ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

「太陽ノック」MV公開、生駒の笑顔は魅力も濃いAKB色と無難な着地に感じる乃木坂物語力の行方 [25Jun15]

2015-06-25 16:00:00 | 芸能
[映画] 『アイズ』全国ロードーショー中
6月6日(土)からイオンシネマ板橋ほか各地の映画館
伊藤万理華の主演映画。原作は鈴木光司の短編ホラー小説集『アイズ』(2005)収録の『しるし』。鈴木氏は、『リング』『らせん』『仄暗い水の底から』などの原作者。
映画『アイズ』の公式サイト
映画『アイズ』特別追加上映(秋葉原)の詳細
映画『アイズ』予告編 主題歌Ver. teenAge dream / SuG
News
イオンシネマ新百合ケ丘で追加上映決定:6月27日(土) ~ 7月3日(金)。伊藤万理華他による舞台挨拶を、7月2日(木)19 : 00からの上映回にて開催。
イオンシネマ新百合ケ丘の公式サイト

[舞台]『じょしらく』AiiA 2.5 Theater Tokyo (渋谷) で上演中
6月27日(土) 13 : 00 ~ チーム「ご」(飛鳥)、17 : 00* ~ チーム「ら」(星野)
6月28日(日) 13 : 00* ~ チーム「く」(高山)、17 : 00* ~ チーム「ご」(衛藤)
# (括弧)内は落語の高座を担当するメンバー
# 「*」は各チームの最終公演
チーム「ら」山崎怜奈、堀未央奈、斉藤優里、伊藤万理華、星野みなみ
チーム「く」中田花奈、佐々木琴子、松村沙友理、高山一実、井上小百合
チーム「ご」中元日芽香、衛藤美彩、北野日奈子、能條愛未、齋藤飛鳥
ネルケプランニングの『じょしらく』公式サイト

[LV] 土曜日曜に全国映画館で舞台『じょしらく』各チーム千秋楽のライブビューイング
6月27日(土) 17 : 00 ~ チーム「ら」最終公演のLV (みなみ)
6月28日(日) 13 : 00 ~ チーム「く」最終公演のLV (高山)
6月28日(日) 17 : 00 ~ チーム「ご」最終公演のLV (衛藤)
LIVE VIEWING JAPAN の情報サイト


乃木坂メンバーが出演する、近々放送予定の注目番組

[地デ] 土曜昼2時から
6月27日(土) 14 : 00 ~ TBS『音楽の日 ONGAKUNOHI 2015』
TBSの生放送大型音楽番組。司会は安住紳一郎と中居正広。乃木坂46出演。『じょしらく』で参加出来ない斉藤優里の代わりに伊藤かりん、さらに、川村真洋、永島聖羅、寺田蘭世が出演とのこと。
TBSの番組公式サイト
伊藤かりんの2015/06/25_12:48ブログ

[CS] 日曜夜11時30分
6月28日(日) 23 : 30 ~ 24 : 00 TBSチャンネル 『乃木坂46えいご#1』
7月4日(土) 10 : 30 ~ 11 : 00 TBSチャンネル (再放送)
川後陽菜、北野日奈子、能條愛未、和田まあや、AKB48の平田梨奈がレギュラーの英語を学ぶ教養番組が6月末にスタート。初回ゲストは桜井玲香とドランクドラゴンの鈴木拓。出演メンバーの顔ぶれから、ワクワク、ドキドキの展開になりような予感が(笑)。
TBSチャンネル公式の番組紹介サイト

乃木坂出演番組をさらに知りたい方は、以下のページをご覧下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 22Apr15 ~ レギュラー出演番組



「太陽ノック」MV、今日、フルバージョンが無料公開されましたね。

昨日の記事に、「今日明日にMVが公開されても、不思議ではない」けど、「12枚目のドラマ主題歌という特殊性を考えると、それよりずっと遅くなる確率は、決して低くない」と書いたんですが、24時間も経たないうちに、ど~んとアップされてしまいました。

運営から「考え過ぎだわな~!」と言われたような気分です(笑)。

まあ何はともあれ、まだ観てない方は、以下のリンクから視聴出来ますので、ご鑑賞下さいませ。

YouTubeで公開された「太陽ノック」MV
# クリックするとすぐに動画が始まるので、音声などにご注意下さい。
乃木坂公式サイトの関連記事



率直な感想を述べると、ダンスの練習シーンをメインに据えて、シンプルに作った、あっさりしたMVという印象です。

どちらかというと、完成したMVというよりは、メイキング映像を観ているような気になる。

生駒里奈がセンターの重圧に耐えかねて苦しんだり、前センター西野七瀬の複雑な心境など、何らかの物語を想起させる部分はあるけど、深く掘り下げて描いているわけではない。

ドラマの骨組みとしては、「大声ダイヤモンド」MVに近いですが、ストーリーの抑揚や緊迫感は乏しく、最後も、オチやどんでん返しはなく、スーと静かに幕が引かれるエンディングになっています。

「Dance Ver.」というより、「Dance Making Ver.」というか、ダンスを巡るイメージビデオというか、とにかく印象がライトですね。


MVとしての出来を問われると、悪くはないけど、良くもない、としか言いようがありません。

メンバーの美しく可愛いルックスを、心安らかに鑑賞できるのはナイスだけど、心に強く訴えかけてくるもの、夏の躍動感だったり、引き込まれるドラマだったり、度肝を抜くダンスだったり、そういうパンチはなくて、「えっ?もう終わり?」と、物足りない気持ちは残ります。

気分が落ち込んだ時、何も考えずに観ると、重度の乃木坂ファンである私には、癒し効果があるかもしれないけど(笑)、12枚目シングルを象徴する表題曲のプロモーションビデオとして、ファン以外の人に、ぜひ観て下さいと、お薦めする勇気は出ないです。


悪くはないけど、良くもなく、コアな乃木坂ファンには受けるかもしれないけど、一般アピール力はどうなんだろう?、という感想は、昨夜放送された『テレ東音楽祭(2)』のパフォーマンスに対しても、同じく抱きました。

歌が始まった最初は、前作「命は美しい」と違って、メンバーのにこやかな笑顔が溢れていて、「やっぱり乃木坂はスマイルだよな」と、しみじみ感動を覚えます。

「命は美しい」はガチのダンス曲で、決めるべきところを決めないと、どんどん迫力がなくなる、減点法のパフォーマンスですが、「太陽ノック」は、笑顔と可愛さで勝負できる、加点法で、フリが合ってないとか、ステップがとか、余計なことを考えず、ゆったりした気持ちで観ていられる(笑)。


しかし、HKT48「12秒」を彷彿させる衣装は、紺とグレイが交互にストライプになっていたり、チェーンや花のアクセサリーが付いていたり、従来の乃木坂ファッションに比べて、コテコテした造りになっていて、AKB48Gっぽい雰囲気が濃く漂っている。

乃木坂の制服やステージ衣装は、あまり小物を使わず、色使いや構成も、シンプルにスッキリまとめたものが多い。

昨夜のステージは、マイナーながら独自色のあった乃木坂が、ファッションの面で、メジャーアイドルAKB48に近づき、もともとの個性を失っていくのではという危惧を抱かせる面がありました。


さらに、音楽とダンスも、思い切った変調あるいは不思議な振り付けなど、チャレンジングな攻めの姿勢やオリジナリティへのこだわりを感じさせる部分に乏しく、AKB48Gのさまざなまな歌を混ぜ合わせたような、「既聴感」のある、無難なアイドルソングという印象を受けました。

ファッション、音楽、ダンスにおいて、AKB48Gの夏ソングと言えば、こんな風になるだろうというイメージが、真ん中を貫いていて、「ああ、なるほど、よくあるね」というメジャー感があり、落ち着いて鑑賞出来るものの、「で、乃木坂って、どんなグループなの?」と、個性が伝わってこない気がします。

AKB48Gの平均値的夏ソングを、平均から少し乃木坂寄りにアレンジした衣装で、パフォーマンスしている、そんな印象です。


こういったAKB48Gに寄せたアイドルソングが出来た理由は、音楽、ダンス、ファッションを担当したクリエーターの感性という以上に、12th選抜のメンバー構成にあると思います。

フロントから3列目まで、お姉さんメンバーと年少メンバーが、統一感やコンセプトなく、バラまかれたように並んでいて、そこから自然に物語が浮かんでくるような構造になっていない。

センター生駒里奈を生田絵梨花と西野七瀬で挟んで、どんな関係性を持たせようとしたのか、また、このトップ3の両端にいる白石麻衣と橋本奈々未はどんな立場なのか。

さらに、3列目中央には、星野みなみ、齋藤飛鳥、伊藤万理華、井上小百合という、超ど級に可愛いメンバーが集まっているけど、目が離せなくなるほどインパクトのあるこのグループは、全体の中でどういう役割を担っているのか。

ん~、全然、相互の関係性が見えてきません。

MVにおいて、生駒と西野に、現センターと前センターという関係を越える物語がなく、他のメンバーも、私のような長年のファンですら、生駒との関係を読み切れず、登場人物のキャラがなかなか立ってこない。


どういうコンセプトを持ったチームにするかを考えて、選抜構成を決めていないので、クリエーターに明確なイメージを抱かせる力が弱く、そのため平均的なアイドル像やアイドルソングが出来てしまうんじゃないでしょうか。

そして、『テレ東音楽祭(2)』でも歌の間ずっと、「乃木坂48」とテロップを出されたように(笑)、乃木坂は48Gの一員という意識が広く流布しているので、AKB48Gの平均になってしまう。

何と言っても、プロデューサーが同じですから(笑)。


伊藤万理華は、クリエーターに自分の使用法を誤らせない、強い物語力によって、MVや個人PVそして映画『アイズ』など、ほとんどの出演作品を成功させてきました。

一方、今の乃木坂選抜は、チームとしてのキャラが弱く、独自のコンセプトを引き寄せる、自己プロデュース力が弱いのだと思います。

例えば、星野みなみと齋藤飛鳥のライバル関係、伊藤万理華と井上小百合の師弟関係、夜の生田絵梨花を抑え込む中元日芽香の親子関係(笑)など、現実にある関係性を反映させた選抜にすれば、クリエーターは、それらから具体的なインスピレーションを受けるので、より個性的で迫力のある、音楽、ダンス、MVが生まれる確率が高まると思います。

実際、「無口なライオン」MVは、若月佑美と桜井玲香の「どレ…」、いや「信頼」関係をベースに置き(笑)、主人公である「七瀬」に、弱さと頑固さという、実際の西野七瀬に近い性格を設定することで、魅力的な作品に仕上がっています。

本物には、観るものを惹き付ける、迫力があるんですね(笑)。


楽曲やパフォーマンスから「乃木坂らしさ」が消えつつあるのだとすれば、それは、乃木坂そのものが、「乃木坂らしさ」とは何かを見失いかけているからじゃないでしょうか。

メンバー同士の個人的関係やチームとしてのコンセプトを無視して、握手会人気や「貢献度」だけで、選抜構成を決め続ける限り、乃木坂は「乃木坂らしさ」を失い続けるでしょう。

星野みなみと堀未央奈の友情など、乃木坂には、多くの魅力的な関係性が存在して、豊かな物語がすでにあるのだから、それらを選抜に取り込んでチームを作れば、本当の「乃木坂らしさ」をクリエーターに提示出来ると思います。

清楚で美しいといった、抽象的な「乃木坂らしさ」を上から押し付けるのではなく、メンバーの今を懸命に生きている、ありのままの姿にこそ、「乃木坂らしさ」が宿っていて、そこから出発するべきじゃないでしょうか。


最後に、二つ資料を載せておきます。

(表1) 乃木坂の歴代シングルにおける、表題曲MVの公開とCD発売の日程関係

01枚目:MV公開[2012/01/31(火)] =22日=> CD発売
02枚目:MV公開[2012/04/15(月)] =17日=> CD発売
03枚目:MV公開[2012/08/08(水)] =14日=> CD発売
04枚目:MV公開[2012/11/25(日)] =24日=> CD発売
05枚目:MV公開[2013/02/13(水)] =28日=> CD発売
06枚目:MV公開[2013/06/07(金)] =26日=> CD発売
07枚目:MV公開[2013/10/30(水)] =28日=> CD発売
08枚目:MV公開[2014/03/06(木)] =27日=> CD発売
09枚目:MV公開[2014/06/09(月)] =30日=> CD発売
10枚目:MV公開[2014/09/11(月)] =27日=> CD発売
11枚目:MV公開[2015/02/25(水)] =21日=> CD発売
12枚目:MV公開[2015/06/24(水)] =28日=> CD発売


結局、「太陽ノック」のMVは、ごく普通のスケジュールで公開され、『初森ベマーズ』の主題歌であることは、影響しませんでした。

シングル発売前に、収録曲のMVを、ネット上に、フルバージョンで無料公開するのは、乃木坂ファンにはお馴染みですが、一般的にはかなり思い切ったプロモーションだと思います。

とくに、ドラマのイメージを左右するオープニングテーマとなると、番組側とすれば、放送開始に合わせて、楽曲展開して欲しいだろうし、将来のDVD化を考えても、ネットでのフルバージョン無料公開は、実害はともかく、あまり気持ちの良いものじゃない気がします。

「太陽ノック」MVが、とくに当たり障りのない、ある意味「ソフト」な内容になったのは、乃木坂運営が、ドラマイメージに干渉しないよう、番組側に配慮したからという見方もあります。

例えば、「バレッタ」MVのような、あまりにドラマチックな内容だと、さすがにマズいということですが、考え過ぎでしょうか(笑)。


二つ目は演奏時間です。

(表2) 「太陽ノック」が披露された番組とその演奏時間

[凡例]
『コンサートや番組の名称』
演奏時間 = 「曲名」
放送された日付とメディア名

#「演奏時間」は前奏開始から後奏終了までの時間。
#「5 : 07」は5分7秒を表す。

(MV)
3 : 56 =「太陽ノック」
6月24日(水)YouTube公開
# 2015/07/22発売12枚目表題曲
作詞:秋元康、作曲:黒須克彦、編曲:長田直之

(テレビ放映された音楽番組)
『テレ東音楽祭(2)』
2 : 29 =「太陽ノック」
# 12th選抜 (橋本ポジ : 川村真洋)
6月24日(水) テレビ東京


2分半は決して短いステージではなく、テレビ東京は、乃木坂の新曲をしっかり流してくれたと思います。

まあ、「妖怪二つ増やし(46->48)」は、退治して頂きたいですが(笑)。

この土日で舞台『じょしらく』が終わると、いよいよ本格的な新曲キャンペーンが始まり、噂が飛び交っているカップリング曲も、明らかになっていくでしょう。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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