天狗の目に合わせて真鍮板を切り取り、大変な苦労をしながら、ハンマーで何とか曲面を打ち出しつつ眼球にはめ込む形に切り取ったところ。そしてここが大事なのだが、彫った眼球部分に真鍮製の眼がカパッと収まるのが正解。しかし、これが大変なのだ。
まず、天狗面の眼球は球形で立体。そこに、金属製の板をたたき出して球形を作り、かつ眼球周囲の形に合わせる必要がある。本来ならきっちりと収まる事が重要。が、そうはいかない。なにせ球形の周囲を合わせること自体が至難の業で、0.1mm単位ではさみで切ったり、やすりで削ったりしながら合わせていくので、この部分だけでもかなりの時間かかる。結局、2個組の天狗の眼球を作るのに、まるまる2日間かかった。そして黒目部分の穴開け。
上は、完成した真鍮製眼球を張り付けているところ。単に接着剤を付けてはめ込むだけではなく、その上から押さえの木片を使って糸できっちりと押さえる。そうしなければ、浮き上がってくるのだ。木の眼球部分と金属の眼球を密着させる作業でもある。その状態で一晩おくと、下のように出来上がる。
上は完成した天狗2。もちろん天狗1も同時に完成したところだ。実は、この眼球部分は、他の様々な天狗面を参照すると、単に金色の彩色で済ませているものが多い。それでも良いのだろうけど、一応は時間や手間を考えない「趣味の世界」であれば、本人が納得する作業をしたほうが後々安心する・・・というあたりかな。
これが拡大レンズだ。頭の上からかぶって使う。もちろん、眼鏡をかけたままでも良い。似たような形のルーペは幾種類かあるが、軽くて適当な値段の商品を選んだところ。今のところはなかなか使い勝手も良いから、しばらくはこれを使う事になる。
で、最後は彩色だが、これについては、元の写真には色が付いていない。従って、他の天狗の色具合を参考にして、自分で色を調合し、彩色することになろう。この時期は今のところ不明。