日本プロレタリアート文学の代表作といわれる小林多喜二の小説「蟹工船」
本は持っているのに恥ずかしながら未読です。
そんな状況で観た東京芸術座の「蟹工船」には、
胸がぐっとつまされました。
群像劇といっていいのでしょうか。
乗組員となる元炭鉱夫や、父とその子、病気の父親の医療費をかせごうとする息子らに
順番にスポットが当てられ、
過去が語られ、過酷な労働の状況が描き出されます。
後半はぐっとテンポが上がり、
権利意識に目覚めた乗組員によるストライキと挫折に、息が詰まりました。
反抗的な乗組員がマストに宙づりにされた場面や、
ストライキの代表が仕事の監督の浅川の手下に刃物で刺し殺されるシーンでは、
客席からどよめきもおきました。
乗組員を虐げる浅川も、会社側からみれば単なる労働者階級だったというラストも、
哀れを誘います。
演出も見事。時化の時に船腹に打ち寄せる波は、水なのか白い粉なのか分かりませんが、
本物そっくり。
船の揺れに合わせて乗組員の体が一斉にぐらつくのも、臨場感がたっぷりでした。
大勢が同じ舞台に立っているのに、一人一人の役者がそれぞれの役をしっかりと演じているので、
スポットライトに当たった人物以外を見る楽しみもありました。
☆☆☆☆☆
本は持っているのに恥ずかしながら未読です。
そんな状況で観た東京芸術座の「蟹工船」には、
胸がぐっとつまされました。
群像劇といっていいのでしょうか。
乗組員となる元炭鉱夫や、父とその子、病気の父親の医療費をかせごうとする息子らに
順番にスポットが当てられ、
過去が語られ、過酷な労働の状況が描き出されます。
後半はぐっとテンポが上がり、
権利意識に目覚めた乗組員によるストライキと挫折に、息が詰まりました。
反抗的な乗組員がマストに宙づりにされた場面や、
ストライキの代表が仕事の監督の浅川の手下に刃物で刺し殺されるシーンでは、
客席からどよめきもおきました。
乗組員を虐げる浅川も、会社側からみれば単なる労働者階級だったというラストも、
哀れを誘います。
演出も見事。時化の時に船腹に打ち寄せる波は、水なのか白い粉なのか分かりませんが、
本物そっくり。
船の揺れに合わせて乗組員の体が一斉にぐらつくのも、臨場感がたっぷりでした。
大勢が同じ舞台に立っているのに、一人一人の役者がそれぞれの役をしっかりと演じているので、
スポットライトに当たった人物以外を見る楽しみもありました。
☆☆☆☆☆