原発問題

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第9章 黒い雪 ※7回目の紹介

2015-05-26 22:00:00 | 【東京ブラックアウト】

*『東京ブラックアウト』著者:若杉冽

第9章 黒い雪を複数回に分け紹介します。7回目の紹介

 

Amazon カスタマーレビュー )から
恐ろしい本です。小説という体裁はとっていますが、帯に「95%ノンフィクション」とあるように、限りなく現実に近い話でしょう。これを読んでも、原発再稼働に賛成と言えるでしょうか。一人でも多くの国民に読んでほしい本です。

作中に登場する資源エネルギー庁次長の日村直史は、経産官僚の今井尚哉氏だと、国会議員の河野太郎氏がTwitterで言及しています。現在、安倍首相の政務秘書官を務めている人物です。

 

( 「東京ブラックアウト」)から
「バ、バカ野郎!おまえは知っているのか? かつて新潟県の泉田知事が、たった400人を対象に避難訓練をしただけでも、その地域には大渋滞が起こったんだぞ!・・・あと数時間で、東京の都市機能は失われるっ。いいか、これは命令だ・・・」
・・・玲子は絶句した。いつも冷静でクールな夫が、15年の結婚生活で初めて見せる取り乱しぶりだったからだ。


過去に紹介した記事(【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧(45) )から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。
「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。
こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。
私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。
さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」

 

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**『東京ブラックアウト』著書 「第9章 黒い雪」の紹介

前回の話第9章 黒い雪 ※6回目の紹介

 「駅に通してください。切符は予約しているんですっ」

 妊娠した若い妻を連れサングラスをかけたイマドキ風の若者が、殺気立った目をして突進してくる。モンクレールのダウンジャケットを着て、それなりに裕福な身なりだった。

 「構内は危険ですから、いまはやめてください。しばらくここでお待ちください」

 「ウルセー、うぜーんだよ、兵隊さん!」

 その若者が、スタンガンを使った。火花が散り、たまらず自衛隊員はうずくまる。

 「どけ、どけ、どけ、おら、おら、通さんかい、おら!」

 興奮した若者は、スタンガンをカチカチ鳴らしながら、自衛隊員のなかを突進して、次々と隊員を襲う。

 暴徒と化した住民に対して銃口を向けることが正義なのかどうなのかーしかし、警察官職務執行法に基づく緊急避難の要件を満たすことは明らかだった。

 バキューンという音とともに、八九式小銃の最初の弾が、若者の太ももを貫通した。しかし、次の弾は妊婦のおなかを直撃してしまった。

 若い2人はそのまま床に倒れこむ・・・自衛隊が一般市民に銃口を向けた最初の出来事だ。井桁原子力規制庁長官が陛下に述べた懸念が的中した。

 「うぉーっ、自衛官が発砲したぞ、逃げろ!」

 群衆が、今度は駅の出口を目指して逃げ惑う。つまずいて転んだ群衆の上を、遠慮も何もなく、うしろから来た群衆が踏みつけていく。

 入口の自衛官の前にスペースができたら、また斜めから群衆が殺到してくる。流血して倒れ込んだ2人の救助をする前に、群衆が2人を踏みつけていく・・。

 このように、首都圏の主要な駅や交通の要所の至る所で、正にパニックが発生していた。パニックを抑えるためには、一時的に軍に全権を掌握させること、いわゆる戒厳令を発することが世界の常識である。

続き第9章 黒い雪」は、5/2722:00に投稿予定です

 

東京ブラックアウト(若杉冽)

原発ホワイトアウト(若杉冽)

 


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