原発大震災の超ヤバイ話 著者 安部芳裕
発行 株式会社 ヒカルランド 2011年7月31日出版 P73-76より一部紹介
ごまかすための汚染調査
メディアでの発表は全部嘘と思ってください!
(略)チェルノブイリで最も多かったのが汚染された牛乳を飲んだことによる子供の甲状腺ガンです。
普通の農民たちが「大したことない、そんな大騒ぎしなくてもよい」と言って、牛乳を大企業に売りました。その大企業は被害の少ない牛乳と混ぜ合わせて販売したのです。
2006年の米国上議員特別委員会報告書によれば、牛乳に含まれるカゼイン(リンタンパクの一種)がガン細胞を劇的に促進させる(コーネル大学栄養生化学部のT・コリン・キャンベル名誉教授の研究)ことが科学的に証明されています。日常的に汚染された牛乳を飲んだことにより、放射性物質+カゼインでさらにガンになる確率が高まったのだと思います。
福島県では放射性ヨウ素、セシウムが検出された現乳を、他の市町村の現乳と混ぜたあとに測定し、基準値を下回っているとして出荷しています(産経新聞、4月9日の報道による)。心配になったある東京在住の消費者が問い合わせたところ、●印メ●ミルク富里工場(千葉県富里市)では、現乳のときだけ放射性物質を測定し、厚生労働省の基準に従って福島県産の現乳と他県の現乳と混ぜ、薄めてから出荷していたそうです。
チェルノブイリからまったく学んでいないのです。
また、小魚を除いて魚類の汚染を調べる時も、放射性物質の蓄積しやすい頭と骨、内臓を取り除き、身の部分だけを計測しています。魚の内臓を食べる人は、決して少なくないでしょう。
土壌調査もまるでイカサマです。放射性物質は空中に舞い上がり、風に運ばれて、塵や水滴、花粉や黄砂などにくっついて地表に降り積もります。ですから、土壌の汚染を調べるとき、本来は表面の部分(深さ2cm)を採って調べるものです。
IAEA(国際原子力機関)が原発から40キロ離れた飯館村の土壌を計測したところ、1平方メートルあたり2000万ベクレルという汚染が計測されました。これはチェルノブイリの最高値380万ベクレルを5倍も上回る酷い汚染です。
そこで政府がとった対応は、1平方メートルあたりの計測をやめ、土を深く掘って、1キログラム当たりのの計測にしたのです。農水省の水田放射能調査でも、土の表面から15cm下の土壌を採取し、放射性セシウムの濃度を測定していました。
だから、国際的に単位はベクレル/㎡なのですが、日本では、ベクレル/kgです。当然、汚染濃度は薄まります。
連続的に空間の放射線量を測定しているモニタリングポストは、本来なら人間の身長に合わせて1メートル~2メートルで計測すべきものであると思いますが、その多くはビルの屋上に設置されています。
(略)このように、本来なら人間を守るために行うものである汚染調査が、まるで汚染をごまかすために調査をしているような状態になっているのです。