わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

天狗2 その6

2016年01月30日 | 能面

天狗の目に合わせて真鍮板を切り取り、大変な苦労をしながら、ハンマーで何とか曲面を打ち出しつつ眼球にはめ込む形に切り取ったところ。そしてここが大事なのだが、彫った眼球部分に真鍮製の眼がカパッと収まるのが正解。しかし、これが大変なのだ。

まず、天狗面の眼球は球形で立体。そこに、金属製の板をたたき出して球形を作り、かつ眼球周囲の形に合わせる必要がある。本来ならきっちりと収まる事が重要。が、そうはいかない。なにせ球形の周囲を合わせること自体が至難の業で、0.1mm単位ではさみで切ったり、やすりで削ったりしながら合わせていくので、この部分だけでもかなりの時間かかる。結局、2個組の天狗の眼球を作るのに、まるまる2日間かかった。そして黒目部分の穴開け。

上は、完成した真鍮製眼球を張り付けているところ。単に接着剤を付けてはめ込むだけではなく、その上から押さえの木片を使って糸できっちりと押さえる。そうしなければ、浮き上がってくるのだ。木の眼球部分と金属の眼球を密着させる作業でもある。その状態で一晩おくと、下のように出来上がる。

上は完成した天狗2。もちろん天狗1も同時に完成したところだ。実は、この眼球部分は、他の様々な天狗面を参照すると、単に金色の彩色で済ませているものが多い。それでも良いのだろうけど、一応は時間や手間を考えない「趣味の世界」であれば、本人が納得する作業をしたほうが後々安心する・・・というあたりかな。

これが拡大レンズだ。頭の上からかぶって使う。もちろん、眼鏡をかけたままでも良い。似たような形のルーペは幾種類かあるが、軽くて適当な値段の商品を選んだところ。今のところはなかなか使い勝手も良いから、しばらくはこれを使う事になる。

で、最後は彩色だが、これについては、元の写真には色が付いていない。従って、他の天狗の色具合を参考にして、自分で色を調合し、彩色することになろう。この時期は今のところ不明。

 

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天狗2 その5

2016年01月25日 | 能面

今日25日を持って、一応の「素彫り完成」にする。もちろん、じっくりと観察すれば、まだまだ手抜きのところも見えるが、拡大めがねを使って見ているので表面的には大丈夫だろう。もっともその部分を発見したら、すぐにも修正をするから大丈夫。

右側が「天狗1」で1月6日に撮っているから、その時には完成している。左側が「天狗2」だ。こっちは25日に完成しているので約3週間かかっている。だが、3週間で素掘りが終わるのはずいぶんと早い部類に入ると思うので、だいぶ頑張ったと言える。能面教室では、1年間に2個が完成する事を目標としているが、現状ではそれすらおぼつかない。それを考えた場合、3週間~4週間で1個が出来上がるのは驚きでもある。

ということで、素掘りが終わった後の作業は前回も書いたとおり。真鍮板を使って「眼球」を作ることになる。この作業はそれほど大変ではないが、「形合わせ」が重要だ。球形を持つ目の玉の形を打ち出すことよりも、天狗面の眼球部分に合わせて真鍮板を切り取ることの方が難しい。この部分で毎回、苦労をしているのだが、それも趣味の世界であればやむを得ないだろう。最後の手段として、「金色に塗る」手段もあるが、手間をかけることも趣味の一部であれば、さて、どっちにしようか。

 

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天狗2 その4

2016年01月22日 | 能面

今回も、前回の報告から概ね一週間が経った。見ての通り、前回と比べてもそれほど変化があるようには見えない。が、細かいところで見ると、結構手が込んでいることが分かる。もちろん、大きな変化は天狗の鼻がきれいになっているところだが、耳も完成している。その他にも眉毛がきれいになっているし、目の中も若干深めにしたり黒目の部分に穴が開いている。もっとも大きな違いは、表面がきれいになっているところだろう。

この部分は過去にも書いているとおり、表面を滑らかにすることで、彫り残しや形をきれいにする作業をしやすくする工夫なのだ。こうしてみればそれが分かると思うので、これらも含めて細かい作業をしながら一週間が経ったというあたりか。もちろん裏彫りは第3段階に入って、ほぼ予定の深さまで彫っている。ただ、もう少し深く彫っても良いぐらいの余裕があるので、このあたりの追加は作業の進み具合を見る必要もある。

今後は、眉毛の細部、口の中、歯の並びなどに手を加えて、素掘りが終わる。この時期は来週いっぱいで終わりそうだから、まあ、今月中には素掘り完成の報告が出来るだろう。ただ、その後には「真鍮板の眼球」を作ってみようと考えているから、実際の完成は来月になるかも知れない。しかも天狗2面の分の「真鍮の眼球」を予定しているので、ちょっと時間がかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 

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天狗2 その3

2016年01月16日 | 能面

前回から概ね一週間が経った。作業開始からは10日間である。この間はほぼ毎日作業をしているから、結構進んで不思議ではない。その結果が上の写真。

作業内容は「中彫り」なので、当然としてすっかり全体像が見えるはず。写真でもその通りで、このあたりの姿は「天狗」に違いない。もっとも、前にも書いたように「いかつい顔立ちに長い鼻を付ければ天狗」だろうから、まあそんなもの。

裏彫りも一応は第二段階の深さまで彫っている。材料の高さが10cmのうち、5cmほどを彫っているから、今のところは十分だ。天狗1を参考にすれば、最終的には深さ6cmほどになるが、最後の裏彫りは、黒目を開けたり、口の中を彫った後でやることになるので、もう少し後になる。というのも、表面の彫り込みも終わっていない段階から裏側を深く彫ると、穴が開く・・・と言う失敗を、自分も、他の人も経験しているので、用心をするに越したことはない。

今の段階まで来れば、後は楽。ただし細かい作業になるので、老眼鏡の上に、更に拡大レンズを付けて彫っているところだ。このレンズは、下にリンクを張ったので見て欲しい。細かいところが見えてなかなか具合がよろしい。もっと前から気にしており、買おうと考えていたものの、昨年末やっと買ったという具合だ。

http://www.terasaki-inc.jp/terasakiloupe-megaviewcompactN.html

 

というところで、一段落である。

 

 

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天狗2 その2

2016年01月10日 | 能面

天狗の第2弾の作業開始からまだ4日目。ちょっとしか進んでいないと思いきや、気合いが入っているのか以下の通りだ。

上は8日の姿。これでもすでに十分に全体の概要は見えている。まあ、今回参考にした写真は、前回と比べても大切な部分が良く分かるように撮られており、作業をする私としてはなかなか具合がよろしい環境なのだ。

この日は目の周りをきちんと決めて、ここを基準に顔の上下の配置を考えるところ。すでに鼻の下もノコを入れているから、さすがにこの部分の変更は出来ないものの、口の造作は鼻下を基準線として寸法を決めている。額(ひたい)にかかる帽子(でもないが)の位置でも、目の下側の部分を基準にしたりするから、これらをきっちりと決めると言うことがすなわち、全体像を決めるという手段にもなっている・・・と思う。

10日だ。成人式を行っている市町村もあるが、私は今のところ関係ない。で、作業を進めている。

頭のてっぺんには帽子が載っている。冠かも知れないけど、今回は初めから一体で彫っている。「天狗1」ではこの部分に、板きれを追加してごまかしていた。ただ、今回の場合はちょっと寸法が欠けてしまったから、補修材を使って若干の「てんこ盛り」をする必要もあるだろう。

口の部分も、鼻下からの寸法と、若干下側から撮られた見本写真を修正するつもりもあって、唇の位置や若干開けた口の表現をだいぶ考えながら決めた。ここは結構悩んだところだが、まずまずの出来具合と考えている。

というあたりで、粗彫り段階は終わる。今後は中彫りだから、もっと写真を参考に細かい部分の修正に入ることになるが、町内会や老人クラブの行事もあるから、能面だけに集中するわけにはいかないところなのです。

 

 

 

 

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