月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

当ブログ(ていうより私?)を紹介していただきました!

2020-02-21 06:15:25 | 撮影
『火星で育てるならじゃがいもよりきのこ』

『デイリーボータルZ』にて公開中!
なるほど、ちょっと読んでみたくなるキャッチーなタイトル、お見事ですな。
今までこのブログで自分の顔をさらしたことはなかったので、ちょっと恥ずかしいです(^^;


去年の12月、gooブログから連絡があり、『月刊きのこ人』管理人としての私に取材したいとのこと。

「??」

人気ブログというわけでもなし、それでなくとも更新をサボりがちな私に取材とはどういうことか。さてはあやしいセールスだろうかと一瞬思ったけど、文面から見る限りそんな感じはしない。
取材OKの返事をすると、年明けに取材を受けることに。是非にもフィールドへ同行したいという。この時期に??

当日、デイリーポータルZのライターさんとgooブログの方、二人がいらっしゃった。若くて人当たりのいい感じ。私も緊張せず、とても話がしやすかった。
今回の取材はライターさんが主導しているようで、けっこうグイグイ押してくる。予想外に本気度が高く、こっちも乗り気になって楽しかった。

フィールドに出ると、さすがに時期が厳しく、あまり写真映えのしそうなキノコはなかったが、しょぼいキノコを頑張って撮影するのも醍醐味ではあるので、それなりに撮れ高はあった?かな。
どうも今回の趣旨は、アクセス数を稼ぐことを念頭に置いてるようなプロブロガーどかではなく、純粋に趣味でやってるこだわりの強いブロガーを対象に取材している、ということらしい。
まあ、その点、このブログは毒キノコ食ったり、キノコポエムつくったり、意味不明なキノココンテンツがそろってるしな・・・

ライターの安藤さんは、単に仕事で取材している、という感じよりもずっと前のめりな、攻めてくる感じで話を聞いてくる。これがシロウトから面白い話を引き出すテクニックなんだろうな、と思うと同時に、彼自身の魅力も感じた。(あとで調べたら、経歴からしてめっちゃ面白い人だった)

出来た記事は想像以上にボリューミー。フィールド取材を推した意図もこの記事を読んでよくわかった。面白くまとめてくださり、ありがとうございました!

ちなみに、私の前に取材したという『貝殻爺』の記事も面白く。このマニアブロガーを取材するシリーズ、これからも続くらしいので、私も追いかけて読みたいとおもう。


外生菌根菌とAM菌

2020-02-16 21:52:32 | キノコ知識
季節的にネタがないので、キノコの基礎知識をわかりやすくまとめた記事も書いていこうかと思う。今回は、菌根菌について。

テングタケ、ベニタケ、イグチ・・・私が好んで撮影しているキノコの多くは生きている木の根っこに取りついて暮らしている菌根菌だ。木が光合成で作った栄養を分けてもらうかわりに、菌糸を細く長く伸ばせる特徴を生かして集めてきたミネラルや水分を提供している。たしかに彼らは、樹木のパートナーとして生活しているわけだが、樹木にとってはその実、パートナーというよりも、生きるために欠くべからざる存在、必須の生活インフラに近い。人間で言えば電気や水道にあたる。彼らのおかげで生活力が格段に高まる。逆に菌根菌のサポートがなければ高い確率で木は枯れてしまうのだ。

ところがだ。先ほど挙げたキノコたち(専門的には「外生菌根菌」という)は、ごくごく一部の樹木としかパートナー契約を結べない。日本だと、マツやナラの仲間にほぼ限られてしまう。
では他の木はどうしているんだろう。無しでやっているのか?

そんなことはない。実は、菌根菌にはもうひとつ大きなグループがあるのだ。
「アーバスキュラー菌根菌」、別名AM菌。なにやら長くて小難しい名前だが、菌根菌と言えばむしろこちらが本家だと言っていい。
なにせ、四億年も前、いや、もっと古く、植物が上陸したころからすでに存在した彼らは、樹木はおろか、コケやシダを含む大半の植物と菌根を作ることができるのだ。
もちろん畑で育っている野菜にだって共生している。農業資材として菌が売られているくらいだ。

しかし、彼らはキノコを作らない。普通に生活している人間の目が彼らをとらえることは絶対に無いと言っていい。しかし、地球上の植物の大半は彼らの助けなしでは弱ってしまうか、あるいはちょっとしたことで枯れてしまう。

真の「縁の下の力持ち」とは彼らのことだろう。AM菌、人間にとっても欠かせない菌類。心にとどめておいてほしい。

ろくしょうぐされきんもどき

2020-02-08 00:10:38 | キノコ
山へ行くと、中まで緑色に染まった枯れ木が転がっていることがある。誰かが絵の具を染みこませたんじゃないかと思うほど不自然なくらいの緑色。あれは人ではなく菌類の仕業である。

ロクショウグサレキン。ロクショウ、すなわち「緑青」は金属である銅に生じるサビを指す言葉で、文字通り青緑色をしている。そんな緑青色をしたキノコは、腐らせた材まで緑青色にしてしまうのだ。
キノコは直径5ミリほどのごくごく小さい皿型。きちんと調べなかったので分からないが、これはモドキの方であるように思う。
それほど珍しいキノコではないが、湿り気が好きなのか、たいてい材の下側に生えているので、シャッターチャンスはなかなか巡ってこない。もし観察したいのなら緑色の枯れ木を見つけて手あたり次第に裏返してやると見つかるだろう。

ちなみに緑色に染まった材木を使って染めものができるそうな。

『ほなまた』

2020-02-04 12:26:10 | キノコ本
『ほなまた』 こしだミカ著

濃ゆい絵がらのキノコ絵本。
妙に人間味のある動物たちが、地面からにょきにょき生えるキノコを見つけて目を輝かせる。
食べ物として天然キノコを扱いつつ、生き物としての側面にも触れているという純度の高いキノコ本。


動物のメンツはイノシシ・サル・モモンガ・ハエ。獣だけかと思ったら、なぜかハエっていうのが(笑)
でもこのハエの描かれ方がとてもよい。表情まで伝わるようだ。
他の獣たちも挙動や表情が豊かで、なにやらオジサンくさい。イメージ的にイノシシはバブル期のモーレツオヤジ、サルは蘊蓄オジサン?


キノコ(菌根菌)が胞子から発芽して木の根っこに向かって菌糸を伸ばすの図。
学術的だな。こういうのはなかなか珍しく、理系男子としては嬉しいところ。

枯れ木の樹皮をモザイク風に一枚ずつ色を描き分けていたり、背景のあちらこちらで小動物が躍動していたりと、地味な里山にも豊かさがあることを伝えてくれる。
また、そういう細かい部分ももちろんだが、目力の強い獣や人物の造形にもついつい目を奪われる。現代風のカワイイとかには程遠いが、気に入る子供も多いだろう。少なくとも私は好きだ。

文章はそれほど多くなく、3歳くらいから読めそうだが、小学生低学年くらいでも楽しめるハズ。




まゆはきたけ

2020-02-01 22:10:07 | キノコ
神社の切り株にベージュ色の小さなキノコ。でもよく見ると変な形をしている。土管みたいな黒い筒の先に、筆みたいな毛が生えて垂れ下がっているみたいな??

名はマユハキタケ。「マユハキ」は『眉掃き』で、かつて女性の化粧道具として用いられた小さなハケのことを指すらしい。そう言われれば確かにそんなような形だな。

で、この眉掃き。キノコとしてはかなり珍しい形で、似たものはちょっと思いつかない。それもそのはず、分類を調べてみたら変なグループに属していた。
子嚢菌類のユーロチウム目。ぜんぜん耳慣れない。どちらかと言えばキノコではなくて、カビが属するグループである。

でも、実を言うと、ここで言うところのキノコとカビって、境目があんまりはっきりしていない。菌類の専門家に聞いても当たり前のように意見が食い違う。さらに言えば、ひとつの種類の菌が、状況に応じてキノコを作ったりカビを作ったりと、2つの形態を使い分けるなんてこともザラにあるのでややこしい。マユハキタケにもカビ世代があるんだろうか。

マユハキタケはタブノキに好んで生える。暖帯の照葉樹林に多いタブノキは三重でもごく普通に見かける樹木だけど、マユハキタケはそれほど見かけない。ただ、一度発生すれば2~3年の風雪に耐えられるキノコなので、見つけることができれば当分の間は楽しめる。