茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記29年7月3日「病は気から?」

2017-07-03 07:27:18 | 日記

先日お見えになった患者さんから『仕事で怒りすぎて体調が悪い、肋骨の付近に何かが痞えている感じがする。』とお話がありました。

腹診するとすると確かに肋骨付近の肝の領域に反応があります。東洋医学では「怒り過ぎると肝が傷(やぶ)られる。」と言われています。

更に丁寧に触診すると心窩部の圧痛が肋骨部分よりも強く今回は「心積心虚証」で治療する事としました。心窩部は心の領域とされています。

東洋医学では「憂いすぎると心を傷(やぶ)る。」と言われています。 

「病は気から」とよく言われます。

体の調子が悪くて病院に行って検査を受けても異常が認められなく「気のせいです、どこも悪い所は認められません。」と言われた方も沢山いらっしゃるのではないですか。

この場合「気のせいです。」は「病気ではありません。」という否定的な意味が強いですよね。

しかし患者さんにとっては、体の不調は間違いなく存在している。

対して、東洋医学で「病は気から」と言うのは、「気」の変動が経絡の変動を引き起こし「病気」になると考えます。

「病気」と言う言葉は「気を病むことで」で病む気と言うことが「病気」です。これは元々東洋医学の言葉です。

「病は気から」と言われるその「気」は人の感情の喜怒哀楽を言いますが
・喜びすぎると心を傷(やぶ)る。
・怒りすぎると肝を傷(やぶ)る。
・思いすぎると脾を傷(やぶ)る。
・悲しみすぎると肺を傷(やぶ)る。
・恐れすぎると腎を傷(やぶ)る。
・憂いすぎると心を傷(やぶ)る。
・驚きすぎると胆を傷(やぶ)る。
東洋医学では、この感情が過度の時に、その感情を蔵している臓を破り、臓が虚すのが、病気の原因となると考えます。

この五臓の中でも心と肝が特に傷る(やぶ)られ易いとされていますが、今回は心と肝が不調の原因の様です。

人間としての生理機能はすべて「経絡」と「気血」が完全に巡ることで機能していますが、臓が虚していると様々な体の不調が現れます。

現代の様なストレス社会で人は様々な精神的刺激を受け、それが経絡に反映し様々な「病気」「不定愁訴」の原因となるのです。

お仕事や対人関係でのストレスや怒り・思い・悲しみ・恐れ・憂いなどが臓を傷り「気」の変動が「体の不調」の原因となっている方が多いのではないかと思います。

東洋医学は「気」の医学です、病院で「気のせいです」と言われた方は、お近くの鍼灸治療院に足を運ばれ、「気の概念」に基づいた治療を受けて見られたらいかがでしょうか。

※東洋医学では病因を内因・外因・不内外因の三種類に分けますが、内因を七情(七つの感情)と言います。

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