JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550   特小・LCR 山岳移動 

姥ケ岳・交信実験

2013年05月26日 | 奥山 移動運用


 5月はじめの連休に登ろうと思いつつ、諸事情により中止した姥ケ岳。ここは山頂が高層湿原のため、夏場は無線運用する場所がありません。雪渓の残る今なら、いくらでも場所は確保できます。ということで、何とか雪のあるうちに、と思い、今回、実行に移しました。QTHは山形県西村山郡西川町。標高1670m。






 リフト稼働が8時ということで、朝5時30分に仙台のホームを出発。7時45分、少し早めに動いたリフトに乗り、一気に標高1600m地点へ。そこはもう、見渡す限りの大雪原。リフト客のほとんどは夏スキーが目的です。急な雪面を登ること30分。あっけなく姥ケ岳山頂に到着。目の前に圧倒的な迫力で月山が迫ってきます。そして西には少し青みがかった朝日連峰。姥ケ岳は、月山より標高差で300mも低いのですが、日本海に近いため、雪の量は半端ではありません。7月までスキーが楽しめるそうです。





 さっそく三脚にアンテナを設置。今回は、3バンドのモービルホイップ(SG9500)。はじめに1200MHzでCQを出してみました。ダメもとのつもりでしたが、酒田市のOMに拾っていただきました。自作の12エレシングル八木とのこと、59-59。強力かつ終始安定した信号でした。1200は1局のみ。

 続いて145MHz。メインをワッチしてすぐ、かすかに/8のCQが聞こえてきました。41程度。06にアップしても了解度は変わりません。コールサインを完全にコピー後、応答を試みましたが、コールバックなく、何度か試みているうちに、消えてしまいました。北斗市の移動局。残念。


 気を取り直してこちらからCQ。約1時間で、新潟市中央区、東区、上越市、山形市、鶴岡市、米沢市、大崎市など各局と交信。大崎市加護坊山とは55-52。それ以外は59-59でした。その後1エリア、埼玉県の固定局の信号が聞こえていましたが、交信ならず。今日は山岳移動局も聞こえず、信号の伸びも今一つな印象でした。


姥ケ岳からの月山


 さて、続いていつもの交信実験。お相手局はふくしまFK123局。移動地は、福島市の一切経山。標高1948m。姥ケ岳との距離は91.3km。見通し。今回は、1200MHz、特小、430デジタルシンブレックスのQRP交信実験と盛りだくさん。

<1200MHz>
 共にDJ-G7のローパワー設定(0.3W?)にて交信。55-52でレポート交換。こちらのアンテナは1mのモービルホイップで、付属ホイップよりは若干利得はあるようです。相手局は40cmほどの直付けホイップ。十分了解は可能ですが、ノイズがからんで、信号に強弱あり。安定した交信とは言えません。完全見通しにも関わらず、しかも0.3Wものパワーにしては「弱い」との印象。1Wに上げても55程度。さらにパワーやアンテナ利得を上げればわかりませんが、QRPにおいては、たとえ見通しでも1200は飛ばないとの感触は強まりつつあります。


<特小10mW>
続いて特小。レジャー9チャネルで呼んでみると、すぐにふくしまFK123局より応答あり。明瞭に変調が確認できました。こちらかの信号は少し不安定なようでしたが、慎重に強く入る位置を見極めていただいて、53-53で交信成立。当局のリグDJ-R20DのSメーターは最大で2個表示され、終始安定して入感していました。その後、一切経山側で小雨がぱらついてきたとのこと。こちらの変調が聞き取りにくいとのレポートをいただくも、無事ファイナルを送り、約10分の交信を終了。距離91.3km。10mW、交信成立。信号自体は弱いものの、見通しさえ確保されていれば、1200よりも安定交信可能では?そんな印象でした。


姥ケ岳ー一切経山 「見えます」判定



<430MHzDVモード>
 デジタルでのシンプレックス交信は今回はじめて。デジタルはアナログの半分程度しか飛ばない、すぐ途切れるし、途切れると信号自体が消えてしまう。イチかゼロ。街中では障害物があってアナログに比べ使いにくいのは確かだと思います。でも、山ではどうなのか?相手局ID-31、当局ID-51。共に0.1W QRP。こちらから呼んでみると、明瞭かつ強力な信号で応答あり。59-59。先ほどの1200とは大違い。FMと違って音声は多少コンピュータチックではあります。でもノイズがありません。変調が裏返ることもなく、実に安定して入感。見通しとはいえ、0.1Wでこれだけ明瞭に交信できるとは、予想外でした。これが200kmとか300kmとか離れれば、どこかの時点で、信号はゼロになるのだと思いますが、その限界を見極めたい、そんな気持ちになりました。デジタルQRP、はまってしまいそうです。





 最後に今回もD-STAR。姥ケ岳からアクセス可能だったのは、天童430、秋田430、新潟430の3レピーター。新潟430にて「山掛け」CQを出したところ、燕市の固定局より応答いただきました。レピーターまでの距離は約110km。見通しではなく、朝日連峰を越え、よくぞ届いてくれたものです。デジタルの信号もまんざらではありません。ときおり音声は裏返っておりましたが、交信に大きな支障はありませんでした。59-59のレポート交換。秋田430でも山掛けCQを出しましたが、残念ながら応答はありませんでした。山頂からのD-STAR運用も新たな楽しみになりました。





姥ケ岳より朝日連峰



コメント
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