わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

弱法師1 その1

2021年07月28日 | 能面

猛暑が続いた日々だったものの、さすがに台風が接近し、東北地方にも雨風が押し寄せた。その結果、いくらか涼しくなったので良い具合でもあるが、ただ、湿度が強烈であり、むしむし。

で、お面はどうしたのかと言えば、前回ちょっと書いたとおり能面教室の課題でもある「弱法師(よろぼし)」の製作を進めている。また、今回も小型のお面なので作業は早く、すでに完成した。従って、その過程を紹介して、7月の作業を終えることにする。

下は見本の写真。今回も作者に無断でネットから採用した。参考とした複数の写真から、自分が感じるお面の感覚がぴったり合ったものであり、私の講師から頂いた写真よりも優れていたので、採用になったという具合。

作業開始は13日。この時点ではすでに顔の周囲を丸く切り取っており、かつ側面や裏側も若干切り取っている。このあたりは一日分の作業量だ。

下は14日だが、基準となる鼻の下側の位置、目の位置などを書き込んでいる。また、周囲を斜めに削って、いかにもお面の形を作っていくところだ。ここで、額(ひたい)部分に最初は見えなかった「節(ふし)」を発見。それを補修する作業が追加されたところだ。

下は17日だが、上の状態から3日経っており、見た目はかなり進んでいると思う。また、裏側は2度目の裏彫りを行い、ずいぶんと軽くなった。仕上がり具合はおおむね7割程度かな。ただ、隠れていた額の部分に節穴があったことから、その部分を取り除き、そこに補修材を充填して補修する作業も加わったので、若干時間がかかったかも。

上の状態からちょっと気合いを入れて、一日の作業でほぼ全体像が完成したところ。18日だ。

20日だが、全体を紙やすりで滑らかにしたところ。こうすることで細かい部分が発見できるから、修正がしやすい。この時点での完成度は8割以上だろう。

下は26日だ。上の写真から6日も経っている。さて、この間は何をしていたのか。もちろん、目の形を裏側まで貫通させたり、口の部分も裏側まで通した。それに従い、最終的な裏彫りも同時に実施する必要があるから、結構時間がかかると言うあたりです。更には、写真では4回の表面の彩色を行った後のものであり、この時点では当然として裏側にも工芸漆を塗っている。これらもろもろの作業の結果、6日間の作業期間が必要だったということだろう。

下は最終的な彩色を終えたところ。この時点で完成だ。27日の写真なので、13日の作業開始から数えれば約2週間で仕上がったから、今回も早いのかな。また、仕上げには乾燥したタオルでつやを出してはいるが、本来ならこのあとに陰影を付けるために古色を施した方が良い。この作業はまだだ。うん、今回も早いと言えるのかな。

この完成品をよく見れば、当然として見本とは若干違っているのだが、とりあえずは初めて彫ったお面なので、それらしい仕上がりになったのかな・・という自己満足で、今回はおしまい。

 

なお、手持ちの材料はあるのだが、次の課題はまだ決めていない。この材料は前回「小べし見」を彫ったものと同じサイズなので、もしかして3個目の「小べし見」になるのかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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雷4 その3

2021年07月09日 | 能面

今回の大物だった「雷4」も、何とか素彫りが終わった。予想通りの作業結果ではあるものの、細かい部分では前作とは違っている箇所が多い。当然として「基準となる正面や側面の型紙がなかった」ことが最大の理由ではあるが、だからといって理由はそればかりではないと考える。結果、自作の型紙で彫り進めて行ったために、「こんなものかな」という程度の認識で作業を終えた・・・というあたりかな。もちろん、過去の作品を参考に寸法を決めていたが、「同じ形状、サイズの物が出来るとは限らない」という見本でもある。

言い分けはこの程度にして、素彫りの完成品を紹介しよう。

下は「裏彫りの3回目」かな。この時点ではかなり深く彫っているものの、まだ鼻の穴や黒目の部分は貫通していない。3日の写真だが、この後は4回目の裏彫りで目の部分と鼻の穴を貫通させている。

下は7日の結果だ。あごの部分の彫り込みも終わっているから、この段階では完成度は9割程度だろう。ただ、まだ眉の部分と頬の下の部分の飾りが出来ていないから、完成はもう少し後になる。なお、眼球が貫通しているから、最後の裏彫りも無事終わっている証拠でもある。

眉の部分と頬の下の部分に飾りを入れたところ。実はこの形は参考写真を見てもはっきりしていないので、大部分が自分の判断で形を整えた。そのため、過去の3個の雷は、全部違う形になっている。結果、今回もこの部分を創作したので、4個全部が違う模様になってしまった。9日の写真だ。

さて、上の写真で素彫りが完成したが、全体像は下の写真の通り。240番のサンドペーパを使って表面を滑らかにした後、乾いたタオルできれいにこすると、意外とつやが出て表面が滑らかになる。今日は9日だが、これで完成だ。

当初の予定では14日までに完成させ、能面塾で先生に評価して貰うつもりだったが、若干早めに出来上がった。それでも今回はほぼ予定通りの日程だったから、まあいいだろう。

で、今後は「真鍮製の眼球」をはめ込み、彩色を終えて完成となる。ただ、この時期は、今のところ不明だ。と言うのも、実は彩色の材料を使い切ってしまったために、手持ちがないのだ。裏側に塗る工芸漆はあるものの、胡粉や膠(にかわ)が不足しており、雷の彩色に使う事が出来ない。要補充かな。

更には、今年度(令和3年度)の能面教室の課題がすでに決まっており、材料も手元にある。とりあえずはこっちの課題が優先されるので、来週の「能面塾(14日)」が終わったなら、この課題を進める予定。ちなみに能面教室の今年度の課題は「弱法師(よろぼし)」だ。

 

 

 

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雷4 その2

2021年07月01日 | 能面

まだ「雷4 その2」であるが、6月13日から作業を始めているにもかかわらず、すでに2週間以上も経った。この間はまじめに作業を続けているものの、さすがに「高度な作業を必要とする能面」の分類が正解だったようで、なかなか進まない。いわゆる面倒な作業工程が多いために、ちょっと進めるつもりでも、意外と時間がかかっており、結果、作業の進み具合も遅れると言うよりは、遅くなっているという具合。

前回のブログ更新は6月20日だが、それから見てもすでに10日も過ぎている。これまでならずいぶんと進んでいる日程だし、ほぼ素彫りも出来上がっていてもおかしくないが、さすがに今回はなかなか・・・

で、下は6月24日の結果。主に口の中を彫っているが、舌の形や歯、牙の位置が重要であり、この位置決めだけでも数日がかかっている。ましてや変な位置や形にならないような工夫をしながら、慎重に作業を進めていくことで、余計に時間がかかるのは、言ってみれば「想定の範囲」なので、無理をせずに・・が重要なのだ。

下は6月29日。いよいよ鼻の形を彫っていく。もちろん、これ以外にも眼球の部分や額の飾り部分なども、その都度細かい修正をしながら彫っており、一日の作業時間が終わってしまう。ましてや、今回の裏彫りは面倒なので、4~5段階はかかるつもりで進めている。ちなみに、このあたりの裏彫りは3段階目であり、これだけでも3日がかかっている事になる。うーん、裏の部分だけでも完成はまだまだ先の話だ。

さて、今回のお面は、頬の部分にも彫刻がある。ただ残念なことは、見本にした写真には「正面」や「斜め」の写真はあったが「側面」がない。そのため、先輩が彫った雷や、自分が彫った雷の完成品を参考にしているものの、その形がみんな違っていた。結局は「似たような形」にすることにしたので、必ずしも「お面の写し」とは言えないので、こんな場合は「創作面」という分類にすると良い・・らしい。で、この頬の部分だけでも両側で2日間の作業時間がかかっている。下の写真は今日7月1日の結果である。

ということで、7月に入ってしまったが、今後の目標は「次回の能面塾までに素彫りの完成」を目指す事にした。ただ、次回の能面塾は14日だから、まだ2週間もあり、恐らく充分な日程だろう。それでも作業開始からおおむね1ヶ月なので、この種類のお面の作業期間としては、まだまだ「早い」部類かも知れないが・・・

 

 

 

 

 

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