kintyre's Diary 新館

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映画『許されざる者』を観て

2013-09-17 23:21:22 | 映画・邦画

13-73.許されざる者
■配給:ワーナー・ブラザース
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:135分
■料金:1,800円
■観賞日:9月16日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)



□監督・アダプテーション脚本:李相日
□アダプテーション脚本:デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
◆渡辺謙
◆柄本明
◆佐藤浩市
◆柳楽優弥
◆小池栄子
◆忽那汐里
◆三浦貴大
◆小澤征悦
◆國村準
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
米アカデミー賞4部門に輝いたクリント・イーストウッド主演・監督の傑作を、渡辺謙主演でリメイク。舞台を19世紀の北海道に移し、かつて江戸幕府の残党として京都中にその名を轟かせるも、二度と刀を持たないと誓った男が辿る数奇な運命を描き出す。
明治13年。開拓が進められている北海道に、かつて人斬り十兵衛との異名を持ち恐れられていた幕府軍残党・釜田十兵衛がいた。十兵衛は愛する女性と出会ってから刀をしまい、子どもをもうけた。
幸せも束の間、妻は早世し、男は幼い子どもを抱えて貧しく厳しい生活をしていた。そこへ、かつての仲間がやってくる。そして、無残にも切りつけられた女郎のこと、街を牛耳る暴力的な支配者がその事件に関して深追いさせないこと、女郎は支配者に逆らい仲間たちとともに賞金を作り敵を討ってほしいと懇願していることを話す。十兵衛は自分のためではなく他の者のために、あらゆる覚悟を背負い、再び刀を手にするという苦渋の決断をする……。

オリジナルの時代は西部開拓時だが、同じ頃の日本=明治維新後の蝦夷(えぞ)に変えての設定で始まる。イーストウッド版は残念ながら未見なので、比較出来ないのが残念だ。
イーストウッドが邦画としてリメイクされるのを許可したのは、主演に渡辺謙を当てたからではないだろうか?逆に言えば彼主演以外ではOKを出さなかっただろう、これは私の推測だけどね。
人斬りとして恐れられていた十兵衛も、今では北の痩せた台地で妻子とひっそりと暮らし、妻に二度と人斬りはしないと誓っている。だから、かつての仲間である金吾が賞金目的での人斬り話を持ちかけても渋っていた。だが、妻に先立たれ貧しい生活を子供にさせている負い目もどこかにあったのか、結局は応じてしまう。賞金目当てに多くの刺客が訪れるが、最後は、この二人に和人とアイヌの血を持つ沢田の三人で始末するが金吾は命を落としてしまう。

女郎の復讐を果たした沢田と十兵衛だが、十兵衛は重傷を負う。亡き妻との約束を破り、二度と人斬りをしないと誓っていたのに守れなかった自分は「許されざる者」であるという重い十字架を背負ってしまった後悔からか、溺愛していた息子は沢田と女郎なつめに託して行行方知れずとなり消えて行く。一体、どこへ消えて行ったのか誰にも分からないが、妻へ合せる顔が無いとの思いもあるから、墓参りにも行けないのでは?
タイトルの「許されざる者(Unforgiven)」は何も十兵衛だけではなく、登場人物それぞれが何か「許されざる」過去や罪を抱えて生きているとも思える。まあ、この辺は観た人によって解釈は異なるでしょうがね。

邦画として成立しながらも洋画のリメイクとして製作された本作は映像美、俳優の演技(特に渡辺謙と柄本明は凄い!)などどれを取ってもイーストウッド監督を納得させる出来だと思う。特に、オープンセットがまるで明治初期を思わせてくれた。



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