拠)。「アルツハイマー型認知症」の発病の直接の原因は(症状が発現してくる直接の大本は)、「記憶障害」にあるのではなくて(『記憶障害に起因して』ではなくて)、『「前頭葉」の機能障害』にある(廃用性の機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害が直接の原因)ことに専門家とされる人達が気付いていないだけなのです。

&3 「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の考え方

私たちが1995年の活動開始以来一貫して主張してきているように、『アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』なのです。アルツハイマー型認知症の発病を規定する条件は、一つには、『「加齢」に起因した脳機能の老化の進行という要因』(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者であること)であり、もう一つの要因が、これに加重される条件としての、①「脳の使い方」としての生活習慣という要因、②『第二の人生』を送る生活状況下でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因、③『「前頭葉」を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性の機能低下の進行という要因が、直接の原因』なのです。第一の要因(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)に加えて、第二の要因(「第二の人生」を送る上でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続)が加重されることに因り、即ち、「異なる二つの条件が同時に存在し、充足されること」の相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことが唯一で直接の原因となって、アルツハイマー型認知症を発病することになり、更には、症状の重症化が進行していくことになるだけのことなのです。

最も重要な命題に言及しておきましょう。『廃用症候群に属する、老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治せないものではなく、「早期診断」により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。『医師達が見つけて居る段階が遅すぎる為に、治すことが出来なくなってしまっている』ということなのです。明言しておきます。治せないというのは、単なる誤解なのです !!

注1)1995年の活動開始以来、私たちが、北海道から九州に跨る452もの市町村で実践を指導してきた先駆的な活動である『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』として、『疫学的方法』により実証してきているように、『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治らないタイプの認知症ではないのです。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないだけ』なのです(見つけるのが遅すぎる、言い換えると、(「DSM-4」の規定の誤りに気が付かないで、むしろその権威を過度に信頼し盲従していて、失語、失認、又は、失行の症状が初期症状であると誤解したままで居て)末期の段階で見つけるから、治せないだけなのです。アルツハイマー型認知症も早期診断早期治療がカギなのです)。

注2)「二段階方式」の考え方に基づき、「二段階方式」の手技を活用した『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を目的とした住民参加型の地域予防活動』はどこに行ってしまったのか。一つには、平成の大合併で消滅したのです。『地域予防活動』を展開していた高齢化率が高い小さな町や村が、高齢化率が低くて関心が無かった大きな市に吸収されることで業務の見直しの名目により消滅させられてしまったのです。もう一つは、二段階方式の使用について、10年間だけ有償としたために、以降は無償となることにより予算化が不要となることに因り、保健師さんの配置がなくなり消滅していったのです。不条理と言うしかないのですが。そのことに加えて、2010年にアミロイドベータ仮説が登場してきて、世界的に通説となり、わが国でも、東大、京大、理化学研究所がアミリドベータ仮説の牙城となったことが大きい(厚労省までもが、アミロイドベータ仮説を採用した)。

「アルツハイマー型認知症」のことをテーマにしているこのブログでは、根拠となる多数のデータを開示することにより、専門家を含めて、世間の「アルツハイマー型認知症」に対する誤解を解消させていく一助となればと考えているのです。このブログを通じて開示する内容は、エイジングライフ研究所が1995年の活動開始以来、450を超える市町村で(市町村の保健師さんたちとの共同により)展開してきた、アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を目的とし、「脳のイキイキ教室」(アルツハイマー型認知症の発病の予防を目的とした脳活性化体験教室)の開催と「脳のイキイキ度チェック」を中核とする住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果に基づきデータ化されているものの概要なのです。

『DSM-4』の規定の第一要件の内容も、第二要件の内容も、両者共に重大な誤りであると言っても、更には、米国ではハーバード大学が、我が国ではと言うと、東大、京大、理化学研究所がその牙城であり、世界的にも通説の地位に在る『アミロイドベータ仮説』を筆頭にして、『4つの仮説』が発病の原因と主張する内容が誤りだと、門外漢の私たちが主張しても、皆さんは信じない事でしょう。私たちが政府に提出した『提言書』に対する返事が未だに返ってこないのは、(「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と介護の予防も、更には発病自体の予防も、政府自体が望まないこととは考えにくいので)、皆さんと同じ考えなのでしょう。

但し、厚労省の名誉の為に一言付言しておきたいことが有ります。1998年頃のことだったと記憶していますが、当時厚労省の課長であった尾嵜課長からの要請で尾嵜課長の席で懇談し、『二段階方式の考え方と手技を日本全国に広めて欲しいこと、その為には、国に出来ることは何でも協力する』と1対1で何時間も説得されたのです。私たち側だけの理由で、お受けすることが出来なかっただけなのです。そのことの反省と時の経過ともあって、今回は、私たちの側から政府に『提言書』を提出させていただいたということなのです。

私達には、「DSM-4」の規定内容も、「4つの仮説」の内容も、両者共に誤りであることを実証している『客観的な証拠がある』のです。私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた14689例にも上る極めて多数の症例、「アルツハイマー型認知症」を発病している患者【小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の症例を含むもの】の脳機能データが示す客観的な証拠、事象事実としての「脳機能データ」が存在しているのです。その中でも、極め付きの「2つの証拠」を示しておくことにしましょう。

1つは、「第二の人生」における脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が核心的な要因で発病し、症状の重症化が進行するタイプの認知症、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合には、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が衰えて行くことが特徴であり;更なるダメ押しの証拠としての、2つ目としては、MMSEテストを実施した場合、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合には(且つ、その場合に限って)、出来なくなっていく厳密な順番が存在すること:すなわち、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番に出来なくなっていくのです。このことを説明すると、項目困難度が高い項目から順番に出来なくなっていくということなのです。『想起』という項目が最初に出来なくなっていく理由は、最も高度な機能であり、「加齢」による機能低下の際も、単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の際も、最初に衰えて行く機能である『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求される項目である為ということなのです。この二つ目の特徴は極めて重要であり、『アルツハイマー型認知症』の発病であることの判定並びに他の種類の認知症(例えば、アルツハイマー型認知症との誤診が極めて多い、『脳血管性認知症』との鑑別)との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、アルツハイマー型認知症との誤診が多い、側頭葉性健忘症との鑑別)との鑑別の上で、重要で『客観的な指標』となるのです。

アルツハイマー型認知症研究の専門家とされる人達等は、何故、憶測の類程度のものにしかたどり着けないでいるのか不思議というしかないのです。因果関係に極めてルーズと言うしかないのです。末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状ばかりに目が行っていて、私たちが提起している段階、『脳のリハビリ』により回復させる(症状を治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在に未だに気がついていないのです。末期の段階で見つけても何の意味もないことの反省なのか、もっと軽い段階に着目しての問題意識により、『MCI』(Mild cognitive impairment 軽度認知障害)という考え方が登場してきてはいるものの、相変わらず「記憶障害」というテーマに引きずられたままで居て、 定義自体が極めて曖昧で、『アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在についてもルーズと言うしかないのです。 元々は門外漢であった私たちから、「アルツハイマー型認知症」研究の専門家と言われる彼等に贈ってあげたい言葉が有ります。『木を見て森を見ず』(to be caught up with trivial matters and lose sight of the big picture)。

そうした状況の中で、光明が一筋というか、近時、『AI技術』の活用による分析結果として、従来とは全く異なる視点であり、『生活習慣が発病の危険因子と考えられる』とする主張が、世界的にも権威がある一部の研究機関(スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会等)から提起されるようになってきたという進歩が見られるのが、僅かに、期待できる成果とは言えるのです(内容的には、私たちの主張内容とは比べ物にならない程、未だ初歩的な段階の内容にすぎないのですが。但し、方向性が正しい)。今後も、月1回のペースで、テーマに分けて具体的な内容を載せる予定です。『アルツハイマー型認知症』について、認知症の専門家とされる人達の重大な間違いを糺して、正しい知識を世の中に広め、早期発見による回復並びに介護の予防及び発病自体の予防と密接な関係がある、脳の使い方としての「生活習慣」の改善に向けて、国民的な関心を呼び起こしたいと考えているのです。

  

纏め

『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病であること(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)並びに早期の段階で見つけて(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)、更には、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を旗頭として、前頭葉を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の工夫、改善、構築と実践)を実施することにより、症状を治すことが出来るし及び『前頭葉』を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と実践により発病自体を予防することが出来るのです。加えるに、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病が本態であるとする私たちの主張は、北海道から九州まで、450を超える多数の市町村での「地域予防活動」の実践展開により、疫学的方法により実証されてきている』のです。その意味で、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制する効能を有する『』が開発されることは、未来永劫、起こり得ない事と断言できるのです。『二段階方式』の手技を活用して判定し、集積した14689例を数える「アルツハイマー型認知症」発病患者【小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含みます】の精緻な「脳機能データ」と先駆的な活動としての住民参加型の「地域予防活動」に基づく実証を基礎とした私たちの主張が、我が国の市町村の小さな地域の隅々にまで浸透していくよう今後も努力していく考えなのです。このブログは、重い症状のお年寄り達に接する施設の担当者ではなくて、正常なレベルや軽い症状の高齢者に接する機会が多い、市町村の保健師さんに読んで頂きたいのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態であるアルツハイマー型認知症は、薬が効かないし、発病の有無や早期段階の診断にCTやMRIやPET等の機器の使用は不要なので、医師が必要とする売り上げが稼げないのが特徴でもあるのです。「二段階方式」の神経心理機能テストの活用により、発病の早期の段階を精緻に判定できるのです。それらの面を考えても、市町村の保健師さんが主導する『一次予防』(脳イキイキ教室の開催と定期的な脳イキイキ度チェック)こそが、最も効果的なのです。何等の対策も実施されないまま放置されていることに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、そのことに因り、末期の段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状)が出てくることになり、更に症状が進行していき、ついには、同居の家族の顔もわからず、自分が今住んでいる家の方角もわからず、昼か夜かの区別もつかない状態の発病者(必ず、「お年寄り」なのです)が、何処に帰るか、何処に行くかの選択も出来ないままに、徘徊するその対策が市町村の最重要施策であるなど、提案した権威自体の(理解の不足でなくて)重大な誤りを糾弾したいと考えるのです。

&1   エイジングライフ研究所が提案する住民参加型の『地域予防活動』の目的と対象とは

『二段階方式』の考え方及び二段階方式の手技の活用による住民参加型の『地域予防活動』は、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象とした活動になります。私たちが集積した14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』発病患者【本当の意味での早期の段階であり、回復させることが可能な小ボケ及び中ボケの段階の患者並びに末期の段階であり、回復させることが最早困難である大ボケの段階の患者の全ての段階の患者を含むもの】の症例が指し示す、事象事実としての「脳機能データ」を基礎としているのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルとその機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状との関係について、『脳の働きと言う物差し』を活用し、脳の使い方としての意味で言うところの『生活習慣』に着目して、「アルツハイマー型認知症」の発病原因(メカニズム、機序)を解明し、市町村による「地域予防活動」に活用し、その実践展開の結果として、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです(『憶測の類』とは、レベルが異なる)。

 脳全体の司令塔の役割を担っていて、三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』の機能レベルを『かなひろいテスト』により、馬車を牽引する役割をしている二頭の馬、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」により、二つの神経心理機能テストの実施結果により総合的に、「前頭葉」を含む「脳全体の機能レベル」とその機能レベルにリンクしていて、その機能レベルを厳密に反映したものとしての「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び三段階に区分される症状の段階の判定並びに症状を治すための方法である「脳のリハビリ」の実施内容の指導を行うのが、「二段階方式」の手技の特徴なのです。

その過程では、『キッカケ』を契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない『日々の暮らし方』)に起因した廃用性の機能低下の進行というバックグラウンドの存在を、脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続に関わる聞き取り作業である『生活歴』の聞き取りにより、確認するのです。その基礎の上で、『脳のイキイキ教室』を開いた期初の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」と教室を閉じる期末の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」という両者の脳機能データの比較により、改善、維持、低下の三段階の区分により判定し、低下と判定された個別のケースについては、低下をもたらした原因である当該期間中の脳の使い方としての「生活習慣」を具体的に点検し、「脳のリハビリ」の為の『生活改善指導』を行っているのです。 

『前頭葉』の個別認知機能である『実行機能』の発揮度を左右し/下支えしている機能が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。即ち、「実行機能」の機能発揮の具合(機能の発揮度)との間には、機能発揮上の『二重構造』という仕組みが存在しているのです。あーしたらこうなる、こうしたらあーなるという風に、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況の理解と判断に沿った実行「テーマ」を発想し、実行の内容及び実行の仕方を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、決定し、実行の決断を下して、実行に移す指令を左脳、右脳及び運動の脳に下すための機能である『実行機能』が機能するに際して、『異なった複数のテーマを同時に並行して処理する』ことが要求されるのであり、そのことを可能にしている機能がチンパンジーにさえも備わっていなくて、私達人間だけに特有な機能である『注意の分配力』という機能なのです。私たちが世界で初めて発見したこの『二重構造の仕組み』と意識的な世界における『注意の分配力』の機能構造とその重要性とに気が付かない限り、何時までマウスのお尻を追い掛け回していようとも、「アルツハイマー型認知症」を発病させている『真犯人』の割り出しに成功することは、極めて可能性が低いこととなるのです。

注意の分配力』の機能は、最近唱えられるようになり、有名になった『デュアル・タスク』(異なった二つのテーマを同時に並行して実行する)という程度の作業の実行で、脳が活性化し、機能が向上するなどと宣伝しないで欲しいのです。肝心要の「前頭葉」が活性化し、その機能レベルが向上しているのでなければ、「脳の機能が向上した」とは言えないのですから。注意を喚起しておきます、「前頭葉」の機能(先に例示したような機能であり、実行機能と総称される)が活性化し、機能が向上したと言えるためには、『自分なりの目標が有り、自分なりに趣味や遊びや交遊を楽しめる生活が有り、そうした生活が継続されて生活習慣化が達成されている』という基礎/基盤に立脚した「脳の使い方」としての「生活習慣」の継続が不可欠の条件となるのですから。

 エイジングライフ研究所が政府に『提言書』として提出している内容と目的は、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象となるお年寄り(「アルツハイマー型認知症」を発病する対象となるのは、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の高齢者のみなのです)を対象として、「二段階方式」の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して「アルツハイマー型認知症」(だけを対象として)の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の実践展開なのです。『二段階方式』の考え方に基づいて、市町村が開催する「脳イキイキ教室」への参加と「二段階方式」の手技の活用により実施される(教室の開始時及び終了時の二回実施)「脳のイキイキ度チェック」とを基礎として(必要な個別ケースについては、「脳のリハビリ」の実践指導を実施)、地域住民の早期診断による回復(小ボケ、中ボケの段階からの『回復』を第一義的な達成目標とし、何らかの事情により回復させることが出来なかったケースについては、末期の段階である大ボケには進行させないことに因り『介護の予防』という効果の達成を第二義的な達成目標とする)、更には、講演や書籍の配布による『前頭葉』を含む脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と実践の継続についての『啓蒙活動』の展開により、『発病自体を予防』することを目的としているのです。 

&2 深く静かに潜行していて、いつの間にか天文学的な規模に膨張しているのです

厚労省が発表する「アルツハイマー型認知症」の発病者数は増加の一途  介護関連の総費用(CTやMRIやSPECTや、果ては、PETまで持ち出して、極めて高額の診察料を稼ぎ出しながらも、治すことが最早困難な末期の段階で発病を見つけて居るという『レッテルを貼るだけ』のものでしかない診断の為の費用の増加、副作用ばかりで症状の進行を遅らせる効能さえも確認されない、効きもしない薬の処方と投与の費用の増加、食事をしたり、服を着たり脱いだり、トイレの後始末をする程度のことにも支障が出てきていて、セルフ・ケアにも支障があって、日常生活面での介助や介護が必要なお年寄りが増加の一途をたどるのに任せている状況下での介護の費用の増加)の金額は、年々増加の一途を辿っていて、「うなぎのぼりの状態」にあるのです‼ 私たちの試算では、2018年度単年度で、20兆円を超えようとする勢いに在るはずなのです(一般会計だけでなくて、特別会計との合計総額を注視する必要があります!)。何等の対策も打たないままで、介護保険制度が、財政面から破綻という心配が現実のものとなってきているのです。老老介護や、認認介護や、介護離職を野放し状態にしたままでいいのですか?今日も、全国の市町村の、いたるところでの、徘徊老人の安否情報の提供を依頼する役場の拡声器が、大きな声で呼びかけているのです!

『アルツハイマー型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」なのであり、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。更には、『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではない。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないものと誤解されているだけ』なのです。その上、『前頭葉が活性化する「生活習慣」の構築と継続的な実践により、症状を治すことが出来るし、発病自体を予防することが出来るのが、アルツハイマー型認知症の特徴』でもあるのです。この基本的な考え方を、(何等かの背景事情の存在により)『国策による実施』の実現の見通しが低いと判断した時は、何らかの方法により国民に分かってもらう為の別の方策を考えていくつもりでもあるのです。若い世代が自己の人生を投げ出して、発病した親の介護をする、所謂、『介護離職』は、絶対に我が国に有ってはならないことなのです。我が国の場合ではというと、早期診断により治せるし、介護を予防することが出来るし、発病自体を予防することが出来ることを、私たちが実証してきているのですから。

私たち人間だけに特有な世界、『意識的な世界』を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能(『実行機能』と総称される)、就中、実行機能の機能の発揮度を左右し/下支えしている基礎的な機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の問題が存在)、中でも、人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能に目がいかないで、注意の分配力の機能は愚か、『前頭葉』という脳機能自体が備わっていないマウスのお尻を追いかけまわしている認知症研究の専門家とされる人達に言いたいのです。現在皆さんが掘り続けている場所をどこまで深く掘ってみたところで、何も出ては来ないのです。世間を徒に混乱させない為にも、そのことに早く気が付いていただきたいのです。産官学の共同PRJなるものの幾つかについての情報も集めてみました。発病の原因について、『アミロイドベータ説』を主張の根拠として掲げながら、運動や交遊の機会を増やすことが、或いは、彼らが開発した「脳トレ」テストの実践が、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防につながるとの説明を読むと、あきれるというよりは、哀しくなってしまうのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の症状は、三段階に区分されるのです

ついこの間まで、特段の支障もなく「社会生活」を送れていて、自分なりに趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活を送ってきていて、地域の催事や行事への参加や参画を楽しんでいたお年寄りが、或る日突然、失語や失認や失行の症状が出てきて、『セルフケア』にも支障が出てきて介護が不可欠になる等の症状が起きて来はしないのです。アルツハイマー型認知症は、症状が段階を追って徐々に緩やかに進行していくのが特徴。最初に、小ボケの段階の症状が、次いで、中ボケの段階の症状が出てきて、最後に、末期段階の大ボケの症状が出てくるものなのです。

 (1) 最初に発現する「軽度認知症」(小ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

)「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルを保っているのに対して、「社会生活」面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」と総称される)だけが、廃用性の機能低下の進行により、異常な機能レベルに在るのです。こうした事態は、「空気ポンプ」に例をとって説明すれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(アミロイドベータ説やタウ蛋白説等の考え方であり、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死に起因した記憶障害が発病の原因だとする考え方)、そもそも、チューブに空気を送り込む働きをする役割のポンプの部分自体の機能が十分には働いていないせいなのです(脳全体の司令塔としての役割を担っている「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した機能障害、当該機能の発揮レベルの低下が主たる原因で関連する情報の伝達及び情報の処理が的確に行われなくなっているに過ぎないのです)。意欲が湧かない、注意の集中力が発揮できない/発揮が続かない、注意の分配力がきちんと働かないことが症状として際立つ「小ボケ」の段階での症状のイメージは、家の外に出て行って、他人と交わり、何らかの共通目的を実行する場である社会生活面での様々な支障が出てくるのが特徴なのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行の内容を企画計画して、実行の結果をシミュレーションした上で、実行の内容及び実行の仕方を決定し、実行を決断する上での様々な支障が目立つ人、何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が特徴なのです。上述の機能面の理解に立って、上掲の8項目について、見直してみてください。それらの症状が、「記憶の障害」に起因したものではないことを理解頂けるでしょう。

&4「中ボケ」(中等度認知症)の段階の典型的な症状の類型

(1)  「脳のリハビリ」に励むこともなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されたままで居ると(小ボケの段階が3年も続いていると)、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているからなのです。かなひろいテスト不合格のままでMMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達を言います。前頭葉を含む脳全体の機能レベルを反映した症状が発現してくる「中ボケ」のイメージは、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんと出来ないのに(「家庭生活」の面でも、様々な支障が出てくるようになる)、口先だけは一人前、『言い訳ばかりしている、幼稚園児』が特徴です。「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきている為に、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。現在の自分に起きてきている状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が『こんなところが、おかしい』と指摘しても、『そんなことはない。私は、ボケてなんかいない』と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した脳の機能年齢は6~4歳児のレベルとなります(口先だけが達者で、言い訳ばかりする『幼稚園児』)。

(2) 「中等度認知症」(中ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

小ボケの段階が3年も続いていると、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。前頭葉の機能が更に異常なレベルに衰えて行く上に、小ボケの段階では正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルに衰えて行くからなのです。「かなひろいテスト」は不合格のままで、MMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達です。「時の見当識」が揺らいでくるので、MMSEで測定される「時の見当識」(5点が満点)の得点は、4~1点の幅となります(猶、小ボケは、5点。大ボケは、0点になります)。

更に、アルツハイマー型認知症である場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳格な順番があり、時の見当識についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていくのです。□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)という中ボケの症状は、季節が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、いずれの症状も、『前頭葉』の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能が顕著に異常なレベルにまで低下して来ていることが直接の原因なのであり、「4つの仮説」が想定した前提としての「記憶障害の症状」でもなければ、「記憶障害に起因した症状」でもないのです。

5末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の段階の典型的な症状の類型

(1)  「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても「老化現象」と勘違いして気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことさえもなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に、中ボケの期間が 23年間続いた後は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、極めて重度の症状であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです。

大ボケの段階になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、肝心の注意の分配力の機能がほとんど働くことが出来ないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、極めて重度の症状が発現してくるのが、アルツハイマー型認知症なのです。『アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と言う、私たちの主張は、実証されてもいるのです。

大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」なのです(セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が必要となる)。即ち、「意識的な世界」における「前頭葉」の個別認知機能の認知度及び機能の発揮度を支配し/下支えしている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなってきている状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベルと考えて下さい。「前頭葉」、左脳、右脳の機能が更に異常なレベルに衰えていく中で、MMSEの換算点が14点以下から大ボケの段階に入っていき、一桁の点数になってくるあたりから、「DSM-4」の規定の第二の要件が確認を要求している失語や失認や失行などの症状が発現して来ることになるのです。

医療現場では、大ボケの段階の前半の症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階とは、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです。大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してくると、最早治すことは出来なくなるだけのことなのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が初期症状だと誤解しているがために、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが故に、治せないだけなのです)。身体がもつ限り(何らかの病気や寿命により死を迎えることになるまで)、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになるのです。

精神科医が「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する第一の要件である「重度の記憶障害」の症状は(他の症状も同じメカニズムで発現してくることに注意)、一つには『加齢』による機能低下の進行という要因により、更にもう一つの決定的な要因である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因に起因した、廃用性の機能低下という要因が加重されること、『異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることの相乗効果により』、発現してくるものなのです。脳の司令塔の「前頭葉」が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」の段階では、自分の身の回りのことをする「セルフ・ケア」にも支障が出てきます。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や「介護」が不可欠の状態となるのです。

(2) 「重度認知症」(大ボケ)に特有で代表的な症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中にも騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注1)これらの症状が「記憶障害」に起因したものだと主張する、その科学的及び医学的な根拠は何なのか。私たちは、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたその直接の結果、殆ど機能しえないまでに衰えてきた脳の機能レベルを直接反映しているに過ぎないと主張しているのです。

私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である「注意の分配力の機能」(異なった「テーマ」を同時に並行して処理する為の機能)が殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び中核の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのとまったく同じメカニズムの下で発現してくるものなのであって、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測なのです。

2)例示した、発病の最初の段階である小ボケの症状、それに次ぐ、中ボケの症状、末期の段階である大ボケの症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。発病の第二の要件であり、発病するか否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が「前頭葉」の機能障害を惹き起こす真犯人なのです。「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の発揮度を左右し/下支えている機能であり、最も高度な機能である「注意の分配力」を筆頭にして並びに注意の集中力及び意欲という機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により、廃用性の機能低下を進行させていくことが直接の原因となり、①「実行機能」の発揮度を次第に低いものにしていくことに因り、②前頭葉を含む脳全体の機能レベルが徐々に低下していき③機能レベルが次第に異常なレベルのものとなり④且つ、その状態が更に進んで行くことの直接の反映としての、⑤前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分されるアルツハイマー型認知症の症状を発現させていくのです。これが、アルツハイマー型認知症を発病させ、症状の重症化を進行させている真犯人、真のメカニズムなのです。このことを理解するには、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に目を向けること、実行機能と前頭葉の三本柱の機能との間に横たわる「機能発揮上の二重構造」の関係、様々な個別認知機能の集合体である実行機能が働く上で不可欠である「注意の分配力」の機能構造、更には、脳の使い方としての生活習慣の継続に起因した「廃用性の機能低下」の理解が不可欠となるのです。実は、それらは、マウスには備わっていないもの(無関係のもの)ばかりなのです。

本著作物「Dー01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。 

 

 

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