ぱぐぱぐ通信

環境にわるいペットボトル飲料を買わないジョー・てるりんの絵日記みたいなものです。

昨日見た映画「名も無い日」

2021年06月22日 09時53分48秒 | 本・映画 な行
映画「名も無い日」




ニューヨークで写真家として多忙な日々を送っていた小野家の長男、

達也(永瀬正敏)が、次男章人(オダギリジョー)の訃報に接し、

ふるさとの名古屋に戻ってきてからの、

仲間や家族の邂逅を描きます。

亡くなった章人は東大からハーバード大に進学した才人。

なのになぜ、ごみ屋敷のような家に住み、

失明しそうなのに医者にも行かず、

孤独死をしなければならなかったのか。

答えはほとんど示されません。



ただ、自由に生きる達也にあこがれていたか、恨んでいたかのような描写はあります。


予習しないとなかなか分かりにくい映画です。

達也がなぜ日本に帰ってきたのかが分かるのは、映画が始まってしばらくたってから。

陶芸をする若い女性や、達也を取り巻く女性たちの関係もわかりずらい。

達也の親友の母親が唐突に登場し、

親友の墓参りをするかつての彼女(今井美樹)も描かれるのですが、

墓前で急に泣きだす意味も不明です。

カメラマンの達也はところどころでカメラを構えるのですが、

ラスト近くまでシャッターは押しません。



観客の想像にまかせるつくりなのでしょうか。


ハラハラドキドキ度 ☆

感涙度 

居眠り度 ☆☆☆


総合 ☆☆


【ちょっと一言】

俳優陣は豪華です。

最近読んだ本「ヒポクラテスの誓い」

2021年06月21日 15時30分51秒 | 本・映画 は(ば・ぱ)行
本「ヒポクラテスの誓い」

中山七里著





孤高の解剖医、光崎藤次郎教授の元に送り込まれた研修医、栂野真琴が、

キャシー・ベンドルトン准教授とともに

「死体の言葉を聞き取れる」ように成長する姿を描いた連作短編。

「生者と死者」は、泥酔し河川敷で凍死したとされた男性を解剖。

「加害者と被害者」では、交通事故で亡くなった若い女性を解剖し、

加害者の過失を軽減します。

「監察医と法医学者」では、競艇のレース中に事故死した選手の死因を暴きます。

「母と娘」では、真琴の親友で闘病していた柏木裕子の急変に、

真琴が医療より感情を優先させ、葛藤します。

「背約と誓約」では、腹膜炎の再発で亡くなった10歳の女の子の死因に不信感を抱きます。


さらにこの5話に共通する闇が隠されているという、

中山流のクライマックスが隠されています。


☆☆☆☆

【もう一言】

タイトルは、医療者は患者の利益になることを考え、

聖人であれ咎人であれ、医療に差別をしないという誓いのこと。



「生きている患者を担当していた時には見えなかったものが、

死者と語らうようになってからはぼんやりとだが見え始めてきた、

と主人公の真琴に語らせます。

最近読んだ本「真犯人」

2021年06月21日 15時29分33秒 | 本・映画 さ(ざ)行
本「真犯人」

翔田寛著




2015年8月、静岡県裾野市の東名高速沿いで男性の他殺体が見つかるのが発端。

男性は1974年8月に誘拐され殺害された5歳の男児の父親だと判明します。

しかしこの誘拐事件は迷宮入りし時効を迎えています。

男性殺害事件の捜査本部は、迷宮入りした事件の捜査担当者から当時の状況を聞くという、

三段重ねの構造の本書。

なかなか読み応えがあります。


☆☆☆☆

最近読んだ本「ふたたび嗤う淑女」

2021年06月07日 13時05分55秒 | 本・映画 は(ば・ぱ)行
本「ふたたび嗤う淑女」

中山七里著




奸計を弄して他人の人生を奈落の底へ突き落とす

蠱惑的な野々宮恭子を主人公にする連作短編集。


大学時代に不良サークルの影の首謀者として400人もの女性を弄びながら、

国会議員の父親の権力で起訴どころか表沙汰にもならなかった柳井耕一郎の周りで、

死者が相次ぎます。

選挙資金集めの隠れ蓑のNPO法人の女性事務局長、後援会の会長、

支援団体である宗教法人の副館長、そして自身の政策秘書。

いずれも事故か自殺と思われる亡くなり方で、警察も捜査に乗り出しません。

野々宮の触手はついに柳井に延びてきます。


「嗤う淑女」の続編です。

☆☆☆

昨夜読んだ本「さよならドビュッシー」

2021年06月07日 13時03分04秒 | 本・映画 さ(ざ)行
本「さよならドビュッシー」

中山七里著



全身に大火傷をおいながらピアニストを目指す16歳の大富豪の親族が主人公の

青春スポ根小説、

と思って読み始めると、あれ大間違い。

すぐに火災が起き、

資産家のおじいちゃんと仲良しで一緒にピアノを習う従姉妹が

焼死してしまうミステリーに転調します。



ピアノコンクールを初めピアノの演奏シーンの描写は特筆もの。

真似したくてもできませんが、いつかはこんな文章を書いてみたいと、

嫉妬さえわきたさせる筆力です。

終盤では大掛かりなトリックも炸裂します。

早くページをめくりたくなる秀作。


☆☆☆☆

最近みた映画「サンドラの小さな家」

2021年06月04日 11時54分42秒 | 本・映画 さ(ざ)行
映画「サンドラの小さな家」



DVの夫から幼い二人の娘から逃れて避難施設で暮らす親子の苦労を描くヒューマンドラマ

ダブルワークをこなし、安住の地を探すのですが、なかなか見つからないサンドラ。

娘と安心して暮らすために自宅を新築しようと決意します。

仕事仲間らの絶大な手助けがあり、建設は順調に進むのですが、新たな危機が訪れます。



ハラハラドキドキ度 ☆☆☆

感涙度 ☆☆☆

居眠り度 ☆☆


総合 ☆☆☆

【ちょっと一言】

サンドラの周囲の人たちの献身的な態度が、少し現実的でないような。

でも、こんな人たちがいるのは確か。もっと大勢いてくれたら、

世の中はもっと住みやすくなるのにな、と思えます。

最近みた映画「るろうに剣心 The Final」

2021年06月04日 11時48分42秒 | 本・映画 ら行
映画「るろうに剣心 The Final」




幕末に跳梁跋扈し、「人斬り剣心」と恐れられた緋村剣心が主人公のアクション時代劇。

ある人を斬ってしまったのをきっかけに、

「もう人をあやめない」と決めた剣心。

しかし、剣心の命を狙う者たちは後を絶ちません。


緋村剣心のほおにある刀傷の秘密が語らます。

物流法則を無視した身体の動きや、駒落とし、早回しによるスピード感は衰えていません。

剣心の過去が中心のストーリー。


オープニングのはでなアクションはなんだった?という感じ。


ハラハラドキドキ度 ☆☆☆

感涙度

居眠り度 ☆☆☆


総合 ☆☆(家族で楽しめます)

最近読んだ本「テロリストの家」

2021年06月04日 11時38分13秒 | 本・映画 た(だ)行
本「テロリストの家」

中山七里著



国際テロリスト担当の公安警察外事第三課の猛者、幣原の長男が、

こともあろうにテロ組織に応募したという容疑で公安警察に逮捕されるのが発端。

「公安警察としては優秀だが父親としては凡庸」と上司に言われ、

同僚からは疎んじられ、マスコミからは格好の餌食にされる幣原家。

その長男が警察から釈放された直後、遺体で発見されます。




テロリストの真意を知ろうともせずに、

ただ異質だというだけで蛇蝎のごとく嫌悪し罵る浅はかな大衆を、

なくなった長男と対比させています。


中山節が随所に現れます。

☆☆☆

あしあと