猛暑が続いた日々だったものの、さすがに台風が接近し、東北地方にも雨風が押し寄せた。その結果、いくらか涼しくなったので良い具合でもあるが、ただ、湿度が強烈であり、むしむし。
で、お面はどうしたのかと言えば、前回ちょっと書いたとおり能面教室の課題でもある「弱法師(よろぼし)」の製作を進めている。また、今回も小型のお面なので作業は早く、すでに完成した。従って、その過程を紹介して、7月の作業を終えることにする。
下は見本の写真。今回も作者に無断でネットから採用した。参考とした複数の写真から、自分が感じるお面の感覚がぴったり合ったものであり、私の講師から頂いた写真よりも優れていたので、採用になったという具合。
作業開始は13日。この時点ではすでに顔の周囲を丸く切り取っており、かつ側面や裏側も若干切り取っている。このあたりは一日分の作業量だ。
下は14日だが、基準となる鼻の下側の位置、目の位置などを書き込んでいる。また、周囲を斜めに削って、いかにもお面の形を作っていくところだ。ここで、額(ひたい)部分に最初は見えなかった「節(ふし)」を発見。それを補修する作業が追加されたところだ。
下は17日だが、上の状態から3日経っており、見た目はかなり進んでいると思う。また、裏側は2度目の裏彫りを行い、ずいぶんと軽くなった。仕上がり具合はおおむね7割程度かな。ただ、隠れていた額の部分に節穴があったことから、その部分を取り除き、そこに補修材を充填して補修する作業も加わったので、若干時間がかかったかも。
上の状態からちょっと気合いを入れて、一日の作業でほぼ全体像が完成したところ。18日だ。
20日だが、全体を紙やすりで滑らかにしたところ。こうすることで細かい部分が発見できるから、修正がしやすい。この時点での完成度は8割以上だろう。
下は26日だ。上の写真から6日も経っている。さて、この間は何をしていたのか。もちろん、目の形を裏側まで貫通させたり、口の部分も裏側まで通した。それに従い、最終的な裏彫りも同時に実施する必要があるから、結構時間がかかると言うあたりです。更には、写真では4回の表面の彩色を行った後のものであり、この時点では当然として裏側にも工芸漆を塗っている。これらもろもろの作業の結果、6日間の作業期間が必要だったということだろう。
下は最終的な彩色を終えたところ。この時点で完成だ。27日の写真なので、13日の作業開始から数えれば約2週間で仕上がったから、今回も早いのかな。また、仕上げには乾燥したタオルでつやを出してはいるが、本来ならこのあとに陰影を付けるために古色を施した方が良い。この作業はまだだ。うん、今回も早いと言えるのかな。
この完成品をよく見れば、当然として見本とは若干違っているのだが、とりあえずは初めて彫ったお面なので、それらしい仕上がりになったのかな・・という自己満足で、今回はおしまい。
なお、手持ちの材料はあるのだが、次の課題はまだ決めていない。この材料は前回「小べし見」を彫ったものと同じサイズなので、もしかして3個目の「小べし見」になるのかな・・・