JO7TCX アマチュア無線局

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ロシア製ゲルマニウムダイオード

2021年02月23日 | ゲルマラジオ
 ゲルマラジオ(無電源ラジオ)はシンプルにセラミックイヤフォンで聞く方法とトランスを介してオーディオイヤフォンで聞く方法があります。その際、ダイオードの種類により向き不向きがあり、セラミックイヤフォンで良く聞こえてもトランス経由の場合、音が歪んでしまったり極端に小さくなったりするものがあり、また逆もあります。たとえば定番の1N60でも点接触型の本来のゲルマニウムダイオードと同じ型番でショットキーバリアダイオードがあり、点接触型はセラミックイヤフォンに合い、ショットキータイプはトランス経由のオーディオイヤフォンにベストマッチします。自分はオーディオイヤフォンで聞きたいので、ほとんどの場合ショットキータイプを使います。なので「ゲルマラジオ」ではなく「無電源ラジオ」と言うべきかもしれませんが、便宜上、ゲルマラジオでも良いかな、と考えています。いづれにしてもダイオードの選択次第で音量、音質は天地の差となってしまうわけです。




 さて、aitendoで珍しい?ロシア製ゲルマニウムダイオードを扱っており、興味が涌いて数種類購入してみました。どれも点接触型ゲルマニウムダイオード。国内で流通しているものに比べ若干大きく、古風な雰囲気を纏った形状のものもあります。ショップのサイトにそれぞれ仕様も掲載されています。


D311   D312A   D18


 さっそくゲルマラジオ実験ボードで聞き比べをしてみました。試したのは次の種類です。
 ・D311
 ・D18
 ・D312A
 ・D9G
 ・D9V
 ・D9J
 ・D9B


 実験ボードに大型バーアンテナをつなぎ、もっともシンプルな回路で、まずはセラミックイヤフォンで聞き比べました。その結果、どれも1N60(ゲルマニウムタイプ)とほぼ同等に良く聞こえます。D311がもっとも歪みがなくクリアな音に感じました。D312Aはそれよりほんの少し音が小さめ。D18は若干歪みが感じられますが好みもあるかと思います。D9タイプを含め悪くないです。






 続いてトランスを経由してオーディオイヤフォンで比べたところ、セラミックイヤフォンの場合とは予想した通り異なる結果となりました。音量が大きく音質も良好なのはD312Aでした。今回試した中ではダントツです。D18は歪みが感じられますが音量的には悪くないです。それ以外はセラミックイヤフォンでもっとも良いと感じたD311を含めどれも音量小さめ、という結果になりました。


 ショットキーダイオードの中にはセラミックイヤフォンで聞くと歪みが激しくほとんど音声にならないものもあるのですが、D312Aは両刀使いでどちらでもよく聞こえます。しかも正真正銘?のゲルマニウムダイオード。オーディオイヤフォンで聞く場合、選択の一つとの印象を持ちました。









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ラジオキットK-7642B(aitendo)

2021年02月22日 | ラジオ工作



 TA7642とBC548Bを使った1IC+1Trのストレートラジオキットです。3本足ラジオICは何種類かあると思いますが、TA7642以外あまり見かけなくなりました。自分は単純なストレートラジオが好みで、これまでも何度か作りました。このキットは前回のゲルマラジオキットと基板の大きさが同じで、電池ボックスも基板上に配置したオールインワンタイプです。単4電池1本動作、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らします。






 付属のバーアンテナはゲルマラジオキットに比べ小型です(長さ5cm)。インダクタンスを測ったところ590μH前後ありました。ちょっと大き過ぎですが、バリコンとの相性もあるのでこのまま使うことにしました。マルチメーターで確認しながらCR類を間違えないように半田付け。前回同様バリコンの固定ネジが長く、回すと壊れそうなので手持ちの短いネジに取り換えました。また、電池ボックスが小さく単4電池が入りません。マイナス側のバネをカットして何とか収まりました。aitendo品質は相変わらずです。だいぶ慣れてはきました。1時間ほどで完成。




バリコンネジ交換

電池入らず左のバネ切断


 エネループ(1.2V)を装着し、電源オン。NHK仙台第一が圧倒的な音量で入感。NHK第二、東北放送もパワフルに受信できました。音量調整がほしいくらいです。室内のどこでも受信できてしまいました。小さなバーアンテナなのに感度良すぎでは? その反動で分離は難があります。バーアンテナの方角をうまく調整し、NHK第一が最も弱くなるようにすると他の2局が聞きやすくなります。コイルの指向性や偏波面(縦・横・斜め)でカバーすれば何とかなるかな、とったところです。ストレートラジオにたがわず音質は悪くないです。少し低音を増すため一カ所のみ回路変更し1KΩを追加しました。




 イヤフォンでこんなに大音量で聞こえるのであれば、スピーカーも鳴ってくれるのでは?とつないでみたものの、耳を近づけて聞き取れる程度でしか鳴ってくれませんでした。スピーカーを鳴らすにはさすがに非力なようです(アンプオンで普通程度に聞こえます)。




 このキットは1.2~1.5V動作の超省エネラジオなのに、予想以上に高感度で驚いてしまいました。小さなバーアンテナで回路も特別なものではないと思うのですが、どうしてこれほど高感度なのか不思議なくらいです。





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aitendoのゲルマラジオキット

2021年02月16日 | ゲルマラジオ


 ラジオを作りたくなってaitendoからいくつかキットを買い込みました。これもその一つ。aitendoのゲルマラジオキットは何種類かありますが、基板上にすべてが揃うオールインワンタイプです。アンテナ端子、イヤフォン端子、ダイオード取付けはターミナルブロックになっており、実験ボード的な使い方もできるかな、と。




 長さ10cmの大きめのバーアンテナが付属し、そのためゆったり目な基板になっています。不必要に大きいので、空いたスペースに回路図までプリントされています。このバーアンテナのインダクタンスを測ったところ861μHもありました。タップで測っても600μH前後。HPの説明では350μHのはずですが、大きすぎ。手持ちの別のコイルに交換しました。ポリバリコンの取り付けも要注意です。付属の固定用ネジが長過ぎ、締め付けるとバリコン内部に食い込み、壊れてしまいます。実際、壊してしまい、これも別のバリコンに交換しました。






完成 (付属品以外の部品を追加しています)


 ということはあったものの、部品数点なので難なく完成。このキットの特徴の一つがダイオードを2個使う倍電圧検波回路を採用していることです。整流回路としてみた場合、2倍の電圧を取り出せるわけです。過去に何度かこの回路を実験ボードで試したことがありますが、芳しい効果は実感できませんでした。ダイオード自体による損失も2倍になり理論通りにはいかないようです。そのダイオードですが、ロシア製のD311というもので、「高性能なゲルマニウムダイオード」なのだそうです。




 窓辺のガラスぎりぎりのところでセラミックイヤフォンで聞いてみました。10cmのバーアンテナ単体では受信は無理だろうと予想したとおり、適当にバリコンを回しても何も聞こえず、でした。再度イヤフォンを耳奥に装着し直し、最大限の注意力をもってバリコンを回すとNHK仙台第一の音声が一瞬かすかに聞こえ、さらに慎重に合わせ、何とか受信できました。21~31程度。次にアンテナ端子からエアコンアースにつないだところ、十分聞き取れる音声で入感。この状態で倍電圧検波と単体検波を比べてみました。その結果、今回は倍電圧検波による音量アップが実感できました。2倍とはいかないものの1.5倍くらい力強い音声になります。




 ループアンテナも試してみました。バーアンテナをループコイルに対し直角にすると効果てきめん。また、大型の外付けバーアンテナを端子につなぎ、トランスを経由してオーディオイヤフォンで聞いてみたところ、若干ゆがみが感じられるものの程よい音量で鳴ってくれました。セラミックイヤフォンは耳に合わず、やはり自分はこの方が好みです。




 D311を外し定番の1N60と比較しました。わずかに音量低下が感じられましたが悪くないと思います。他にもロシア製ゲルマニウムダイオードを何種類か買ってみました。在庫が尽きたらもう出回らないレアものなのかもしれません。追々試してみます。






コメント (2)
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ラジオ少年の中波ループアンテナ

2021年02月13日 | ゲルマラジオ

 NPOラジオ少年の通販が再開したことを知り、気になっていた中波ループアンテナキットを購入しました。ループアンテナとしては小型で、これをコイル代わりにしてゲルマラジオにしたら面白いものができるのでは?と以前から考えを巡らせていたのです。数年ぶりのゲルマラジオ作り。






台座裏面


 キットには十字に組むための板材、台座、バリコン、ダイヤル、線材、ターミナル端子、木ネジ、ゴム足シールなどの一式と簡単な組み立てプリントが入っていました。台座は内部が空洞のボックス状になっているのかと想像していたのですが、一枚の厚板でできており部品を装着する部分のみくり抜かれた構造になっていました。空洞ならトランスの配置や裏面配線が楽かな、と考えていたので、これは想定外。彫刻刀でくり抜き部分を広げ、空間を確保。トランスとダイオードの配置を決め、穴あけ加工をおこなった後、黒の塗装を施しました(スプレーしただけ)。




 続いてコイル部。切れ込みのある板材を十字に組み、付属のビニール線を巻いていきます。板幅4.5cm、溝が付いており「3分割巻き」となります。説明では8回、7回、6回、計21回巻くことになっていますが、溝に納まりきらず7回、6回、5回の18回巻きとなりました。巻き終わってインダクタンスを測ったところ209μH。我が家の環境では下の周波数に放送局はないのでこれで良し、としました。コイル巻きは、巻き始めと巻き終わりの処理が勘所です。このキットは穴に通して固定できるようになっており、線材自体も緩みにくく、良くできていると思いました。


一辺28cm


 コイル巻きが終わったらあとはゲルマラジオ部の配置と配線をするのみ。オーディオイヤフォンを鳴らしたいのでキットと一緒に購入したトランスT-725を使いました。8Ω~100kΩで音量、音質が選べます。いろいろ試してみて、このトランスが今のところベストと思います。ダイオードはaitendoの1N270。型番は同じでもあまり国内で流通していないタイプです。aitendoでも今は取り扱いなく、別タイプの1N270に変わっているようです。配線後、支柱板にコイル部をねじ止めして完成。








 さっそく室内にてオーディオイヤフォンで聴いてみました。NHK第一がうるさいほど入感、第二もほどよい音量で聞こえてきました。東北放送は窓辺でポイントを探り、方角を合わせてなんとか聞き取れる程度。それぞれ信号のピークが鋭く、分離の良さはなかなかのものと思いました。外部アンテナ、アースなし、無電源でこれだけ聞こえれば御の字です。




 ゲルマラジオとして作りましたが、当然ながらループアンテナとしても使えます。ID-51で試してみました。アンテナを外した状態ではNHK第一ですらほとんど受信できません。ループアンテナに載せてバリコンを回すと一気に信号が59に上がります。別世界。ターミナル端子からつなぐこともできますが、ループに近づけて同調を取るだけで十分なようです。




 久しぶりの工作。スケッチ通りにいかずてこずった所も多々あったものの、楽しめました。このキットの良いところは、ゲルマラジオとして作り込むのにちょうど良い大きさと形状で、構造的に丈夫なところかと思います。性能もまずまず。線材にリッツ線を使うとか鉱石検波を取り入れても良いかも? 無電源ラジオ作りにあらためて興味が涌いてきました。






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