田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

梅林寺外苑の梅が見頃

2022年03月07日 | 季節の花巡り

 今月2日の梅林寺外苑です。今年は梅の開花が遅く3月になって見頃を迎えていました。

 紅梅は盛りを過ぎようとし、ピンクの梅は満開近く。白梅は7分咲きです。

 梅は馥郁たる香りがするといいます。私は嗅覚が鈍いのか梅の香を知りません。この日は風が強く、香りもとんで行ったのでしょう。

 梅林は広くはありませんが、梅の名所として知られています。

 外苑を出て寺の伽藍の方へ行きます。

 大庫裏の前には松が数本。外苑とは違って粛然としています。

椿の向こうに禅堂。今年の椿は花数が少ないです。

 本堂の唐門前に白梅が咲いていました。瓦の紋は有馬家の家紋の一つである竜胆車です。ここ梅林寺は有馬家の菩提寺で、霊屋は国重要文化財に指定されています。

 紅梅と経堂。

 外苑へ戻ってきました。ここ数年、手前の白梅はあまり元気がありません。

 外苑の一角に菅虎雄の顕彰碑が建っています。菅は久留米藩典医の子息で、夏目漱石とは学生時代からの親友でした。生真面目で面倒見がよく、漱石が鎌倉円覚寺へ参禅するための紹介状を書いたり、松山や熊本での就職を世話し、終わりには漱石の死後に墓の碑文を揮毫しました。その縁で五高時代に漱石は何度か久留米に来ています。明治29年には梅林寺を訪れ、老師と夜遅くまで語らいました。碑にはその時に詠んだ自筆の句が刻まれています。

  梅林寺

 「碧巌を提唱す 山内の夜ぞ長き」 夏目漱石

 右手の建物はティーハウス。普段は店を閉じています。小さな喫茶室で満席でした。

 漱石の逸話にはもう一人、久留米の人物が登場します。俣野義郎という五高の学生で、熊本時代の漱石の家に書生として住み込んでいました。漱石の妻である鏡子の口述本「漱石の思い出」では、「吾輩は猫である」中の愛嬌者の多々羅三平のモデルとして面白く紹介されています。ハチャメチャな性格だったようで、腹も立った代わりにずいぶん笑いの種を蒔いたと、いろいろな珍談が語られています。

 

 

 

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