茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年12月28日「冷えのぼせ・上気症状の治療。」

2013-12-29 06:21:40 | 日記
冷えのぼせ・上気の症状が強い方が来院されました。

症状としては顔面が赤黒く目が充血して口角に吹き出物があり頭がボンヤリする。上半身の体表の熱があり、下半身と手足が冷たい。

体を診察すると腎の領域の曲骨上の圧痛が著明であり腎の陰虚により肝の陽の気が上部に集まり陰陽バランスを崩しているのが原因の様でした。

「積聚治療」で気を下げる治療を行いまたしが、仰臥位で腹部接触鍼を行い脈調整を行いながら顔面の色を観察すると赤黒い色が抜けてきて顔色が白くなってきました。

患者さんからも「脈調整の鍼が響きます、かなり気が下がったのが分かります。」との事でした。

うつ伏せで背中に接触鍼をすると頚部・肩部の凝りと体表部の熱感があります。ここで「積聚治療」の腎積腎虚症の第四方式を使い背部兪穴に丁寧鍼をしていきます。

膀胱系一行線を4穴終えて患者さんに聞くと「気がすごく下がりました。ここまで気が下がると頭がスッキリします。」との事でした。

脊際に鍼を当て治療すると「気が流れていくのが分かります。」との事でした。体質により気の動きを敏感に感じ取る事が出来る人がいますがこの方もそのお仲間の様です。

本治法(基本治療)で症状は大幅に改善した訳ですが、最後に標治法(補助治療)で天柱・風池・四神聡・百会に鍼をして治療終了としました。

患者さんが「気が下がり意識レベルが上昇しました。」と喜んでお帰りになりました。

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壽堂日記25年12月27日「冷え症の方へ・体を温める食べ物。」

2013-12-27 06:18:29 | 日記
当院は鍼と灸で気を動かして「冷え」を取り、体の陰陽バランスを調える治療をしていますが、この治療は鍼灸で気血水の流れを良くして、五臓の働きを改善し基礎代謝量を上げると考えることも出来ます。

体を温める熱の多くが内臓から発生しており、内臓の働きを活発化すれば体温が上がり、体が温まります。

患者様から「冷え症」を改善する食べ物についてお尋ねがありましたので簡単に説明してみたいと思います。

鍼灸治療で体の陰陽バランスを調える訳ですが、東洋医学では食物にも陰陽があり、食物の性質を「熱性」「温性」「平性」「涼性」「寒性」の5タイプに分けています。

「熱性」「温性」の物は「陽」であり体を温めて新陳代謝を高め、体内諸機能を亢進するような働きがあり。

「涼性」「寒性」の物は「陰」であり体を冷やして新陳代謝を抑えるような働きがあります。

体を温める陽性の食べ物としては
1.寒い地方で産出された食べ物(食材)冬が旬の食べ物(食材)は体を温めます。
  
2.色の黒っぽい食べ物(食材)、濃い食べ物(食材)、暖色(赤・黒・黄・橙色)の食べ物(食材)は体を温めます。
  
3.地下でエネルギーを蓄えた食べ物(食材)は体を温めます。
 
4.水分が少なく硬い食物(食材)は、柔らかいものより体を温める。柔らかい食物(食材)は、水分や油分を多く含み、体を冷やします。

5.塩(ナトリウム)の多い食物(食材)は体を温めます。(腎臓の悪い方は塩分の取りすぎに注意が必要です。)

冬の季節に旬を迎える食材は体を温める作用を持つ物が多く例を挙げれば
・しょうが 辛味成分のジンゲロールとショウガオールが、体を温め、胃液、唾液の分泌を促進してくれます。
・唐辛子 赤、青ともに、刺激的な辛味が血管を拡張させ、血液の循環をよくするために発汗を促してくれます。
・らっきょう 利尿効果・消炎作用もあり、気をめぐらせて痰をとってくれます。
・プルーン、便通がよくなり、鉄分が豊富で造血効果があり体も温めてくれます。
・黒米、食物繊維が豊富で便秘に効果的。ビタミン、ミネラルも豊富。 
・ね ぎ
・にんにく
・にら
・根菜類
・そば
・塩鮭
・こんにゃく、ごぼう、
・人参、山芋、蓮根
・スパイス類、コショウ、マスタード、八角、クローブ、シナモンなどは発汗、利尿作用があります。
・自然塩
・塩辛い加工品 
・みそ、しょうゆ、梅干、たくあん
・果物は一般に体を冷やす作用があり注意が必要ですが、例外としてリンゴ、サクランボ、ブドウ、プルーンなどの果物は体を冷やしません。
・黒豆、小豆、ひじきなの黒に近い色をしているものは、体を温めます。
・白米より玄米、緑茶より紅茶、白ごまより黒ごま、白砂糖より黒砂糖、白ワインより赤ワインなどいろの濃いもののほうが体を温めます。
・肉や魚も、白身より赤身が体を温めます。
・肉の中でも、レバーや羊肉は、体を温める食材です。
等がありますので参考にして見て下さい。


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壽堂日記25年12月20日「冷え症・不妊症」

2013-12-20 20:14:23 | 日記
クリスマスまであと少しですね。

この時期は「冷え症」の患者様が多くお見えになります。

今日は「冷え症」に悩まれる女性がお見えになり、お話を伺うと鍼灸による「不妊治療」も受けて見たいと言うことでした。

「冷え症」は一般的に虚弱体質で貧血の人、胃腸が弱い人、骨盤内臓器の疾患があるとおこりやすく、骨盤内に充血(お血)があると「冷え」の傾向が助長されます。

そして「不妊症」の方は「冷え症」でもある事が多いのです。

東洋医学的に「冷え症」を捉えると、冷えの原因は陽虚・血虚・お血・寒湿などです。

気の温く作用・血の温養作用が低下する事により、気血の流れが不足し「冷え」となると考えられています。

東洋医学には気の概念があり、真気(正気)の作用の一つが、温く作用(臓腑器官などの組織を暖め、体温を保持する働き)となります。

当院では実際の治療では「冷え症」はまず「積聚治療」を本治法に用いて治療します。
本治法により治療すると体が温まって来ます。その後に必要に応じて標治法を用いて治療します。

「冷え症」に対する特効穴もありますが「気」を補い「冷え症」を治療するには最初に本治法を行う事が必要です。

今日の患者様は鍼が初めてと言うことで最初は緊張していましたが、当院の鍼は刺さない「接触鍼」が主体ですので全く痛くありません、途中から気持ち良さそうに寝息を立てておられました。

治療を終えると手足もお腹も暖まり「体がポカポカする。」「鍼も思っていたのと違い全然痛くなかった。」などと感想を話してくれました。

当院では「不妊症」の原因は「冷え」と「お血」と「ストレス」と考え、鍼灸による「不妊症」の治療に取り組んでおります。

「冷え症」を治療することは「不妊症」の治療になります。「冷え症」「不妊症」で悩みの方は鍼灸治療を受けることお勧めいたします。

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壽堂日記25年12月10日「全体治療+北川式美顔鍼。」

2013-12-11 07:52:07 | 日記
北川式美顔鍼を受けて見たいと都内にお住まいのお客様がお見えになりました。

美容鍼のスタイルとして「全体治療+美容鍼」と「美容鍼」単独の二種類のスタイルがあります。

「全体治療+美容鍼」の施術をするところは少ないようですが当院では「美容鍼」の前に「積聚治療」による全体治療を行い、その後に「北川式美顔鍼」による施術を行うのがスタンダードとなります。

美容鍼の前に全体治療を行うことにより、体全体の気・血・水の流れを調えると、美容鍼の効果が違います。

「東洋医学」では、五臓の状態が顔に表れると言う考え方があり「顔は五臓の鏡」といわれます。

具体的な例を挙げますと、
・肝の働きが悪いと、お血と言われる目の下のくまが出来たり。
・脾の働きが悪いと顔色が黄色く萎びて見えたり。
・肺の働きが悪いと吹き出物・肌荒れが起きたり。
・腎の働きが悪いと顔色が煤けた様に黒くなったり、浮腫んだり、髪が白髪になったりします。

当院ではお客様のお顔に鍼を刺すだけの美容鍼ではなく、根本にある様々な症状の「本」となっている五臓の状態を調える「本治法」により治療し、その後に顔に鍼をする「標治法」により五臓の失調でお顔に生じた症状を改善するのを基本としております。

美容鍼のお客様の多くは「私は体の具合が悪い所はありません。」「美容鍼に来たのに何故体全体に鍼をするのですか?」と質問されます。
しかし良く話しを伺うと、肩こり・頭痛・冷え性などの症状をお持ちの方が多いのです。

今日のお客様は目尻のしわ・肌のくすみ・ほうれい線の改善がご依頼でしたが冷え性・肩こり・頸凝りも気になると言うことでした。

東洋医学的に診断して証を立てると今回は「脾虚証」となり全体治療は「脾虚証」で進めることとしました。

「脾虚証」は詳細にみれば「脾虚肝実お血証」となります。

この証は「右脇下のお血」と「下腹部のお血」が原因となる場合があり、女性は「下腹部のお血」が多く、「月経不順」「産後の不摂生」などが原因となり「下腹部お血」があると冷えのぼせ・頭痛・ノイローゼ・血の道症・月経不順などの各種婦人病・蕁麻疹などの各種皮膚病などになりやすくまた目の病気はお血が関係していることが多いのです。

また「下腹部お血」のある人はシミが多く顔面が赤黒くニキビが出やすくなります。

目の下のくま、肌のくすみなどは「肝実お血証」が原因であることが多いのです。ですから「ただ顔に鍼を刺すだけ」では期待する効果が出にくいのです。

「肝実お血証」なのに何故「脾虚証」で治療するのかと言えば「肝」が実することにより相克関係にある「脾」が虚しているからです、東洋医学では「先ず補ってから寫す」というのが原則にあり「脾虚肝実お血証」の場合も「脾」を補してから「肝」を寫す事になります。

全体治療後「美容鍼」は「北川式美顔鍼」で施術し、短鍼を使い鍼管を使わず二指推鍼法でお顔に30本を刺して置鍼しました。

「全体治療+美容鍼」を終えますと、目尻のしわ、肌のくすみが改善され、お肌が白くなり透明感が増しました。

お客様も「肩こりがスッキリ、目が開くようになり、視界が明るい、体がぽかぽかする。」とのことでした。



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壽堂日記25年12月6日「脳過敏症候群。」

2013-12-07 06:39:56 | 日記
金曜日は「ことぶき堂鍼灸院」は休診日となっておりますが、急患の方は治療しております。

昨晩は「脳過敏症候群」の患者さんが本日中に治療を受けたいと午後9時に来院されました。

「脳過敏症候群」とはあまり聞かない病名ですがこの1~2年テレビの健康特集などで話題になっている病気ですね。

しかし正式な病名として日本頭痛学会から認められているかという事に関しては調べても不明でした。

「脳過敏症候群」とはあるお医者さんが提唱した。「耳鳴り・頭鳴りは脳過敏症候群によることが多く、脳波をとれば診断がつき、抗けいれん薬を飲めば治る。片頭痛などの慢性頭痛を適切な処置なしに放置したことによって発症するので、日本頭痛学会のホーム・ページに掲載されている頭痛専門医を受診すると良い。」

という主張ですが、実は「脳過敏症候群」は日本頭痛学会の会員の多くが認めている学説では無いようです。

「脳過敏症候群」について日本頭痛学会の正式なコメントが2012年8月14日にだされており「日本頭痛学会は現在の状況を憂慮している」とHPにも載せてありましたが現在は削除されています。

急患で来られた患者様から問診をすると

現在「脳過敏症候群」で治療をうけており「今日は朝から病院で脳波などの検査をして具合が悪くなり、頭痛・肩凝り・頸凝り・気の上逆・のぼせ・体表の熱感が酷く、東京の鍼灸治療院で気を下げる治療を受けたが全く効かなかった。」と言う事でHPで探して急遽「ことぶき堂鍼灸院」に来院されたそうです。

東洋医学的には頭痛・頸凝り・肩こりは上実下虚によるものが多く、またストレスが要因の一つに挙げられます。

今回は「積聚治療」の「腎虚症」で治療を進めましたが、背部の兪穴に鍼をする度に気が下がり、頸部と肩部の緊張も緩みましたので最後に補助治療として頭痛治療の定番である「四神聡」+「百会」に鍼をして治療終了としました。

患者様から
「すごく頭の鍼は気持ちい良いですね。」と喜んで頂けましたが、頭痛に対する効果も高いのです。

鍼灸治療は慢性の頭痛にとても効果があります。頭痛でお悩みの方で薬は飲みたくないと思われる患者様は一度鍼灸治療をお試し下さい。

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