認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病原因が不明とされる根本的原因(F-10)

2021-08-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

&1 「新型コロナ」に対する感染回避策の順守で大幅な増加をみせる認知症の新規発病者数

(1)新型コロナに対する有効な「感染回避対策」として『3密の回避』策の順守が叫ばれ続けていて、第二の人生を送る高齢者の日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な生活習慣』の継続という状況が、結果的には徹底され、継続される状況が、すでに1年半以上の長期に亘っているのです。50歳代以下の感染者数がそれなりに多いとはいえ、高齢者に対するワクチンの接種が進捗してきて、全体的に見ても、死亡する人は極端に少ないし、重症化する人の数も少ないのです。我が国は、新型コロナ下でも、失業率が低いのです。全体の人口規模及び経済規模から人流が極めて多いのに対し、人口比と高齢化率の高さで規模が近い欧米の国々と比較すると、我が国は奇跡に近い程の僅かな死亡者数なのです。自民党の政策を悉く非難し、総選挙で、野党に少しでも票が流れるようにと、左傾化したマスコミが感染者数を扇動しているだけなのです。死亡しないのであれば、感染数をこれほど騒ぎたてる必要はないのです。クラスター対策に注力しつつ、経済活動の復興に早く国民全体の目を向けるべきなのです。1年7ヶ月間の累計死者総数は、15200人に過ぎないのです。我が国の自殺者数の半分にも満たない人数。更に言うと、マスコミは報道したくないのでしょうが、新型コロナの感染が拡大した分、その影響で、インフルエンザの流行が起きなかったのです。

(2)第二の人生を送る高齢者達に『3密の回避』に徹した生活、単調な生活習慣の継続が求められる状況の中で、認知症の専門家とされる人達(医師や学者や研究者)が、未だに気が付いていない『重大な問題』が潜行し、進行しているのです。それこそが、実は、専門家とされる人達の誰一人として気づいていない問題、『アルツハイマー型認知症』の新規発病者数の大幅な増加』という問題なのです。

 認知症の研究や診断の専門家とされる人達は、前回のブログで詳細を論じてあるように、「アルツハイマー型認知症」の発病による認知症としての症状について、末期の段階で発現してくる症状、大ボケの段階の症状しか知らないのです。それより前の段階、私たち「二段階方式」が問題提起し、独自の基準と定義により区分している早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることに気づいていないのです。そうした学問的な背景もあって、小ボケや中ボケの段階の症状は、発病の初期段階の症状であるとの理解も認識も無く、気づかれないまま放置されて居るのです。➡ 私たち「二段階方式」は、『アルツハイマー型認知症の特徴は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来る』ことに着目して、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を精緻に評価し、判定出来る、科学的で、客観的で、論理的で、精緻な『神経心理機能テスト』を開発していて、その活用に因り、三段階に区分された類型的症状(小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階に区分)を『30項目問診票』として、被験者の生活実態(前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状を確認)の客観的な評価及び判定に活用しているのです。

その一方で権威とされる人達は、「重度の物忘れの症状」を判定の基礎としていて、更には、大ボケの後期の段階になって発現が初めて確認される極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が発病の初期症状であると誤解しているのです。このことは、我が国だけでなく「世界中の専門家達に共通」の問題でもあるのです。

(3) 様々な程度及び態様により発現して来る「アルツハイマー型認知症」の症状について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという視点並びに『脳のリハビリ』の実践による回復の可能性の有無及びその程度から、厳密な定義を設けていて、「三段階に区分」(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)しているのは、世界中を見渡しても、私たち「二段階方式」だけなのです。誰一人として、どの機関も、「アルツハイマー型認知症の症状」としか言わなくて、基本的には、アミロイド・ベータを注入したマウス(アルツハイマー・マウスと呼称)が餌を探して檻の中を徘徊する行動の研究を基礎としていて、「記憶障害の程度」とリンクした「記憶障害に起因した症状」としての捉え方しか出来ていないのです。『意識が関わる認知症』であるという最も重要な要因と視点に気づかないで、『物忘れの症状』を基礎として、「マウス」を研究対象にして、「発病の原因」を解明しようとしているのです。

(4) 様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めていながら、世界中の権威ある機関や人達から、『発病の原因やメカニズムが分からないし、一旦発病すると、症状を治すことが出来ないし、症状の重症化の進行を止めることが出来ないし、発病自体を予防する方法が分からない』タイプの認知症であるとされているのです。時々、アリセプトやアデュカヌマブのような「本来有すべき効能」について意味不明の薬が出て来て、発病の原因については、「4つの仮説」が提示されているだけなのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の「最も重要な要因」は、「意識」が関わるタイプの認知症という点なのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、その意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能についても無関心で、「前頭葉」という脳機能が備わっていなくて、「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の機能の発揮度を左右し、下支えている要の機能である『注意の分配力』という機能が備わってもいない、「マウス」を研究対象にしているのが、世界中で権威と言われる機関や人達のやり方なのです(主張内容は、推測や憶測ばかりが入り混じったもの)。未だに「アミロイドベータ仮説」を主張していて、世界中の権威を誤った方向に導いている米国ハーバード大学の根本的な誤り(誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り続けているだけの主張内容を糾弾したいのです。

(6)そもそもマウスには「意識的な世界」は存在していないのに対し、私達人間には(人間だけに)、『基本的には、常に複数の異なる「意識」が、同時に並行して並存している』ことにも気付いていないのです。このテーマに気づかない限り、何時迄、マウスの研究を続けようとも、アルツハイマー型認知症の発病の原因(メカニズム)及び症状が重症化するメカニズムを解明することは出来ないのです(「アルツハイマー型認知症」は、「意識」が関わる認知症であり、「注意の分配力」の機能及び「実行機能」(総体としての前頭葉の機能)が関わるタイプの認知症であることに、早く気付くべきなのです)。

&2  医療機関が発病を見つけて居るのは末期の段階である「大ボケ」の段階

(1) 「小ボケ」の標準的な滞留期間は3年間あるし、「中ボケ」の標準的な滞留期間は2~3年間あるので、専門家達の誰も気づいていないし、マスコミも問題にしないのです。その段階では、未だ、『介護が必要ではない』からです。発病から5~6年間が経過すると、末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠のものとなる『大ボケ』の段階に入ります。『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』が本態であるので、「その発病自体が原因で、死亡することは無い」のです。老衰その他何らかの病気が原因で、死を迎える時が来るまで(身体が持つ限り)、『大ボケ』の枠の中で、更なる症状の重症化が進行して行くことになるのです。『前頭葉の三本柱』の機能、就中、『注意の分配力』の機能についての、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことを直接反映したものである、実行機能、総体としての「前頭葉」の機能レベル(発揮レベル)が、更に異常なレベルに衰えて行くことになるのです。

(2)「大ボケ」の段階になると、実行機能の発揮度を左右し、下支えている機能である『注意の分配力』の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく為に、どんどん機能の発揮度が低下していく為に、日常の生活面での介護が不可欠となってくるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという視点に欠けていて、外観から観察しただけのものである重度の物忘れの症状を含む「記憶障害」の症状、或いは、失語や失認や失行の症状などを手掛かりにして、末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけて居て、おまけにそのことを「早期診断と勘違い」していて、症状の重症化の更なる進行を抑制する効果が期待されるとか言いつつ、実際には治療の効能は無くて、単なる対症療法薬に過ぎない「アリセプトを含む4種の薬」(症状の発現の仕方を抑制し、又は、昂進させる効能しか有していないもの)を処方し、『発病のレッテル張り』をするだけの医療行為がまかり通っているのです。

&3 権威と言われる世界中の専門家達が発病原因と主張する「仮説」の根本的な誤り

(1) 様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているものであるにも拘らず、『アルツハイマー型認知症』については、発病の原因(メカニズム)自体が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症であるとするのが、世界中の認知症研究の専門家達が今猶言っていることなのです。驚かないで頂きたいのですが、彼等は専門家と言いながら、目の前の患者が「アルツハイマー型認知症」を発病しているのか否かについてさえ、客観的で科学的な評価、判定方法(手技)を持っていないし、分からないのです。彼等が頼りにするのは、「物忘れの症状」を外観的に観察するという、素人まがいの方法だけなのです。医学論文でありながら、世界的に通説の地位にあるとされるアミロイドベータ仮説を含む「4つの仮説」の全てが、客観性、論理性、科学性が皆無であり、単なる推測と憶測が入り混じっただけの主張内容なのです。

(2)発病の原因については、アミロイドベータ仮説を通説とする(支持する学者の数が一番多いというだけの意味)『4つの仮説』(他には、タウタンパク仮説、アセチルコリン仮説、脳の萎縮仮説)が提示されているだけなのです。

(3)専門家達でさえ、失語や失認や失行の症状が発病の初期症状であると規定する『DSM-4』の第二要件の規定内容自体が重大な誤りの内容であることにも気付いていなくて、むしろその権威に頼っていて、極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状の何れかの確認が無いと発病とは考えないのです。更なる問題点として、失語や失認や失行の症状が記憶障害に起因して発現して来る症状である(『DSM-4』の第一要件が規定し、確認を要求している)とするこれまた重大な誤りを犯しているのです。実は、それらの症状は、記憶障害に起因して発現してきているのではなくて、『「前頭葉の三本柱」の機能、就中、「注意の分配力」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた結果として、「実行機能」の発揮度自体が異常なレベルでしか機能出来ていない結果として、言い換えると、「前頭葉の機能障害」に起因して症状が発現してきている』ことにさえ気づいていない、『根幹に対する理解自体が誤っている』のが権威達の主張内容なのです。

(4)失語や失認や失行の症状というのは、症状が進行して行った「末期の段階」の後期、「二段階方式」の区分で言う『大ボケ』の後期の段階にならないと発現が確認されない極めて重度の症状なのです。世界中の権威とされる人達や機関は、「意識的な世界」における『脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした「三段階」に区分される症状が発現して来るのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であることさえ知らないのです。「物忘れの症状」について、その程度や態様を「主観的な言葉だけ」に頼り、様々に区分しているだけというレベルなのです(『DSM-4』の第二要件が初期症状であると規定し確認を要求している失語や失認や失行の症状が、「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、症状が極めて重い段階に迄進んでしまっている上、左脳と右脳の機能レベルを判定する手技であり、11の項目で構成されていて30点が満点であるMMSEのテスト結果についても、換算値が一桁(9点以下)にならないと発現が確認されない極めて重度の症状であることに気付いていないのです)。重度の「記憶障害の症状」という切り口だけで、然も、それを「主観的な観察方法」だけに頼っているのが、世界中の権威とされる機関や人達のやり方なのです。

(5)米国精神医学会が策定した『DSM-4』の規定の第二要件が、「失語や失認や失行の症状」が『アルツハイマー型認知症』発病の『初期症状』であると規定し、その確認を持って発病と診断するよう要求していることが問題なのです。「アルツハイマー型認知症」は、記憶障害に起因して発病するものであり(『DSM-4』の第一要件で確認を要求している)、「失語や失認や失行の症状が初期の症状である」と規定し(『DSM-4』の第二要件が規定し、確認を要求している)、それらの症状を皮切りに、もっと重い他の症状が、『アルツハイマー型認知症』の発病としての症状であると規定していて、世界中の専門家達が「その規定の内容が重大な誤りである」ことに気づいていなくて、盲目的に追随し、勘違いした儘、現在も猶、主張し、診察しているのです。

(6) 私たち「二段階方式」の区分で言う本当の意味での早期の段階である小ボケや中ボケの段階が見落とされていて、発病とは理解されていないし、認識されてもいないのです。この段階で発病を見つけ、『脳のリハビリ』を実施すれば、治すことが出来るものであるのに、見落とされて(発病と考えていない)、重症化が進行して行く儘に放置されているのです。そうした状況の中で、「小ボケ」は「中ボケ」の前期に、「中ボケ」の前期は、「中ボケ」の後期に、「中ボケ」の後期は「大ボケ」の前期に、「大ボケ」の前期は「大ボケ」の後期へと、症状の重症化が進行してきているのです。然も、「アルツハイマー型認知症」の症状は、何年もかけて徐々に段階的に症状が進行して行くのが特徴なので、密かに潜行していて、状況の悪化が進行してきているという認識自体が、専門家達には無いのです。

&4 権威達が原因と主張する「器質的な病変」の誤りを導いた根源的遠因

(1) 30~50歳代の「若い年齢」で発病し、症状の重症化が極めて速いスピードで進行して行くのが特徴である「アルツハイマー病」の発病について、発病した人達の死後の脳の「解剖所見」で共通にみられる特徴として、①アミロイドベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る「神経原繊維変化」及び③脳の「顕著な萎縮」が確認されるそうなのです。

(2) 「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者だけを対象として発病し、徐々に、段階的に、何年間もかけて、症状の重症化が進行して行くのが特徴である『アルツハイマー型認知症』の発病者について、失語や失認や失行の症状の発現が確認されたお年寄り、「二段階方式」の区分で言う末期の段階(大ボケの段階)に迄症状が進行していたお年寄り達の死後の脳の「解剖所見」で共通にみられる特徴として、①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る「神経原繊維変化」及び③脳の「顕著な萎縮」が確認されるということのようなのです。➡ (1)と(2)とは、同じ事象のように見えるのですが、詳細に見てみると異なるのです。

(3) 実は、『専門家と言われる人達が、両者の発病者の死後の脳の解剖所見が共通の特徴を有している』と考えていること自体が『重大な勘違い』なのです。「アルツハイマー型認知症の発病者達」の中には、「小ボケ」の段階で死亡した人達もいれば、「中ボケ」の段階で死亡した人達もいれば、「大ボケ」の段階で死亡した人達もいるという「極めて重要な問題点」を看過しているのです。彼等は、「大ボケ」の後期の段階(30点が満点であるMMSEの総得点が一桁=9点以下)になったお年寄りの場合に初めて発現が確認されるものでしかない『失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解している』為に、『アルツハイマー型認知症』発病の本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があることも、更には、小ボケ及び中ボケ段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」の実践により、症状を治すことが出来ることも、知らない儘でいるのです。

(4)彼ら専門家達が研究の対象にしている『「アルツハイマー型認知症」の発病者及びその人達の死後の脳の解剖所見』というのは、『アルツハイマー型認知症』を発病して、症状が末期の段階である「大ボケ」の段階にまで進行し、失語や失認や失行の症状、又はそれよりも重い症状が確認されていた「お年寄り達」、大ボケの後期の段階にあった「お年寄り達」の死後の『脳の解剖所見』の内容に限定されたものであることの認識が出来ていないのです➡アルツハイマー型認知症を発病して、「小ボケ」又は「中ボケ」の段階で死亡したお年寄り達の脳には、『①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮』が確認できる人が、一部には居るかもしれないのですが、確認できないお年寄りの数の方が圧倒的に多いはずなのです。何故なら、小ボケ及び中ボケの前期(MMSEの換算値が23~20点)のお年寄りであれば、『脳のリハビリ』の実践により、『症状を治すことが出来る』という極めて多数例での『事象事実』が存在するからです。それだけで、それ等(上記の①、②、又は③)が発病を惹き起こしている原因ではないと言い切れるからなのです{中ボケの後期(MMSEの換算値が19~15点)も、脳の機能レベルからは、基本的には治すことが可能なレベルなのですが、『脳のリハビリ』を実践出来難い家庭環境等の要因により、治すことが出来ないケースも、出てくることになるだけなのです}。

(5)この問題点を明確に指摘すると、極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が確認されていたお年寄り達の死後の脳の解剖所見に共通に確認される特徴としての『①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮等、其れ等の要因が、『記憶障害』を惹き起こす犯人であると想定していて、且つ、「そのことに起因した『記憶障害と言う要因』が、発病の原因である」と主張する仮説である【①アミロイドベータ仮説、②タウタンパク仮説及び③脳の萎縮仮説】が提示されているのです(それらは全て、現在でも猶、仮説であって、発病との間の因果関係が未だに立証されていないことに注意して頂きたいのです)。

彼等は、本当の意味での発病の早期の段階である「小ボケ及び中ボケの段階」が存在していることさえ知らないのです。「小ボケ及び中ボケ」の段階で死亡した「お年寄り達」の死後の脳の「解剖所見」に共通の特徴としての『①老人斑の沈着、②神経原繊維変化及び③脳の萎縮』が常に確認できるということでない限り、発病との間の因果関係は無いことになるのです。それが『論理的な意味での結論となる』のです。

(6)それ等の想定に基づく『仮説』の主張に対して、『「①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮」等は、発病を惹き起こす原因なのではなくて、発病し、症状が末期の段階にまで進行した為に確認されるもの結果であるに過ぎない』というのが、私たち「二段階方式」の側からの問題提起なのです。

彼ら専門家達は、『上記解剖所見が内包する共通の問題点』に気づいていない為に、アルツハイマー型認知症も、アルツハイマー病と同じように、『器質的な原因病変』が存在しているものと思い込み、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達に、剖検時に、外観的に特徴的に観察されるだけのものである上記、『①、②、又は③が、「記憶障害」を惹き起こす原因となる「器質的な原因病変」である』と思い込んでいるだけのこと(想定しているだけ)なのです(各要因間の因果関係の確認に杜撰な論理の組み立て)。

(7)彼ら専門家達が発病の症状であるとして判定し、注目している症状、「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階で発現が確認される症状は、外観から観察するだけの判定の仕方では、『一見しただけでは、記憶障害の症状又は記憶障害に起因した症状と誤解され易いものが多い』のです。『そうした症状が、確認されるお年寄り』に対して、『前頭葉』の機能レベルを客観的な手技により評価し、判定して、更には、MMSEの実施結果について、『MMSE下位項目の項目困難度の指標』と照合してみれば、それらの症状が、『「前頭葉」の機能障害、「実行機能」の機能障害、更には、「前頭葉の三本柱」の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能障害』に起因して、惹き起こされた症状であることが分かるのです。

※ 私たち「二段階方式」の場合は、これらの要因間の論理の鎖を客観的に、脳機能データとの関わりの中で、確認できているのです。そもそも、認知症研究(診断)の権威と言われる機関や人達が注目し、取り上げている「記憶障害の症状」自体が、二段階方式が客観的な手技の活用により、論理的に確認している「上述のメカニズム」により発現して来るものであることについてさえ、彼ら専門家達は、未だに気づいていないのです。「仮説」であり続ける原因がここにあることにも気づいていないのです。記憶障害の要素と発病との間に、直接の因果関係自体が、存在していないという事実に、何時になったら、気づくのでしょうか。

(8)   発病の末期の段階で目に付く記憶障害等の症状に結びつく「器質的な原因病変」として、アミロイド・ベータの蓄積による老人斑の沈着とか、タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化が「推測と憶測だけに基づいて想定され」、発病との因果関係を立証できないで、未だに、「仮説」のままで居るということなのです。『その想定自体が、誤った内容だ』ということに早く気付くべきなのです。「二段階方式」が集積した発病者の脳機能データでは、「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、認知症の症状が発現して来るタイプの認知症であり、その本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないことが、「疫学的方法により実証されている」のです。『器質的な原因病変ではなくて、廃用性の機能低下の進行、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続という要因が、発病を惹き起こす直接、唯一の原因であるというのが、今猶、世界で唯一のものである『二段階方式』の主張なのです。

&5  アルツハイマー病と『アルツハイマー型認知症』とは、本質が異なる「全くの別物」

(1) 「アルツハイマー型認知症」は、「アルツハイマー病」に似て居るタイプの認知症であるとする専門家達の想定、前提自体が「重大な誤り」なのです。

(2)「アルツハイマー病」(認知症全体に占める割合は、1~2%に過ぎない)は、ドイツ人である「アルツハイマー博士」が世界で初めて発見した為に、そのことを記念して、「アルツハイマー病」という病名が冠せられているものなのです。(3) で詳説するように、「アルツハイマー病」の場合は、『発病を惹き起こす原因は、遺伝子の異常にある』のです。

➡ 論点は、発病が惹き起こされた原因なのであり、発病した結果ではないことに注意。

(3)  『アルツハイマー病』は、生まれつき『特定の原因遺伝子』(現在、「3つの遺伝子」が特定されている)に異常がある人だけを対象に発病するタイプの認知症なのであり、正しく器質的な原因病変が確認されるものであって、30歳代から50歳代の若い年齢で発症する『若年発症』が特徴なのです。発病すると、症状の重症化の進行が極めて速く、僅か数年で末期の段階の症状にまで進行して行くのが特徴なのです。発病を予防することも、症状を治すことも、症状の進行を抑制することも出来ないタイプの認知症なのです。

(4)他方で、『アルツハイマー型認知症』(認知症全体に占める割合は、90%以上になる)は、超高齢社会に特有なタイプの認知症なのであり、「第二の人生」を送る60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象に発病が確認される「老年発症」が特徴なのです。第二の人生を送っている「高齢者」が、何等かの状況の発生とその継続を「キッカケ」として、何事に対しても「意欲を喪失」してしまい、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(追求すべき具体的なテーマも無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方=脳の使い方としての生活習慣)が継続されることが直接で/唯一の原因で、『前頭葉』を含む脳全体の機能について廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに起因して、発病及び症状の重症化が進行して行くものなのです。

(5)『アルツハイマー型認知症』の本態は、『廃用性症候群』に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、「老年発症」が特徴となるのです。

➡ 発病後の対応も、早期診断早期治療が必要不可欠で有効であり、「二段階方式」の区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」の実践(前頭葉が活性化する生活習慣の創意工夫と継続的な実践)により、正常なレベルへの回復及び更なる重症化の進行の抑制可能なタイプの認知症なのです。治すことも重症化の進行を抑制することも出来ないと専門の医師や学者が主張しているのは、『彼等が発病を見つけている段階が遅すぎるせい』なのです。アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないわけではないのです。診断している専門の医師達までもが、末期の段階である大ボケ」の段階で発病を見つけているから、「治せないことにされてしまっている」だけなのです。それでいて彼等は、治療の効能が確認されない単なる『対症療法薬』を処方して、売上高を稼いでもいるのです。

(6) 理化学研究所は共同研究の論文発表で、『加齢』による脳機能低下と『異常蛋白』の蓄積につながる病理過程の上流を追及・解明して、認知症の血液診断マーカーと治療薬を開発することを目的とした研究で、『アルツハイマー病』の新たな「原因遺伝子」を同定したと発表しています。研究成果の発表では、『認知症の大部分を占めるアルツハイマー病は、一部は、家族性であるが、多くの場合は孤発性の多因子疾患であること。孤発性のアルツハイマー病の遺伝的リスク要因として、アポリポ蛋白質E(APOE)が知られているものの、他の遺伝的な要因についてはまだよく分かっていないこと。脳内にアミロイドβペプチドが出現することが、アルツハイマー病の発病につながる初期の現象として知られていること。但し、Aβ蓄積の原因となる様々な要因についての全体像は、未だ明らかになっていないこと』としています。

➡ この内容が何を語っているのかがお判りでしょうか。ここで言う孤発性の「アルツハイマー病」とは、『アルツハイマー型認知症』のことを指しているのです。原因遺伝子が3つ特定されていて、その遺伝子の異常が発病を惹き起こしているアルツハイマー病と同じように、『アルツハイマー型認知症も、遺伝的なリスク要因が存在している』と誤解させる内容なのです。この先、研究をどこまで深く追求して行こうとも、『アルツハイマー型認知症』を発病させていると確認できる「原因遺伝子」の発見は有り得ない事を問題提起しておきたいのです。

➡ 「アルツハイマー型認知症」の発病者の場合であれば、『早期発見』(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)及び『早期治療』(脳の使い方としての「生活習慣」の改善となる「脳のリハビリ」の実施)により、症状を治すことが出来ること並びに『介護の予防』(介護が不可欠となる「大ボケ」の段階にまで症状の重症化が進行することを抑制すること)が、可能であることについて、北海道から九州に跨る52の市町村での「住民参加型の地域予防活動」の実践展開の指導により、疫学的方法による実証をしてきているからなのです。

(7) 『アルツハイマー型認知症』の発病の真の原因は、特定の「遺伝子の異常が原因」ではなくて、60歳を超える年齢の高齢者が「第二の人生」を送る上での、脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が、唯一、直接の原因であり、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性加速度的異常機能低下の進行に起因して発病するものなのです(詳細な説明は、このブログ【F-09の&7】を参照して下さい)。 

➡ 理化学研究所は、遺伝的要因の存在を確認したというのであれば、『アルツハイマー型認知症』を発病して末期の段階にまで重症化が進行したお年寄りの死後の脳については、『アルツハイマー病』の発病者に共通に確認されている「3種類の原因遺伝子」については、其れ等のうちの「一つも存在を確認できていない」ことを発表すべきなのです。 

&6 意識的な世界」の機能構造の概観

(1) DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにさえ存在していない世界、私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に、且つ、目的的に、自分が現在置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った何等かの「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を企画し、計画して、更には、いくつかの条件を想定して、実行の結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断をして、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対して実行の指令を出す。これが、『意識的な世界』において『実行機能=Executive Function』と総称される「機能群」の個別の認知機能(太字表記)が働く工程の概要なのです。

(2) その『意識』を創出し、覚醒させ、覚醒の度合いを管理し、コントロールしている機能が、私たち「二段階方式」が、『前頭葉の三本柱の機能』と呼称している「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能なのです。『前頭前野』と呼称されている部位に、『意識』を構築し、創出し、覚醒させ、覚醒の度合いを管理し、コントロールし、様々な機能のレベルで働かせている有機的な機能連合体としての機能が、「評価の物差し」、「記憶の倉庫」、「実行機能」、「前頭葉の三本柱の機能」等から構成されていて、『前頭前野』に局在する機能で全体として『前頭葉』と総称されている脳機能だと考えているのです。中でも、『実行機能』の機能の発揮度を左右し(覚醒の度合いの差異を含む)、下支えていて(実行機能の機能発揮上の二重構造)、『意識』を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしている脳機能のが、『注意の分配力』という機能なのです。その『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、あの人は頭の回転が速いという言葉に代表されるように、とっさの判断や処理に不可欠の機能でもある』のです。

意識常に複数存在していて、それを可能にしているのが『注意の分配力』の機能。私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』では、異なる「複数の意識」常に併存している状態にあって、意識の覚醒の度合い(覚醒度)自体がそれぞれに異なる複数の意識を、『注意の分配力』の機能が、構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしていると考えているのです。

(3) 『注意の分配力』の機能こそ、記憶に関わる最も重要な機能なのです。記憶は、記銘、保持、想起という3つの工程で構成され、構築されています。『記銘する際の記銘度が高い情報が、良く保持され、良く想起される』ことは、14689例の発病者に実施したMMSEテストの結果が示す事象事実としての「脳機能データ」(二段階方式独自のものであり、「MMSE下位項目の項目困難度の指標」と呼称しているもの)が示してもいるのです。意識が覚醒している状態では、「注意の分配力」の機能が働いているのです。何かを記銘する際に、3つ以上の異なる「テーマ」を同時に並行して処理する「注意の分配力」の機能が、必ず関わってくるので、その働きを抑制して、特定の対象に集中しないと、記銘度が高くならないのです。マウスと人間とでは、記憶のメカニズムが根本的に異なることが見落とされているのです。物忘れが気になるあなた。無意識にスマホをそこに置いていた訳ではないのです。いろいろなテーマが気になり、それらに注意が分配されていて、何かの拍子にそこにスマホを意識的に置いた(そのことへの注意の分配量が極めて僅かな下で)為に、記銘度が低くて、そのことを想起できなかっただけのことなのです。

長期記憶となるか、或いは、短期記憶で終わるのか、どの程度保持され、想起されることが可能なのか』、その全てが、記銘時の関わる情報の記銘度を左右している『注意の分配力』という機能の関り方(=「注意の分配力」の機能の発揮度)及び想起する際の想起の機能の発揮度(これもまた、「注意の分配力」の機能の発揮度が関わるものなのです)が、『想起の結果(どのような程度と内容で、想起されたか)』に対しても、直接影響するものであることに注意して頂きたいのです。➡ 『注意の分配力』の機能の発揮度は、機能の発揮度を構築する上でリンクして働き、不可分の関係にある「意欲」及び「注意の集中力」の機能の発揮度が直接影響し、反映されることにも注意して頂きたいのです。

(4)『アルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階の区分』について、「前頭葉の機能」及びその有機的な機能連合体である「実行機能」、更には、「前頭葉の三本柱」の機能に着目し、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点及び指標を設け、それらの機能レベルを客観的で科学的な評価を行うことが出来る「手技」を開発し、活用しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「意識」の機能構造の解明並びにその機能レベル(覚醒の度合い)を精緻に、客観的に、評価し、判定できる手技の開発が極めて困難なものである為に、「アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムの研究」という分野において、世界中の権威と言われている人達や機関は、未だに、有効な手技を開発できていないで、「注意の分配力」の機能も「実行機能」も備わっていない「マウス」が檻の中で徘徊する動きとアミロイドベータの蓄積量との相関について、記憶の障害の有無及び程度を細かく調べているだけなのです。

&7  「アルツハイマー型認知症」の発病と「意識的な世界」との機能構造の関係

(1)『意識』の構築、「複数の意識」の個別管理及び統合、意識の「覚醒度」の支配及び下支え並びに管理及びコントロールに関わる「肝心要の核となる機能」であると私たち「二段階方式」が考えている『注意の分配力』の機能(「3つ以上の異なる複数の意識」を同時に並行して処理【構築、統合、個別管理及び並行管理】する為に不可欠の機能)が備わってもいない、意識の世界が存在してもいない「マウス」を研究対象にしているのが、世界的にも通説の地位にあるとされる「アミロイドベータ仮説」(我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)なのです。彼等は、「DSM-4」の第一要件の規定が確認を要求している「記憶の障害」の有無及び程度と彼等が発病を惹き起こす原因と想定しているアミロイドベータの蓄積量(老人斑の沈着の有無)について、マウスにアミロイドベータを注入した「アルツハイマー・マウス」とかを作って、研究対象にしているのです。

(2)『記憶』は、記銘、保持、想起の3つの工程が関わる機能であり、記憶の対象について記銘する際の「記銘度」が結果として高いほど、よく想起される、更には、『想起の機能』の発揮レベルが高いほど、良く想起されるという性質が確認されるのです。その「記銘度」の高さ、低さ、或いは、「想起の機能の発揮レベル」の高さ、低さを左右しているのが、記銘時の及び想起時の「前頭葉の三本柱」の機能の関与の度合い、就中、『注意の分配力』の機能の関与の度合いと有り様である(二段階方式が、14689例の発病者に実施したMMSEのテスト結果の分析が提示する「MMSE下位項目の項目困難度」の指標)ことに気づいていなくて、未だに、『注意の分配力』の機能が備わっていないマウスの動きを対象にして、「記憶障害の程度」を基礎としたアルツハイマー型認知症の発病の原因(メカニズム)の研究活動をしているのが、世界中で権威とされている機関や人達の研究のレベルなのです。マウスの記憶のメカニズムと人間の記憶のメカニズムとは、関わる機能構造が根本的に異なることさえ知らないで研究しているのです。  

(3) 様々な程度及び態様により発現して来るものである『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのです。「二段階方式」が三段階に区分している「類型的な症状」については、このブログ中の(F-04の&1、&2、&3)を参照して下さい。

ⅰ)そこに挙げられている「小ボケ」の段階の症状は、『前頭葉の三本柱』の機能だけが廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り「異常な機能レベル」に衰えてきていることを反映した症状ばかりなのです(「社会生活」面での支障が出てくるこの「小ボケ」の段階では、「御者の役割」を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在って、馬車を牽引するだけの役割である左脳も、右脳も、運動の脳も未だ正常な機能レベルに在ることが確認されるのです)。

ⅱ)次の「中ボケ」の段階の症状は、『前頭葉』の機能が「小ボケ」の段階より更に異常な機能レベルに衰えてきている上に、小ボケの段階では正常であった左脳も右脳も運動の脳も異常なレベルに衰えてきている(前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきている)ことを反映した症状ばかりなのです。

ⅲ)末期の段階である「大ボケ」の段階の症状は、『前頭葉を含む脳全体の機能が、「中ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている』ことを反映した症状ばかりなのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(「前頭葉」の三本柱の機能、実行機能、左脳及び右脳の機能)のテスト結果(かなひろいテスト及びMMSEテスト)を詳細に分析すると、それらの症状が記憶障害の症状、又は、記憶障害に起因した症状であると想定する『DSM-4』の第一要件の規定内容が重大な誤りを犯していることに気づくのです。セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠のものとなる「大ボケ」の段階の症状を、外観的に観察しただけでは、記憶障害の症状、又は、記憶障害に起因した症状が多いように観察し易いのですが、客観的で、科学的で、精緻な「手技」である「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを、個別に及び総合的に評価し、判定し、鑑別すると、『権威とされる人達や機関から記憶障害の症状及び記憶障害に起因したとされている症状も、『前頭葉の三本柱』の機能の機能障害、実行機能の機能障害、言い換えると、総体としての『前頭葉の機能障害』に起因して惹き起こされ、発現してきたものであることが確認できるのです(14689例の発病患者の脳機能データを集積し、分析し、解析)。➡ ズボンを頭から被るのは、ズボンの履き方を忘れている(記憶障害)せいではないのです。

(4)意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能に着目し、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るのが、アルツハイマー型認知症の特徴であることに着目し、14689例の発病患者の脳機能データを集積し、解析して、その結果を基礎として、全国452の市町村で住民参加型の地域予防活動(アルツハイマー型認知症に特化した活動であり、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防、早期診断による回復及び重症化の進行の抑制』を明確な目的とした地域予防活動)を実践展開指導して、発病自体の予防及び早期診断による回復の面における、極めて顕著な成果を挙げてきたのが、私たち「二段階方式」の実践指導活動なのです。

有償の個別契約に基づくこの活動が展開された主な時期は、厚労省が市町村に展開を求めたオレンジプランや新オレンジプランが始まる前の時期でした。加えるに、『高齢化の進行とリンクした発病者の増加』という問題と視点から、高齢化率が高い市町村が地域予防活動に関心が高く、導入が多かったのが特徴だったのですが、平成の大合併が進行して行く中で、高齢化率が比較的低かった大きな市や町が、高齢化率が高かった小さな町や村をいくつも吸収合併して行ったことに因り、事業の見直しという名目で、予防活動が消えていったこと及び予防活動に従事していた保健師さんの配転にも繋がって行ったことが最も大きな衰退要因だったのです。「二段階方式」の手技を一定期間有償で使用した後は、無償とした為、予算化が必要でなくなったことも悪影響したのです。

注記)「DSM―4」の第二要件は、正確には、失語、失認、失行「又は実行機能の障害」と規定してあるのです(実行機能の障害については、専門家達が着目していないのです)。

第二要件の最後に規定が為されている『実行機能の障害』と言う要件が、第二要件でなくて、第一要件の規定の中で、記憶障害(memory impairment)と言う規定(文言)を置くのではなくて、実行機能の機能障害 (cognitive disturbance in executive functioning)と規定されていたなら(と言う文言が置かれていたなら)、世界中の権威ある機関や人達が、ここまで深い迷路にはまり込むことは無かったはずと考えるのです。

&8 「アルツハイマー型認知症」は、発病の予防、症状の回復、重症化の進行の抑制が可能

『アルツハイマー型認知症』の本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした『三段階に区分』される「類型的な症状」が発現して来るのが特徴となることについて、「二つの重要な側面」を考える必要があります。

(1)1つは、『アルツハイマー型認知症』を、回復可能な「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の早期の段階で見つけるには、『前頭葉の機能レベル』を、客観的に、科学的に、精緻に評価し、判定でき、鑑別できる「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるのです。ところが、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを、客観的に、科学的に、精緻に評価し、判定でき、鑑別できる手技は、私たちが独自に開発した「二段階方式」と呼称する『神経心理機能』テスト以外には、世界中を見ても、未だに開発されていないのです。

『アルツハイマー型認知症』は、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界が関わるタイプの認知症である一方で、「意識の機能構造」が解明されていないことが、手技の開発を困難にしているのです。意識的な世界は、目的的な世界であり、『実行機能』(Executive Function )の機能発揮と「前頭葉の三本柱」の機能との機能発揮上の相互関係、「二段階方式」の表現で言う『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』の存在という理解を基礎とし、「二段階方式」の手技は、『前頭葉』の機能レベルを客観的で科学的で精緻に評価し、判定出来る手技である「神経心理機能テスト」を開発し、実戦使用してきているのです。加えて、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの判定を基礎とした「発病の有無の判定」並びに回復の可能性の有無及び程度により区分する「三段階の症状」の区分及び「生活歴」の聞き取りに基づく脳を活性化させるための「生活習慣」の改善指導が、判定(診断)と回復(治療)と予防の方法になるので、「医行為」が関わらないのが特徴です。

(2)もう 1つの問題は、「診断(判定)の方法」が、CTやMRIが必要でなくて、逆に保険点数が極端に低い「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるので、医療機関にとって、『事業としては、ペイしない』ということが、極めて重要なポイントとなるのです。その上、回復(治療)や予防に効く薬はなく、「投薬」の問題もないのです(「アルツハイマー型認知症」発病及び重症化のメカニズムに照らして、『治療の効能を有する薬が開発されることは、未来永劫、有り得ない』ことなのです)。アリセプトを含む「4種の薬」(対症療法薬に過ぎない)も、今回華々しくデビューしたアデュカヌマブも、正しく、客観的で、科学的な判定基準で評価する限り、「治療の効能が確認されることは、絶対にない」のです。

(コーヒー・ブレイク)「アルツハイマー型認知症」からの回復は、本人にとっては勿論のこと、家族にとっても大きな意味があります。ところが、回復可能な本当の意味での早期の段階(二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」)を見つけるには、『前頭葉の機能レベル』の精緻な判定が不可欠となる為に、私たち「二段階方式」独自のものである「かなひろいテスト」のような「神経心理機能」テストの使用が不可欠なのです。CTやMRIでは、形しか計測できないので、早期の段階を見つけることはできません。極めて高額の診察費用が掛かることになるPETを使用しても、二段階方式の手技である「かなひろいテスト」で得られるような精緻な評価と判定と鑑別は出来ないのです。

(3)「前頭葉」の機能と言っても、関係する機能が多岐に亘っている上に、全体の機能関係、機能構造自体が分かっていないからなのです。「実行機能」という用語を使用する専門家とは言え、実行機能が肝心の機能を発揮する上での機能構造の関係についても無知という状況なのです。記憶について云々する人達も、長期記憶と短期記憶の相違が顕現して来る機能構造についても無知なのです。そうした状況の中で、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び重症度の判定という問題について、「認知機能」のレベルが核心のテーマであると認識しつつ、MMSE (我が国では、長谷川式を用いる人もいる)を活用する程度でしかないのです。「意識的な世界」における、『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉』の機能レベルの客観的で、科学的で、精緻な評価と判定及び鑑別の問題、或いは、50を超える数の個別認知機能の集合体というか総称である『実行機能』の機能発揮に関わる「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能との関わりについてさえ脳科学者達でさえ無知というレベルでは、手の出しようがなく、大雑把に「認知機能」として曖昧に取り扱い、「左脳と右脳」の機能レベルしか判定することが出来ないものであるMMSE(或いは、長谷川式)を使用するだけで、『核心については論じないで』、逃げているのです。

(4) 正常なレベルに回復させること及び症状の重症化の進行を抑制することが可能である「本当の意味での早期の段階」である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で、発病を見つけることが出来ないで、放置されたままでいると、「身体が持つ」お年寄りの場合は、症状の更なる重症化が進み、末期の段階の「重度認知症」(「大ボケ」)に、重症化が進行して行くことになります(何年間も時間をかけて、徐々に、ゆっくりと、段階的に、症状の重症化が進行して行くのが、『アルツハイマー型認知症』の症状が進行する特徴なのです)。

CTやMRIを使っても、「重度認知症」(大ボケ)の段階で発病を見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れなのです。「回復させることも、重症化の進行を抑制することも」、もはや困難だからなのです。末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階で発病を見つけていたのでは、診断費用や介護の世話だけでなく「介護費用」も大変となり、自治体や国にとっても大きな問題となるだけなのです。➡様々な種類が数ある認知症の中で、『アルツハイマー型認知症』が、認知症全体の90%以上を占めているのです。高齢化の更なる進行が予測される中で、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄り達の数も増え続ける(2025年度中には、大ボケの発病者だけで700万人と予測)と予測されているのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」こそ、保健師さんにとって、「保健及び予防活動」の最も重要な対象となる「テーマ」だということではないでしょうか。私たち二段階方式が蓄積してきた「アルツハイマー型認知症」の人達の多数の脳機能データを解析すると、「小ボケ」から「中ボケ」へ、「中ボケ」から「大ボケ」へと症状が進んでいくにつれて、「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことが分かります。「大ボケ」のレベルになると、「前頭葉」(=実行機能及び注意の分配力の機能)が殆ど機能していないことが確認できるのです。状況を判断し、実行すべきテーマを発想し、実行の計画を立てて、その内容を組み立て、ケース・シミュレーションをして、最終的に実行内容を決定し、実行の決断をする働きをしている機能群、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の働きが、何らかの薬を飲む(アリセプトを含む4種の薬及びアデュカヌマブ)ことで、機能が回復する、或いは、機能が活性化する(=治療の効能が確認できる)こと等、有り得ないのです

(6)『前頭葉』は、左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」なのです。馬車の運行を支配し、管理し、コントロールしているのです。

※分かり易く説明すると、「小ボケ」は、「御者が、時々居眠りをしている状態」であって、「中ボケ」は、「御者が、気が付くと居眠りしている状態」であって、「大ボケ」は、「御者が眠り込んでしまっている状態」にあると言えるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させたり活性化させる為に、必要不可欠となる条件は、『実行機能』の出番が多くなる生活習慣、『自分なりのテーマを見つけて、意欲が湧いてきて、分析、発想、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、決断等の実行機能を使う上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能の出番が多い『生活習慣』の構築と継続的な実践とが不可欠となるのです。「脳の活性化」とは、実行機能の出番が多くなる自分なりのテーマの実践により、意欲、注意の集中力及び『注意の分配力』の機能が活性化すること、即ち、『前頭葉』が活性化することなのです。『前頭葉』の機能を活性化させるには、実行機能と注意の分配力の機能とを『しっかりと「使ってやる」こと以外に方法はない』のです。➡ 発病の有無の判定及び早期段階の判定並びに早期段階からの回復や発病の予防の為に不可欠である「神経心理機能テスト」の使用及び脳を活性化する為の「生活習慣」の改善の指導は、事業として必要となる収益をあげることが期待できないのです。「神経心理機能テストの使用」に対する保険点数が極めて低いので、(医療機関といえども事業体なので)、収益が上がらない事業を継続的に実施していくことはできないのです。従って、「収益はあげられなくても、費用が減るメリットがある」ことで事業として、継続して展開できる自治体や国でしか、対応が期待できないのです。

(7)日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入し、その先頭を走っているのです。この先、高齢化が更に進んでいく中で、医療機関も国も市町村も、何もしないでこのまま手をこまねいて放置していると、高齢者の大半は、「体が持ちながら、肝心の脳が持たない」結果として、行き着くところは、『アルツハイマー型認知症』を発病したお年寄りで、末期の段階にまで症状が進んで、『介護』が不可欠となる「お年寄り」達が、激増して来ることになるという悲惨な将来像が、はっきりと見えてきているのです。➡ 厚生労働省が発表している認知症のお年寄りの数700万人というのは、「末期の段階」の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りだけの数なのです。権威とされる機関や人達から、発病の対象からは見おとされている「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の数以上になるのです。

(8)ところが、「小ボケ」と「中ボケ」の人達は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直して、脳を活性化させる『生活習慣』を日常生活に取り込むこと(『脳のリハビリ』の継続的な実践)により、正常なレベルに回復させることも、重症化の更なる進行を抑制することも出来るのです。市町村を主体として、「アルツハイマー型認知症」の予防並びに早期段階の発見と回復、更には、介護の予防(介護が不可欠のものとなる「大ボケ」の段階にまで重症化が進行するのを抑制する何らかの対策)活動を実践し、「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで重症化が進行していくお年寄りの数を減らす「政策」を出来るだけ早期に制度化し、実行すべきなのです。私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る全国452の市町村との有償の契約により、「実践結果による有効性を疫学的方法により実証して来ている」具体的な方法が提示されているからです。その上で、「重度認知症」の人達に対する「介護保険」の適用を手厚くすることが必要だと思うのです。「老々介護」とか、「認認介護」とか、「介護離職」とかを、この社会から消し去るべきなのです。

⇔「介護施設」の運営ノウハウを輸出目標にする等、恥ずかしい事と考えるべきなのです。

 このブログで詳細に説明してきたように、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし治らない病気」という考えは、誤りなのです。元はと言えば、「重度の記憶障害」という誤った指針に基づいて、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りばかりを見つけて、発病と診断してきた精神科医達の誤解が原因なのです。➡このブログで詳細にメカニズムを説明し、開示した根拠となるデータからも分かるように、『アルツハイマー型認知症』は廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』なのです。早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直し、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する自分なりの「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意)を構築し継続することにより、正常レベルに「回復」させること及び重症化の更なる進行を抑制することが出来るし、発病自体を「予防」することもできるのです。

※高齢者が、アルツハイマー型認知症を発病した場合に備えて、「2000万円の貯蓄が必要」とかのマスコミ報道を信じていて、行動や活動を抑制して、「貯蓄重視の生活」(脳の使い方としての生活習慣)を継続する場合と「発病を予防すること」を明確に意識した上で、「自分なりの具体的なテーマと役割り」を見つけて、「自分なりに意欲が湧いてきて、喜びや、時には生き甲斐を感じられるような日々の暮らし方」、生き生きとしていると感じられる「脳の使い方」としての『生活習慣』を構築し、継続できる「第二の人生」を送ることになる場合とを比較してみれば、「介護に要する費用」(現在、単年度ベースで10兆円超)の大幅な減額と末期の段階(治すことも、症状の重症化の進行を抑制することも出来ず、「介護が不可欠となる」大ボケの段階で「発病を見つけ発病のレッテル貼り」をしているだけの診断の上に、治療の効能が無くて、単なる「対症療法薬」に過ぎない薬(アリセプトを含む4種の薬。今回の、アデュカヌマブはそれらよりもっとひどい物)を処方されているだけのものである診断費用の大幅な減額の問題(これも、単年度で10兆円を超える規模になっているはず)に加えて、第二の人生を送る高齢者の日々の行動や活動や交遊等の活発化による、「地方の地域の活性化」による経済活動の創出効果も極めて大きなものとなるのです。

「アルツハイマー型認知症」の予防活動に取り組む専任の保健婦さんを配置して、地域の色々な組織やボランティアを取り込み、継続的な自主活動として、地域単位で予防に取り組むしか問題を解決する方法はないのです(治療薬の効能を有する薬の開発は、未来永劫、有り得ないことなのです)。)「アルツハイマー型認知症」の発病及び重症化が進行するメカニズムの詳細については、このブログの(F-09の&7)を参照して下さい。

本著作物「F-10」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。

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