茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記30年10月28日「不妊症とストレスの関係は?」

2018-10-28 07:21:01 | 日記

ストレスと不妊症の関係について簡単にお話してみたいと思います。

「ことぶき堂鍼灸院」では妊活・不妊症の患者様を治療させて頂いておりますが、多くの患者様に共通することは「冷え」「お血」そして「ストレスによる症状が強い」と言うことです。

四診で患者様のお体を拝見すると「舌は白色または暗赤色」であり、腹診するとお腹が硬かったり冷感がしたりして「冷え」や「お血」の症状が出ており、さらに夏でも手足が冷たく、頭がのぼせ肩がこる等のいわゆる「上実下虚」の方が多く、肩甲骨間の筋肉が緊張しています。

舌が白色は「体の冷え」暗赤色は「お血」を示しますが「肩甲骨の間」の緊張はストレスを示します。

肩甲骨の間には精神活動と関係が深い「魄戸」「心兪」「神堂」「巨闕兪」「身柱」などがありストレスが強いと凝りや圧痛などの諸症状が出ます。

不妊症を治療する上で、重要となるのがこのストレスです。不妊症でお悩みの女性は、精神的なストレスが溜まりやすくなっています。

不妊症には、「冷え」「お血」などの様々な原因がありますが、ストレスも大きな原因となります。

現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊の原因となる場合も多いのです。

ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で実はストレスに対応する体内の器官と、生殖活動を行う際に対応する器官は実は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

妊活・不妊症の改善には、ストレス解消が欠かせません。

当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「お血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております。


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壽堂日記30年10月27日「頭をスッキリさせる鍼?」

2018-10-27 08:23:24 | 日記

「試験が近いので頭をスッキリさせる鍼をお願いします。」と患者さんがお見えになりました。

腹診して「腎のエリア」に圧痛があるので「腎積腎虚証」で本治法を行いました。

患者さんから「どこが悪いのですか?」と質問されましたが、東洋医学では脳は奇恒の腑の一つであり「脳は髄の海」とも「精明の府」とも呼ばれ「腎」と関係が深いとされています。

「霊枢」には腎が蔵している精が髄を生じ、髄が脳を養うとされています。髄海の正気が虚すと頭がぐらぐらして耳鳴りがして、目が回ったりすることがあるとされています。

腎精が充足していれば脳髄は十分に栄養を受ける事ができ、腎精が不足して脳髄の栄養状態が悪くなると、頭暈、健忘、耳鳴り、記憶の減退、思惟力の低下などが生ずるとされています。

今回は「腎虚」なので「腎精が不足」していることが原因の一つではないかと考えられます。

補助治療は四神聡・本神・身柱を用いました。


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壽堂日記30年10月25日「卵巣過剰刺激症候群の治療。」

2018-10-25 05:37:07 | 日記

数日前に「排卵誘発剤」を服用して「不正出血」が止まらない方に鍼灸治療を行いました。

当院では「不妊症」の鍼灸治療に取り組んで居りますので「排卵誘発剤」を使用して体調を崩された方の治療も行っております。

その患者さんが再来院されたので「お加減如何ですか?」と尋ねたところ『前回鍼灸治療を受けてその日の内に続いていた「不正出血」がピタッと止まり鍼灸の効果に驚きました。』と言う事でした。

治療内容的には刺さない鍼を使用した「積聚治療」で全体治療を行い補助治療として営池四穴と三陰交と腹部にお灸を行いましたが、よく効いた様です。

「卵巣過剰刺激症候群」については以前書きましたので詳しくはそれをご覧ください。

赤ちゃんの30人に一人は「不妊治療」で生まれています。「排卵誘発剤」を使う方も多いと思います。

鍼灸治療は陰陽バランを調え母体となる女性の体を妊娠し易い体に創るお手伝いをいたします。


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壽堂日記30年10月22日「舌に歯の痕がつく?」

2018-10-22 06:11:14 | 日記

肩こり首こりの患者さんから「舌に歯の痕がつくのですが、良く効くツボはありませんか?」と質問されました。

舌の側面に歯型が付きギザギザの痕がつく症状を「歯痕舌」と呼びます。

東洋医学では「気虚(気の力が弱って虚している状態)」と「水毒(水が滞っている状態)」と「脾虚(消化機能の調子が落ちている状態)」と考えます。

「歯痕舌」の原因としては「気虚・水毒・脾虚」が典型的ですが他にも、冷え・腎臓の機能低下・甲状腺の異常・TCH(歯列接触癖:ツウース・コンタクテイング・ハビット)等が考えられます。

今回問診と腹診察したところ「心窩部」の圧痛が強く顎関節の付近の筋肉が強張り、普段から仕事で口を噛みしめている事が多いとのことですのでTCH(歯列接触癖)が原因ではないかと思われます。

「歯痕舌」の原因がTCH(歯列接触癖)の場合はストレスを緩和し緊張状態を緩和する事が必要です。

今回の治療としては「心積心虚」として「本治法」で虚している気を補い「補助治療」として「寧心安神(心と精神を安らかにし落ち着かせる)」の配穴を用い、局所治療として凝っている顎関節付近の筋肉に美容鍼で使用する鍼を置鍼して筋肉を緩めました。

「歯痕舌」に使用するツボは原因によって変わりますので患者さん一人一人に合わせた処方が大切です。


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壽堂日記30年10月21日「妊活・不妊症治療と漢方薬・鍼灸治療。」

2018-10-21 06:23:41 | 日記

当院で鍼灸による妊活・不妊治療を受けている方から「漢方薬も併用してみたい。」と相談を受けました。

東洋医学は鍼灸・湯液・導引が三本柱です。湯液とは漢方薬の事です。

湯液と鍼灸では「証」の立て方が少し異なるのですが、基本となる東洋医学独自の人体観は同じです。

鍼灸と漢方薬を併用することで「妊娠できる体を創る。」ことには賛成です。患者さんには信用できる「漢方薬店」「漢方医」の診察を受けるようにお話しました。

今回処方された漢方薬を持参されたので拝見させていただきました。

薬名は挙げませんが当院での治療の際に四診で立てた「証」である「腎虚証」と「瘀血」を改善する「肝腎陰虚」を補う薬が処方されていました。

「漢方医」さんも私と同じ見立ての様です。それぞれの立場から「妊娠できる体を創る。」ことに協力できれば必ず良い結果が生まれると思います。

 

 

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