茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記12月4日「肥満(水太り)の鍼灸治療。」

2012-12-05 05:09:07 | 日記
当院では美容鍼灸もしていますが、「肥満治療」は一般鍼灸として治療しています。

最近「水太り」の患者様の治療を行いました。

「肥満」と言っても「脂肪太り」「水太り」「気太り」などの種類があり、さらに詳しく見ていくと「虚症」による「肥満」と「実症」による「肥満」とがあります。

その見極めは四診により行いますが、東洋医学的に虚症の「肥満」の実態は「痰湿」であると考えます。
(「痰湿」とは水分代謝の障害によって作られた病理生産物の事をいいます。「水太り」がこの典型的なものです。)

「痰湿」が肥満の原因であるなら、水湿の運化に関係する「肺」「脾」「腎」の三つの臓腑の機能低下「虚」が肥満の原因となっている可能性があります。

三つの臓器の中でも特に、水穀の精微の運化と輸布、昇清降濁などの生理機能をつかさどる「脾」の働きが「痰湿」の解消には重要です。

「脾」の気が虚した「脾気虚」が長く続くと、「痰湿」が生じ身体の中に「痰湿」をため込んでしまい、虚症の「肥満」となる訳です。

この「脾気虚」の場合は、食事制限などによるダイエットはかえって「脾」の機能低下を進行させるので逆効果です。
当院では「脾気虚」が原因である「肥満」であれば、本治法で「脾気」を補う治療をして、「脾気虚」の状態が改善されることで水分代謝が良くなり、その結果として「肥満」が解消されます。

よく「肥満治療」でやせるツボはありませんかと聞かれますが、「脂肪太り」「水太り」「気太り」などの症状によって有効なツボは異なりますし、「痰湿」が肥満の原因であるなら「肺」「脾」「腎」などの「虚」している経絡に関係するツボを治療することが有効ですから、どの様な症状でもこのツボを使えば必ず痩せるという万能のツボはありません。

患者様のお体を拝見して反応の出ているツボを使うことが大事ですね。

鍼灸治療を終えた後は「お小水」の出が良いと患者様が話されますが、それは水分代謝が良くなった証拠でもありますね。
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