Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

青い事典、まとめ17

2016-10-09 09:28:35 | 日記

 私は3階の渡り廊下で、きー君と並んで2人で話をしていました。

先ほどFさんから、今なら、渡り廊下にきー君が1人でいるからと聞いて来ました。

彼女に、すぐに行って話して来て欲しいと頼まれたからでした。

 ここへ向かう途中の教室廊下を歩きながら、私はいったい何から話し始めたらよいかと言葉を探しました。

そう思う内にも、もう渡り廊下の入り口の扉が目に入ってきました。

そうね、ここは合格おめでとうから言った方がよいわねと思います。

 きー君、此処にいたの、聞いたわよ、合格おめでとう、付属中学に行くんでしょう、良かったわね。

と、切り出したような気がしますが、この件は自発的な出来事ではないので、私の記憶は定かではありません。

 ご近所なので、私とは昔からそれなりの顔馴染みであるきー君は、特に驚く様子はありませんでした。

なんだ、Junさんかという感じで終始にこやかでした。

ただ、年2、3回しか話した事がない私がこんな所で急に話しかけて来るのですから、

当然何だろうと内心身構えていたと思います。

 私は彼が最優秀だという事を、試験の結果を聞かなくても父の日頃の噂話から聞いて知っていました。

試験結果を聞いて、やっぱりねと思ったものでした。

 さて、どんな理由で私が話しかけてきたのだろうと、当然きー君は思ったようです。

ありがとうのお礼の言葉の後に、何か用?と聞かれて、

特に言う事も見つからない私は、流れのままに話します。

 私も受けたかったけど、お父さんが駄目だと言って受けさせてくれなかったの。

よかったわね、受けられて、と言うと、なあんだという感じで、またかという感じでもありましたが、

Junさんが受けてたら受かってたよ。ときー君に言われます。

 思わず私は笑顔になって、2人(きー君&Fさん)して同じこと言って、と確信を深めます。

私なんて駄目よ、受けても落ちていたと思う。と言いながら、

やっぱり付属中学の方に行くんでしょうと聞きます。

 きー君はうんと言っていましたが、いや、実は迷っているんだと言い出しました。

やっぱりFさんの言う通り迷っているのかなと、何故?折角受かったのに、何故迷っているの?と、

私は迷っている理由を聞こうと思います。真実が知りたいのです。

きー君の迷っている理由はどんな事何でしょうか。

 

 

 


青い事典、まとめ16

2016-10-09 08:52:14 | 日記

 今までFさんの話を渋っていた私は、ここでコロッと態度を変えました。

くすくすと笑うと、まあ大体話は分かったわと言います。

「いいわよ、きー君と話しても。

こう言って、抑えきれずに思わずフフフと含み笑いしてしまいます。

 では、と言います。

きー君がFさんの言うように私を好きだと仮定しましょう。

そう言って、

仮定の下にきー君と話をして、付属中学へ行くのを引き止めればいいのよね。

Fさんの言うところでは、それがきー君の為なのね。

と、念を押します。

 Fさん、私のこの急変にやや我に返ったようでした。

私の言葉を少しの間口の中で反復していたようでした。

そして、そう、きー君の為、そうなの。

だから、仮定でもいいからJunさん、彼を引き止めて欲しいの。

再三の彼女の申し出に、私はこの友人の為と折れるのでした。

このように、私達2人の間で話はまとまったのでした。

 それにしても、と私は思います。きー君自身は付属に行きたくないのかしら?

本当にFさんの言うように行くか行かないか迷っているのかしら?

私だったら、と、思います。

折角受けて合格したんだから、自分が最優秀だと証明されてこんなに嬉しい事は無い、

行きたいに決まっているのに。と、単純に考えるのでした。

 それでもう一度Fさんに念を押します。

本当にきー君は付属に行くかどうか迷っているのね。

合格して喜んでいて、行こうと決めている訳ではないのね?

 そう、迷っているって、きっと…、Fさんはそう言葉を切って、

曖昧な表情の中、きっと、行きたくないのよと答えるのでした。

 

 


青い事典、まとめ15

2016-10-09 08:17:07 | 日記

 私の言う事をきー君がそうやすやすと聞くとも思えません。

どうにもFさんの話は不思議です。

『寝耳に水』という以前の、私にとってもきー君にとっても、先ず問題外のお話にしか思えない私は、

一体全体Fさんは何を考えているんだろうと思うのでした。

 Fさんの頭の中はどうなっているのだろうと、改めてしげしげとFさんの頭を見てみます。

頭から顔と…

眺めている内にあることに気が付きました。

せっせと話しているFさんの顔、視線は宙に舞い頬はほんのり上気して赤くなっています。

綺麗なピンク色の頬、こんな表情の彼女は初めてみました。はぁ~ん

ぴいーん!と来ました。

 『Fさん、きー君が好きなんだ!』

それで、中学校で離れたくないんだ。と、

『これが女の第六感という物なのね

聞いてはいたけど、私の脳裏にピン!と来た、今のこれがその直感なのだと、

この時の私は確信しました。

 任せなさい、分かったからには私が何とかしてあげようじゃないの。

そう思って私はほくそ笑むのでした。