*『世界が見た福島原発災害』著者:大沼安史
「第3章 NRC秘密報告」を複数回に分け紹介します。3回目の紹介
福島原発災害は、東電、原子力安全・保安院など政府機関、テレビ・新聞による大本営発表、御用学者の楽観論評で、真実を隠され、国民は欺かれている。事実 上の報道管制がしかれているのだ。「いま直ちに影響はない」を信じていたら、自らのいのちと子供たちのいのち、そして未来のいのちまで危険に曝されること になってしまう。
本書は、福島原発災害を伝える海外メディアを追い、政府・マスコミの情報操作を暴き、事故と被曝の全貌と真実に迫る。
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**『世界が見た福島原発災害』著書 「暴露された「フクシマの真実」」の紹介
前回の話:『世界が見た福島原発災害』第3章 NRC秘密報告 ※2回目の紹介 <暴露された「フクシマの真実」>
「もっと大きなかたちでダメージが起きうる」
報告書は、核燃料の高熱化と溶解が続けば、溶融放射性物質のかたまりが長期間にわたってなくならず、放射性物質の放出を続けることもあり得る、と警告している。
これは「放射能雲」の発生が今後とも「長期間にわたって」続いて行くことを意味する。破砕しなくても、爆発しなくても、外部に漏出しなくても、「溶融放射性物質のかたまり」は放射性物質の放出を続けて止まないわけである。
NRCの「福島秘密報告書」はまた、冷却システムが機能していないところで、核燃料に水を際限なく注入し続けられるものかーという新たな問題を提起している。
専門家たちによれば、日本としては原発が安定化するまで今後、長い時間(月単位)わたって核燃料を冷やし続ける必要があるが、核燃料に水をポンプで注入し続けることは、原子力産業にとって、まったく新しい挑戦分野であり、その理解はようやくについたばかりである、とも指摘している。
つまり、核燃料に注水し続けたらどんなことになるか、わかっていない! そう専門家が言っている!
専門家たちは、ただ単に「わかりません」と告白しているわけではないのだ。まったく新しい、未知の領域に、いったい何が待ち受けているのか、と危ぶんでいるのだ。
米原子力規制委の「秘密報告書」はさらに、「使用済み核燃料プール」から、核燃料の破片・粒子が「最大1マイル(1・6キロ)先まで吹き飛んだほか、2つの号機の間に降下しており、現場の作業員を被曝から防護するため、ブルドーザーで(表土を)除去しなければならない事態になっている」ことを示唆している。
タイムズの原文によると、「使用済み核燃料プール」は複数形。ということは、3号機と4号機の「プール」の使用済み燃料が水素爆発の際、飛散した可能性が強いが、報告書は「4号機」の「使用済み燃料プール」で、「主要発生源放出」と呼ばれる、環境に大量の放射性物質が撒き散らされる現象が起きた、と推測している。
それにしても、核燃料の破片・粒子が1・6キロ先まで、吹き飛んだというのだから恐ろしい。
3号機と4号機は並んでいるから、「2つの号機」とは恐らく、この2つを指すはずだ、この中間地帯の地面はつまり、放射性汚染地帯と化したわけだ。
ただし報告書は、この飛散について、ひとつの号機水素爆発に伴うものかも知れない、との見方も示している。
※続き「第3章 NRC秘密報告」<大きなダメージが起きうる>は、8/25(火)22:00に投稿予定です。
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