わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

鼻瘤悪尉4 その3

2020年08月24日 | 能面

8月もまだ一週間残っている。ただ、お面の作業は順調であり、当初予定の「今月いっぱいで素彫りの完成」も、これまた順調に消化していた。そのため、今回のお面も予想通りに前倒しで完成することになる。

上は21日だが、これを見る限りでは「完成」であろう。前回の写真が15日だから、それから数日が経っており、細部の修正作業も細かく行っている様子が見える。ただ、今回も真鍮製の眼球を入れるつもりだったので、その部分の作業は残っているのだが・・・

さて、真鍮製の眼球だが、上の写真は眼球の形に切り取った真鍮板だ。このままでは平板なので、これからが腕の見せ所。真鍮板の下にある、くぼみをつけた木の台にあてて、先の丸いハンマーで慎重に打ち込んでいく。そうすると半円球の形に出来上がっていく。22日の作業だ。

打ち上がった「真鍮板」が、眼球の形に仕上がっていく。ただ、お面の眼球部分と真鍮製の眼球をうまく合致させることは容易ではない。真鍮製の眼球をお面の眼球の形に合わせて0.1mm単位で切り取っていく作業を延々と続けて、何とかサイズを合わせていく。ただ、この眼球はまぶたが垂れ下がって「奥目」の形に彫っているから、単に表面からはめ込むだけでは「はまらない」のだ。

ここで、更にお面の方にも手を加え、何とか真鍮製の眼球をはめ込むことになる。もちろん、すぽっと入るわけではなく無理矢理に入れるから、双方が変形することもあり、それを見越して作業が慎重になる事は必須だ。

そうこうして、やっとはめ込んだのが下の写真。

完成だ。この状態が23日だから、この日が素彫りの完成である。ただ、本来なら彩色を行い、髭のたぐいを植え込んで「完成」だろうけど、それらの作業はいつになるのかは、今の段階では不明。おそらく数ヶ月先かな。

この手のお面は過去にもたくさん彫っている。もちろん、初期の作品では真鍮製の眼球をはめ込んではいない。金色の塗料を塗っておしまい・・の作品もあるから、この手間のかかる、気力の必要な作業がいつまで続けられるのかも含めて、うーん、体力や気力、根性もだいぶなくなってきたな・・・

 

というあたりで数日は休息しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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鼻瘤悪尉4 その2

2020年08月16日 | 能面

暑い夏日を乗り越え?  て、作業は毎日続いているのだが・・

下は9日の写真だ。前回の紹介が5日だから、それ以降4日ほど経っている。今の段階で4日も過ぎれば、結構な進み具合になっているのが普通。もちろん、今回も作業が結構進んでいることが分かるので、「普通に順調」と言えよう。

こうしてみれば、口や耳以外の全体像がはっきりと分かるまで進んでいる。ましてや、今回のお面は作業が面倒な部類に入るから、ここまで来るだけでも大変な作業である。しかも、このお面は裏彫りが深いから、すでに3度ほど行っている。この部分でも大変なのだ。

さて、最初にも書いたが、正面からみた左側(お面としては右側になる)の部分にヒビ割れがあった。これが大きめであり補修する必要がある。当初は割れた隙間に木工用ボンドを注入して、ひび割れが大きくなるのを防いでいた。だが、彫っていくうちに本格的な補修が必要とする時期にきた事で、それを実行した。それが下の写真。

頭のてっぺんからあご部分までに割れ目があった。ひび割れだ。この割れ目は表面だけではなく、恐らくかなり深くまで到達している気配だったから、それを見越して若干深めに修正を行った。それが上の写真。11日だ。この時点では耳の形も出来上がっている。

さて、その後に細かい修正をしながら様子を見てきたが、だいぶ形が出来上がってきたので、いったん彫刻刀の跡を、ヤスリを使って消し、更なる修正がしやすい表面にしたのが上の写真だ。これは16日の結果だが、ここまで来れば7~8割の出来具合だろう。ただ、鼻の形が見本とはちょっと違っており、気になるところ。

 

というあたりで、かなりの進み具合も維持できているから、当初の予定でもある「今月いっぱいで素彫り完成」は、十分達成できるでしょう。

 

 

 

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鼻瘤悪尉4 その1

2020年08月05日 | 能面

8月を迎え、いよいよ夏がやってきた。さすがに作業場も暑いことで、じっくりと集中して制作を行っているわけではないものの、一応はそれなりに進んでいる。

ということから、今回の課題は「鼻瘤悪尉(はなこぶあくじょう)」だ。これに決めた理由は最近の傾向でもある「何個彫っているのかな」「間に合う材料はあるのかな」であり、特段の理由はない。従って、その二つの理由から今回の課題を決めたところ。

今回の見本は下の写真。これまで彫った過去の見本とは若干姿かたちも違っており、気合の入っている出来具合である。とにかく表情が良い。

さて、自分が彫ったものは下の写真だ。これは3個目だが、写真のデータを見ると2015年1月の日付だ。従ってその時に彫ったのだろう。こうしてみれば、今回の見本とよく似ているので、前回も同じ写真を見本にしていたのかな。

さて、作業開始だ。下の写真は7月31日だが、この日が開始日になる。左側にひび割れがあり、ボンドで補修をしているところ。

下は8月1日。今回は手間のかかるお面の分類なので、あえて急ぐ必要もないから、のんびりと進めていくことにした。完成予定は今月いっぱいだ。

下は5日。今回もすでに裏彫りを2度行っているから、その分も含めて進み具合を見てほしい。この段階ではまだ3割程度の進み具合だろう。

これまでは単に参考写真だけを見て作業を進めてきたが、これ以降は前回の彫っていた過程を参考に、慎重に進めていくことにしたい。そうすることで失敗を防ぎ、うまく完成することにつながると思う・・・と、勝手に考えているが、実はこの手法は、経験則から言っても正しいのだ。なんと言っても過去の進み具合やこれからの予定が見えるし、参考になる。

 

いや、ここ数日は腰や肩が痛い。実は、これは庭木の手入れをし過ぎた結果であり、いわば自業自得でもある。そろそろ整形外科の診断が必要となるのかな?

そうそう、7月に彫っていた黒式尉は彩色も終わり、27日には完成しているので、報告します。

 

 

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