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原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約 ※6回目の紹介

2014-09-12 19:00:00 | 【原子力ムラの陰謀】

*『原子力ムラの陰謀』著者:今西憲之
「第5章 プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約」を数回に分け紹介します。6回目の紹介

原子力ムラの暗部を刻銘に記録に遺し、その男は逝った-

1995年12月8日、「夢の原子炉」と言われた

高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が発生。

事故をめぐる”隠蔽”が次々と発覚する中、

一人の「国策会社」幹部が突如、命を落とした。

死の謎を解く鍵は、遺された膨大な資料のみ。

そこには原子力ムラが行ってきた”裏工作”の歴史が、

あまりにも生々しく記録されていた。

(P3「まえがき」から)

「『もんじゅ事故』で謎の死を遂げた西村成生さんが残した内部資料があるらしい」

 2012年冬、はじめにその話を聞いた時は、ここまで深くその資料と付き合うことになるとは想像もしていなかった。

 「西村ファイル」と名づけた資料の山を読み進めるうち、取材班は何度も我が目を疑った。国の特殊法人であるはずの動力炉・核燃料開発事業団(動燃=当時)が地域住民や職員の思想・行動を徹底的に調べ上げ、「洗脳」「工作」といった言葉が頻繁に飛び交う。そして、あまりに不自然な西村氏の死-。「原子力ムラ」の異常な体質が、次々と浮かび上がってきたのである。

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**『原子力ムラの陰謀』著書 「第5章 プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約」 の紹介 

前回の話プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約 ※5回目の紹

 もっとも、情報を公開しなかったのには、「アメリカの意向」という、もう1つのポイントがあったようだ。出港直後の11月12日、科技庁のT保障措置課長が「もんじゅ」の地元である福井県庁を訪れて状況を説明した際には、こんな発言をしている。

<結果として今回、仏とはうまくいかなかったが、米との関係は良かった>

<今回のプルトニウム輸送は日-仏であるが、その背後には日-米がある。日本は米に依存している。米は日本の対応を評価している。仏はPP(核防護)措置をひっくりかえしてしまったが、(米は)日本の措置は適切であるとしている>

 これには少し説明が必要かもしれない。

 先にも書いたが、自国にウラン鉱山がない日本は、ウラン資源の100%を輸入に頼っている。アメリカ産のウランを日本から海外へ輸送する際には日米原子力協定に基づいて、米国の承認が必要とされており、それは使用済み核燃料についても同じなのだ。

 動燃をはじめとする「原子力ムラ」の面々は、ウランやプルトニウムを「純国産エネルギー」とアピールしてきた。だが、実態はアメリカの意向に沿わなければ、輸送すらままならなかった。

 福井県庁でのやりとりからもにじみ出ているとおり、科技庁は地元自治体の反発など眼中になく、ただひたすらに「アメリカの顔色」を気にして、自分たちの組織防衛だけを考えていたのである。


 地元消防にすら「隠蔽」し続けた輸送情報

 ちなみに、この福井県庁での説明の場では、他にも見逃せないやりとりがあった。

 東海港に運び込まれたプルトニウムは、その後、動圏内の「もんじゅ」までトラックに積まれて陸路で輸送されることが決まっていた。これについて、福井県側が、防災体制について不安を抱いていたのである。

<輸送情報は消防庁に流れていない。自治省は消防マニュアルを持っている。輸送の際、消防に情報が行かなければ対応がすぐに出来ないのではないか。心づもりもあると思う>(福井県・県民生活部M次長)

 地元の消防にすら輸送の情報が伝えられていないというのだ。海上輸送と同じようにここでも秘密主義を貫いていることがわかるが、陸上輸送は海上よりも多くのアクシデントが想定される。非常に危険ではないだろうか。

 ところが、科技庁のT課長の反応は冷淡だった。

<事故の場合、一義的に事業者が対応(消火、放射線等の人員がついている)。必要に応じ、消防に応援を頼むことになる>

 確かに動燃も自衛消防隊を持っていたが、規模は十分とはいえない。当時の報道でも、「もんじゅ」の自衛消防隊は従業員と兼務のわずか3班約20人しかいないとされている。納得できないM次長はさらに食い下がる。

<県内では輸送事故の消防訓練までした所もある。情報管理のため、知らさないのか>

 それでも、T課長は事務的にこう言い放つのみだった。

<容器の性能を考慮すれば漏れはない。異常の場合も十分対応できる>

 プルトニウムを格納した容器が頑丈だから、中身が漏れることはあり得ないという。

 いまさら言うまでもないが、これはとんでもない”過信”である。いくら容器が頑丈で性能が優れていても「絶対」はない。東日本大震災に伴う福島第一原発の事故で、いったい何が起きたのか。「あり得ない」とされた全電源喪失という事態に陥り、核燃料はメルトダウンし、周辺地域に放射性物質をまき散らした。いまだに廃炉までのメドもたっていない。事故は起こりえないから備える必要もなという「原子力ムラ」の姿勢は、この当時から一貫していたのである。

※続き「プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約 」は、9/16(火) 19:00 紹介予定です。

原子力ムラの陰謀: 機密ファイルが暴く闇


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