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東山温泉探訪 10/18-19

2022年10月20日 | 運用スタイルなど

 

 

 秘湯の一軒宿とかいうよりも湯町の散策や路地歩きするのを愉しみにしており、いくつか旅館があってそこで暮らす方々の生活の場でもある、そんな温泉地を好んで訪れることが多いです。「高級」風な旅館ばかりが増えて賑わいを見せているようなところは苦手で、どちらかというとあまり陽の当たらない温泉場の方が奥深いというか、奥深さすら感じさせないところに味がある、そんな風に思えなくもありません。

 会津の東山温泉は写真でしか見たことがなく、そこには古色蒼然とした旅館が写ってはいるものの、温泉地としてはどんなだろうと、一度は訪ねてみたいと思っていました。

 

 仙台から会津若松まで高速バスで約2時間30分。循環バスに乗り換え、20分で東山温泉着。3時間ほどにすぎませんが、会津は奥まっていて感覚的にも実際のところもけっこう遠く感じました。東山温泉駅(バス駅)で降車。もうここは温泉地の中心部です。歩いてすぐ、湯川沿いに木造の旅館「向瀧」が目に飛び込んできました。写真で見るよりその全体像ははるかに大きな建物で、山手の方まで重厚な棟が幾重にも続く様は、山城のようでもありました。江戸中期からの保養所を引き継ぎ創業125年とのことで、国の有形文化財に指定されているようです。宿のホームページに大正時代の写真がありますが、詠観橋を含め今もそのままといった感じです。普通並みの宿泊料でもあり、ここに泊りたかったのですが、いつもの思い付きの計画なので直前での予約はかないませんでした。宿泊できる部屋数も多くはないのかもしれません。

「向瀧」

 

 近くに酒屋があったので、地酒でも買っておこうと思ったのですが営業している様子はありませんでした。隣の食堂に入り、昼食がてら主人に聞いたところ「数年前にやめてしまって、この温泉街に酒屋はなくなってしまったんです」とのこと。旅館あっての酒屋、その酒屋がなくなったというのは思いのほか深刻なのでは?と心配になってしまいました。

 

 湯川沿いに歩いてみました。川の両岸に「滝」の名の付く旅館が並んでいます。改装中なのか材木が積み上げられ、作業の真っ最中だったり、すでに営業をやめて廃墟同然の建物も散見されました。ここには19の旅館・ホテルがあるそうですが、実際に営業しているのはその半数ほどでしょうか。

 

 残念坂、湯泉坂を過ぎると射的場がありました。このあたりが中心部ということでしょうか。店屋は羊羹専門店のみ、他に理容店、食堂数軒。かつての商店や民家もぽつりぽつりとあるものの廃屋が目立ちほとんど人の気配はなし。宿が元気にならないと生活の場も成り立たないのか、あるいは宿のみ頑張ってもいかんともしがたいのか、複雑な気分になってしまいました。

残念坂

 

 

 平日でまだ昼過ぎのためか温泉街を歩いているのはXと自分のみ。入国緩和や旅行支援も始まり、観光客でごった返しているのでは?などと話していたのですが、そのような心配はここでは無用のようです。ところどころに淵や滝が現れる湯川の清流はなかなかのもので、川沿いに与謝野晶子や竹久夢二の碑がありました。かつて多くの文人も訪れたようです。

 

 さらに奥に「雨降り滝」や「傘岩」などの名所があるようですが寒くなり、引き返すことにしました。途中、湯泉神社への階段を上ってみたところ、温泉街の一部が見渡せました。多くは鉄筋の大型ホテル。そしていくつかの廃墟。いっときは手に余るほどの客を受け入れ、活気を極めたのだろうと思います。どんな経過をたどり、どんな営みがあったのか。栄枯盛衰と人々の苦楽を凝縮しているようで、自分はそんな風景に心惹かれてしまうところがあります。

湯泉神社へ

神社境内

 

 予約しておいた宿に到着してみると、まだチェックイン時間前というのに駐車場やロビーはけっこうな人出でした。みなさん、車で宿に直行し、あとは外出することも歩いたりすることもなし、ということなのかもしれません。案内された部屋からは会津若松市街が一望で、さほど遠くないことに意外な感じを受けました。

 

 近くに標高870mの背あぶり山があり、眺めも良いらしく移動局の無線運用地にもなっているようです。車なら山頂公園まですぐのようですが、温泉街から登山できなくもなさそうなので、ゆっくり数泊して登ってみるとか、あるいはここを拠点に会津の山に登るのも悪くないかな、と思った次第です。

 

 

 

 

 

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青根温泉探訪 9/21-22

2022年09月23日 | 運用スタイルなど

 

 

 蔵王登山の際、この温泉で汗を流して帰ることが多いものの、たいてい共同湯利用で散策するなどということもなく、仙台から比較的近いこともあり、あえて宿泊しようとも思わない、そんな温泉地ではあります。ただ、以前から気になっていた宿があり、県民割を利用して泊まってみることにしました。

 

 仙台駅前からバスで約70分、蔵王町の遠刈田温泉へ。1時間に1本と意外にも本数は多いです。バスは少し先のリゾートホテルが終点となっており、青根温泉までは歩くかタクシー利用となりますが、宿に聞いたところ終点バス停まで送迎可とのこと、迎えの車に乗り10分ほどで到着しました。歩くと40~50分かかるかもしれません。

 

 お世話になったのは道路沿いにあっていつも通り過ぎていた湯元不忘閣。慶長年間から22代続く古い宿で、その昔、伊達家代々の当主が滞在したそうです。敷地の一段高いところに木造2階建ての「青根御殿」があり、これは昭和7年に再建されたもののようです。そのほか中庭、蔵、湯治棟などの一部は昔の姿をとどめ、蔵は湯殿に、湯治棟は食事会場に変わり、宿の中を探検するだけでも興味深いものがありました。こういう老舗旅館というのは往々にして「高級旅館」を銘打ったりしてげんなりしてしまうのですが、ここはそういう風がなく、歴史の重みを受けとめつつも自然体の様子で、宿泊料金も普通並み、急ごしらえな構えのないところが気に入りました。

 

青根御殿(右手)

 

 中庭に面した1階の部屋と90段ある長い階段を上った高台の部屋があるようですが、宿の勧めで今回は中庭に面した方にしました。試しに階段を上がってみたところ仙台方向の眺望が得られ、次回はこちらの部屋から無線運用も良いのでは?などとあらぬ考えがよぎりました。

 

 湯場も変わっていて、なんといっても重厚な作りの大湯が圧巻ですが、茶室のような狭いにじり口から入る半露天「亥之輔の湯」、高天井の蔵の中にぽつねんと湯舟が置かれた「蔵の湯」など、事前情報は得ていたものの、実際の存在感、その場の空気・・・やはり入ってみて初めて伝わってくるものがあります。特に「蔵の湯」。貸し切りなので一人です。4~5人入れそうな湯舟のみならず、蔵の空間そのものを独り占めする、それは良いとして、薄暗い大空間にぽつんと一人で湯に浸かっていると、これまでの人生やら行く末、いろんな災難とか転機等々つまらぬことが脳裏に浮かんできて、つい物思いにふけり、妙な気分になってきました。長湯は控えた方がよさそうです。

半露天「亥之輔の湯」

蔵の中へ

「蔵の湯」

「大湯」の湯屋(手前)と青根御殿(奥)

 

 さて、翌朝は早起きして小さな温泉町を散策しました。自分は近所を散策するつもりでいましたが、Xが古賀政男の歌碑を見たいというので行ってみることにしました。温泉街から峩々温泉へ続く約1kmの車道歩き。ゲートから左への分岐を進むとまもなく公園の中に歌碑がありました。古賀政男は昭和3年夏、不忘閣に滞在。付近の山中で自殺を図るも未遂に終わり、そのときに見た蔵王の夕暮れから名曲『影を慕いて』の詩が浮かんだといわれているそうです。歌碑の前に立つと『影を慕いて』の伴奏が自動で流れてきて驚いてしまいました。侘びし気な森に響き渡る物悲しいメロディ、熊よけになるかどうかわかりませんが、これはこれで悪くないのかもしれません。

 

 温泉街に戻り、路地を歩いてみました。かつては十軒ほどの旅館があったと思いますが、更地になったり廃屋が残ったままだったり、多くは廃業してしまったようです。湯治旅館だったところも営業している雰囲気はありませんでした。一方、経営者が変わって新規開業とか、以前はなかった足湯(停車場の湯)が作られたり、試行錯誤は続いているようです。早朝6時30分に開く共同湯「じゃっぽの湯」、地元の方々が一番湯を楽しみに待っていました。

青根温泉の町並み

標高499m

青根洋館

共同湯「じゃっぽの湯」

 

 朝食後、「青根御殿」を案内いただきました。朝日のさす開放的なガラス戸になっており、仙台や遠く牡鹿半島、金華山が見渡せました。

 

 

 見慣れた近場の温泉地でも泊まってみると違った風景に出合うことがあります。数年前に登山道がつけられた「物見岩」という展望地もあるようで、ちょっとした山歩きや無線も楽しみかな、と思います。機会を見てまた訪ねてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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胡桃ヶ岳ー中ノ岳 鳴子温泉散策

2022年07月12日 | 運用スタイルなど

 

 

 潟沼にある胡桃ヶ岳(くるみがだけ)の登山道が整備されたらしく、どんな様子なのかと思い、訪ねてみることにしました。ついでに県民割がまだ間に合うということで、数年ぶりに鳴子温泉に宿泊。

 

 東北本線で小牛田へ、陸羽東線に乗り換え鳴子温泉駅下車。今にも雨が降り出しそうな曇天の中、潟沼に向かいました。1kmほど車道を上ると三叉路があり、そのすぐ先の斜面に「胡桃ヶ岳登山口」の小さな標識を見つけました。

 

 細々ながら登山道はよく踏まれた感じで、藪っぽさはありません。ただ、もともと夏場に登るような山ではないわけです。蒸し暑さで汗だく、クモの巣にも注意を払いながら進むと、20分ほどであっけなく山頂に到着しました。標高461m。落葉の時期なら潟沼が樹間越しに見えるようですが、今時期は眺望なし。明治時代の古い石柱がありました。

胡桃ヶ岳山頂

 

 以前はここから先は藪状態だったようで、1年ほど前に登山ルートが整備されたようです。胡桃ヶ岳を後にもう一つのピークである中ノ岳へ。笹の切り残りがあって少し歩きにくい急坂を下り、潟沼への分岐を過ぎて登り返すと笹原の平坦地。さらに登ること数分、中ノ岳山頂に到着。小さな山なのでなんということもありません。標高440m。小広く刈り払われて眺望良く、潟沼の一部も見渡すことができました。蒸し暑いのは相変わらずですが、時折風が通り、涼を運んでくれます。この山頂は気に入りました。

中ノ岳山頂

 

 ダメ元の無線運用。ハンディ機でCQを出してみたものの、応答なし。低山かつ地形的に奥まっているためでしょうか。無線は早々にやめにしました。

 

 さらに登山道を先に進むと標識のない分岐点があり、ここから潟沼遊歩道に下りることにしました。どこからともなく硫黄の臭いが漂ってきます。潟沼は周囲1.3kmの火口湖で、湖底から絶えず熱水ガスが湧出する強酸性湖なのだそうです。晴天なら独特の色合いを見せてくれるのですが、あいにく霧雨に変わり、エメラルドグリーンとまではいきませんでした。

潟沼遊歩道に下山

潟沼より中ノ岳

 

 湖畔のレストハウスを後に、車道を歩いて下り、鳴子温泉街へ。途中数カ所に源泉があり、あちこちから湯気が立ちのぼっているのが見えてきました。鳴子は8種類もの泉質があるそうで、それぞれの旅館が独自に源泉を持っていて、どんな泉質なのかは旅館ごとに異なります。中には何種類もの源泉を持つところもあり、湯量の多さと泉質の多様さ、これが鳴子の魅力かなと思います。コロナ禍で苦境にあるのはどこの温泉地も同じようで、巨大ホテルのみが目立ち、それがかえって寂し気な雰囲気を醸しているように感じられました。

 

温泉神社 滝の湯付近

 

 駅から歩いてちょっとした山歩きのできる温泉場というのはそう多くはないです。胡桃ヶ岳、中ノ岳、潟沼周辺、そして鳴子温泉、無線には不向きなようですが、涼しくなったらまた訪ねてみたいと思います。

 

 

 

 

 

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『地球の中身』

2022年07月02日 | 運用スタイルなど

 

 

 地球空洞説をもとにしたSF小説に「ペルシダーシリーズ」というのがあって、子どものころ夢中で読んだ記憶があります。その後、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』も読みました。死火山の火口洞窟から地球中心部に達するという古文書を解読し、先人の足跡をたどりながらの地底探検。数々の困難を経てたどり着いた地球中心部には広大な空間と共に想像を絶する世界が広がり、マグマの上昇を利用して無事地上に戻るというような話で、空想科学小説の不滅の名作とされているようです。

 

 ブルーバックスから今年刊行された『地球の中身』という本を読みました。帯には「これが現代の地底旅行」とあります。SFではなく、地球物理学者である著者が地球の深部に何があるのか、どんなことが起こっているのか、地球はどのように生まれ進化してきたのか、といった最新の知見を一般向けにまとめた内容です。難解なところもありましたが、初めて知る驚きの世界という点では、なるほど現代の「地底旅行」なのかもしれません。興味深い本に出合いましたので、少しだけ紹介してみます

 

 地球の半径は約6400km。それだけの深い穴を掘れば地球中心部に到達するわけです。しかし人類が開けたもっとも深い穴の深さは12km。中心部までの距離のわずか0.2%に過ぎないそうです。火山によるマグマが運ぶ岩石にしても地下200kmより深いものはなく、表層のわずか3%に由来するものに限られるとのこと。それ以上深いところに何があるのか、目視した人はいないわけです。そこで著者たちは地球内部の高温と高圧を再現し、そこに存在するであろう岩石を作り出す、という方法で研究を続けているようです。

 

 地震波等の解析により地球の内部は、地殻、マントル、コア(外核、内核)の4層構造になっており、コア外核は液状の鉄、内核は固体の鉄が主成分というのもわかっているそうです。つまり中心部は金属。このことが重要な意味を持ちます。

 なぜ地球に磁場があるのかと言えば、液状のコア外核にコイルのような流れが生じることで内核の金属との間に電気が発生し磁力線が生まれる仕組みで、いわば地球は発電装置と電磁石を内蔵しているわけです。

 外核の流れが反対になれば、右ネジの法則で磁極も反転。実際に何度か繰り返されているそうで、最後の反転が起こったのは約77万年前、次の反転がいつ起きてもおかしくないのだとか。心配なのは、過去100年の間に磁場の強度が10%減少し、このまま弱体化すると地表に宇宙線や太陽風が降り注ぐことになり、大気が剥ぎ取られて海の蒸発を招き、遠い将来には火星のようになってしまうことも考えられるようです。

 

 地球の海の深さは平均3.8km。富士山がほぼ沈む深さで、とてつもない量に思えるのですが、地球全体の重量の0.02%に過ぎず、実際のところは地表に薄くへばりついている、という状態のようです。しかし、海水があることによりプレートが冷されてマントルへの沈み込みが起き、それにより液状コアの対流化が生み出され磁場が形成される。そしてその磁場が大気と海、生命を守る。大気、海、地殻、マントル、さらには中心部コアのすべてが連関し、生成と変化、対流を繰り返す。見た目は固い岩石でも長い時間軸の中ではけっして静的なものではなく、動的に存在し、影響を与え合う。まるで意思を持つかのような地球というシステム、そのダイナミズムと緻密さにホント驚くほかありません。

 

 ここに紹介したのは第Ⅰ部「現在」のほんのさわりのみ、新書判にもかかわらず内容の密度感はかなりのものがあります。特に第Ⅱ部「過去」。46億年の地球の歴史においてどんなビッグイベントがあったのか、生命惑星はどうやってできたのか、水はどこからやってきたのか、金星や火星と何が同じで何が違ったのか、などなど第Ⅰ部以上に興味深いものがありました。

 

 自分の足元深く、想像もしなかったことが日々刻々と繰り広げられ、その作用の中でかろうじて生かされているだけなのでは? 現代の「地底旅行」、いろんな思いがよぎりました。

 

 

『地球の中身 何があるのか 何が起きているのか』

ブルーバックスB-2192

著者 広瀬 敬

発行 2022年1月20日 講談社

 

 

 

 

 

 

 

 

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大年寺山―宮沢橋周辺 6/29

2022年06月30日 | 運用スタイルなど

 

 

 梅雨入りからわずか14日で梅雨明けとなりました。例年なら今頃はしけ寒い日が続くのですが連日30度越えの猛暑、こんなことは異例中の異例のようです。一方、気象庁のライブカメラでは蔵王あたりの山はガスがかかってすっきりせず、ほんとやっかいな天気です。昨日午後、雲が広がってきたところを見計らって大年寺山に出かけてみました。

 

 

 向山公園から階段を上ると、下草が刈られておらず、登山道のような状態になっていました。いつも無線運用している山頂部の公園(ロータリーの丘)も雑草が伸び放題。こうなるとやぶ蚊も多く、無線運用どころではなくなります。標高100mほど、涼しい風が吹いて、市街地の先に泉ヶ岳や七ツ森がきれいに見えていました。

ロータリーの丘より 泉ヶ岳↑ 七ツ森↓

 

 野草園からミヤギテレビのテレビ塔方向に進み、伊達家墓地を回り込むと見晴らしの良い広場となって、ここも無線運用場所の一つです。たまに散歩の人が通りすぎる程度で気にならず、テレビ塔からの抑圧も少ないようです。やはり雑草伸び放題。

 

 東屋でしばし休憩後、大年寺惣門側に下りてみました。長い階段です。たぶん仙台で最長。日陰となってここも涼しい風が吹いてきました。

 

 惣門から国道286号を北上し、宮沢橋と愛宕堰周辺を散策して戻ることにしました。このあたりの広瀬川は広々として眺望もよく、橋上から思いもよらず泉ヶ岳、三峰山、後白髭山の稜線が眺められました。この場所からこんなふうに見えるとは・・・、近くに住みながら気づきませんでした。遊歩道を進むと愛宕堰、そして愛宕神社の森。

左より後白髭山 三峰山 泉ヶ岳

宮沢橋と大年寺山

こんもりした森が愛宕神社

 

 夕方5時を過ぎ日暮れが近づいてきました。愛宕堰の裏手から七郷堀を抜け、急ぎ戻りました。約2時間半の散策。

七郷堀

 

 目的も結果も求めず一時日常から離れて自分時間を持つ、それが散歩の効用と、何かの本に書いてあったような気がします。なかなかそう簡単でもないのですが、はじめての路地とかしばらくぶりの道を歩いてみたり、時間帯を変えてみる、そんなことでもちょっとした発見があったりして気分転換にはなるようです。軽量コンデジ持って、また近場散策に出かけてみます。

 

 

 

 

 

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広瀬川歩道―経ヶ峰(瑞鳳殿)散策 6/9

2022年06月10日 | 運用スタイルなど

 

 

 梅雨に入ってしまったのかどうか、ぐずついてしけ寒い日が続いています。晴れ間が出たかと思うと小雨が降ってきたり、せっかく休みを取っても目くるめく変わって山歩きどころか散歩もままなりません。昨日は午後に少し安定しそうということでカメラを持って経ヶ峰(伊達政宗公の霊廟・瑞鳳殿)まで散策に出かけました。

 

 無線をしたいときは大年寺山公園に向かいますが、平日は相手局もないので、広瀬川あたりを散歩することが多く、たまに通ったことのない路地を辿ってみたりします。

 

 

 

 自宅から数分のところに松源寺があり、奥の墓地を下ると広瀬川の河原に出ます。ここは障害物や影響を与えそうな施設もなくいつもアンテナ調整に使っている場所です。

 

 

 縛り地蔵に立ち寄り、遊歩道へ。

 

 

遊歩道の先に経ヶ峰が見えます。

 

 

 霊廟に続く霊屋橋。川の中にある切り株はセコイア化石林といって約300万年前に生育していた森林の立ち木が長く地中に埋もれ炭化したものらしく、世界的にも珍しいそうです。

 

 

 霊屋橋を渡り、さらに遊歩道を西に進むと評定河原橋。そのすぐ手前が瑞鳳殿入り口。観光地でもあり、いつもは賑わっているのですが、平日のためか静かです。「熊目撃情報あり」の注意書きがありました。このあたり、市街地近くにもかかわらず出没のニュースが毎年のようにあります。

 

 

経ヶ峰(瑞鳳殿)入り口

 

 

 境内を回っていると雲行きが怪しくなってきました。裏手から出て、愛宕神社に寄って帰ることにしました。大満寺の長い階段を上り、虚空蔵尊へ。愛宕神社の境内につながっていて、ここから眺める仙台中心部のビル群にはいつも圧倒されます。自宅から近く、自分にとってもっとも手軽な無線運用場所でもあります。

 

階段を上って大満寺 虚空蔵尊へ

 

 

 いつのまにか小雨に変わりました。愛宕神社東側の参道を下ると愛宕大橋。いくつも階段を上り下りしてずいぶん歩いたような気がしたのですが、橋上からは雨に煙る経ヶ峰が意外に近く見えました。約2時間の散策。

 

 

 ぼーっと川の風景を眺めたり、歩きながら様々思い浮かんだり、登山と違って自分時間をゆっくり消化するゆとりがあり、これはこれで悪くないかな、と思った次第です。

 

 

 

 

 

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蔵王温泉散策

2022年05月07日 | 運用スタイルなど

 

 

 地蔵山の翌日、蔵王温泉スキー場上部山麓にあるドッコ沼を散策することにしました。昨日のゴンドラとは別の中央ロープウエイに乗り兜山へ。こちらのゴンドラに乗るのは20年ぶりです。標高1387m。終点のすぐ上が展望台となっており、朝日連峰や上山市街が一望でなかなかの高度感があります。南に目を向けると地蔵山と三宝荒神山の切れ落ちた絶壁が迫って、これには圧倒されてしまいました。地蔵山からみた三宝荒神山はなだらかでつまらなそうな山なのに、荒々しい別の一面を見せられたようでハッとさせられました。

兜山展望台より三宝荒神山(左)と地蔵山(右)

 

 さて、兜山の裏側斜面はスキー場となっており、まだ雪がたっぷりと残っていました。従業員の方の話では、今年はこのあたりの雪が特に多くドッコ沼までの道はまだ未整備、とのこと。雪は締まっており登山靴なら何とかなるだろうと適当にスキー場を下って行ったところ、ブナ林の中にさほど大きくはない幻想的な感じの沼が見えてきました。残雪を映すエメラルドグリーン。流入河川はないようなので、湧き水と雪解け水ということでしょうか。透明度が高く、イワナなのかわかりませんが、10cmくらいの魚が多数泳いだり飛び跳ねたりしていて、いつまでも見飽きませんでした。

ドッコ沼

 

 この先の道は除雪され、スキー場北端にあるスカイケーブルにて温泉街に下山。このスカイケーブル、4人乗りの小さなゴンドラが3分置きくらいに発車するのですが、自分とX以外に乗っている客はおらず、空のゴンドラのみがすれ違っていきます。降り場付近のホテルや民宿、店舗風建物もほとんどが閉鎖状態となっていました。連休中にもかかわらず人の姿もなく、大丈夫なのかと心配になってしまいました。

スカイケーブル降り場付近

 

 さらに下って温泉街のメインストリートである高湯通りへ。両側に小さな温泉宿がところ狭しと並び、共同場の上湯、下湯があり、もっとも賑わいのあった通りです。隣の湯の香通りや河原湯共同浴場との間を何本もの狭い路地が走り、密度感のある湯町を形作っていたと思います。それら昔からの旅館のいくつかが取り壊され空き地や駐車場となって、温泉街の様子もだいぶ変わったなとの印象を持ちました。ただ、旅館の廃墟が放置されている感じはなく、上湯、下湯も他の共同湯も健在なようです。コロナ禍で苦労しながらも少しずつ動き始めているのかもしれません。

温泉街

高湯通り

 

 仙台からバスで容易にアクセスでき、いろんな登山、散策ルートがあり、かつ無線運用もできる、自分にとってはありがたい温泉地と言えます。機会をみてまたおじゃましたいと思います。

 

 

 

 

 

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『クモのイト』

2022年02月27日 | 運用スタイルなど

 

 

 ゲルマラジオの定番であるスパイダーコイル。中心部から外側に線材をクモの巣のように巻いていくことで線間容量を抑えたり外形を大きくしてQを高める、それでいて平面コイルなので収納上の利点もある、先人たちはよく考えたものだな、と感心してしまいます。子どものころ、コイルなるものを初めて巻いたのがスパイダーコイルだったためか、時々思い出しては作ってみたくなります。

 

 それはさておき、スパイダーの語源は「紡ぐもの」だそうで、クモというのは身近にあって不思議な存在ではあります。このような場所にクモの巣を張って、いったい1日にどのくらい獲物がかかるんだろうとか、その間、静かに待機して何を考えているのか、もし何日もなにも捕らえられなかったらどうなるんだろう、などといらぬ心配までしてしまいます。そんな疑問に答えてくれる本に出合ったので、無線やラジオと関係ありませんが、紹介してみます。

 

 著者はこの分野の研究者で、取るに足らない虫だと思っていたクモの魅力に憑りつかれ、その賢さと複雑さの深みにはまってしまったようです。

 

 

 

 本によると、19世紀初頭には蚕のようにクモから糸を取って利用できないか、さまざま考案され、マダガスカルではクモの糸を使った布製品を作るため、容器に入れたクモを並べ、一匹あたり150m~600mもの糸がとれたそうです。しかし、クモは共喰いの習性があり、安定的に供給するところまではいかず頓挫。実際にクモの糸で作った服は現存し、博物館に展示されているとのことです。数年前、山形県鶴岡市のベンチャー企業がクモの糸の人工合成と実用化に成功したとの新聞報道がありました。クモの糸は強度、伸縮性ともにナイロンをはるかに上回るなかなか魅力的な素材ではあるようです。

 

 クモの巣というのはどうやって張っていくものなのか、その作業の最中というのは見かけたことがないです。ネバネバしているのは横糸だけなのだそうで、まず縦糸を張ってから最後に回転しながら横糸を張っていく、脚の油分と細かい毛によって自分が絡まることはないそうです。糸はタンパク質なので、回収して食べ、また新しい巣を張りなおすのだとか。

 

 さて、巣(網)を張ったらあとはひたすら獲物がかかるのを待つのみ・・・、そんな受け身のスタンスで食欲を満たすだけの獲物がかかるものなのか、クモとしての生活は成り立つのか、疑問が湧いてくるわけです。実は巣におびき寄せる様々な手立てが講じられていたのです。中心部に糸で花のような形を作って蝶を騙したり、あるいは獲物の残骸や落ち葉を飾り付け、いつしか発酵して匂いを出し、それに誘われてハエなどの虫が寄ってくる・・・。ハッと気づいたときには既に遅し、ネバネバの糸に絡めとられ、動くほどに絡まってしまう。受け身で待つどころか、巧みな術の数々に驚いてしまいました。

 

 クモの交尾は「交接」というそうですが、メスにとってオスは交接相手でもあり、かつ餌でもあるとのこと、交接後は素早く逃げないとメスに食べられてしまうのだそうです。中には交接中にメスに食べてもらうため自分から身を投げ出す、いわば自殺行為をする外来種もあるだとか。自分の子孫を残せる可能性を高める行動と見られているようですが、ちょっと考えさせられます。

 

 発見されているものだけで5万種近くおり、日々新種のクモがみつかっていて推定12万種ともいわれているそうで、これだけのクモが日々エサを捕り、生命を次代につないでいるわけです。本によると世界中のクモが1年間で食べるエサの総量は4億トンから8億トン、そのほとんどは昆虫で3割から6割がクモによって食べられていることになるそうです。一見ひ弱で孤立無援なようにも見えますが、様々な技術を屈指して地球環境を保っている頼もしい存在なのかもしれません。

 

 著者の「あとがき」を紹介します。

 「もしクモがいなくなったら、この世界は大きく様変わりしてしまいます。私たちの日常生活では、クモの存在が意識にのぼってくることはあまりないかもしれませんが、そこはやっぱり親愛なる隣人なのです」

 

 知らないことばかりで、一気に読んでしまいました。

 

 スパイダーコイルを巻く際は、クモとクモの巣づくりの奥深さの一端でも思い浮かべながら、何か面白い巻き方がないか、考えを巡らせてみようかと思います。

 

『クモのイト』

中田謙介著 ミシマ社

2019年発刊

 

 

 

 

 

 

 

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MMANA-GALを使ってみる

2021年10月13日 | 運用スタイルなど

 

 10年ぶりにデスクトップパソコンを更新しました。これまで使っていたのは第二世代の Core i7。通常の作業に問題はないのですが、Zoomのカメラ解像度が上がらないなど動画処理に限界を感じるようになりました。今回はAMDのRyzen搭載機 にしました。省電力なRyzen7 5700G。熱くならず静か、ほとんどファン音が聞こえません。それでいてすべての動作がスピードアップ。SSDなので起動や終了の速さもこれまでとは比べものにならず、電源スイッチを押せば数秒で使用可能な状態になります。まさに隔世の感。この2週間ほど、各種インストールやデータ移行、無線LAN環境など少しずつ整備していますが、パソコンの更新というのは手間のかかる大仕事ではあります。

 

 さて、せっかく新たな環境が整ったことだし、パソコンのもたつきがあって躊躇していたアンテナシュミレーションソフトMMANA-GALを使ってみることにしました。

 この間自作したアンテナはネットに公開されているシュミレーションを参考にしていますが、調整過程で寸法が変わり、実際には別物になってしまっています。変更後のアンテナがどのような姿でシュミレートされるのか、そんなところに興味があり試してみました。

 

 MMANA-GALベーシック英語版をダウンロード。ネット情報をもとに、setupメニュー→「言語」→「Japanese」を選択し日本語表示に変更。文字化け対策としてMMANA-GAL_BasicのLanguageフォルダーからjapanese.mmnファイルを開き最初の一行にある「932」を「1」に書き換え、設定完了。

 

 放射器がロッドエレメント、導波器と反射器がアルミパイプの自作3エレ八木(145MHz)をシュミレートしてみました。アンテナ定義に周波数、給電点、実際の上下エレメント寸法を入力。「計算」画面に移り自由空間を選択、地上高3m、エレメント材質はアルミパイプを指定し「開始」ボタンを押したところ、一瞬で結果が示されました。

 

 

 おおかた妥当なところとかと思います。「周波数特性」ボタンを押し放射パターンを表示。製作時に参考にしたシュミレーションに比べFB比は甘くなっているようです。実際使用した印象でもそんな感触があります。次にSWRグラフ。驚いたことにアナライザーでの測定結果と酷似したグラフが表示されました。たまたま一致しただけかもしれませんが、MMANA-GALなかなかのものと思いました。

 

 このソフトで複雑なことをしようと考えているわけではありません。上記のように調整後のアンテナがどのような特性に変化しているのかを参考にしたり、3~5エレ八木でブームをどこまで短くできるのか、それでいてなるべく特性の良いものができないか、そんなことを考えています。

 

 それにしてもCPUの進化には恐れ入ります。自分の使用範囲を考えるとこれ以上の性能はもう必要ないのかもしれません。

 

 

 

 

 

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『裏山の奇人』

2021年09月06日 | 運用スタイルなど

 

 

 山で無線運用しているといろんな虫が寄ってきます。アリやムカデ、ダンゴムシなどなど。人の体温やリグの熱を感知して寄ってくるのかもしれません。アリなどはIC-705のカラー液晶がお好みのようで、画面をはい回りながら色の変化を楽しんでいるようにも見えます。春から夏にかけては藪蚊の襲撃を受けるのはいつものことで、防虫ネットをかぶっていないと無線どころではなくなります。虫たちは時折ザックにも入り込み、自宅までお持ち帰り、ということもよくあります。無線と関係があるわけではないのですが、久しぶりに面白い本に出合えたので紹介してみます。 

 

 

 

 著者は里山を歩くのが趣味ということではなく、そこに棲む虫たちが好きでたまらないという正真正銘の昆虫オタクです。子どものころから蛇やムカデやクモを嬉々として捕まえては家に持ち帰る、不潔で不気味な生き物を連れて帰っても家族は目をつぶってくれたそうで、高じて今は研究者となり身近な裏山、はては異国のジャングルを徘徊して奇怪な生き物と戯れ格闘する。著者にとって裏山は、研究者になった今も、昆虫と出会えるフィールドであり、自由な実験室でもあるわけです。

 

 

 

 専門はアリと共存しながら生息する好蟻性生物。たとえば著者の研究対象であるアリヅカコオロギはアリの巣に侵入した上、居候を決め込み、アリの餌を盗むことで生きている昆虫で、その方法はアリの体表をなめるようなしぐさで匂いをはぎ取り、それを自分の体に塗り付けることで仲間と勘違いさせる、身分偽造の達人なのだとか。プランターなどでもよく見かけるアブラムシも好蟻性生物で、「アリがアブラムシの体をシステマティックに叩くと、アブラムシが尻から透明な液体をプウッと出し、それを吸い込む。そんな彼らの様子を何も考えずにぼうっと見つめるのが、私は好きである」。

 

 怖い話も出てきます。南米ペルーの森にはヒトヒフバエというハエがいるとのこと。このハエは蚊を捕らえて体表に産卵し解き放つ。卵を産み付けられた蚊はやがて人を見つけて血を吸う際にハエの卵が人の皮膚に入り込む。そして人体を栄養源に孵化、成長する・・・。実に巧妙な戦略に驚き、しばらくこのくだりは頭から離れなくなりました。幸い、著者たちは吸血されずに済んだのだとか。

 

 こういう話がこれでもかと続くのですが、それでも研究をやめないのは、わかならいことをわかりたい、自分自身のとめどない知識欲を満たしたい、という純粋な知的好奇心ということのようです。探求していく過程での楽しさ苦しさ、そしてわかった時のなにものにも代えがたい達成感。金にもならず、すぐに社会の役に立つわけでもない。しかし、「それまで誰もわからなかったことをわかる状態にする、わからないことをわかりたい、それこそが科学の本質。頭の中でこれはこうだろうと思い描くだけで結局何もしないのと、実際にそれを見て確かめることとはまったく別次元の話である」「裏山での役に立たない小虫の研究は、わからないことをわかりたい好奇心、それだけでおこなうものである。何より、そうした研究のなかにこそ科学という言葉の本来持つ重みが隠されていると、私は思うのである。私には、裏山で解決したい謎がまだたくさんある。裏山は、まだ我々の知りえないものを隠し続けている」。

 

 書かれたのは2014年です。寄生や共存、あるいはだまし合い、それによる複雑で豊かな共生、そして小さな昆虫たちが環境全体に与える影響・・・。新型コロナパンデミックとその後の社会を予見しているかのような記述もあり、考えさせられました。ワクチン接種にしてもいわばウイルスとのだまし合いかと・・・。書名に魅かれてたまたま手に取ってみた本ですが、読み始めたら止まらなくなりました。記述が詳細で濃く、密度感は相当なものです。移動運用の際に寄ってくる虫たちも、どこか親近感を持って眺められるような気がしてきました。

 

『裏山の奇人 野にたゆたう博物学』小松貴著 

東海大学出版部 フィールドの生物学⑭

 

 

 

 

 

 

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D-STAR ターミナルモード

2021年01月11日 | 運用スタイルなど



 自宅から仙台青葉D-STARレピーターまで1kmほど、安定してアクセス可能です。なので、ターミナルモードに特に関心はなかったのですが、最近、Wi-Fiルーターを新しいものに更新したのを機に、IC-705に搭載されているこの機能を試してみることにしました。

 設定はネットの「FBニュース」の記事を参考にしました。ルーターの設定に変更を加える従来の方法とルーター設定不要のUDPホールパンチを使う方法の二通りあるとのこと。ルーター設定を変更すると後々面倒なことになりそうなので、ホールパンチを使った簡易的な接続方法としました(ゲートウェイ機能の一部に制限あり)。

 IC-705には標準で無線LANが付いており、パソコンやスマホは不要です。IC-705画面上のルーターアクセスポイント一覧から自分のWi-Fiルーターを指定。使えるのは2.4GHzのみ、5 GHzは不可。あとはゲートウェイコールサインを設定し、ホールパンチをオンにする。これでDVゲートウェイに接続可能となります。なんとなく敷居が高そうに考えていたのですが、特段悩むほどのことはなく、思いのほか簡単というのが感想です。UDPホールパンチ機能が追加されたことで、ルーターをいじる必要がなくなったのが大きいと思います。






 設定が終わってさっそく「ならやま自動応答レピーター」にアクセスしたところ、ダウンリンクと共に自動音声が返って来ました。問題ないようです。続いて福島430レピーターへのゲート越え。少し躓きましたが最終的に無事交信でき、問題なく機能していることが確認できました。その際、こちらの音声はレピーターから送出されるものの、応答局の音声がこちら側に乗ってこないという現象がありました。応答の際にはRX-CSボタンを押しTOに呼び出し局のコールサインを設定することで双方向接続される、ということのようです。




 Wi-Fiルーターにつながりさえすればよいので、自宅内ならどこからでもアクセス可能。これはこれで悪くないです。通常のゲート越えと違いレピーターを二つ占有してしまうことがなく、少し気も楽かと・・・。ターミナルモード同士の「交信」はまだです。無線とは言えなくなってしまいますが、機会があれば試してみたいと思います。







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紅葉川渓谷探勝

2020年08月16日 | 運用スタイルなど


 二口山塊にもたらした雨は分水嶺の尾根をはさんでいくつもの沢と支流を作り、西は最上川を経て日本海に至ります。紅葉川もその一つで、源は面白山、奥新川峠や権現様峠周辺。面白山高原駅あたりになるとかなりの水量で、方々に滝をつくり、駅から下流部分が渓谷沿いのトレッキングルートとして整備されているようです。いつも気にかかってはいたのですが、登山した後に余力をかって渓谷歩きまでしようという気にはなれません。一度歩いてみたいと思い、今日は渓谷探勝のみを目的に訪ねてみました。

 駅から線路を越すとすぐ「紅葉川渓谷トレッキングコース入口」の標識があり、階段状のところを下りていきます。その名のとおり紅葉時期がベストシーズンということになるのかもしれません。今日はXと自分の二人きりで途中誰にも会いませんでした。


渓谷入口(正面に藤花山荘) 


 沢に下るとすぐに対岸が藤花の滝、道は岩をへつりながら細々と沢沿いに続き、仙山淵の標識あたりで一気に荒々しい姿に変貌。爆流となって岩を縫い、岩と岩にかけられた何本かの橋や鉄パイプの階段を渡っていくと、今度は深い淵が現れてきました。ここからは淵の連続。足がやっと置ける程度の断崖を切り抜いた歩道は濡れて滑りやすく、実際、何度か滑りそうになってしまいました。はずみで態勢を崩せば数メートル下の激流に真っ逆さま、となりかねない箇所がいくつもあります。緊張しながらも左右に現れる滝、そして青龍淵、松尾淵と名付けられた美しい淵がこれでもかと続き、息をのむ景観に圧倒されてしまいました。変化自在の水流、淀みに透き通ったエメラルドブルー、谷間の断崖に細々と続く苔むした歩道、予想を超えるハイライトの連続でした。



藤花の滝

仙山淵付近



クジラ岩付近



絹糸の滝

青龍渕

松尾淵

淵が続く

歩道終点付近

線路下をくぐる

藤花山荘に到着(駅前)


 最後は線路下のトンネルをくぐり下流側の出口へ。渓谷の行程はわずか2kmばかり、2度の休憩を入れゆっくり歩きましたが、長く感じました。Xも相当緊張し、足がすくんだようです。それにしても仙山線の線路のすぐ下にこのような歩道が潜んでいたとは・・・。この先にどんな景観が待っているのか、めくるめく渓相。沢登りや渓谷の魅力にはまるのも少しわかるような気がしました。









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大崎市松山散策

2020年07月25日 | 運用スタイルなど


 ドライブの途中で、どこか懐かしい感じの集落を通りがかることがあります。立ち寄るほどでもなくそのまま通り過ぎ、何年かしてもう一度そこに行ってみたいと思っても、それがどこだったかも定かでない、そんなことがあります。自分にとって旧松山町千石もそんな場所の一つですが、「一ノ蔵」酒造の町、ということだけは古い町並みと共に記憶に残っています。一昨日、曇天ではあるものの雨はなさそう、ということでXと電車に乗って出かけてみました。

 仙台駅から東北本線下りに乗車、約1時間で松山駅着。この駅は町の中心部から3キロほど離れおり、街歩きには極めて不便です。地元の方々にとっても当然ながら不便です。聞くところによると東北本線敷設の際に蒸気機関車の煙を嫌い、あえて集落から離れたルートになったのだとか。いわば鉄道も駅も迷惑施設だったわけです。大正から昭和初期、あまりの不便から駅と集落間をつなぐ「人車軌道」なるものを作ったそうですが、6年ほど営業し廃れたようです。人力による手押し鉄道。馬車鉄道は聞いたことがありますが、人力鉄道とは・・・。当時は馬よりも人が押す方が経済的だったのだとか。
 
 今は駅前にタクシー営業所があります。でも、当時を偲び歩いてみることにしました。平坦でなんの面白みもない車道を2kmほど進むと閑散とした上り坂となり峠にさしかかります。この先に本当に集落があるのだろうかと不安になったころ、少し下るとやっと町が見えてきました。コスモス園の標柱があり、そこはもう町の中心部です。メインストリートは豆腐屋、醤油屋など店蔵や土蔵が並び、昭和な感じの町並みが残っていました。茂庭氏の城下町であると共に宿場町としても栄えたようです。今は歩く人もなく寂しい感じがしました。


町の入り口

蔵の残る町並み





 メインストリートの一角に酒ミュージアム、ふるさと歴史館があり入ってみました。昔の酒造りの道具とか、フランク永井の出身地だそうで、さまざま展示がされていましたが、あまり興味は湧きませんでした。羽黒神社、茂庭家霊屋のある石雲寺を回り、千石城址本丸へ。東屋展望台があり大崎平野が一望できました。ここで無線運用でもと考えたものの、やぶ蚊が次々寄ってきて、それどころではありません。早々に退散しました。


路地裏へ

武家屋敷通り

羽黒神社へ

神社から長い階段を下る

コウヤマキの大木(石雲寺)

千石城址へ

本丸跡


 小さな町で、これらをめぐり歩いても2時間ほど。観光に力を入れている感じもなく、実際、観光客と言えるのは自分たちのみのようでした。地元の方々は、草刈りや家の手入れなどに忙しそうで、そんな中を歩いているXと自分はかなり浮いた存在だったかもしれません。ただ、記憶にあった町並みを記憶だけにとどめず、再訪できたのはよかったかなと。ネットで見たり調べたりはできますが、やはりその場の空気感をふくめ実際に訪ねて得られるものは多いです。

 帰りは食事処の「華の蔵」でタクシーを呼んでもらいました。駅まで5分ほどで到着。電車の時刻に少し間があり、ホームからDCRでCQを出してみました。ダメもとで空振りかと思ったら蔵王エコーライン移動局より応答いただきました。いつもながらDCR、よく飛んでくれます。




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移動用アンテナ比較(145MHz)その2

2020年03月07日 | 運用スタイルなど

 前回に続き、大年寺山の同じ場所にてアンテナ比較をしました。約40km離れたJP7IEL局の環境も変更なし。双方ハンディ機5W。

 まずは基準としているRH-770(1/2λノンラジアル)。本日は51-53となりました。低めのレポート。もともと1~2m動くと入感しなくなる位置関係で、前回とほんの少しポイントがズレたのかもしれません。




◎NR2C改造+1本ラジアル(3/4λ)
 前回はこのアンテナのみノイズで聞き取れなくなりました。本日のレポート51-53。RH-770に比べやはりノイズを多めに拾いますが、今日は聞き取れないということはありませんでした。1本ラジアルなので弱い指向性があります。ベストのところに合わせた状態で、RH-770と同等でした。長めのエレメントかつラジアル付きなので、もう少し強くて良いのでは?と思わなくもありませんが、こうして比較してみるとそうでもないです。


◎SB7(3/4λノンラジアル)
 開局当初に購入したものです。わりと軽量で3分割でき、山岳移動で何度か使いました。メーカー公称ほどの利得は感じられず、物置に眠ったままになっていました。購入から十数年経過しています。レポート51-53。上記のNR2C改造+1本ラジアルよりノイズは少なく、聞きやすく感じました。ただ、信号自体はID-51のメーター読みでも耳SでもRH-770より良いということはありません。同等。


◎アローラインAL-144F(エレメント改造)
 エレメントを銅パイプに換え、純正より2.5cm長い48.5cmに改造してあります。現地にてアナライザーで測ったところ、自分でも驚くほどマッチングの取れた状態になっていました。JP7IEL局からは「これは強いですね。これまでの3本と明らかに違う」とのレポートをいただきました。こちらもSメーターで2個上昇。レポート53-55。このアンテナは山でずいぶん使いました。良く飛ぶとの実感はありましたが、こうして他のアンテナと比較したのは初めてです。利得0db(2.15dbi)ではありますが、丈夫な電波を輻射することは間違いないようです。ただし、純正のままでの比較ではありません。






◎J型アンテナ(1/2λ ノンラジアル)
 このアンテナは10年くらい前に作ったものです。給電部に4:1バランを付けてあります。その後、もう1本バランなしで作りましたが、やはりバランを付けた方が送受信とも安定します。今回はバラン有りの方です。アナライザーで測ったところ、ほぼベストな状態でした。JP7IEL局から「これも強い。アローラインより少し良いのでは?」とのレポートをいただきました。54-55。こちらにはアローラインと同等の信号で入感、ほとんど差は感じられませんでした。このアンテナの動作は1/2λ電圧給電で、RH-770と同じです。ただ、LC回路を使わず、ショートスタブでマッチングさせるところがミソで、損失が少ないのかもしれません。




 好結果のアローラインとJ型アンテナは、二つとも何度も山で使って良い印象を持ったアンテナです。その印象はまんざら間違いではなかったようです。















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移動用アンテナ比較(145MHz)

2020年03月01日 | 運用スタイルなど


 本日もいつもの大年寺山。JP7IEL局にお付き合いいただき、これまで使ってきたいくつかのアンテナを取り換えながら、比較実験してみました(すべて145MHz)。山岳移動などで遠方と交信できた時は、そのアンテナに良い印象を持つことにはなりますが、相手局の設備や移動地、コンディション、あるいは単なるタイミングということもあります。「このアンテナは良い」などと言っても、何と比較して、どう良いのか? 実際のところ、よくわかりません。メーカー製なら利得表示があるので、それを信じるしかないわけです。何本かのアンテナを持参して山頂で比較したこともありますが、いつもできることでもないです。双方の信号に安定感があり、かつ弱めである必要もあります。アンテナ比較というのは簡単なようで難しいと、いつも実感します。

 JP7IEL局(固定)はベランダ設置のモービルホイップ(1/2λ)、大年寺山との距離約40km。双方5Wハンディ機なので59で入感などということはなく、こちらがポイントを探って51~53程度。2~3m動くと信号が取れなくなります。アンテナやリグの比較をする上ではたいへんありがたく、絶妙な位置関係と言えるかと思います。


 結果は下記のとおりです。

◎RH-770
 山岳移動の定番、1/2λノンラジアル。ベランダや室内、屋外を問わず、SWRがなぜかほとんど変化せず、安定した性能に脱帽してしまいます。比較をする際の基準としているアンテナです。本日のレポート交換は53-53となりました。


◎バリコン同調式ホイップアンテナ
 最近作った1/2λノンラジアル。コイル4回巻きの方で試してみました。送信、受信ともRH-770とほとんど変わりなく、53-53。RH-770より少し良いかもしれない、少なくとも悪くはないとのレポートをいただきました。




◎3/4λホイップ+1本ラジアル
 モービルホイップNR2Cのエレメントを変更し、50cmのラジアルを1本追加した簡易GPです。なぜかこのアンテナのみノイズを拾い、変調がかき消されてしまいました。別のアンテナに換え、再度お呼びしたところ、「はじめの2本より強く入っていた。55で入感」とのレポートをいただきました。こちら側のノイズがなければ、良好に交信できたものと思われます。なお、本来ノンラジアルのはずですが、ラジアルなしだとSWRが悪化します(自分のだけかもしれません)。




◎HB9CV
 10年ほど前に作り、当時、山岳移動で頻繁に使いました。なかなか貫通力のあるアンテナとの印象でしたが、別のものと比較したことはありませんでした。物置から取り出し、試してみました。方向を合わせた状態でレポート54-55。RH-770やバリコン同調式ホイップに比べると、信号はS2ほど強まり、変調も安定します。JP7IEL局からのレポートは思ったほど上がりませんでした。4エレ並みなどと言われたりもするようですが、それほどの利得はないです。通常の2エレより少し上かな、といったところです。




◎変形3エレ八木
 山に持っていける軽くてコンパクトな八木、ということで3年前に作ったアンテナです。反射器を「く」の字に折り曲げるとSWRがストンと下がります。この状態で試してみました。レポート57-55。「耳Sでもすぐわかるくらいに、これまでのアンテナと比べ明らかに強く入感」とのレポートをいただきました。こちら側はHB9CVよりS半分強い程度で、そこまでの違いは感じられませんでした。信号の安定感がさらに増したかな、といったところです。





 同一場所(ポイント)、同一信号での比較、たいへん興味深いものがありました。本日を含め何度かJP7IEL局との交信実験による自分の印象としては、ホイップ(1段)では1/2λでも3/4λでも、さらに2エレであってもわずかな違いに留まります。今日は試しませんでしたが、1λ単ループアンテナも同様です。1/2λホイップとの比較で、ある意味、誤差の範囲内。HB9CVは微妙ですが、利得の違いがはっきり実感できるのは3エレ以上、そんな印象を強くしました。






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