前回の彩色が終わった後・・ではなく、彩色途中から、今回の「黒式尉(こくしきじょう)9」の製作が始まっていたという話。
前回、彩色が終わったのは14日だったが、この、黒式尉の作業開始は実質9日だ。ということは、彩色の途中に、乾燥を待つ間がひまなので、その間に最初の作業を行っていたという具合。
今回の見本は下の写真。これは先輩が昔彫ったものを、昔、市の文化祭当日に写真に撮っていた。写真の日付は2011年10月だから、先輩が彫ったのはそれ以前であろう。すでに10年以上も前の事かな。ただ、私が最初に黒式尉を彫ったのは2004年4月であり、もう17年も前。今回の「黒式尉9」は、それから数えて9個目だ。
なぜ、こんなに彫っていたのかと言えば、よく分からない。ただ、黒式尉でも様々な種類があり、普通の大きさから小さいものまで複数あるらしい。それらをまねて彫っているうちに、数が増えた・・とも言える。
今回は、最近の傾向でもある「小さい黒式尉」を彫った。ももともと寸法が小さいから小さい材料でも間に合う。しかも今回は、なんと材料を能面塾の講師からタダで譲り受けたものであり、かつ「これしか彫れない大きさの堅い材料」だった。で、ま、やむを得ず? これを彫ることになった・・と言うあたりかな。
下は自分が彫った見本。2012年8月の作品。これは4個目だ。基本的にはこれを参考にして彫っていくことになる。
さて、下は作業開始の9日の写真。材料に図面を載せただけのものだが、この日は周囲を切り取るなどの作業を行っている。ただ、これ以降は、他のお面の彩色をしていたから、そのまま数日間は放置の状態。
これを見てもわかる通り、材料の寸法は小さめ(縦164cm)の黒式尉ぎりぎりだ。これでは本当に、これしか彫れない!!
下は15日だ。通常は、ある程度表面を彫った後に裏彫りを行うところだが、今回は材料が堅いので、周囲を切り取った段階の14日にで裏彫りを行っている。そのため、普段よりは作業手順は違っているが、なんと言っても「自称・能面師」・その程度の変更は自由自在でお任せなのだ。
下は17日なので、順調は業が進んでいることが分かる。
下は23日。上の写真から6日経っているが、この辺はじっくりと時間をかけて全体を彫っている。ただ、ここが一番大変な時期だったかも。
下の写真。これは最終的な「素彫りの完成」でもある。25日だが、目の穴や口を裏側に貫通させる作業、あるいはあご部分を切り取って歯を植え込み、裏彫りを完成させる作業、更には全体を細かく点検し、きれいに滑らかに仕上げる作業などを行って、やっと素彫りが終わったところ。
今回は9日から25日までの作業日程だが、その間に4日ほど作業を休んでおり、実質は14日からの作業開始とも言える。従って12日間の作業期間だから、今回も異常に早いのかな。
今回は、前回の余った塗料を使い切ろうと考えて、すぐさま彩色を始めている。その報告は8月になる。