田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

旧長崎街道 塩田津の町で

2021年12月22日 | 肥前鹿島

    先月の初めに鹿島へ行きました。いつものドライブコースです。いまの季節、道の駅ではカキ焼きが人気です。鹿島から太良町にかけて海沿いを走る国道207号には牡蠣焼きの店が点在していて、別名「カキ焼き海道」と呼ばれます。

 有明海は引き潮が始まっていました。干潟では地元の人がガタスキーで漁をしています。長い棒を干潟に突き刺しているので、たぶんワラスボ漁ではないかと思います。ワラスボは有明海のエイリアンと呼ばれている珍魚です。むかしシガニー・ウィーバー主演の「エイリアン」という映画がありました。あれそっくりの魚です。

 鹿島からの帰り、殿ノ橋(とんのはし)という交差点からちょっと寄り道をしました。分岐から5分ほど走ると塩田町へ入ります。ここは旧長崎街道の宿場町です。むかしは塩田津といい、有明海の干満の差を利用した川港でした。満潮の時に積み荷を満載した船が遡ってきます。

 塩田宿の街並み。いつも近くを通っていますが訪れるのは初めてです。重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。塩田町は合併して嬉野市になりました。嬉野は内陸の温泉町と思っていたら、いまは海辺の町の鹿島市と隣り合わせです。

 写真の右端は駐在所。隣は登録有形文化財の杉光陶器店です。その向こうに国重要文化財の西岡家住宅があります。江戸時代には廻船問屋を営む豪商でした。

 土産物屋やカフェとして使われている建物もあります。私が行ったのは平日ですが、観光客もちらほらと見かけました。

 

 

 白壁の2階窓にアベックの西洋人形がいました。

 路地奥の本應寺は塩田宿の本陣として使われていました。

 

 旧検量所の建物です。天草から船で運ばれた陶石の集荷所で、陶土組合の事務所でした。目の前を旧塩田川が流れています。塩田川は暴れ川でたびたび氾濫するので、長崎街道は宝永年間に塩田宿経由から武雄経由に道筋が変更されました。現在の塩田川は近くに付け替えられています。

 右が旧検量所。この辺りは御蔵浜と呼ばれ、塩田川からの荷揚げ場だったそうです。左の旧下村家住宅では手作りのワークショップが行われていました。

 

 商店の中に恵比須さん(たぶん)の張りぼて。季節の行事に使われるのでしょう。塩田津にはあちこちに恵比須像があります。

 街並みからはずれた旧街道沿いにモダンなデザインの塩田中学校があります。7年前の改築の際、治水上の理由から高床式の校舎になりました。すぐ横を塩田川が流れており、ここは浸水想定区域なのです。以前、塩田川が氾濫した時は1メートルの高さまで校舎が水没したそうです。

 今年も押し詰まってきました。ささやかながら毎年、孫たちにクリスマスの贈り物をしています。欲しいものはそれぞれですが、保育園に通う孫娘の希望を聞くとiPadかパソコンとのこと。家で親のを借りて遊んでいるらしい。小学生の孫たちは学校から貸与のパソコンで勉強しています。スマホは孫の方が詳しいし、時代は変わりました。

 

 

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 塩田宿の街並み (tango)
2021-12-22 20:38:43
興味あるところですね
良い所を見せていただき、いつか時間が取れたら
立ち寄って見たいです
カキ小屋はここも多いのですね?
糸島より多いのでしょうか?
鹿島も糸島もどちらも好きな雰囲気です
おはようございます (九州より)
2021-12-23 08:30:23
太良町には10軒ほどのカキ焼き店があり、
国道207号沿いや海に面した竹崎温泉に点在しています。
太良町は竹崎かにも有名です。
この辺りには時々ドライブに行きます。
糸島には行ったことがないのです。
街道 (tyako)
2021-12-23 20:43:27
こんばんは。
塩田宿の街並みは、旧街道をそっくり保存しているようなところですね。
電柱がないのが素晴らしいです。
地域の皆さんの熱意のたまものです。
良いところを見せていただきました。
tyako様 (九州より)
2021-12-23 22:06:11
こんばんは。
伝統的建造物の保存地区に指定されている所は電線の地中化が進んでいますね。
古い建物が修復されたり、
新しい用途にリノベーションされたりしています。
いずれも地元の保存活動があってのことです。
こういう所をよく歩いています。

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