kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『127時間』を観て

2011-07-08 21:44:30 | アメリカ映画 2011

11-44.127時間
■原題:127Hours
■製作年・国:2010
年、アメリカ
■上映時間:94分
■字幕翻訳:林完治
■鑑賞日:7月1
日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:1,000円

 
□監督・脚本・製作:ダニー・ボイル
□脚本:サイモン・ビューフォイ
□撮影監督:アンソニー・ドッド・マントル、エンリケ・シャディアック
□編集:ジョン・ハリス
□美術:スティラット・アン・ラーラーブ
◆ジェームズ・フランコ(アーロン・ラルストン)
◆アンバー・タンブリン(ミーガン)
◆ケイト・マーラ(クリスティ)
◆クレマンス・ポエジー(ラナ)
◆ケイト・バートン(アーロンの母)
◆リジー・キャプラン(ソニア)
【この映画について】
『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞8部門に輝いたダニー・ボイル監督が、断崖に腕を挟まれ動けなくなった男性の実話(アルピニストとして活動しているアーロン・ラルストン氏の実体験をもとにした原作「127時間」)を映画化。
落石に運命を決められた瞬間から、生命の限界を迎えるまでの127時間、死の恐怖に直面し、絶望の底で“人生”を体験する。そして遂に彼はある“決断”を下す―何が何でも生きるために…。
第83回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞をはじめとする6部門でノミネートされた。“生きたい”という情熱を体いっぱいで演じ切ったジェームズ・フランコの陽気さとクールさ、そして並はずれた演技力は驚嘆の一言だ。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
タフなヒーロー気取りで人と深く関わらずに生きてきたアーロン・ラルストン。開放的な陽気さとクールな一面を合わせ持つ魅力的な青年だ。2003年4月25日の金曜の夜、彼はいつものように1人でロッククライミングを楽しむため、慣れ親しんだユタ州、ブルー・ジョン・キャニオンに向けて出発する。妹のソニアからの留守電メッセージが流れるが、準備に忙しいアーロンは電話に出ることは無かった。

朝、車から降ろしたマウンテンバイクにまたがり、ビッグ・ドロップへと向かう。道に迷ったクリスティとミーガンに出会ったアーロンは洞窟へのガイドを買って出る。岩と岩の狭い隙間から、真下に広がる泉にダイブするアーロンに驚き、心から楽しんだ彼女たちから、別れ際に明日のパーティに誘われる。
2人と分かれたアーロンは、目的地のビッグ・ドロップに向かう途中、落石に右腕を挟まれ、狭い谷底から一歩も動けなくなってしまったのだ。助けを求める叫び声は無人の荒野に虚しく響き渡る。知識と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ガッチリと挟まった岩はピクリとも動かない。死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、両親にも、友達にも、恋人にも決して心を開かなかった。

衰弱してゆく身体を引き裂くように襲い掛かる後悔、それと同時に湧き上がる“生きたい”という生への執着と情熱。そして生命の限界を越えた127時間後、遂に彼は決断する……。

うんともすんとも言わない巨岩に挟まれた腕、彼の生への執念からあらゆる知恵と経験から手段を講じたが、遂に、アーロンは究極の措置を取った。それは...持参した登山ナイフで自らの腕を切り落とすという決断だった。登山ナイフという本来の目的外の使用に、彼の腕は感覚を失ったままひたすら生の為に腕にナイフを突き刺すアーロン。
彼の執念が実り、腕と引き換えに何とかこの窮地を脱出し、地上に到達した彼は途中通りかかった二人に救助された。
彼は岩に閉じ込められていた127時間、この間に彼の脳裏には自分の人生についてあらゆる場面が走馬灯のように駆け巡っていた。親に対する感謝や妹の結婚式をすっぽかしてしまったことや、アルバイト先の店長が救助要請を出してくれることへの期待や、クリスティとミーガンとの再会など。
その後、彼はこの体験を元に各地で講演活動に忙しいそうだが、それでも、キャニオニング(渓谷歩き)は今でも一人で続けているそうだが、行く前には必ず家族に行き先と予定を告げてから行くことにしたそうだ。

映画としては大部分が主演ジェームズ・フランコの独演で、共演者の登場シーンも冒頭の二人の女性程度。更に、場面も殆どが岩山と岩石に挟まれて窮地に陥るシーンだけ。こういう限定的なシーンの連続でも、ボイル監督はアーロンが生への執念を見せる場面を工夫し退屈させない。
ジェームズ・フランコの演技も、絶望的な場面ばかりの演技では得てして暗くなりがちだが、彼の個性で決してめげない明るさと生への執念をみせる演技はアカデミー賞主演男優賞候補に相応しいものだった。最後に、本物のアーロンが登場したのも、本作の出来ごとに真実味を持たせる意味でも正解だった。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (リバー)
2011-08-29 18:14:22
TB ありがとうございます。

ダニー・ボイル監督のセンスが光り
ジェームズ・フランコの演技の素晴らしさ

生きること、諦めぬこと、響きました。
Unknown (kintyre)
2011-08-30 22:14:03
>リバーさん、こんばんは
ダニー・ボイル監督は、閉鎖的な場面の連続ながらも、映像的にも工夫されて娯楽性を持たせる所に非凡さを感じました。
主人公の自分の体を切り刻んででも「生還したい」との思いは心に響きましたね。

コメントを投稿