腰が痛いと患者さんが見えられました。
スポーツ障害で多い腸骨稜骨端症も疑いましたが、ワンフィンガーテストで痛いところを示して頂くと仙腸関節の部位で同側の骨盤の前側も痛むとのことでした。
触診すると左右の仙腸関節で高さが異なり、痛い側の仙腸関節が脊柱起立筋などの筋肉に引っ張られ捻じれていることが分かりおそらく仙腸関節障害による腰痛であると判断しました。
仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節であり、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。
仙腸関節(せんちょうかんせつ)は脊椎の根元に位置し、3~5mmのわずかな動きを有しています。
中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。
仙腸関節障害では背部だけでなく腹側が痛むこともあります。
仙腸関節は余り大きく動く関節ではありませんがよく知られている動く例は妊娠です。
妊娠すると「リラキシン」により分娩時に胎児が産道をスムーズに通り抜けられる様に骨盤の仙腸関節靭帯(せんちょうかんせつじんたい)や恥骨結合など関節や靭帯が緩まります。一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、臨床例として老若男女を問わず腰痛の原因となります。
当院は鍼灸専門治療院なので刺さない鍼を使用する「積聚治療」を用いて仙腸関節障害を治療しました。
今回は「てい鍼」を使用して頸部から背部・臀部・仙腸関節部を丁寧に治療し腹部も痛点を治療したところ筋肉の緊張がとれ左右の仙腸関節の高さも均等に戻り痛みも解消しました。