山浦清美のお気楽トーク

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諫早湾干拓事業について思うこと(2)

2013-12-20 | 政治・経済・社会

 結局、国は開門賛成-反対両派の話し合いによる解決という立場から一歩も踏み出すことなく開門調査の確定判決による実施期限の満了を迎えてしまいました。

 「諫早湾干拓事業について思うこと」で指摘しておりますように、そもそも同干拓事業事業を開始したのは国なのです。本音からすれば開門調査を行い漁業被害が認められるような結果が出ることは是が非でも避けたいところでしょうし、それに繋がるような開門調査も実施したくないところでしょう。反対派からの開門調査差し止めの仮処分が提起されたことに対して、国に責任が及ぶ漁業被害の発生を主張しなかったのもこの路線に従ったに過ぎません。その結果、矛盾した司法判断となったともいえます。

 これを勘繰れば、開門調査の確定判決をうやむやにする法廷戦術であると見ることができるでしょう。そして開門賛成派-反対派間の双方を司法の場で争わせることにより、双方を疲弊させ、うやむやの内に収束させてしまおうといった魂胆に見えなくもありません。

 干拓事業やダム建設などの大規模公共事業は、地元住民をはじめ様々なものに対して多大な影響を与えます。自然環境に対しても非可逆的な影響を及ぼす可能性もあります。事前の周到な影響調査の必要性は言うに及ばないことでしょうが、その後に予期せぬ事象が発生することもあるでしょう。このような場合には、事業の実施主体に第一義的な責任があることも言うを待たないことでしょう。そういった意味においても、今回の国の姿勢には合点が参りません。


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