わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

敦盛・童子 その2

2020年09月27日 | 能面

9月も終わりそうだ。この時期、「2個のお面の同時彫り」を初めてやっていたのだが、一応はうまい具合に進んでいるので、その結果をちょっとだけお知らせします。

なお、同じようなお面だったので、撮った写真も同じに見えるから、間違って説明する場合もあり、このあたりは高齢者の戯言としてご勘弁を・・・

下は敦盛だ。腐っていた材料の表皮部分を削り取り、修正材を使って埋め戻したところだ。こうすれば、何とかうまい具合に彫っていくことが出来ると考えて、それを実行したところ。修正材はノコ屑に木工用ボンドを混ぜたもので、これを使う事で一応は不良部分を復元出来る・・はず。

下は数日経ち、乾燥した表面を上手に削った結果である。ただ、この部分は良く切れる彫刻刀を使っても、なかなかうまくいかない。それほど固い補修箇所になり、作業も大変である。また、表面がわずかにでこぼこが残り、木材のようにつるつるにはならないため、彩色段階で、この「無数の穴」を胡粉で埋める必要がある。

下は27日の段階。素彫りの完成だ。

下は童子の姿。材料の状態は敦盛と同じなので、同じ部分を修正したところ。症状としてはこちらの方が広範囲である。また、深さもあり、補修も大変。

敦盛と同じように、修正した部分に「ポツポツ」部分が見えるが、これが乾燥したときでもそのまま残り、彫刻刀できれいに削った後にも、細かい穴として残ってしまう。これについても敦盛と同じように、彩色段階で胡粉を使い、穴を埋めた状態にして滑らかな表面に仕上げる必要がある。

乾燥したところだが、表面はざらざらのまま。

下の写真はこれも27日の成果であり、この段階で素彫りの完成である。

さて、こうして2個同時の作業は一段落したところだ。作業開始が10日だから、おおむね3週間で素彫りが終わったことになる。しかも2個だ。

いずれにしても、最近は作業機関が短縮の方向にあり、今回もその方向性は維持されたのだが、まあ、今回はたまたま比較的作業手順が簡単なお面だったから、早めに出来上がった・・というあたりだろう。

最近は自身にも腰痛や肩の痛み、膝が弱くなってく来ているなど、特に高齢化が進んできている感覚もあり、自分でキチンと体調管理を行っているつもりだから、作業時間には気を遣っているところです。

 

彩色は、明日あたりから始めることになるが、今回は4個のお面を同時に実施するから、気合いを入れて行かなくちゃ。

 

 

 

 

 

 

 

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敦盛・童子 その1

2020年09月14日 | 能面

今回は、2個のお面を同時に作成している過程を紹介します。

「敦盛(あつもり)」と「童子(どうじ)」を同時に彫っていますが、それについては以下の通り。

1 敦盛(別名は十六とも言う):     2009.06    2009.11  2019.03 に作成。

2 童 子:2017.07  2018.06   に作成。

今回は、都合により小さめの材料を2個入手した。しかし、この材料は不良品であり、通常なら売り物にはならない。ただ、私も能面製作20年選手であり、過去にも不適な材料を工夫しながら補修をして、うまい具合にお面を彫り上げるという技術を経験してきた。従って、今回の材料もそれなりに工夫をして彫れば、何とかなるという程度の不良品なので、その手法を使ってみようという具合です。

さて、これらのお面の見本は次の通り。

1 敦盛(別名:十六)の見本。

上の写真を見本に彫った自分の作品が、下の写真。表情は若干違うものの、まあ良いところかな。

2 童 子 の見本。

上の見本を参考に自分で彫ったのが、下の写真だ。これも表情に違いはあるものの、まあこの程度なら納得の範囲だろう。

作業開始は10日だが、下は11日の出来具合だ。今回は2個同時の作業なので、それぞれの進み具合は、これまでの半分程度だろう。この材料についても、表面の左側が木の表面部分(木皮)に相当する部分が露出しているところ。

本来の売り物材料なら、こういった部分は製材時に切り取っているのだが、貴重な材料を有効に使うと言う理由から、ぎりぎりいっぱいの製材をしているのかも。ただ、その分、価格も安いから、良しとしよう。

下は12日の作業過程。お面を区別するために、ひたい部分に名前を書いている。

下は童子の11日の結果。これについても作業開始は10日である。進み具合も、ま、こんな程度だろう。お面の左側には不良品の原因が見える。これは敦盛と同じように、木の表面の部分らしい。いわゆる木皮の部分だ。うまく処置をしよう。

下は13日。

下は、2個のお面を同時に彫っているという証拠写真。これも13日だ。

と言うことで、初めて2個のお面を同時に彫っているのだが、これも10月の能面塾までの期間(10月14日までの一ヶ月間)を目安に作業をつづけていくことになる。ただ、間違って作業をする可能性もあるから、きちんとお面に名前を書いているものの、ま、後期高齢者だから間違いも起きる・・と思う。

 

 

 

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増髪4 その2

2020年09月09日 | 能面

前に紹介したときから少しだけ経っているが、結局は予想通りに出来上がった。

予定では今日9日には「素彫り」が終わっており、能面塾の講師に点検をして貰うという段取りである。その予定通りになってしまったが、ま、最近の作業傾向からみれば、この状態もやむを得ないと考える・・ことにする。

下は出来上がった「増髪(ますかみ)4個目」である。6日の写真だが、まだ色は付いていないものの、彩色は今後の予定になっており、その時期は今のところ不明。ただ、3個か4個の素彫りが溜まった時に行う方針なので、その時を待つことになる。今はこのお面で、素彫りは「鼻瘤悪尉」を含めて2個目だ。

あと2個か・・うーん、そうするとおおむね一ヶ月後あたりかな。

下は単に写真の向きを変えているだけのもの。同じお面である。

というわけで、今日にもこのお面を「能面塾」に持参して、講師の評価を頂くという手順である。ただ、評価を頂いた後には若干の修正があるから、それはそれで楽しみでもある。

 

と言うことで、8月27日から開始した「増髪4」の紹介は、今日でおしまい。また、次の課題はまだ決め手はいないものの、入手する材料の種類により決めることになる。ただ、今のところ、恐らく女面か、青年のお面の材料を入手する事になりそう・・・

 

 

 

 

 

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増髪4 その1

2020年09月03日 | 能面

暑かった夏も過ぎ(?)て、とうとう9月に入った。ただ、残暑もあり、特段に涼しくなって来たわけではないから、それなりに過ごしているところ。ま、実は汗をかきながら作業をしているのが実情である。

さて、今回の課題は「増髪(ますかみ)」だ。これに決めたのは手持ちの材料の大きさと、まだたくさん彫っていないお面を探した結果である。だが、「増髪4」ということはすでに3個は彫っていると言うことなので、「たくさん彫っていないお面」とはちょっと違うかも。

前置きはこれぐらいにして、作業の進み具合を紹介する。

参考にしたのは下の写真だ。増髪でも様々な表情があり、険しい表情よりは若干優しい表情の方が自分好みでもあるから、この写真にした。

上の写真を参考に自分で彫ったのが、下の写真。日付は2018年10月だが、実はこれは2個目である。で、3個目は今年の5月に彫っていたが、そのお面は今年の「能面教室」の課題でもある。ただ、すでにその課題を消化していたから、改めて4個目を彫り始めた・・というあたりかな。

ここから本番である。下の写真は8月27日だが、型どりやらお面の周囲を切り取る作業などは、この日の午前中に行っており、これは午後の作業が終了した段階である。それでもトータル的な作業時間はおおむね2時間程度にしており、無理はしていない。

下が8月28日の結果。一日でここまで進むのだ。これはすごい。

下は8月30日の結果。

下は8月31日の結果。全体の表情もすでに見えているから、今後の作業は慎重に!!

で、いよいよ9月に入り、9月3日の結果が下の通り。すでにやすりがけが行われており、完成度としては表面は8割ほど出来上がっている。ただ、ここまで来る間には、裏彫りを3回ほど行っているから、その分、若干の日数がかかっているものの、まあ、これもやむを得ない事だろう。そのため、この段階では、裏彫りはほぼ出来上がっているところだ。

こうしてみれば今日はまだ3日だし、来週の水曜日(9日)には「能面塾」があり、その時に講師に評価をして貰うとしても、その付近ではすでに「素彫りの完成」の域まで行ってしまうのでは・・・と考えている。

今回も作業時間はそれなりにかかっているとは言え、2週間で女面を1個彫ってしまうなら、「いや、早いな」的な雰囲気もでてきたところなので、要注意・要注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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