わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

般若8 その3

2019年10月27日 | 能面

前回から一週間以上が過ぎたのだが、外観はそれほど変化していない。そのぐらい作業が大変なお面と言うことなので、まあ、これはやむを得ないだろう。あえて作業が面倒なお面を選んだのは、単に「手間や時間がかかった方が面白い」という言い分けのたぐいであり、今回もそれほど大きな問題ではない。

上は21日だ。この般若では特に手間のかかる部分で、口の中の作業である。実はここだけでも数日はかかるほどに面倒な作業箇所なので、この部分を上手に完成させることで、その技量が分かる。

口の形と歯の部分をバランス良く書き込み、それに沿って正確に彫り込んでいく・・ということなのだが、それが実に大変なのだ。左右の形が同じになるように書き込むという単純な作業。それがなかなかうまく書けないね。どうしても不揃いになって、形が崩れてしまう。何度も書き直して左右が対称になったあたりを見込んで、実際に彫っていく。

上は口の中をある程度彫り進んだところ。22日だが、口の部分だけではなく、全体を見ながら部分的に修正を行っているので、けっこう日数や時間がかかっているところだ。もちろん、同時に裏彫りもしており、それにも時間がかかっていることもある。実は、この般若の裏彫りも大変。特に口の周りは深く彫る必要があり、気合いを入れつつ慎重にノミを打ち込んでいかなければならない。無理をすると割れてしまうから、力の入れ加減は特に慎重に。

上は26日だ。1枚上の写真からここまで来るのに実に4日もかかっている。もちろん口の中を彫っているのだが、同時に裏側も深く彫り、貫通させなければならない。それらの作業に4日間もかかるほど、大変な作業だった。

こうしてみれば、ほぼ出来上がっていることが分かる。この時点では細かいノミ跡は消えるように大きな「平刀」を使い、滑らかにしていく。その結果、ほぼ出来上がって見えるところかな。いや、大変だった。うーん、さすがに手首が痛いぞ・・・

さて、上は恒例の「サンドペーパーがけ」を施したところ。27日だが、角(つの)を残してほぼ出来上がっていると言っても良い。まあ、目の中の黒目部分はまだ空けてはいないが、角を含めて素彫りの完成予定は、11月6日の能面教室を見込んでいる。

ただ、このお面の作業開始が今月の10日あたりだったから、「真鍮製の眼球」の製作を含めるなら、来月の能面塾が11月13日だから、その日までかかっても「おおむね一ヶ月」の期間が保てる気配なので、その日を素彫り完成の目標にしてもいいかな。

 

うん、まだまだ十分な時間の余裕があるぞ・・・

 

 

 

 

 

 

 

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般若8 その2

2019年10月19日 | 能面

順調に彫り進んでいた。ただ、材料は良質とは言いがたいようで、正面左側の端に「虫食い」部分が見えてきた。これは材料だけの時は見えなかったのだが、彫り進んでいったところ、その部分が表面に出てきたという具合。

当初はその部分をちょっと補修すればOKだと思っていたところ、どうも上下に長い部分に虫食いがあることが判明した。従って、この部分を取り除き、別の材を貼り合わせた方が良いとの判断から、その作業に入った。それが下の写真だ。

上は16日のあたり、右あごの部分にちょっと筋が見える。これが虫食いの部分だ。実はこれが右の耳の下を通って頭の部分まで貫通している事が分かったのだ。で、この部分を一気に切り取って、別の部材を貼り付ける・・・ということにした。

上がその状況。耳を含めて頭の部分からあごの部分までを切り取り、余っていた部材を貼り付けたところ。作業の範囲は「補修」ではあるが、これは顔の右側面を大きく切り取った大手術の部類に入るだろう。使った材料は、この般若の表面を切り取った時に出た余分な材料(2個のうちの1個)だ。残りの一個は「角(つの)」に使っている。

上は、乾燥した後に余分な部分を切り取り、表面になじませたとろろだ。なかなか良い具合に修理が進んでいる。貼り付けた接合部分が見える。

上は、更に図面の型に沿って彫り進んでいくと・・・なかなか具合がよろしい。下側には補修で貼り付けた部分の筋が見える。この部分が修理した場所だ。違和感はないが、彩色したあとにも筋が見えるかも知れない。

で、これが今日19日の姿だ。この補修作業は16日から始まり、3日をかけてほぼ元通りの姿に戻ったから、この作業の手順は正解だろう。

全体的に見てもまさしく般若である。今後は口の中の造作作業に入る予定だが、裏彫りもまだ浅く、まあ急ぐ必要はないので、慌てずに、無理をしないでのんびりと行こう・・・

というあたりでした。

 

 

 

 

  

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般若8 その1

2019年10月13日 | 能面

「般若」だ。手に入れた材料の寸法から決めた課題だが、このお面もずいぶんと彫っている。タイトルが8個目だから、それなりの数を完成させているが、7個目を彫ったのは今年の6月だから、ちょっと前の話。

これに決めた理由は前回も書いた。単に能面仲間が彫っている最中だったからと、材料が般若に適していたからという、単純な理由。もっとも、「般若」は「小面」と並んで能面の代表作でもあり、誰もが知っているお面であるから・・という、言い訳も成り立つところか。

で、今回の見本は下の写真。ネットから見つけたものだが、これを見本にして彫ったお面は数個になる。これは真正面から撮られており、いろいろとサイズを参考にしたときに具合が良いところ。で、今回もそれに習って参考にする事にしよう。

下は作業開始だ。10月10日で、丸鋸を使いつつ大胆にカットを行っているの図。

下は11日だが、顔の輪郭を削って表面の細工をしたところ。この形で般若と判別出来たなら、これは本物の能面師かな。

下は12日だが、もう表面の形が見えてきている。ここまで来れば般若と判別が出来るから、その段階なら、まあ能面彫りの上級者の部類だろう。

という具合に、台風の脅威も気にしない「不届き者」は、裏彫りを行うなどの作業を続けている今日この頃なのだ。まだ作業開始から3日目だよ!! 

こんな事をやっていれば、台風の被害者に申し訳ないし、バチが当たるかも知れないから、大いに気をつけなければ・・・

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

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曲見2 その3

2019年10月13日 | 能面

いよいよ素彫り完成。予定よりは若干早まったものの、能面塾での作業を最後に完成させた。その時に次の材料を入手したから、それの目標を決めてあれこれ想定しているところだ。

上の写真は10月7日。これが「曲見(しゃくみ)2」だが、完成品を飾っていた作業室の壁を眺めていたとこと、どうも似ているお面が複数あった。たしかこのお面は2個目だったはず。しかし、「深井」というお面が、どうもそっくりなので確認したところ、やっぱり。

この「深井」は2個を作っており、それを壁に飾っていた気配。完成品は下の通りだが、見た限りではえくぼもあり、ほぼ同じかな。2017/06 の写真だ。

ということで、上のお面を彩色すれば、恐らく下の深井と同じになりそう。ま、もしかして作者によって、単に呼び方が違っている程度の差かも知れないが・・・

 

で、次の課題を決めて作業開始。それは「般若」だ。実はこれは他の受講者が般若を彫っていたのを見たことと、今回は若干厚めの材料を入手したから、それに決めたという単純な発想でもある。

 

昨日から今日にかけて台風19号が関東に上陸しただけではなく、広い範囲に大きな洪水被害を起こした。観測史上最大の台風(降水量や風速)という位置づけだったのだが、その被害状況も観測史上最大になる気配。特に、これまで氾濫したことのない一級河川の堤防が決壊しており、この影響による被害も甚大になろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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曲見2 その2

2019年10月04日 | 能面

前回からおおむね一週間だが、全体の姿を見てもそれほど変化はない。これは通常の作業過程でもあるので、気にしないことにしよう。

この段階は細かい修正作業がメインなので、大きな変化は見えない。だが、細部については結構大変な作業が続いており、気合いを入れなければ「彫りすぎて穴が開いた」などの緊急事態が起きるところだ。

まずは裏の姿だが、上の状態だ。これでも結構深く彫っており、第3段階と言えるし、裏がここまで来ると、表面は仕上げの段階に入っている時期でもある。

上はひび割れや節穴の補修が終わった段階。1日の写真だが、額(ひたい)部分に大きな修正が見える。まあ、修正は材料の質などの関係もあるので、それを見越した「修正技術」も当然必要だし、能面製作20年選手を吹くなら、それぐらいの技術を持っているのも当然かな。

上の写真は4日の段階。目の形を整え、口の大まかな形を整える。更に鼻の形を彫り上げていけば、上の形に仕上がる・・・という具合だ。見た目はかなり出来上がっているので、今後は目の仕上げを行うことで仕上がる・・つもり。

明日からは目を彫り、口を仕上げて、その部分を裏側まで貫通させて完了だ。と同時に紙やすりで表面を滑らかにして、同時に裏彫りも完成させる。この作業は9日にある能面塾の日ごろまでを目標にするが、それ以前に作業が終わり、素彫りが完成するかも知れない。

という具合で、今回の作業も順調すぎるぐらいの進み具合だから、要注意だ。

前から書いているように、高齢者になって作業効率も低下してきているはずなのに、なぜか作業が早く進む傾向になっている。ましてや、今年はほぼ、毎月1個の割合で素彫りが完成しており、異常事態とも言えよう。もっとも、あえて言えば「最後のあがき」とも言い替えることも出来るので、今後の健康状態を注視しなければ!!

 

ではまた。

 

 

 

 

 

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