認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アミロイドベータ仮説の幕引きとなる東大論文の内容の重大な欠陥(F-13)

2021-10-01 | アルツハイマー型認知症発病の真の原因

(プロローグ)

 ① 仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で

      ボケーっとした暮らし方をしている「お年寄り」だけが ボケる 

         「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです

 ②    世界中の権威があるとされる機関や人達は、

     末期の段階にまで症状の重症化が進行して、

        更に何年間も身体がもったお年寄り達の

            死後の脳の解剖所見に注意が行き過ぎていて、

 アミロイドベータの蓄積(老人斑)やタウタンパクの蓄積(神経原繊維変化)を見て

 『神経細胞の大量死による記憶障害』が、発病を惹き起こしているものと憶測している。

    発病の原因を器質的な原因病変の存在と決めつけ、追い求めていて

      発病の原因について無意味な憶測を何時迄続けるつもりなのでしょうか。

   『間違った場所』を どこまで深く掘り続けようとも

    何も出ては来ないのです アデュカヌマブに続いて 今回は 光認知症療法

③ 簡単なあいさつ程度の会話も、ままならない。 

    歯ブラシを握っても、どうしていいのか分からなくて、立ちすくんでいる。

      ズボンを頭から被って、もがいている。

 「アルツハイマー型認知症」研究の世界中の権威とされる機関や人達は、重度の記憶障害が起きてきていることが直接の原因となって、そうした発言(失語)や認識(失認)や行為(失行)の内容とレベルが発現してきていると憶測し、記憶障害を惹き起こす要因として妄想し構想したのが、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑(アミロイドベータ仮説)要因の主張であり、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化(タウタンパク仮説)要因の主張なのです。

④彼等は、アルツハイマー型認知症が私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識が関わっていることに未だに気づいていないのです。意識的な世界は、目的的な世界でもあるのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマの実行とその内容を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、最終的な実行内容及び程度と態様とを比較し、選択し、決定して、実行の決断を下して、実行して行く。これが、意識的な世界、目的的な世界における脳の働き、左脳、右脳、運動の脳を手足としてその傘下に、『前頭葉』を脳全体の司令塔として、行われている世界なのです。その要となる機能が『実行機能』(Executive Function)なのであり、「実行機能」の働きとその働き具合(機能の発揮レベル)を支配し、左右し、下支えしている脳機能が、『注意の分配力』を核とした前頭葉の三本柱(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)の機能なのです。

⑤「アルツハイマー型認知症」の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の度合い並びに「脳のリハビリ」の実施による回復の可能性の有無及び程度に厳密にリンクした「三段階に区分される症状」が発現して来るのが特徴です。

これ等の客観的な根拠に照らしてみれば、症状の発現及び症状の重症化の進行と「記憶の障害」とは無関係であることが確認できるのです。記憶の障害という要因が発病の原因であるとするのは、仮説の提唱者達の「単なる憶測」、妄想に過ぎないのです。科学的な根拠が提示されていないし、発病との間の「因果関係」さえも立証できていないのです。記憶障害でなく、廃用性の機能低下の進行が鍵となるのです。

&1「アルツハイマー型認知症の特徴」

1.「アルツハイマー型認知症」の本態By エイジングライフ研究所

様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めていて、世界中の専門機関から、発病の原因が不明とされている『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態なのです。但し、ここに言う『生活習慣』は、食生活とは無関係であり、『第二の人生』を送る上で日々展開される「脳の使い方」としての『生活習慣』であることに注意して下さい。「左脳」が専管し、「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「実行機能」が関わって来る場面が多い「仕事の遂行」というテーマとは無縁の日々となる「第二の人生」での『脳の使い方』としての『生活習慣』の在り方が問われる病気なのです。通説とされる「アミロイド・ベータ仮説」を筆頭にして、タウ・タンパク仮説、アセチルコリン仮説及び脳の萎縮仮説等の「4つの仮説」が、主張の大前提としている「記憶の障害」に起因して症状が発現して来るわけではないのです。

「4つの仮説」が主張内容を構築する上で大前提にしている「記憶の障害」という要因は、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規程である『DSM-Ⅳ』の第一要件が確認を要求しているものなのですが、この規定内容自体が「重大な誤り」であることにさえ、仮説の主張者や支持者達は、未だに気づいていないのです。「アミロイド・ベータ」の蓄積により生成された「老人斑」が持つ毒性が、或いは、タウタンパクの蓄積による「神経原繊維変化」なるものが、情報を連絡する「神経細胞の大量死」を惹き起こすことに因って、「記憶の障害」が惹き起こされ、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現して来ると憶測するのがアミロイ・ドベータ仮説及びタウ・タンパク仮説の主張なのです。

以前のこのブログで問題を提起した「アデュカヌマブ」という薬も、今回取り上げる「光認知症療法」も、共に、アミロイドベータ仮説の主張内容が正しいとの大前提に立脚した内容のものであり、アミロイドベータ仮説の主張内容の崩壊と運命を共にする内容のものなのです(アミロイドベータ仮説の主張内容が誤りであることについては、過去のこのブログで何度も取り上げ、データも示して来ました。再度、根拠となる「脳機能データ(事象事実)」を例示して、概要を説明しておきたいと思います。権威があるとされる機関や人達は、その分「社会的責任」が重いはずなのであり、そのことを自覚すべきなのです。厚労省(認知症施策推進室)との協議の際も、二段階方式の主張内容及び根拠となる脳機能データ並びに市町村での住民参加型の地域予防教室の顕著な成果のデータ等も提示し、更には、二段階方式の考え方及び手技について解説した『個別事例判定マニュアル(A,B,Cの三分冊の総量は、590ページ)』も提出して説明したのですが、世界の権威達の主張内容と真反対の内容(①権威達は一致して、器質的な原因病変の存在を前提としていて、「アルツハイマー型認知症」は、原因不明で治すことも発病を予防することも出来ないタイプの認知症であると主張しているのです。私たち「二段階方式」は、「器質的な原因病変は存在していない」し、「第二の人生」を送る上で継続される「脳の使い方」としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因なのであり、「早期診断と脳のリハビリにより治せるし、発病自体を予防できる」タイプの認知症であり、私たち人間だけに特有な意識的な世界が関わる認知症であると主張しているのです)。この先何年かが経過した後、私たち二段階方式の主張内容が正しいことが確認された時、原因不明で治らないとして、『二段階方式の国策化による早期診断による回復も、発病自体の予防も、先延ばしにさせてしまった』ことの「社会的責任をどう償える」というのでしょうか。

私たち二段階方式は、北海道から九州に跨る全国452の市町村との有償の契約締結により、住民参加型の地域予防活動の実践展開を指導し、顕著な成果を挙げてきてもいるのです。活動は、「アルツハイマー型認知症」に特化していて、「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的として展開」してきたのです。活動の初期には、介護施設を傘下に持つ民間の大規模病院が、総数50を超える数で、契約を締結してきたのですが、二段階方式の手技が神経心理機能テストであることから(保険点数が極めて低い)、テスターの人件費さえ稼げないという理由で、全ての病院が止めて行ったのです。実務研修会に参加して来た医師までもが、その手技の品質の高さに驚嘆の声を発していながら、止めて行ったのです。病院は、個人病院も大病院も、一定規模での売り上げと利益の獲得が大前提とされることは、感染の拡大が五波にまで及んだ今回のコロナ騒ぎでも、そのことが判明したと思うのです。

2.人間だけに特有である「意識」が関わるタイプの認知症

(1) 「アルツハイマー型認知症」は、仕事とは無縁の日々を送ることになる、「第二の人生」を送っている「高齢者」だけが発病の対象となる「特徴を有する」のです。

(2) 第二の人生を送る上で、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(自分が追及するテーマも無くて、生き甲斐や喜びも無く、楽しめる趣味や遊びや人付き合いも無く、運動する機会も無い日々の暮らし方、食生活とは無縁の生活習慣であり、脳の使い方としての単調な生活習慣)の継続が、「発病の引き金」を引く唯一の要因なのであり、症状の重症化を進行させる唯一の要因(条件)なのです。

(3) その意味で、「アルツハイマー型認知症」は、様々な種類が数ある認知症の内で、「意識」が関わるタイプの認知症であることが、特徴でもあるのです。

(4) 「意識」(意識的な世界)は、脳の働きによって生み出されるものであり、意識を構築し、統括し、統合し、分離し、管理し、コントロールしているのが、私たち「二段階方式」が前頭葉の三本柱の機能と総称している「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能であり、前頭葉の三本柱の機能によって働き具合(機能の発揮度)が下支えられていて/管理され/コントロールされているのが『実行機能』(分析、理解、判断、発想、企画、計画、検索、比較、洞察、推理、シミュレーション、評価、抑制、選択、決定、決断、感動等の個別認知機能群の総称=Executive Function)なのであり、これらの機能に加えて、記憶の倉庫の機能や『評価の物差し』の機能を加えた機能の総合体を「前頭葉」の機能と総称していることに注意して頂きたいのです。此処に取り上げた全ての機能が、正常な機能レベルでないと、その一つが欠けても(異常な機能レベルとなるとの意味)、『意識的な世界』における全てのアウトプット、即ち、思索、思考、発言、行為、行動、言動は、必ず、異常なものになってしまうのです。

(5) 『意識的な世界』は、上述した脳の各部の機能の働きによって構築されて、且つ、存在しているものなのであり、前頭葉の三本柱の機能の内でも「注意の分配力」の機能がその核心をなす機能なのです。『注意の分配力』の機能とは、異なる3つ以上のテーマ及び意識を、同時に並行して処理する上で、不可欠の機能なのであり、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『意識的な世界』は存在し得ないのです。アミロイドベータ仮説が研究の基礎としているマウスは愚か、チンパンジーにも、この「注意の分配力」の機能は、備わっていないのです。

(6) 「脳の機能構造」の面から、「意識的な世界」を分かり易く説明しておきましょう。私たち人間だけに特有な世界である、意識、「意識的な世界」は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』なのです。馬車がどのような経路を辿って、どのようにして、目的地に到着させるかを、判断し、管理し、コントロールしているのが、「御者」の役割なのです。『意識的な世界』、意識下に行われる、思索、思考、発言、行為、行動、言動を企画し、計画し、検索し、比較し、シミュレーションし、選択し、決定し、決断し、管理し、コントロールしているのが、前頭前野に局在する『前頭葉』という脳機能総合体なのです。『注意の分配力』の機能が(の働き具合が)、「実行機能」、ひいては、『前頭葉』の機能レベル(働き具合)を左右し、下支えている機能構造にある為に、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常な機能レベルに衰えて来た直接の反映として、前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウトプットが、日々行われる「意識的」な脳の活動(思索、思考、行為、行動、発言、言動)の異常さ、即ち、症状として発現してくるのです。

「DSM―4」の規定の第一要件の内容の策定者やアミロイドベータ仮説の支持者達は、このことに気づいていないのです。記憶は、重要ではあるが、二次的な機能に過ぎないのです。『側頭葉性健忘症』の発病者は、脳の変性という器質的な原因病変により、海馬の機能が犯され、顕著で重大な『記銘力障害』が惹起されることに因り、「直前に起きた事象」についても、重大な記憶障害(記銘力障害に起因した記憶障害)が惹き起こされる為に(記銘⇒保持⇒想起の経路を辿る)、想起できなくなるのですが、「前頭葉」の機能が正常なレベルに在るために、自分が置かれている日常の生活面での不都合を正しく認識でき、簡潔に言葉で表明することが出来るのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、症状の重症化が進行して行き、「重度の記憶障害」が確認されるお年寄り達(司令塔の前頭葉が最初に異常なレベルに衰えて行くのが特徴)とは、全く異なる、異次元の生活態度を維持することが出来るのです。

(7) 「アルツハイマー型認知症」発病の最初の段階である「小ボケ」の段階では、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在ることが確認されるものの(左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が異常なレベルに衰えて行く特徴を有する)、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが、異常なレベルに衰えてきていることが確認されるのが特徴なのです。(6)の機能構造面からの説明でお分かりのように、三頭の馬が正常であろうとも、御者が異常なレベルに在る限り、既にその段階で、「意識的な世界」におけるすべてのアウトプットは異常なものとなっている(認知症の症状として発現する)のです。「小ボケ」の段階では、「社会生活面」(家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを実行することが要求されることになる世界)での支障が確認されることになるのです。小ボケの段階になると、「前頭葉」の機能障害に起因した症状が発現して来るとは言え、左脳、右脳及び運動の脳の全てが未だ正常な機能レベルに在るので、「重度の記憶障害」という要因にしか目が行っていなくて、失語や失認や失行が初期症状であると誤解している、世界的に権威があるとされる機関の研究者も、発病による症状だとは、気が付いていないのです。

権威とされる機関が発病の初期段階としている段階(二段階方式の区分で言う末期の段階である「大ボケ」の段階)では、セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠になるのです。「二段階方式」の区分では、両者の間に、「家庭生活面」での支障が確認されるようになる「中ボケ」の段階が存在しているのです。この中ボケの段階になると、「前頭葉」の機能が小ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常なレベルに在った左脳と右脳の機能レベルまでもが、異常なレベルに衰えてきている、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきていることを反映した、様々な症状が発現して来るのです。但し、この中ボケの段階さえも、権威とされる機関は、発病とは考えていないのです。その結果、権威の主張内容を基準にして発病の有無を診断している医療機関は、末期の段階、言い換えると、最早治すことが出来ない末期の段階で発病を見つけている、発病のレッテル張りをしているだけであり、その上、症状の進行を抑制する効能が無い、治療の効能が無くて、症状の発現の仕方を昂進させたり抑制させたりするだけのもの、単なる「対症療法薬」を処方しているだけなのです。

(8) 「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」なのであって、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)が発現して来るのが特徴なのです(「三段階」に区分される類型的症状の例示については、F-11 を参照してください)。「小ボケ」と「中ボケ」の段階で発病を見つけて(これこそが、本当の意味での「早期診断」)、「脳のリハビリ」の継続的実践(「注意の分配力」の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の構築と実践)により治すことが出来ることも知らないで、最早治すことが困難である末期の段階、「大ボケ」の段階で発病を見つけていて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのが、医療現場での診察の実態なのです。

彼等は、MMSEや長谷川式の実施で脳の後半領域の機能レベル(左脳と右脳の機能レベル)を判定するだけでお茶を濁していて、肝心要の『前頭葉』の機能レベルを判定出来ていないのです(『前頭葉』の機能レベルを精緻で客観的に判定出来る手技自体を持っていないことが理由)。その上、「物忘れの症状」についての本人や家族の申告及び医師が観察した症状の程度を基礎としただけのものである「MCI」(軽度認知障害)とかの極めて主観的で、外観的で、客観性に欠ける基準を持ち出してきて、MCIの基準に該当している場合は、「アルツハイマー型認知症」発病の前駆的状態にあると説明して、客観的なデータの根拠さえも無しに、『数年後には、その該当者のうちの何パーセントかが発病する』と説明するのです。此処で、注意して頂きたいのは、医師が発病と診断する人達は、失語や失認や失行の症状の内の何れかの症状が確認されることを意味しているのです。失語や失認や失行の症状は、「アルツハイマー型認知症」発病の末期の段階である「大ボケ」の後期の段階、30点が満点で11の下位項目から構成されているMMSEの総得点が一桁の段階になって初めて発現が確認される「極めて重度の症状」であることにさえ、気が付いていないのです。

(9) アルツハイマ―型認知症の発病原因(メカニズム)に関して提示されている「4つの仮説」は、今日現在も猶、仮説の儘なのです。「仮説」という意味は、夫々の仮説が掲げる「発病を惹き起こす原因」なるものと、アルツハイマー型認知症の発病との間の「因果関係の存在」について、現在もなお立証できないでいるという意味なのです。両者の間に因果関係が存在していない場合には、その仮説を根拠にして開発された薬や治療法には、何の意味も無いということになるのです。「アミロイドベータ仮説」に基づいて開発されたアデュカヌマブには、発病を予防する効能は存しないことについて、このブログで詳細に説明してあります。今日は、東大が開発したとする「光認知症療法」が、「アルツハイマー型認知症」に対する「有効な治療方法とはなり得ない性質のものである」ことについて、詳細に説明し、マスコミがはしゃぎ過ぎないよう注意喚起したいと考えるのです。このような無意味な報道が世の中に対する誤解を拡散させて行き、「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防を目的とした住民参加型の地域予防活動」の国策化による展開の開始時期が先送りされることを危惧するのです。

&2 「光認知症療法」が抱える重大な欠陥

1.「光認知症療法」の概要と問題点

(1) アルツハイマー型認知症に特徴的で最初期に見られる病理学的所見として、脳内でアミロイド β ペプチド(Aβ)が異常に凝集して「アミロイド」と呼ばれる構造をとり、蓄積した病理構造物があげられる。

(2)このAβの凝集・蓄積が、アルツハイマー型認知症発症の原因であることが示唆されている。そのため、Aβ の凝集を抑制すること、また 凝集した Aβ を効率よく除去することが、アルツハイマー型認知症の根本治療戦略として考えられている(注:発病との間の因果関係が未だに立証できていない「アミロイドベータ仮説」が正しいことを前提とした考え方)。

※1従来は、アミロイドベータ仮説の考え方を前提として、治療薬の開発が実施されてきたが、全て失敗に終わった。そのことから、発病してから治療する(治療薬の投与)のでは、治すことが出来ないとの考え方が出てきて、僅かでも脳内に蓄積したら、出来るだけ早い段階で蓄積を見つけて、Aβを除去する方法の開発へと、ハーバード大学を先陣に、戦略的な転換が行われてきていると自己宣伝されているものなのです。

※2 治療から予防へと戦略的大転換だと自画自賛する前に、「そもそも、アミロイドベータ仮説は、現在も猶、仮説なのです。その意味するところは、アミロイドベータ仮説が主張する発病の原因なるものとアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在を立証できていない」ことが、全く反省されていない事なのです。アミロイドベータの蓄積(老人斑)と発病との間の直接の因果関係が存在していない限り、この戦略的転換に、何の意味も無いことに注意を向けるべきなのです。その大前提が抱えていて、未だに解決できていない肝心かなめのテーマに目をつぶっていて、画期的な治療法が開発できたかのような自己宣伝は止めて頂きたいのです。『世の中を徒に惑わすだけ』なのですから。先に出て来た、例の、アデュカヌマブと同類に過ぎないのです。

(3) 東京大学の研究グ ループでは、Αβのさらなる凝集を抑制することを目的に光酸素化法の開発を行ってきた結果、アルツハイマー型認知症発病患者の脳内に蓄積する Aβ を酸素化できれば、脳内から速やかに凝集 Aβ を除去することで アルツハイマー型認知症の病態を改善できる可能性を示唆していると推測している。今回の研究成果は、凝集 Aβ に対する光酸素化が、更なる凝集抑制効果と凝集 Aβ の除去という2つの効果を有し、「アルツハイマー型認知症」の根本治療戦略となりうる可能性を示唆したと自己評価(自画自賛)しているものに過ぎない。根本戦略と銘打つのであれば、その前に、アミロイドベータ仮説が、発病との間の直接的な因果関係の存在を立証出来ていない為に、仮説の地位にとどまっているその状況自体について、因果関係の存在を立証し戦略的な転換を為すべきなのです。未だに、仮説の主張内容を大前提にしているのでは、自己宣伝が過ぎるのです。東京大学(薬学系大学院)が今回発表した上記「光認知症療法」は、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防にも、症状の治療にも、症状の進行の抑制にも、「何等の効果を発揮することが出来無いもの」、「絵に描いた餅」であるというのが、私たち二段階方式側からの評価となります。

2.「光認知症療法」が抱える根本的な欠陥とその根拠

(1) 上記「光認知症療法」の記述内容を良く読んでみて下さい。

その記述内容から明らかなように、「光認知症療法」の開発は、既存の「仮説」である「アミロイド・ベータ仮説」の考え方、主張内容が正しいものとして、そのことを大前提にしていて、脳内に蓄積される Aβ の除去の為の方法の開発が、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防の方法となるとの前提理解のもとで為された研究であるということが、この方法の評価を行う上で極めて重要な要素となるのです。

(2) アミロイド・ベータ自体の蓄積を予防し/或いは、蓄積したアミロイド・ベータの除去にとってどれほど有効な方法であろうとも、「アミロイドベータの蓄積(老人斑):A」と「アルツハイマー型認知症の発病:B」との間に、『直接の因果関係が存在していない』場合は、無関係の代物でしかないことになるからです。Aという原因条件が存在していない場合には、Bという結果は起きてこないという関係が存在している場合にのみ、Aという原因がBという結果を惹き起こしている、即ち、「AとBとの間には、直接の因果関係が存在している」ことになるのです。以下に、アミロイドベータ仮説の主張内容自体が、誤った内容のものである(アミロイドベータ仮説が提示する発病の原因は、アルツハイマー型認知症の発病を惹き起こす要因ではない)ことを説明したいと考えるのです。東京大学の薬学系大学院の研究論文の発表でありながらも、当該研究の大前提としているアミロイドベータ仮説の主張内容について、実証された仮説であるかのような取り扱いが為されていて、その結果、研究開発した成果が、アルツハイマー型認知症の発病の予防/症状の治療という課題について、何の効能も有していない代物であることに何の疑念も抱いていないことが、驚き。発病との間の「因果関係の有無」について、もっと確かな位置づけを置くべきなのです。

3.アミロイド・ベータ仮説の前提条件自体が重大な誤り

(1) 2002年に提唱されたこの「アミロイドベータ仮説」では、アルツハイマー病(正しくは、「アルツハイマー型認知症」のこと)の病理は、次のように説明されています。

①まず、アミロイドβ(Aβ)が脳の神経細胞外に蓄積し、老人斑を形成すると、老人斑の毒性の作用により、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことに因り、「記憶障害」が起きてくることが原因で、アルツハイマー型認知症発病としての症状である失語や失認や失行や実行機能の障害が惹き起こされると主張する仮説なのです。

②米国精神医学会が策定し、世界的に極めて大きな影響を今猶有している規定であり、アルツハイマー型認知症の診断規程として、第一要件が記憶の障害の存在の確認を要求していて、更には、第二要件が失語、失認、失行、又は実行機能の障害の確認を要求している『DSMーⅣ』の規定の内容を正しいものとしていて、第一要件が確認を要求している記憶の障害を惹き起こす原因要因として、アミロイド・ベータの蓄積に因る老人斑が持つ毒性が情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことにあると主張する仮説なのです(そもそも、第一要件の規定内容自体が、科学的な根拠が無い仮説なのです)。

(2) 『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容(発病を惹き起こす原因としての記憶障害の確認を要求)自体が重大な誤りである場合は、アミロイドベータ仮説の主張内容が自動的に崩壊することになるのです。「記憶障害」という要因が、「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接的な原因であると規定する『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容が重大な誤りであることの証拠となる『事象事実』としての客観的な「脳機能データデータ」を以下に提示しておきたいのです。

     

以下に提示する「3つの脳機能データ」は、①14689例に上る「アルツハイマー型認知症」の発病者達(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全てを含むことに注意)の脳機能データの解析という、事象事実としての脳機能データであり、客観的で科学的な内容であり、更には、②北海道から九州に跨る全国452の市町村での住民参加型の地域予防教室の展開指導により、疫学的に実証されてもいるのです。

(3) 1番目のデータは、「MMSE下位項目の項目困難度」の脳機能データです。

 左脳と右脳の機能レベルを判定するのがMMSEテストです。二段階方式の手技の実施により、アルツハイマー型認知症の発病者と判定されたお年寄りに実施したMMSEテストのテスト結果を解析した脳機能データであり、事象の事実としての極めて重要なデータなのです。その特徴は、小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の脳機能データであることなのです。このデータによると、MMSEの下位項目には、出来なくなっていく以下の厳密な順番(11の下位項目についての厳密な項目困難度)が存在していることなのです。

  困難度の高い順番から、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名

アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、且つ、その場合に限り、必ず、この順番に出来なくなっていくという厳密な機序が存在しているのであり、この事実だけをもってしても、アミロイドベータ仮説の主張内容が誤りであると言い切ることが出来るものなのです。アミロイドベータの蓄積に因る老人斑が持つ毒性が、情報を連絡している神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行をもたらすとするのであれば、此処に確認されているMMSE下位項目の項目困難度の存在を合理的に、且つ、科学的に、客観的なデータで説明することが出来ないからなのです。

(4) 2番目のデータは、「小ボケ及び中ボケの期間について確認される標準的な滞留期間の存在」の確認データです。アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、「脳のリハビリ」を実施しないで、従来通りの単調な生活習慣が継続されていると、小ボケの期間が3年間、中ボケの期間が2~3年間あって、その後は末期の段階である大ボケの段階に入って行くという、標準的な滞留期間が存在することが確認されることになるのです。猶、大ボケについては、身体が持つ限り、老衰その他何らかの他の病気が原因で死を迎えることになる時迄、大ボケの枠の中で更なる症状の重症化が進行して行くことになるのであり、標準的な滞留期間は存在しないことになります。この標準的な滞留期間の存在というデータも、アミロイドベータ仮説の主張内容が誤りである証拠データなのです。

(5) 3番目は、発病者の「脳の機能の老化のスピード差をもたらす生活要因」の脳機能データの存在です。

※1何事かに挑戦する意欲を喪失しそうな出来事や状況の発生が「キッカケ」となり、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり5~6ケ月間が経過することに因り発病するのです。発病してから3年間「小ボケ」の期間、「中ボケ」の期間が2~3年間続き、発病から5~6年経つと「大ボケ」になる」というのが大原則であり、標準的な滞留期間の指標となります。「大ボケ」のレベルになると、正常レベルへの回復を期待することはもはや困難となります。

エイジングライフ研究所の「二段階方式」を活用するときは、定期的に最高次機能の「前頭葉」及び高次機能の「左脳と右脳」の働き具合を神経心理機能テストで測定し、「生活実態」の聞き取りから生活の自立度を判定し、更に、「生活歴」の聞き取りからその期間中の「生活習慣」としての脳の使い方を具体的にチェックします。「二段階方式」では、神経心理機能テストによる定期的な脳の働き具合の総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「低下」の三段階に区分し判定します。そして、対象期間中の「生活習慣」を脳の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。「改善」、「維持」、「低下」の各々のケースについて、その人の脳を活性化させるような「生活習慣」としての生活実態があったのか、プラス要因やマイナス要因がどのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続したままだったのか等を詳細にチェックするのです。そうした判定によると、脳の機能レベルの推移(改善、維持、低下)と対象期間中の脳の働き具合を支える『生活習慣』としての生活実態とは、必ず合致していることが分かるのです。

※2そうした極めて多数の事例の分析とデータの積み重ねから、上記「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因」の存在が確認されているのです。この指標となる標準的な滞留期間と実際のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」と「マイナス要因」とが複合し脳の機能レベルの変化に影響を与えているのです。その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。こうした多数のデータの積み重ねから、専門家たちから原因も分からないし治らない病気とされている「アルツハイマー型認知症」を発病する原因は、「加齢」(60歳を超える年齢)が第一の要因であり、その年齢の下での脳の使い方としての「生活習慣」が第二の要因であることが分かったのです。

※3更に、「小ボケ」と「中ボケ」のレベルであれば、日々の『生活習慣』の改善により、正常レベルへの脳機能の回復が可能であることが分かったのです。但し、「大ボケ」のレベルにまで脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待できないことも分かったのです。「前頭葉」を含む脳全体の極めて異常なレベルに低下した機能レベルの問題並びに「前頭葉」及び「左脳」の異常なレベルへの機能低下によりコミュニケーション自体が機能しないので、本人が「脳リハビリ」の意味も目的も理解できなくて、「脳リハビリ」自体が実行できないからなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の場合は、早期発見(小ボケ及び中ボケの段階での発見)と早期治療(「脳のリハビリ」の実践)が極めて重要だということなのです。猶、ここで言う「治療」とは、実行機能の活用が不可欠で、注意の分配力の機能の出番が多い生活の仕方、「前頭葉」の出番が増えて活性化するような脳の使い方としての「生活習慣」の改善のことを言います。飲む(貼る)だけで『前頭葉』を含む脳全体の働き具合を回復させる効果があるような薬は、この世の中には存在するはずがないので注意してください(厚労省が健康保険の適用対象にするか/しないかを検討中のアデュカヌマブにも、研究論文が最近発表されたばかりの光認知症療法にも、発病の予防効果や症状を治したり、症状の重症化の進行を抑制する治療効果は、期待できない、皆無なのです)。両者は、アミロイドベータ仮説の考えを基礎にしたものだからなのです。

    前頭葉(かなひろいテスト)と左脳及び右脳(MMSE)の機能レベルを判定すると、右図のような分布図となるのです。

&3 『アルツハイマー型認知症』発病のメカニズム

1.様々な種類が数ある認知症の内の大多数、「90%以上の割合」を占めていて(その割合についても、権威達は、二段階方式が提示する小ボケ及び中ボケの段階に気づいていないために、我が国での発病者数を600~700万人と予測している厚労省の予測数値よりはるかに多数の発病者が存在していることに注意)、世界中の権威とされる機関や人達から現在もなお、『発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症である』との誤った情報が発信され続けていて、発病の原因については、単なる憶測レベルのものに過ぎない「4つの仮説」が提示されている状況に在る「アルツハイマー型認知症」は、正しくは、『小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること、即ち、早期診断と脳のリハビリの実践、即ち、早期治療により、治すことが出来るものなのであり、更には、前頭葉が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践とにより、発病自体を予防することが出来るものなのです』。

2.発病の「第一の要件」は、60歳を超えた年齢の高齢者であることなのです。発病の「第二の要件」は、「第二の人生」を送る上で日々繰り替えされる「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』の継続、追及する「テーマ」が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、言い換えると、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続です(猶、ここで言う「生活習慣」とは、「意識的な世界=意識が関わる世界」における脳の使い方としての生活習慣のことであり、食生活とは無関係のものであることに注意)。

3.第一の要件第二の要件という異なる二つの要因同時に存在し充足されることに因る「相乗効果」に因って、意識的な世界を構築し、統合し、分割し、管理し、コントロールしている機能である前頭葉の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力を総称して、二段階方式が呼称)が廃用性加速度的異常機能低下が進行して、異常な機能レベルに衰えて行くことの連鎖、機能構造面からの連鎖により、意識的な世界(且つ、目的的な世界)の要の機能である「実行機能」(分析、理解、判断、発想、計画、企画、検索、洞察、推理、憶測、シミュレーション、比較、選択、抑制、決定、決断、感動etc.の個別認知機能群の総称=Executive Function)の廃用性加速度的で異常な機能低下の進行、最終的には、『前頭前野に局在』する機能総合体としての『前頭葉』の機能について、廃用性加速度的異常機能低下が進行していくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです(今日現在では未だ、世界中を見ても、私たち「二段階方式」独自の見解)。

※1「実行機能」の機能の発揮度は、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、注意の分配力の機能により下支えられ、支配され、コントロールされているという機能関係、「実行機能の機能発揮上の二重構造の関係」が存在しているのです。更には、意欲、注意の集中力、注意の分配力という多層で多重の機能構造と機能関係の面から、廃用性の機能低下の進行に際しては、注意の分配力、注意の集中力、意欲の順番に衰えて行くことになるのです。

※2 「意識的な世界」は、「三頭立ての馬車」が運行する世界と考えれば、理解し易いと思います。左脳、右脳および運動の脳という三頭の馬が牽引する馬車の御者が「前頭葉」なのです。即ち、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』と総称される脳機能総合体のことなのです。

※3 アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、廃用性の機能低下が進行して行くのが特徴なのです。その意味で、二段階方式が「小ボケ」と称する段階では、馬車を牽引する役割に過ぎない左脳、右脳および運動の脳は、全てが未だ正常な機能レベルに在るのです。馬車の運行を支配しコントロールしている御者である前頭葉の機能だけが既に異常な機能レベルに在るのです。三頭の馬が正常な機能レベルに在ろうとも、御者が居眠りしている状態にある状況下では、馬車の正常な運行は期待出来ないのです。

意識的な世界』における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに衰えてきている「小ボケ」の段階は、左脳、右脳および運動の脳の全てが正常な機能レベルに在っても、前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットは、異常なものとなるのです。このことを言い換えると、「小ボケ」の段階は、言うまでも無く「中ボケ」の段階も、『アルツハイマー型認知症』の発病の本当の意味での早期の段階であるということなのです。世界中の権威とされる機関や人達は、『DSM-Ⅳ』の第二要件が、「失語、失認、失行」が発病の初期症状であると規定しているその重大な誤りに未だに気づいていなくて、失語、失認、又は、失行の症状(或いは、それ等よりも、更に重い症状)が確認されるお年寄りだけを発病者とする重大な誤りを犯しているのです。

4.上述のメカニズムが、アルツハイマー型認知症発病のメカニズム(原因)なのであり、二段階方式が世界で初めて解明し、北海道から九州に跨る452の市町村での実践展開の指導により、主張内容が正しいことを、疫学的方法により実証してきたものなのです。その詳細な内容については、厚労省の認知症施策推進室との協議の際に説明し、顕著な成果の脳機能データを提出済みのものなのです。世界中の権威とされる機関や人達の主張内容と真反対のものであるために、「介護の予防」というテーマ(介護が不可欠となる状態にまで、アルツハイマー型認知症の症状が進行して行く時期を少しでも先延ばしするための諸施策の実行)が、市町村での当面の実行課題とされている「政府大綱」の第一条の規定に在るように、将来の研究課題の地位に留まって居るのです。「発病自体の予防」というテーマに手が付けられないでいて、早期診断による回復にも手が付けられないでいるのです。CT、MRI、PETまでも動員しながら、「末期の段階」で発病を見つけて居るだけの診断及び効きもしない対症療法薬の処方の為の医療費の総額並びに介護に要している総額、一般会計と特別会計の総額は、天文学的な規模に在るのです。発病自体の予防と言う二段階方式による極めて有効な減額対策が示されているのだから、国策化実施により得られる減少額を原資に、我が国の浮沈がかかっている少子化回避対策及び地方の活性化対策に投入すべきなのです。

5.介護の予防とは言っても、「物忘れの症状」の主観的な観察が主要件であるに過ぎない「MCI」(「軽度認知障害」)の基準に因る判定に頼っているだけでは、実効性は期待できないのです。感染の拡大が五波にも及んで、新型コロナ感染の回避策として有効な「3密の回避」に徹した「生活習慣」(脳の使い方としての単調な「生活習慣」そのもの)が、1年9ヶ月にも亘って継続されてきている状況下で、アルツハイマー型認知症の新規発病者(小ボケ)が、激増してきている社会現象に、専門家で権威とされている機関や人達が、未だに気づいてはいないのです。加えて、症状の重症化の更なる進行が起きてもいるのです。

これまで騒がれてきた2025年問題に加えて、感染の拡大が五波に及んだ新型コロナ問題が発病者の増加に拍車をかけているのです。発病の予防というテーマに手を付けないで、介護の予防しかテーマとしていないと、早晩、介護保険制度が財政面から破綻する状況が起きてくるのです。年金原資の消費税化を発言しただけで、圧倒的に有利とされていた総裁候補が惨敗するような状況下で、介護保険料の更なる値上げなど到底無理なのです。新型コロナ問題が落ち着いた暁には、『財政の均衡』という命題が、マスコミをにぎわすことになるのです。経済の回復による税収増は、当面は困難な状況で、「出を制する」政策が最優先課題として、求められることになるのです。

6.その最も効果的で有益な施策が、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防というテーマの国策化による実施なのです。介護保険料の総額の減少や発病のレッテル張りをしているだけの診断費用の総額の減少だけでなくて、高齢化率が高い地方や地域の活性化にもつながるからです。「アルツハイマー型認知症」を発病した場合に備えて節約と貯蓄に励む高齢者の生活が、発病の予防となる方法の追求、前頭葉が活性化する生活行動や習慣を求めて活動が活発化することに因り、高齢者の人流の増加に因る経済の活性化効果が期待できることになるのです。65歳以上の年齢の「高齢者」の総数が3600万人にも達しているのですから。

&4  アルツハイマー型認知症の発病自体の予防

1.発病の予防には、『前頭葉』が活性化する生活習慣の構築と継続的実践が不可欠

 (1)『前頭葉』が活性化する機能構造と発病のメカニズムとの関係

私たち人間だけに特有なものである『意識』の機能構造については、人類にとって最大の難問とされているのです。世界的な心理学者や、脳科学者でさえ、考えること自体を放棄したいと語るほど、『意識の機能構造』は極めて複雑であり、不可解で、難解なものとされているのです(今日現在も、猶)。その意識を構築し、統合し、管理し、コントロールしている核心的な機能が、『注意の分配力』の機能の働きであると、私たちは考えているのです。『注意の分配力』という機能の働き方を簡潔に表現するならば、「3つ以上の異なる複数の意識及びテーマを同時に並行して、且つ、選択的に処理及び実行する上で不可欠の核心的な機能」ということになります。例えて説明すると、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』は、脳の機能構造面からは、左脳右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』の『御者』の役割りを担っている『前頭葉』という脳機能が、状況の全て(連携して働く脳機能の全体)をコントロールしているのです。

(2)その『前頭葉』という脳機能は、「記憶の倉庫」、「評価の物差し」、「実行機能」、私たちが『前頭葉の三本柱の機能』と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能が連絡し、連携し、協働する機能構造をしているのです。記憶の倉庫は説明不要でしょう(評価の物差しについては、ここを「クリック」して下さい)。実行機能(Executive Function)とは、何かの「テーマ」実行する際に不可欠の脳機能なのです。自分がその時置かれている状況の分析、理解、判断。状況判断に沿った実行すべき「テーマ」の発想。「テーマ」の実行内容の企画、計画。実行した場合の実行の程度と態様及び結果に関する洞察、推理、シミュレーション。シミュレーション結果に基づいた比較、選択。実行の決断及び脳の各部に対する実行の指令。更には、抑制や感動等の個別認知機能を総称したものなのです。

2.自分なりの実践「テーマ」と「目標」のある『生活習慣』の構築が求められるのです

(1)どんなに些細なテーマであれ、どんなに大きなテーマであれ、意識的な世界では、必ず上述した工程を経て実行されているのです。言い換えると、何等かの実行「テーマ」があり、達成すべき「目標」がある生活(日々の暮らし方=脳の使い方としての生活習慣)においては、常にこうした「脳機能の出番」が有るということになるのです。

高齢者の皆さんであれば、日々の生活習慣の中で体験していて理解し易いものに、膝の筋肉の問題があります。「歩くという日常動作」が、明らかに減少した生活習慣が継続されていると、ちょっとした坂でさえも、歩くのが困難になってくるのです。使われないことが継続されている為に、膝の筋肉について、『廃用性の筋萎縮による機能低下』が進行して来るからなのです。

(2)脳も同じことなのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方)が継続されていると、『廃用性の機能低下』が進行してくることになるのです。仕事とは無縁の日々の生活となる『第二の人生』を送っている高齢者が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(「脳の使い方」としての「生活習慣」)が継続されている生活状況の下で、『アルツハイマー型認知症』を発病し、症状の重症化が進行して行くことになるのです(小ボケ➡中ボケ➡大ボケ)。

これこそ、発病及び重症化が進行する真の原因(メカニズム)及び機序なのであり、権威達が主張する、アミロイドベータの蓄積やタウタンパクの蓄積とは無関係なのです。意識的な世界における実行機能の活用、前頭葉の活性化は、注意の分配力の機能の働きが関与しない限り、「意識の世界」も、「意識的に何かのテーマを実行する世界」も機能しえないし、存在し得ない、機能構造の関係になっているのです。DNAの98%が人間と同一のものとされるチンパンジーにさえも、『意識の世界』は存在していないのです。その意識の世界を構築し、統合し、管理し、コントロールしている要の核心的な機能である『注意の分配力』という脳機能について、世界中の専門家達が、未だに無知に過ぎるのです。

(3) 我が国及びその社会を維持する上で不可欠のテーマである、一定規模での活発な経済活動の再開に伴う人流とその交差の増加により、新型コロナが再び勢いを増してきて、全国的に感染者数が増加して来るという波状的な状況が何度も繰り返されてきています。そうした状況の中に在って、『3密の回避』が都度叫ばれ、高齢者がそうした「生活習慣」の維持を更に徹底する状況が繰り返され、継続されていく中で、「要支援」の状態にあった高齢者や「要介護」の状態にあった高齢者達の間で、『アルツハイマー型認知症』の症状の更なる重症化が進行してきているとする顕著な変化が確認されてきていることは、新聞やテレビの報道の通りなのです。

問題は、本当の意味での早期の段階であり、『脳のリハビリ』の実践により治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在すること自体が、認知症の診断の専門家とされる医師達も知られていなくて、騒がれているのは、末期の段階である「大ボケ」の段階の「お年寄り」達の症状の進行の問題だけなのです(『大ボケの段階という枠の中で、更に重い症状に進んできている』。小ボケの段階では、自分に起きている症状について、「30項目問診票」の該当項目に丸が付けられるのに対し、中ボケの段階で既に、丸が付けられなくなるのです。前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに在ることが確認される中ボケの段階は、専門家達が発病の初期症状として診断の目安にしている失語や失認や失行の症状は、その欠片も予兆も確認されないのです。中ボケの患者10人でも診察して、この落差を現実に目の辺りにすれば、失語や失認や失行の症状の確認を待って初めて発病と診断している誤りの重大さ、社会的責任に気が付くことと思うのです。

(4)『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行と直接の「因果関係」が存在している要因は、一つには、『加齢』に因る機能低下の進行であり、もう一つ別の要因、加重要因である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因なのです。異なるこの二つの要因が、同時に存在し、充足されることに因る「相乗効果」に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、前頭葉、左脳、右脳及び運動の脳の順番に、且つ、段階的に廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていく先に、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。脳の使い方としての生活習慣が核となる「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです。

(5)「新型コロナ」の感染を防ぐ最も有効な対策であるとされている『3密の回避』という「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』の継続が、脳の機能面という視点から言うと、『注意の分配力』の機能の出番が少なくて、『前頭葉』の活性化が得られ難い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続となっている訳なのです。

4.「3密の回避」という単調な「生活習慣」の影響

(1)『3密の回避』に励んでいる日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続下で、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことになるということなのです=発病(「小ボケ」の発症)及び更なる症状の重症化が進行(「小ボケ」から「中ボケ」、「中ボケ」から「大ボケ」)しているということなのです。このことが、専門家である医師達にさえ気づかれない儘に、進行しているのです。それは、『アルツハイマー型認知症』を発病する高齢者の顕著な増加という問題が、重大な社会問題として認識されていないということなのです。

(2)『アルツハイマー型認知症』の診断の専門家とされる医師たちは、「アミロイドベータ仮説やタウタンパク仮説等の発病との間の因果関係が確認できない憶測の類に惑わされていて、私たちエイジングライフ研究所の区分で言う、本当の意味での早期の段階であり、『脳のリハビリ』により症状を治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階(及びその類型的な症状群)について、無知であり、何等の問題意識を持っていないのです。専門医と言いながら、彼等は、脳の機能レベルを判定するに際して、「左脳及び右脳」の機能レベルを判定する為の機能テストに過ぎないMMSE(人によっては、「長谷川式」を使用)を使用しているだけなのです。『認知機能』がどのレベルに在るのかを判定する為には、肝心要の脳機能、意識的な世界(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを判定することが不可欠の条件となるのです。専門家と言われる彼等は、『前頭葉』の機能レベルを判定していないのです。その根本的な理由は、『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定することが出来る手技を持っていないからなのです。

※1「三頭の馬」(左脳右脳および運動の脳)が元気な状態にあろうとも、肝心要の「御者」、脳全体の司令塔の役割を担っている(前頭葉)が居眠りしている状態(機能が異常なレベルに衰えている)では、正しい道を通って、予定された時間までに、目的地に行きつくことが出来ないのです。『脳のリハビリ』の実施による回復の可能性の有無及び程度により、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくることさえも、彼等は知らないのです。

※2 失語や失認や失行と言った症状【11の下位項目により構成されていて、30点が満点である「MMSE」の総得点が一桁の得点になって初めて発現が確認される極めて重度の症状なのです】が、「初期症状だと誤解」した儘なのです。彼等は、症状を治すことが出来なくて、介護の途しか残されていない末期の段階で見つけて、『発病のレッテル張り』をするだけで、おまけに、治療効果が全く存していない単なる『対症療法薬』(症状の発現の仕方を昂進させたり、抑制するだけの効能しか有していないのです)を処方して、自分の診断結果に満足しているのです(一定規模での「売り上げ」が立つことになる)。

5.「脳の使い方」としての『生活習慣』が要因

(1) 視聴率の高さから、マスコミが、テレビ報道でたびたび取り上げる『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、この世に存在していない「架空の病気」なのです。最も多いケースが、「側頭葉性健忘症」を誤診しているのです。肝心の、「前頭葉」の機能レベルが正常であるか否かを精緻に判定すれば、容易に鑑別できるのに、前頭葉の機能レベルを精緻に判定出来る手技を持たないために、記憶障害の症状と海馬の萎縮という要素だけで、診断する結果、誤診しているのです。

(2) 上記.3の(1)で概要を説明してあるように、「アルツハイマー型認知症」は、加齢に起因した脳の機能低下の進行(正常老化の曲線)が発病の第一要件となるように、『老年発症』が特徴となるのです。それに加えて、第二の人生を送る上で繰り返される単調な生活習慣の継続が発病の第二要件となるものなのです。『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方こそが、発病するか/しないかを区分ける核心的な要因なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する『生活習慣』とは、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する暮らし方ということになるのです。

(3) 「アルツハイマー型認知症」を発病させる加重要因である廃用性の機能低下が進行して行くときは、『注意の分配力』の機能が真っ先に衰えて行くのです。そのことが『実行機能の機能障害』に直結しているのです。従って、発病を予防するには、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるような生活習慣の構築と実践が有効な対策となるのです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』(Executive Functionの各構成要素=分析、理解、考察、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、判断、決断、抑制、感動等の機能)の出番が多くて、活性化する暮らし方を自分なりに構築し、楽しみ乍ら行使する場面や機会が出来るだけ多い自分なりの「テーマ」を選択し、実行する生活を継続するのです。『生活習慣』となる為には、継続出来ることが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が必要なのです。評価の物差しは、個々人毎に異なるので、自分なりと言う条件が不可欠となるのです。日々進行する『加齢』と言う要因により、ほんの小さな煩わしい出来事や不運な出来事や体調不良によっても、『意欲』の機能は、すぐに反応し低下するのです。ほんの小さな楽しみ事でさえ、心を癒し、『意欲』の機能を向上させてくれることを忘れないで、日々の生活を送っていただきたいのです。

本著作物「F-13」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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