わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

黒式尉9 その1

2020年07月26日 | 能面

前回の彩色が終わった後・・ではなく、彩色途中から、今回の「黒式尉(こくしきじょう)9」の製作が始まっていたという話。

前回、彩色が終わったのは14日だったが、この、黒式尉の作業開始は実質9日だ。ということは、彩色の途中に、乾燥を待つ間がひまなので、その間に最初の作業を行っていたという具合。

今回の見本は下の写真。これは先輩が昔彫ったものを、昔、市の文化祭当日に写真に撮っていた。写真の日付は2011年10月だから、先輩が彫ったのはそれ以前であろう。すでに10年以上も前の事かな。ただ、私が最初に黒式尉を彫ったのは2004年4月であり、もう17年も前。今回の「黒式尉9」は、それから数えて9個目だ。

なぜ、こんなに彫っていたのかと言えば、よく分からない。ただ、黒式尉でも様々な種類があり、普通の大きさから小さいものまで複数あるらしい。それらをまねて彫っているうちに、数が増えた・・とも言える。

今回は、最近の傾向でもある「小さい黒式尉」を彫った。ももともと寸法が小さいから小さい材料でも間に合う。しかも今回は、なんと材料を能面塾の講師からタダで譲り受けたものであり、かつ「これしか彫れない大きさの堅い材料」だった。で、ま、やむを得ず? これを彫ることになった・・と言うあたりかな。

下は自分が彫った見本。2012年8月の作品。これは4個目だ。基本的にはこれを参考にして彫っていくことになる。

さて、下は作業開始の9日の写真。材料に図面を載せただけのものだが、この日は周囲を切り取るなどの作業を行っている。ただ、これ以降は、他のお面の彩色をしていたから、そのまま数日間は放置の状態。

これを見てもわかる通り、材料の寸法は小さめ(縦164cm)の黒式尉ぎりぎりだ。これでは本当に、これしか彫れない!!

下は15日だ。通常は、ある程度表面を彫った後に裏彫りを行うところだが、今回は材料が堅いので、周囲を切り取った段階の14日にで裏彫りを行っている。そのため、普段よりは作業手順は違っているが、なんと言っても「自称・能面師」・その程度の変更は自由自在でお任せなのだ。

下は17日なので、順調は業が進んでいることが分かる。

下は23日。上の写真から6日経っているが、この辺はじっくりと時間をかけて全体を彫っている。ただ、ここが一番大変な時期だったかも。

下の写真。これは最終的な「素彫りの完成」でもある。25日だが、目の穴や口を裏側に貫通させる作業、あるいはあご部分を切り取って歯を植え込み、裏彫りを完成させる作業、更には全体を細かく点検し、きれいに滑らかに仕上げる作業などを行って、やっと素彫りが終わったところ。

今回は9日から25日までの作業日程だが、その間に4日ほど作業を休んでおり、実質は14日からの作業開始とも言える。従って12日間の作業期間だから、今回も異常に早いのかな。

今回は、前回の余った塗料を使い切ろうと考えて、すぐさま彩色を始めている。その報告は8月になる。

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若女4 その2

2020年07月16日 | 能面

さて、久々のブログ更新だ。

と言うことは、彫り上げた3個のお面の彩色が終わり、一段落をしているところだろう。そのための休憩時間があったことで、ブログの更新が遅れた・・と思っていたら、さにあらず。実は次のお面を彫っていると言う具合。

で、今回は単に、彩色が終わったお面の紹介である。いずれのお面も同時に彩色の作業を行っていたので、完成も同時で14日だ。

1 下は「小町老女3」だが、素彫りが終わったのは6月9日。

 

2 「しかみ3」だが、これの素彫り完了は6月26日である。

3 「若女4」である。これの素彫り完了は7月7日で、3個のお面では最後に彫り上がったものだ。

こうしてみると、出来上がった自分のお面と、参考にした写真とは若干の色具合などが違っている。そもそも、写真の色具合が、作者お面と同じ色とは限らないし、正しいとは言えない。従って、最近では「参考にした」程度の認識であり、「見本と似た色になったらそれで良いかな」という意識をする事にしている。

まあ、先生は「色がちょっと違うね」とか意見を言うものの、実際に見本と同じ色に仕上げることは極めて大変な作業だ。彩色作業は、もともと自分で色を調合する事から始まるので、その色を作り出すことが、そもそも大変。

真っ白(純白)な胡粉に、それなりの複数の似た色の「岩彩」を混ぜて「見本写真と似た色」を作り、それを塗るのだが、その時点ですでに「単に似た色」でしかない。しかも、色を調合し、塗った時の色と乾燥したときの色が違うのだ。従って、乾燥した時の色を考えて色の混合具合を考える必要があるし、乾燥後にも見本の色に近づける技術も必要。それが「古色を出す」工程(行程)だ。

ま、いろいろな作業を終えて完成となるのだが、結局は自分で彫った同じ種類のお面ですら、毎回色具合が違っているのだから、これはやむを得ない。

 

と言う具合で、今回の素彫りが終わっていた3個のお面は、14日で完成した。しかも、今年度の課題であった「若女」も、すでに1個は終わったので、さて、今後は何を彫ろうかな・・・

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若女4 その1

2020年07月04日 | 能面

顰(しかみ)の素彫りも終わり、真鍮製の眼球も入れた。その後に一段落をしているところ・・だったはずだが、実は能面教室での次の課題が決まっていたので、それを進めていたところ。その課題は「若女(わかおんな)」だ。

今年度の能面教室は、当初5月からの講習開始だったものの、例の新型コロナウイルス対応ということから、公会堂の利用が制限されており、5月いっぱいの講習は中止をしていた。それが6月に入り、規制が解消されて6月からの公会堂利用が再開されたという話。

今年度の最初の課題が「若女」だったから、6月最初の講習日だった17日には型紙と材料を入手し、準備はOKである。

さて、作業開始は6月26日である。参考にした写真は下の通り。これを元に新たに図面を自作して、それを元に、さあ、始めよう。

ちなみに「若女3」は2009年12月に彫っていた。それ以来だから久しぶりかな。

いつもの通り、電動丸ノコを使って大きく切り取ったところ。その後に表面の部分を削り取った姿が下の写真だ。26日。この辺の作業は一日の範囲である。

一気に作業を進めていくと、下の状態になる。これは28日の結果だが、作業開始から2日目でここまで進むのなら、最近の傾向からして早い時期に出来上がりそう。まして作業手順が簡単な女面なら。2週間程度あれば素彫りが完成してもおかしくはない。

下は30日。全体像も見えてきており、もちろん裏彫りも2回ほどやっているので、作業開始から4日目なら、こんなものかもしれないかな。

さすがに7月2日ともなれば下の状態だ。完成度としては7割程度だろう。うんうん、早いね。

次に紹介するのは4日の状態。これは今日の結果だが、ここまで来れば完成度も8割程度であり、しかも裏彫りも終わったと言っても良い程度まで進んでいる。もちろん、一日の作業時間はおおむね2時間以内を基準にしており、決して無理をして作業を続けているわけではない。しかも肩の痛み、腕全体の痛みは相変わらず続いている事も事実。その体調を認識しているから、無理はできないというのが現状だろう。

 

さて、前回に宣言した「しかみ」の真鍮製眼球はどうなったのかな。

それが下の写真だ。これは6月26日の写真だから、なんとこの完成写真を撮った後には、もう若女の作業を始めている事になり、一段落で休息・・とはほど遠い環境でした。

 

8日は「能面塾」の日だ。この日は講師の作業場で数人が作業を行う事になっている。あと4日もあるから、もしかしてこの日まで若女の素彫りが完成するかも知れないぞ。

 

「参 考」

能面塾と能面教室は別物であり、参加者も違う。能面塾は午後の時間帯に講師の作業場で行い、能面教室は夜の時間帯に公会堂で作業が行われる。

 

ところで、最近のブログの文字表示が何かおかしい。一部のフォントが大きくなっていたり、文字の背景が白色に変わっていたりする。これは自分で意識してやっているわけではなく、投稿後に勝手に変更されている気配だ。もしかしてソフトのバグかも知れないが、理由は不明。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする