茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年11月30日「黄体機能不全の鍼灸治療。」

2013-11-30 09:51:06 | 日記
前回のブログで当院で不妊治療をされている「黄体機能不全」の方が妊娠したことをご報告しましたら、お問い合わせがありましたので今日は「黄体機能不全」の不妊治療について簡単にお話ししたいと思います。

女性のからだには、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が、大きく作用しています。

この2つの女性ホルモンのうち、基礎体温を高温状態にするのが黄体ホルモンです。黄体ホルモンは成熟した卵子が排卵された後の、残された卵胞が「黄体化」して分泌されるようになります。

「黄体機能不全」とは黄体が十分に機能せず、排卵後に子宮内膜を妊娠に適したで維持しておくための黄体ホルモンの分泌が不足している状態のことでです。

「黄体機能不全」があると排卵後、正常より短い日数で子宮内膜が維持しきれなくなって頻発月経や不正出血を起こしたり、着床困難による不妊の原因になったりします。

「黄体機能不全」の原因としては次のような事が考えられます。
①卵胞の発育や排卵後の黄体への変化がうまくいっておらず、十分な量の黄体ホルモンを放出できない。

②脳下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)の分泌が不十分。

③卵巣に問題があり、FSH・LHに正常に反応して卵胞の発育・排卵が行えていない。

④黄体ホルモンは十分に分泌されていても、子宮内膜の感受性が悪いと、黄体ホルモン不足と同様の状態になることがあります。

黄体機能不全の診断基準は
•高温期の持続 9日以内
•高低の温度差 0.3度以内
•子宮内膜の厚さ 8mm以内
•プロゲステロン 10ng/ml未満
であり、以上の条件に該当する時は「黄体機能不全」が疑われます。

当院では東洋医学的な立場からの不妊症の原因は「冷え」「お血」「ストレス」と考え治療を進めています。

「黄体機能不全」の原因もその根底には「冷え」「お血」「ストレス」があると考えます。

現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊の原因となる場合も多いのです。

ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で実はストレスに対応する体内の器官と、生殖活動を行う際に対応する器官は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)も、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善には、このストレスの解消が欠かせません。当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「お血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております

黄体機能不全は「冷え」「生活改善」「ストレス」などが原因であることが多く鍼灸治療がとても効果があります。

前回「黄体機能不全」の方が妊娠した事をご報告したところ、お問い合わせがありましたので再度ご説明いたしました。

鍼灸による不妊治療は「黄体機能不全」だけではなく多くの症状の不妊症に効果があります。

当院の不妊治療は「積聚治療」と言われる流派の治療法で「刺さない鍼」を使用する「接触鍼」という技法を使います。鍼により「気」を動かす治療法で「基本治療」では体に刺すことはありませんので、鍼を刺されることに抵抗がある方でも安心して治療を受ける事が出来ます。

当院では「不妊治療」の患者様には鍼灸治療を受け易くするため専用の「ハッピーチケット」をご用意しております。

これから現代医学の「不妊治療」を始めようと思っている方は当院の東洋医学の理論による「不妊治療」を併せて受けると現代医学と伝統医学の協力により、妊娠の可能性が高まります。是非お問い合わせください。







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壽堂日記25年11月25日「不妊治療の患者様から嬉しい報告。」

2013-11-26 07:52:24 | 日記
当院で不妊治療を受けていられる患者さまから「妊娠しました。」と嬉しい報告を頂きました。

「黄体機能不全」と病院で診断「卵巣年齢が高い」と言われ、東洋医学による治療を受けて見たいと当院に来院されたのが今年の2月のこと、それから週一回のペースで鍼灸治療を受けられ9ヶ月で妊娠されました。

当院では不妊症の原因は冷えとお血とストレスと考えます。

西洋医学では、体の冷えや冷え症が「病気」という概念はありません。東洋医学では「冷え」があらゆる病気(ガンなども)引き起こす体の病的変化と捉え、予防のための治療をします。すなわち「未病」が東洋医学の原点です。例えばガンなどの痛み、月経痛も気血、津液の流れが滞る事によって生じるものなので(=不通即痛といいます)その流れをよくしてやることにより痛みも取れ、その病気も良くなると考えられます。

不妊症の治療について当て嵌め考えれば、東洋医学で「冷え」を取り、その上で西洋医学の的確な治療を行うことにより、副作用の少ない、体に優しい、より効果的な治療が可能になります。

今回の様に、排卵があり、体温が二相性にならない場合で「黄体機能不全」の治療をしても改善しない場合、東洋医学的な鍼灸治療の出番になります。

体温が二相性にならないことを東洋医学的に分類すると

①生命力(自然治癒力)が足りなく、体温を上げることが出来なく二相性にならないタイプ。
(このタイプの治療については以前ブログに書きましたのでそちらを御覧下さい。)

②自律神経のアンバランスがあり体温が二相性にならないタイプがあります。

人間には、自律神経という自律調整機能が働いています。

自律神経は自分の意思と無関係に働いています。体温の調節も自律神経の重要な働きの一つです。ですから自律神経のアンバランスが生じると低体温になったり、基礎体温が二相性にならなかったりすることがあります。

また自律神経の変調により、ホルモンのアンバランスを引き起こし、排卵機能の不全や黄体機能不全を起こすことがあります。

自律神経の変調の最大の原因は精神的なストレスです。

不妊症の患者さんの精神的なストレスは非常に大きく、極度の緊張状態が長く続くと、交感神経の緊張が増大し、自律神経の変調をきたし、様々な不定愁訴が現れます。

鍼灸治療は、交換神経の緊張を緩めます。不妊症にお悩みの方、一度、鍼灸治療を受け手リラックスして見ませんか、必ずリラックス効果が不妊治療を効果的にします。

当院では患者様の経済負担を減らせるように「不妊治療」専用の「ハッピーチケット」をご用意しておりますので是非お問い合わせください。

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壽堂日記25年11月24日「線維筋痛症・脳の血流を良くする鍼。」

2013-11-23 09:19:40 | 日記
線維筋痛症の患者さんが急患で来院、脳の血流を良くする鍼をして欲しいとの事でした。

症状的には全身の痛みと・浮腫み・頭痛・眩暈・動悸・胸苦しさ・手足の冷え等でした。

お話を伺うと、線維筋痛症の治療のため血圧を上げる薬を服用しているが、その薬を服用すると激しい頭痛・眩暈・動悸が起きるのだそうです。

その頭痛・眩暈・動悸を何とかして欲しいという訳です。

線維筋痛症で血圧を上げる治療法とは最新の治療法の様で、調べてもその治療法に言及した資料が見つかりませんでしたが、中枢性感作症候群に対する治療方法ではないかと考えます。

お持ちいただいた処方薬に中に「ミドドリン塩酸塩」を含む薬がありましたので、この薬は交感神経を刺激し、血管を収縮させて血圧を上げる効果がありそして副作用に 頭痛、動悸、吐き気がでることがあります。

おそらく患者さんの頭痛、眩暈、動悸は副作用によるものと考えられます。

今回は通常の「積聚治療」を行い、体の気血水の流れを調えることから始めました。薬物で無理やり血圧を上げることは内臓に負担がかかりますので全身の陰陽バランスを調えることが必要です。

体の指標は線維筋痛症の診断ポイントとほぼ同じ場所を取り治療を進めましたが治療するに従い、痛みの箇所が減少して行き、頭痛・眩暈・動悸も治まってきました。

基本治療後に補助治療として頭部に四神聡と百会を刺すと「これいいですね、頭がすっきりします。」との事です。さらに上肢の疼痛軽減のため合谷と曲池を配穴して刺しました。

治療後は全身の痛み・頭痛・眩暈・動悸・胸苦しさ・手足の冷えも解消し患者さんから「来た時より全然頭が冴えわたりました。」との言葉がありました。

鍼灸治療は「線維筋痛症」の治療に効果があることを改めて感じました。患者さんには薬の副作用について主治医と相談するようにアドバイスいたしました。







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壽堂日記25年11月10日「ネパール棒灸で気血を巡らし冷えを治療。」

2013-11-10 13:59:44 | 日記
朝晩寒くなりましたね。冬本番を迎え冬の必需品であるネパール棒灸を補充しておきました。
10本を一冬の治療で使い切ってしまいます。

ネパール棒灸はその名の通り、ネパールで自生するヨモギから生産された棒灸です。

太陽の恩恵を受け自然に恵まれた環境で育ったヨモギから作られるモグサは精油の香りが強く効果は抜群です。

通常の棒灸の2倍以上の直径があり、「ことぶき堂鍼灸院」では本治法による治療後の局所治療や督脈通陽法に使用します。

使用法としてはタオルの上からポンポン押し付けて使いますので焼け跡が付くことはありません。

温補・通陽作用が優れており、冷えの強い方や広い方の治療に適していて当院では冬の必需品であり、また冷え症・生理不順・不妊症・不眠症などに対して多く使用しております。

生理不順・不妊症その他の女性特有の不定愁訴は、体が「冷え」ていることが原因であることが多く。体の「冷え」でお悩みの方には、当院の経絡治療+ネパール棒灸の治療を受けて見てください。


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壽堂日記25年11月7日「不妊治療・陰陽バランスとは。」

2013-11-06 16:42:11 | 日記
今日は立冬ですね。朝晩冷え込むようになりました。女性に冷えは大敵です!防寒対策をお忘れなく。

本日は初めて鍼を受けると言う患者様がお見えになりました。

現代医学による不妊治療を受けているそうですが、東洋医学の考え方に基づく鍼灸による不妊治療を受けてみたいと言うことでした。

当院の患者様は現代医学と東洋医学の双方の治療を受けられる方が多いですね。

問診すると生理不順と冷え性に悩まされ、猛暑であった今年の夏でも手足が冷たかったとのこと、触診すると確かに手足が冷たく、腹診すると臍の左側に冷感域があり、脈状も渋る様な感じで瘀血が伺われ、推動・温煦作用が落ちていると思われました。

推動作用の血を巡行させる作用が低下することで瘀血が出来、温煦作用(全身の各組織を温める作用)が低下することで手足の冷えが現れます。

今回は腹診により「腎虚証」として証を立てて治療しましたが「虚証」とは「陰虚証」の事で当院では接触鍼を用いて気・血・水の流れを良くして体の陰陽バランスを調えて妊娠しやすい体を創るのを目的とします。

体の陰陽バランスを調えると説明すると「陰が少ないほうが良いんですか?」と質問されましたが、「陰」と言う表現は陰湿とか陰険とかマイナスのイメージがありますが、東洋医学では万物は陰と陽で構成されると考え、陰と陽はそれぞれ単独では存在できず互いに依存しあう関係と考えています。

ですから「陰」が悪く「陽」良いものという考え方ではなく、電気のマイナスとプラスの関係を考えれば理解しやすいと思います。

東洋医学では人体に対して推動・温煦作用を持つ気を「陽」と称し、人体に対して栄養・滋潤作用持つ気を「陰」と称していて、疾病は陰陽の相対的なバランスが失調して起こると考えられていますので陰と陽どちらかが少なかったり多かったりしてもいけません。

不妊治療に限らず鍼灸治療の目指すところは如何にして陰陽の相対的なバランスを回復させるかにあります。

今回の患者様は治療を終えると手足が温まり、お腹もふんわり柔らかくなり温まりました。不妊症の原因は様々な全身的な要因が関係しておりますが本治法で大本になる「精気の虚」を補うことで女性本来が持つ妊娠する力を引き出すことが出来ます。

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