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広瀬隆「首都圏の放射能と汚染食品の恐怖」絶対食べてはいけない汚染食品を埋めつくしたと同じレベルの東京

2013-10-01 01:19:41 | 放射能汚染

広瀬隆「首都圏の放射能と汚染食品の恐怖」

 絶対に食べてはいけない汚染食品をぎっしり埋めつくしたと同じ土地、それがチェルノブイリ第4区である。このような上で、あなたは生活したいだろうか。その土地で食べ物を栽培したり、幼い子供が生きられると思うだろうか。
 ところがそれが東京の平均的な土なのである。

http://dot.asahi.com/news/domestic/2012092600571.html より

(更新 2011/9/20 18:12)

いよいよお米の収穫時期に入って、主食の放射能汚染問題が深刻になってきた。

 すでに放射能汚染は、福島県から北へ宮城県、南へ栃木県、群馬県、山梨県、長野県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県にまで拡大し、ヨーロッパのEUを含む43ヶ国と地域がこれら12都県などからの農産物輸入を禁止または規制している。ドイツ放射線防護協会は、乳児、子供、青少年は1キロあたり4ベクレル以上、大人は8ベクレル以上のセシウム137を含む飲食をしないよう提言しているが、当事国の日本では1キロあたり500ベクレルというとてつもなく高い基準を設定してしまい、499ベクレル以下はすべて安全として、超危険な食品が流通しているのだから、このままでは大変なことが起こる。

 これまで多くの人は、カウンターで放射能の高さを測って自衛してきたが、これらの数値は、空間線量である。それはヨウ素やセシウムのような放射性物質が出す、遠方まで到達するガンマ線を測定した値である。しかし、お待ちなさい。汚染食品の問題は、体内被曝によって起こるのだ。

 茨城県つくば市の気象研究所では、物質が気体になる温度(沸点)4265℃のテクネチウムと、沸点4639℃のモリブデンが検出されているのである。

 したがって3月に福島の原子炉でメルトダウンした核燃料の温度は、2000℃をはるかに超えて、3000℃から4000℃にもなっていたと考えられる。沸点は、ヨウ素が184℃、セシウムが671℃、ストロンチウムが1382℃なので、これらの危険な放射性物質は、ほとんどすべてが気化する温度をはるかに超えていたのだ。プルトニウムでさえ、沸点はモリブデンより1400℃以上も低い3228℃である。そうなると、当然、内部被曝で特に重大な影響をおよぼすストロンチウムとプルトニウムが、ガス化して大量に放出されたと、私は考えている。

 これらストロンチウムが出すベータ線と、プルトニウムが出すアルファ線は、ガイガーカウンターでは、まったく検出できない。日本の各地の、土壌および食品の汚染を知る場合に最も重要な指標は、したがって空間線量より、どれほどの放射性物質が福島原発から放出され、それがどこに、どれほど降り積もったかという沈着量なのである。

 市民グループの「放射能防御プロジェクト」が首都圏の土壌汚染を実際に調査した結果をインターネット上で公開してくれたので、首都圏の人間はこれを誰もが見なければならない。ほぼ6月時点での、植え込みや庭、公園などにおける土壌の放射性セシウムの沈着量が出ている。測定した都県によってサンプリングの数は異なっているので、平均値だけが危険度を正確に示すのではないが、東京の測定地点は56ヶ所と多いので、かなり正確な指標と見てよい。
 この数値を見ると、東京の平均でさえ、チェルノブイリ原発事故の後にソ連政府(当時)が汚染区域の第4区として指定した危険地帯とほとんど変らないのである。
 第4区とは住民を強制避難はさせないが、厳重に健康管理をおこないながら危険地域に放置してきた場所にあたり、放射性セシウムが1平方メートルあたり3万7000~18万5000ベクレルである。放射能の単位1キュリーは370億ベクレルなので、1平方キロメートルあたり1~5キュリーに相当する。東京の平均はこの1キュリーとほぼ同じなのだ。

◆事故再発なら食料自給の危機◆

「1平方キロメートルあたり1キュリー」とは、どのような危険度の場所か? 大病院では、1キュリーの放射性物質を扱うことはない。人間の体内で問題になるのは、ピコキュリー、つまり1兆分の1(1/1,000,000,000,000)キュリーである。チェルノブイリ原発事故後、日本が定めた食品輸入禁止基準は、放射性セシウムについて「食品1キロあたり370ベクレル以下(1億分の1キュリー以下)」であった。これが、横浜税関などの検査官が飛び上がって驚いた危険物である。この1キロあたり370ベクレルという危険なセシウム汚染食品の比重を水と同じ1と仮定した場合、これを1平方キロメートルの面積に10センチの厚さで敷きつめた状態が、「1平方キロメートルあたり1キュリーの汚染地帯」ということになる。
 絶対に食べてはいけない汚染食品をぎっしり埋めつくしたと同じ土地、それがチェルノブイリ第4区である。このような上で、あなたは生活したいだろうか。その土地で食べ物を栽培したり、幼い子供が生きられると思うだろうか。
 ところがそれが東京の平均的な土なのである。しかし東京都の食料自給率は1%なので、1300万都民はすべての食料をほかの土地に頼っている。都道府県別の食料自給率は、図2の通りで、主に北海道・東北地方・北陸地方が大生産地にあたる。この三つの地方が全国に占める農地の割合は51%にも達する。主にこの広大な範囲が、福島原発事故によって汚染されたのだ。
 ここに厳格な規制を適用すれば、食べ物がなくなるために、致し方なくドイツの子供の基準の100倍超というとてつもなく高い基準を定めて、日本人みながパクパク食べている。
 幸いにも日本列島の背骨には山があり、そこが分水嶺となって、現在までの日本海側の汚染度は、太平洋側に比べてかなり低い。だが野田佳彦内閣が発足し、この総理大臣は、原発の再稼働に熱心な男で、加えて、原子力安全・保安院と原子力安全委員会というまったく信用できない腐敗した「原発マフィア」どもが、首相命令に従ってこれからその再稼働にお墨付きを与える作業に入っている。
 日本人よ、よく聞け!
 これから次の大地震と大事故が迫っているのだ。原発すべての廃炉を実現するのに一刻の猶予も許されない日本で、原発再稼働に踏み切って、今度、新潟の柏崎刈羽か、静岡の浜岡か、北海道の泊か、日本海側あるいは西日本の原発で事故があれば、もう日本人には食べるものがなくなる!!
 よりによって、九州では食料自給率上位の佐賀県と鹿児島県だけに原発がある。先月末に連続講演会で南九州を回る途次、鹿児島湾をフェリーで横断した時、桜島がドーンと噴火する姿を目にして、私は言葉を失った。原発再稼働を目指す政治家に命を預ける愚かな国民であれば、もう日本は、そう長くないだろう。 (構成 本誌・堀井正明)
     *
ひろせ・たかし 1943年生まれ。早大理工学部応用化学科卒。『原子炉時限爆弾--大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)、『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』(朝日新書)など著書多数。本連載をまとめた『原発破局を阻止せよ!』(朝日新聞出版)が8月30日に緊急出版された


週刊朝日

 


http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/69094d9812aca04fcd780c9fc9c79fcd より

NHKで放送された、サイエンスZERO
「原子炉で何が起きていたのか」
http://www.dailymotion.com/swf/video/xkzyb0 約30分

一部書き起こし

地震から7分すぎ 1号機 
非常用冷却装置(IC)が正常に起動したが、急激な冷却を防ぐため、
手動でICを停止。この後、津波により高さ15mまで浸水し、全ての電源を喪失、
電動の冷却装置も使えなくなった。

原子炉の中の状態が把握できない、緊急事態に陥った。

原子炉の中の温度が上がり続けると、
燃料を冷やしていた水が蒸発。

水位が下がりはじめ、燃料棒全体がむき出しに。

いわゆる空焚きの状態。

空焚きになってから、40分後、メルトダウンが始まった。

3月11日、夕方5時すぎ、溶融開始。

メルトダウンは急速に進んだ。

メルトダウン開始から数分後、燃料が一部溶け落ちはじめた。
メルトダウン開始からおよそ4時間20分で
すべての燃料が溶け落ちてしまった。

事態は悪化し続け、燃料が圧力容器を破り、
格納容器に落ちる、メルトスルーがおきたのだ。

炉内計装管(原子炉内のいろいろな情報を
測定するためのセンサーが入っているパイプ)が溶けて、
圧力容器の真下に5cmの穴が開いた。

そのうちの1つの温度変化 (図)

温度上昇を続け、午後7時37分、1450℃に達した・・・

 


原発構造上の弱点があきらかに

3月12日、水素爆発により建屋が破壊された1号機、
なぜ、このようなことが起こったのか?

溶けた燃料から出た水素が建屋の中に溜まったことが、
水素爆発の原因とされている。

注目したのは、格納容器の圧力。

プラントで計測されたデータ(格納容器)
設計上の最高気圧の2倍程度になった。

(解説)この図はプラントで計測されたデータ(格納容器の圧力)からプロントしたデータ、
格納容器の圧力は12日未明から上昇し、設計上の最高圧力の4.3気圧を
大幅に超える7.5気圧程度で安定している。
このデータが水素が漏れ出したことを示している。

格納容器の中から気体が漏れ出す現象は、
1970年代に既に報告されていた。

そこには、格納容器の設計上の弱点があった。

アメリカで原子炉の稼動前に、格納容器の機密性を
確かめる実験が行われた。

格納容器に空気を送り続けたところ、
圧力がある一定のレベルに達したところで、
高止まりしたのだ。

格納容器の接合部から、空気が漏れ出していた。

---書き起こし終わり---

 

設計上の不備が指摘される福島第一原発。製造元のアメリカでは、その欠陥が認められていたが……。

英考塾http://eikojuku.seesaa.net/article/224227068.html より


今回のNHKの調査では、原子炉の「設計の不備」を問題として取り上げている。

福島第一原発の原子炉は、アメリカ製である。

福島と同じタイプの原子炉が、アメリカ・ノースカロライナ州の「ブランズウィック」原発でも使われている。

gen1.jpg


今回注目されたのは、このアメリカの原子炉で1970年代に行われた「ある実験」である。

この実験では、原子炉内部に大量の空気が送り込まれた。原子炉がどれくらいの「圧力」に耐えられるか、その限界を調べるためである。

その結果、ある一定の圧力を超えると、原子炉内部の「圧力の上昇が止まる」ということが確認された。


原子炉内部の「圧力の上昇が止まる」とは、どういうことか?

空気を送り続けているのにも関わらず「圧力の上昇が止まる」ということは、どこからか「空気が漏れている」ということを意味する。穴が空いたタイヤに空気を送り続けるようなものである。

これは原子炉としては、「致命的な欠陥」である。なぜなら、「空気が漏れる」ということは、外部に「放射性物質が漏れ出す」ということを意味するからである。


原子炉は、一個の塊から削り出して造られるわけではないので、必ずどこかに「つなぎ目」がある。

一番大きな「つなぎ目」は、原子炉上部の「ふた」の部分である。この「ふた」は燃料棒を交換する際の出入口ともなっている。

gen3.jpg


この「ふた」は、シリコンゴムの「パッキン」とボルトで強固に密閉されているはずだった。しかし、上記の実験の結果は、どこかにできたスキマから空気が漏れ出していることを示している。

シリコンゴムには、「高温により縮む」という性質がある。圧力が高まれば温度は上昇する。高温でパッキンが縮めば、当然そこにスキマが生まれることになる。

gen4.jpg


3.11の津波後、その原子炉の圧力は、なんと限界の2倍近くまで上昇した。

そして、その後の圧力はアメリカで実験された時とほぼ同じ数値に落ち着いた。

gen2.jpg


つまり、原子炉の圧力が急上昇した時に、「ふた」と本体の間にスキマができ、そのスキマから中の気体が外に漏れ出し圧力が一定になったと考えられるのである。

この原子炉の圧力の上下とシンクロするように、原発正門の放射能の数値は急上昇している。

 

弱々しい原子炉であった「マークI」。福島第一の事故推移は、アメリカのシミュレーション通り。

英考塾http://eikojuku.seesaa.net/article/224348312.html より

アメリカ国内では、原発の「安全性」に対する激しい議論が巻き起こる。

その時、スリーマイル島の原子炉を差しおいて槍玉に上がったのが「マークⅠ(ワン)」という原子炉。この原子炉は、他の原子炉に比べて、あまりにも「格納容器が小さい」ため、事故の危険が高いとされたのだ。

 

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