*『世界が見た福島原発災害』著者:大沼安史
「第2章 飯舘村」を複数回に分け紹介します。4回目の紹介
福島原発災害は、東電、原子力安全・保安院など政府機関、テレビ・新聞による大本営発表、御用学者の楽観論評で、真実を隠され、国民は欺かれている。事実 上の報道管制がしかれているのだ。「いま直ちに影響はない」を信じていたら、自らのいのちと子供たちのいのち、そして未来のいのちまで危険に曝されること になってしまう。
本書は、福島原発災害を伝える海外メディアを追い、政府・マスコミの情報操作を暴き、事故と被曝の全貌と真実に迫る。
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**『世界が見た福島原発災害』著書 「第2章 飯舘村」の紹介
前回の話:『世界が見た福島原発災害』第2章 飯舘村 ※3回目の紹介 <屋内退避は意味がないと指摘>
避難基準を超えているとIAEAが会見
さて、本題の「飯舘村」に対する日本政府の対応ぶりを、海外メディアの報道と照らし合わせながら検証することにしよう。
「飯舘村」の名が「フクシマ」報道に初めて登場したのは、3月23日のことである。文科省が20日に採取した土から、「キログラム当たりヨウ素117万ベクレル、セシウムを16万3000ベクレル」という「直ちに退避が必要なレベルではない」(文科省)放射性物質を検出したーと発表したことで「イイタテ」の名が全国に、いっぺんに広がった。そして、食品衛生法の暫定基準値を大きく上回る、汚染された野菜も確認されるなど、飯舘村は「フクシマ」の「ホットスポット」としての様相を一気に強めていく。
飯舘村が「Iitate」として世界に知れ渡ったのは、1週間後、30日のことだった。ウィーン発のニュースが全世界を駆け巡った。
ロイター電は、こう報じた。
IAEA(国際原子力機関)のデニス・フローリー氏は30日の記者会見で、飯舘村について「私たちの最初の評価によると、IAEAの避難基準を超えている。状況を注意深く評価するよう日本側にアドバイスした」と語った。
IAEAは飯舘村の汚染が避難基準を超えている、と断言していたのだ。
IAEAが飯舘村を含む福島県内複数の自治体で測定したのは、18日から26日にかけてのこと。ちょうど文科省の測定時期と重なる。その文科省は「直ちに避難が必要なレベルではない」と言い、IAEAは「避難基準を超えている」と言う・・・。IAEAの発表にはしかも、飯舘村で検出された値は1平方メートル当たり2000万ベクレルを超え「IAEA基準の2倍」に相当するとの指摘もあった。
文科省の発表からわずか1週間で、「避難の必要なし」が「避難基準超え」になってしまったわけだ。
このIAEAの発表は、たとえばNHKではどう伝えられたか?
NHKのサイトの「東電福島第一原発」で確認してみると、30日放送分にも、31日放送分にも出てこない。出てきたのは、4月1日になってから。
それも、以下のような、焦点がどこにあるのかわからない報じ方だった。
ニュースの「本記」、書き出しの部分は、「IAEA=国際原子力機関は、先月、福島県飯舘村でIAEAの避難基準を超える放射性物質が検出されたことについて、物質は放射性の「ヨウ素131」だったことを明らかにしました」。
つまり、30日のウィーン発ロイター電が報じた、「飯舘村でIAEAの避難基準を超える放射性物質を確認」というニュースの本記が、なぜか「避難基準を超える補射精物質は(半減期が8日と短い)ヨウ素131だった」にすり代かえられているのだ。
※続き「第2章 飯舘村」<避難基準を超えているとIAEAが会見>は、8/10(月)22:00に投稿予定です。
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