JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

変形3エレ持って大年寺山

2017年05月28日 | 里山 移動運用


 久々の休日、どこか山にでもと思い、早朝に蔵王刈田岳のライブカメラを確認したところ、濃いガスの中。いつもの大年寺山にて散歩運用に変更し、先日作製の変形3エレ八木の使い勝手とLiFeバッテリーの持ちを試してみることにしました。

 <本日の装備>
リグ FTM-10S(145MHzで運用) 10W
バッテリー SHORAI  LiFeバッテリー 4Ah
アンテナ 変形3エレ

<変形3エレ八木>
 組み立てはロッドエレメントを所定の長さに伸ばして、揃えるだけなので、なんの手間もありません。三脚に設置し終えて、SWRを計ってみたところ、前方(北)に向けたときに最も下がり1.0(針が動かず)、西に回すと1.1(ほんの少し針が振れる)程度で、ホームで計った際と同様、ほぼベタ落ちを確認。アンテナによっては運用地の環境でけっこう変わることがありますが、このアンテナはさほど影響なく、再現性も悪くないようです。ちなみに反射器を「く」の字でなく、まっすぐにしたところ、1.3程度に上がります。これでも全然問題ありません。今回は、「く」の字に戻し、変形3エレとして使いました。






 はじめに福島県川俣町の女神山山頂移動のJA7RTG局とQSO。アンテナの向きは南西、蔵王方向。59-55。RTG局はハンディ5Wとのこと、こちらは10W。北西に回すとまったく入感しなくなります。ブームが短いので利得は期待できないものの、指向性はまずまずの感触です。

 終了後、メインをワッチしていたところ「・・・/1」のCQが聞こえてきました。サブに移っても同様の強さで入感。栃木県那須町の茶臼岳移動局。大年寺山で1エリアの信号が聞こえてきたのは初めてです。お呼びしたところ、強い局に負けてしまうようで、なかなかつながりません。3度目に拾っていただきました。52-52。標高1915mの山頂付近からハンディ機とのことでした。安定した信号なので、手持ちではなく、何かアンテナを固定されての運用と思いますが、詳しくは聞かないでしまいました。こちらの八木方向は真西で、どこかに反射しての信号のようでした。距離148km。交信後、アンテナをRH770に換えて受信してみたところ、ノイズ混じりとなり31から41に低下。これだと交信は厳しかったと思います。

 続いて、岩手県釜石市からのCQが入感。五葉山山頂局。3エレを北東方向に向け、59-59。たぶんハンディ機かと思いますが、たいへん強力な信号でした。帰宅後、カシミールで確認したところ、なんと五葉山と大年寺山は見通しであることが判明。どうりで強いはずです。距離130.8km。特小10mW交信の可能性も十分ありうる位置関係と言えます。北方向では、大崎市鬼首の禿岳移動局とも交信できました。下山途中とのことでしたが、59-52。相手局は0.5Wかつ手持ちのようで、若干信号の振れはありましたが、良好に交信を続けることができました。鳴子鬼首の移動局とここから交信できたのは初めてです。このほか、北西方向に向けたところ、山形県天童市、村山市の信号が聞こえていました。

 大年寺山は標高120mの小高い丘で、樹木が繁り、けっして良いロケではありません。何度もここで運用してますが、県外局との交信はほとんどありません。変形3エレ、少し手ごたえあったかな、といったところです。


 < LiFeバッテリー>
 FTM-10Sに4Ahのリチウムフェライトバッテリーをつなぎ、常時10Wで運用したら、減り方はどんな感じなのか。残念ながら思うようには検証できませんでした。3時間弱の運用といっても、CQを出してもなかなか応答なく、断続的に交信といった状態で、受信が長かったです。なので、送信時間はさほどではありません。それでも、運用開始時の電圧が13.4V。運用終了時の電圧が12.9V。いったん電源を切り、再度計ってみたら13.1V。なかなか頼もしいバッテリーとの感触ではあります。あらためて、検証してみます。




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LiFeバッテリー

2017年05月22日 | 移動運用装備


 昨年来、FTM-10SとPORTECモバイルバッテリーを組み合わせ、何度か山岳運用を試みました。過去記事にも書いたとおり、ノイズの発生がこのバッテリーの欠点です。自分が運用する145MHzでとりわけノイズ発生がみられます。それも一様ではなく、運用地、アンテナの種類によっても、はたまたバッテリーとリグの位置関係(置き方)でも変わってきます。ある時はメイン周波数で、ある時はそれより下で、またある時はデジタルメイン周辺でと、その都度変化します。山頂によってはまったく発生しない場合もあります。また、Sメーターを振るほどでなく、自分でも気づかない程度のわずかなノイズにより微弱な信号の了解度を下げてしまう、ということも経験しました。現時点での結論を言えば、やはりモバイルバッテリーは無線には向きません。

 ということで、ノイズレスで安全性も高いと言われているリチウムフェライト(LiFe)バッテリーに切り替えることにしました。SHORAIというメーカー製で、本来はバイク用です。以前にもFT817で使うことを目的に購入しました。その時のは2Ahでしたが、今回、容量が2倍のタイプを追加しました。


 ・型番 LFX14L2-BS12
 ・電圧 12Vタイプ
 ・容量 4Ah
 ・重さ 663g
 ・大きさ113×58×89mm

 手のひらに載る小さなバッテリーです。





 専用充電器も購入してみました。バッテリー側にある5ピンポートにつなぎます。なぜ5ピンなのかわかりませんが、リチウムフェライトはもともと充電管理が難しく、それによっては劣化が早まる性質があるようで、各セルを監視しながらベストバランスを維持するのだそうです。メーカーはバッテリーマネージメントシステムと言っており、充電だけでなく保管モードが搭載されています。12V2A のアダプターから昇圧し、14.4Vでチャージします。さっそくフル充電してFTM-10Sに接続したところ、電圧は13.4Vを表示。悪くないです。




 試験的に大年寺山移動で短時間使ってみました。当然ながらノイズはまったくありません。約1時間10W運用を続け、13.4V →12.9V。予想より減りは少なく、まずまずといったところです。標準の13.8Vより低めということもあり、リグに触れないほど熱くなるということもありませんでした。

 何ボルトまで低下すると電源が切れるのか、それはリグによってまちまちで、9Vくらいまで大丈夫なリグもあれば、11V以上でも送信中に突然切れるリグもあります。FTM-10Sの場合は推定で10.5V。これを下回ったら運用中止です。次回は、こまめに電圧をチェックし、切れる寸前まで使ってみみたいと思います。消費電流の少ないFTM-10Sとこのバッテリーを組み合わせ、フルパワー10Wで3〜4時間持ってくれれば御の字かと。

 専用充電器を含めるとそれなりの出費ではありますが、小型軽量であること、ノイズの心配なく安心して使えること、電圧もちょうど良くかつ安定しているなど、移動運用との相性が良く、使えるバッテリーとの印象ではあります。買っては失望を繰り返す無線用バッテリー、またしても大きな問題が・・・とならないことを願うばかりです。





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145MHz変形3エレ八木

2017年05月14日 | 八木アンテナ



 昨年の山岳運用では何度か第一電波の2m用5エレ八木を使い、ホイップ系アンテナとの違いを実感しました。しかし、長さが1m超あり、ザックにすっぽり収納とはいきません。重さも500g程あります。ラディックスのデイパック3エレも何度か使ったものの、同様に重く、すぐに使わなくなってしまいました。利得はそこそこで良いので、軽くかさばらず、簡単に設営、撤収できて、手軽に使える山岳用八木アンテナ。数年前に作ったバランスライト3エレをベースに作り直してみました。



<材料>
・52cmのロッドアンテナ4本
・57cmのロッドアンテナ2本
・塩ビパイプ50cm2本と継手1個
・プラスティック仕切り板
・BNCコネクター
・丸端子2個、他

 バランスライト3エレからの変更点は、給電部を同軸ケーブル直結でなく、BNCコネクターに変更したこと、継手をT型からI型にしたこと。ケーブルの引き回しもエレメントに対し直角になるように変更しました。これによってケーブル引き回しによる不安定な動作は軽減されるかな?、と。ブームの寸法が変わってしまったため、各エレメント寸法、エレメント間隔もすべて見直しとなりました。


給電部



導波器

同軸引き回し


 アナライザーで測定しながらエレメント寸法の調整を繰り返したものの、バンド内SWR1.5前後といま一つ。ふと、テレビ用アンテナでよく見かける「く」の字に折り曲げた反射器が思い浮かび、試してみたところ、嘘のようにSWRが低下、ベタ落ちとなりました。曲げる角度はかなりブロードで、アバウトで大丈夫なようです。一応120度ほど。再現性も悪くありません。アマ無線用の市販アンテナでは見かけない形状ながら、直接給電の場合は、こういう方法も有効なのかもしれません。変形3エレ八木。



<エレメント寸法>
D:上下46cm
Ra:上下52cm
Rf:上下57cm

<エレメント間隔>
D―Ra 36.5cm
Ra―Rf 36.0cm


通常の3エレ


変形3エレ


全体のブーム長74cm、分割した収納寸法44cm、これなら小型ザックにもすっぽり納まります。重さ270g。




 三脚に固定しベランダでワッチしてみました。タイミングよく種山高原移動局(岩手県気仙郡住田町)の信号が52で聞こえてきました。同じベランダ設置の7/8モービルホイップではノイズにかき消され変調を聞き取れません。距離130km程。ベランダは南向きなのでちょうど反対方向となります。回したところ、真西がもっとも安定して入感。青葉山あたりの反射を拾っているのか、南や東方向に回すとまったく入感しなくなります。ハンディ機5Wで何度かお呼びしましたが、「厳しいですね」とのことで交信ならず、でした。パワーの違いもありますが、受信ほど送信は良くないのかもしれません。山ではどうなのか、次の移動で試してみます。




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