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原発事故で東電のずさんな補償業務 派遣社員が座談会で暴露

2014-02-07 10:52:44 | 未分類

原発事故で東電のずさんな補償業務 派遣社員が座談会で暴露

原発事故で東電のずさんな補償業務 派遣社員が座談会で暴露
http://dot.asahi.com/wa/2013073100001.html より(転載開始)
(更新 2013/7/31 07:00)

 被災地への“冒涜(ぼうとく)”は、まだ続いていた――。本誌5月3・10日号の「潜入ルポ」で暴いた、福島第一原発事故の補償業務のずさんな実態は、本誌の報道後も続き、さらに醜くなっていた。最前線で業務にあたる派遣社員たちの生の声をジャーナリストの宮田賢治氏が伝える。

*  *  *
筆者は5月3・10日号で、東京電力が福島第一原発事故をめぐる賠償金算定にあたって、被災者を無視した業務、たとえば住所に「福島県」や「双葉郡」が抜けているだけで書類が無効になったり、補償には直接関係ないことで延々と対応を協議し何日間も作業がストップしたり……といった、「1日分の仕事を4日でやる」効率の悪い業務の実態を潜入ルポした。

その後、少しは業務が改善されているかと思いきや、逆にエスカレートし、不動産補償業務の遅れにつながっていた。本誌報道後、筆者のブログには続々と内部情報が寄せられた。その内情を情報提供者との誌上座談会でお届けする。

◆  ◆

宮田:昨年暮れ、「福島復興本社」を設立する、というニュースが流れました。それで私たちはクビになったと思っていたのですが、ふたを開けたら福島では補償業務なんてやっておらず、結局元のまま、単に「福島復興本社・東京営業所」になっただけでした。Aさんは暮れの一時期、面識はなかったものの有明のオフィスビルで私と同僚だったんですね。簡単に最近までのことを教えてください。

A(40代):年明けからずーっと今の仕事(不動産補償業務)の準備・研修を例によってとろとろやってたんですが、宮田さんの記事が出た後は研修で、就業規則を破ったら民法第何条で損害賠償を請求するとか、名誉毀損で懲役何年になるとか、しつこいほど聞かされました。

B(30代):私は新宿のコールセンターで、被災者からの電話を受ける仕事をしているんですが、「週刊朝日の記事は本当か? 東電の社員を出せ!」と何本も怒りの電話が入って、急遽、「週刊朝日対応マニュアル」が配られました。

宮田:どんな内容ですか?

B:マニュアルは持ち出し厳禁なので正確には覚えていませんが、「批判は真摯に受け止め、迅速なお支払いに努めるべく……」という感じでした。でも、東電社員は目の前にいるのに、ほとんど電話に出ないんですよ。私たちは「東電社員につながる電話がございませんが、必ずお怒りのご意見があったことは伝えておきます」と言うことになっていました。被災者の皆さんに対する冒涜ですよね。

A:うちも同じです。僕は今、電話受け付けと不動産補償の業務をやっていて、フロアでは東電社員と机を並べてますが、彼らはめったに電話に出ない。電話を取るのは東電の子会社「株式会社キャリアライズ」という派遣会社の社員。東電“直系”の人たちです。東電社員は電話をモニターしながら、必要に応じて彼らにホワイトボードで「こう言え」と指示を出すだけ。奴隷みたいです。(筆者注 親会社の東電は、直接雇用していない派遣会社のスタッフへの指揮命令権がないためと思われる)

C(40代):私は門前仲町で書類の入力や判定の仕事をしています。以前は電話を受ける部門にいたんですが、毎日電話相手に怒鳴られて、人がどんどん辞めていくんです。私も、その一人ですけど。だから、東電社員には電話を取らせないんじゃないですか。社員は辞めさせたくないから。なかには親身になって対応していた社員が何人もいましたが、翌週にはなぜか出勤してこない。異動させられたんじゃないか、と噂になっていました。

宮田:不動産の補償業務は進んでいますか?

A:本当はもっと早く始める予定だったようですが、例によってマニュアルや外注したシステムの不備などがあって、延び延び。“研修”ばかりでした。

宮田:私がルポをした昨年からまったく進歩がない。

A:今年2月あたりからやっと業務が始まったんですが、手書きの生書類だからうるさいんです。

宮田:いまだに、県名や郡名が抜けているだけでアウトにしているんですか?

A:もちろんです旧漢字、新漢字の違いもうるさいですし、小さな破れはもちろん、印鑑のかすれ、鉛筆で書いたチェックもダメです。以前はホチキスの穴、コーヒーの染み一滴があっただけでもダメだったんですが、宮田さんがそのことをブログに書いてくれたおかげなのか、OKになった(笑い)。それでも最初の審査の不適格率は何と7割です。2割は請求者に送り返して、5割は電話で確認し、“ゆっくり”部内処理してます。たかが住所、氏名、生年月日くらいの書類ですよ。

宮田:それが1次審査で、2次審査は?

A:2次は“津波エリア”でないことを判定して、東電の発行する25ページの賠償金申請書類を発送します。


週刊朝日 2013年8月9日号

 (転載終わり)

 


 

【福島事故による悲劇】
焼身自殺した渡辺はま子さんの苦悩、夫の幹夫さんの悲しみと怒り
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/4f1390ce66451ce787a4e4426c1aef65

原発事故で自殺したのははま子さんだけではない。

複数の人が暮らしを破壊されて絶望し、人生に終止符を打った。

それぞれの遺族が語る故人の無念からは原発事故の理不尽さが浮かび上がる。

・・はま子さんは自宅近くのごみ焼き場に倒れていた。衣服は焼け焦げ、煙がゆらめいている。火はまだくすぶっていた。ガソリンの臭いが鼻につく。そばに携行缶とライターが転がっていた。自宅から持ち出したようだ。

幹夫さんは言葉を失った。変わり果てた姿。119番して救急車を呼んだ。息絶えていたのは分かっていたが、そうしないと気が済まなかった。

はま子さんは野菜作りが好きだった。家庭菜園で実ったキュウリやナスが毎日食卓に並んだ。旅行に行っても野菜の状態を気に掛け、「早く家に帰ろう」と言っていた。

よくしゃべり、よく笑う。裏表のない性格で人の悪口が嫌い。社交的と評判で自殺とは無縁と思っていた。そんな妻が自ら命を絶った。

「そこまで追い詰められていたのかと思うとたまらなくなる。泣き寝入りはしない。女房と同じように苦しむ避難者や他の自死遺族のためにも声を上げようと思った」

 

 


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