JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550   特小・LCR 山岳移動 

リチウム充電池NCR18650B 使用感

2018年06月17日 | 移動運用装備



 このリチウム充電池を無線運用に使い始めて10ヵ月ほど経ちました。

 パナソニック製で電圧3.7V、容量3400mAh。単三型電池を大きくしたような形状、保護回路付きと保護回路なしがあります。電池ホルダーの方に保護回路が付いているので自分は「なし」の方を使っています。いづれも生セルなので、過充電や衝撃など取り扱い要注意ではあります。






 3本直列電池ホルダーにセットし、電圧12V前後。FT-817、FTM-10S、ID-51それぞれの外部電源として使用可能。この3機種は最大パワーの消費電力が似たり寄ったりで、どれも3~4時間は持ってくれます。

 専用充電器(DC12.6V)で充電すると、12.1Vで満充電ランプが点灯となります。安全のため低めの設定になっているのかもしれません。安定化電源でも12.6V程度に設定して普通に充電可能です。ただ、満充電の判断が難しく、専用充電器はその点重宝です。運用開始時の電圧12.1V、フルパワーで3時間ほど運用して10.5V前後を維持。先日の秣岳では、休憩を取りながらではありますが4時間30分ほど経過し9.6Vまで低下、シャットダウンは免れました。リチウムフェライトバッテリーに比べ、電圧下がってからの持続力に粘りが感じられる印象です。容量4Ahのリチウムフェライトとスタミナ的に遜色なし。12V~10Vと低空飛行なのでフルパワー出ないのでは?との心配もありましたが、意外にそうでもなく、FT-817(5W)にしてもFTM-10S(10W)にしても、定格に近いパワーを維持してくれます。


専用充電器(MADE IN CHINA)

 
 重さは3本の電池とホルダー込みで160g。2セット持ってもわずか320g。これまでさまざまなバッテリーを試してきたものの、この軽さを知ってしまうと後に戻れません。注意点は、保護回路付きの特殊な電池ホルダーのため、1度でも電池を外すと放電しなくなってしまいます。セットし直して再充電すればプロテクターは解除されますが、山中でうかつに外してしまったりすると、お手上げです。電池3本を装着したら基本外さず、そのままの状態で充放電を繰り返す、これがコツのようです。ほかにも防水やホルダーの作りが貧弱、耐久性などいくつか課題はあるものの、軽さとスタミナの両立という点で、手放せないかな、といったところです。






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秣岳

2018年06月10日 | 奥山 移動運用


 栗駒山から北西に伸びる天馬尾根。その北端に秣岳があります。標高1424m。QTHは秋田県雄勝郡東成瀬村。近年、登山者が増えてきたものの、以前は賑わう栗駒山と対照的に知る人ぞ知るという感じの静かな山域でした。眺めのよい草原の細道が気に入り、思い出しては、たまにこの山で無線運用したくなります。今日は台風の影響で太平洋側は雨模様、秋田側は日差しも見込めるということで、登ってみました。

 須川温泉を越え、秋田側に少し下ったところに秣岳直登ルートの登山口があります。午前7時前登山開始。この時期、このルートの上部には大きな雪渓が残り、急な雪面のトラバースとなります。バランスを崩すと30mほど滑落してしまうので、緊張を余儀なくされます。今年は雪解けが早かったとみえて、ほとんどが夏道で、10mほど雪渓が残っているのみでした。40分の登山であっけなく山頂着。本当は、ここからがハイライトで、湿原、草原、雪渓が次々現れ、まさに天上の楽園。その中間に位置する岩場(岩のピーク)がいつもの運用場所です。今日はガスでなにも見えず、先に進むのは取りやめ、山頂でQRVすることにしました。


直登ルートからの秣岳

須川湖

山頂


 <本日の装備>
リグ FTM-10S ID-51
アンテナ 4エレループ(430MHz)、4エレループ(145MHz)
バッテリー 18650B 3本直列

 雨も予想されたため、本日のリグはFTM-10S、FM中心の運用。はじめにID-51からD-STARレピーターへのアクセスを試みてみました。秋田430、仙台430、仙台青葉430がアクセス可。岩手および山形各レピーターからはダウンリンクなし。秋田430経由ゲート越えで1局交信いただきました。430FMでは岩手、秋田、福島、宮城の5局と交信。ただ、時間が早かったこともあり、アンテナを回してみたものの入感局なく、後が続かず。アンテナも軽量コンパクトかつ利得の高いものが使え、ノイズの影響も少ない430MHzに移行したいという気持ちもあるのですが、いかんせん相手局がなかなか見つかりません。


4エレループ(145MHz)




 145MHzFMでは秋田、岩手、山形、宮城、福島各局および北海道北斗市移動局、35局と交信。7エリアの中央に位置するだけあって、休憩を入れながら途切れなく呼んでいただきました。北斗市移動局とは9エレスタックを向けていただき、53-53でレポート交換。ほかに8エリア局は虻田郡豊浦町と留寿都村移動局がやはり53程で入感。コールサインもすべて了解でき何度か呼んでみましたがコールバックなく、交信に至りませんでした。青森県下北半島の釜臥山移動局の信号も52ほどで入感しましたがタイミング合わず、でした。この山頂は北方向にFBです。逆に南は栗駒山本山が壁となり、反射でまだらに届くという感触でした。

 正午も過ぎ、ガスが濃くなって風も強まったことから急ぎ撤収し、下山しました。


<18650Bリチウム電池 3本直列>
 FTM10Sのハイパワー設定(430MHz7W、145MHz10W)にて、このバッテリーで4時間30分運用しました。使い始め12.1V、終了時9.6V。パワーを維持し、ダウンすることなく耐えてくれました。重さ約160g。この軽さでこのスタミナ。エネルギー効率の進歩にはホント、驚くばかりです。




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蔵王・熊野岳

2018年06月03日 | 奥山 移動運用


 早起きして熊野岳に登ってきました。今シーズン1回目の蔵王移動。高気圧の安定した天気で、いつもは風の強い山頂も今日はほぼ無風。何度も登っていますが、こんな好天はめったにありません。午前7時過ぎに山頂に着いて無線運用を始め、小休止したり、以前に無線をしていたという何人かの方に声をかけられ話し込んだりしながら約40局と交信。2mSSBも今期初運用となりました。








<本日の装備>
リグ FT-817、ID-51 5W送信
アンテナ 3エレ八木(144MHz)、4エレループ(430MHz)
バッテリー リチウム電池18650B 3本直列

 今日は430MHzも試してみたいと思い、グローバルアンテナ研究会の4エレループ(GH-4)で声を出してみました。休日の午前なので、1エリアの移動局が聞こえるかとワッチしたのですが、なにも聞こえてきません。予想したとおりではありますが、ここより標高の高い吾妻連峰が壁となり、南方向は厳しいようです。それでも福島、宮城、山形、岩手の7エリアのほか、新潟県三条市、長岡市、栃木県那須町、茨城県水戸市、東京都国分寺市各局につないでいただきました。国分寺局とは深いQSBを伴っての交信でした。430のSSBはどんなだろうと、ワッチしてみたものの何も聞こえず。





 アンテナを3エレ八木に換え、2mSSBへ。タイミングよく8エリアが聞こえてきました。亀田郡七飯町移動局。相手局にはQSBがあったようで、QRPの微弱信号を拾っていただきました。こちらには57で安定して入感。距離約430km。聞こえている局に応答したり、こちらからCQを出したり、ぽつりぽつりとではありますが、茨城、栃木、埼玉、新潟および7エリア各局と交信。/2岐阜県移動局が聞こえコールサインも了解できて呼んでみたものの、届きませんでした。FMでは姫神山(盛岡市)山頂移動の1局のみ交信。




 D-STARは福島、岩手のレピーターにアクセスしてみました。北は花巻430、南は須賀川430にアクセス可。花巻レピーターへの山掛けで1局と交信いただきました。

 今日はコンディション的にはいま一つ上がってくれませんでした。やはり無線はコンディションとタイミング。430MHzの運用はこのアンテナでしばらく続けてみます。

 本日も交信いただきました各局さま、ありがとうごうざいました。





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145MHz帯のノイズ

2018年06月02日 | 運用スタイルなど


 先日、萱ヶ崎山で運用した際、145MHz帯にS5〜6の盛大なノイズが入り、一時、運用が厳しい状態に陥りました。デジタル(DV)の場合、S6ほどの信号で交信していても、ノイズが発生するとケロケロになってしまいます。この山頂は高圧線が通っているので、その影響かと思いますが、これまでも何度も運用して、これほどのことはありませんでした。また、いつも散歩がてら運用する大年寺山は、以前から430MHzへの抑圧がひどく使えなかったのに加え、最近は145MHzもノイズが発生するようになりました。

 東京出張の際、ホテル室内でワッチすると、145MHzに関してはどのホテルも常時ノイズまみれ、という状態です。とても運用できる状況ではないです。ホテルの特殊事情だけでもなさそうで、1エリアにおいて2mを運用する局が少ないのもわかるような気がします。一方、430MHzに関しては近くに送信施設があれば抑圧を受けますが、ノイズに関して気になったことはないです。


 何度かブログで取り上げたノートパソコン用のモバイルバッテリーを無線機につないだ場合も、ノイズが発生するのは145MHzです。またパソコンそのものや電源類のノイズを拾うのも145MHz。ちなみに我が家のノイズ環境を調べたところ、LED関係(テレビ、パソコンモニター、照明器具)、エアコン、空気清浄機、各種電源アダプターが主な発生源となっていました。生活に必要なものなので無くすわけにもいきません。空気清浄機は「弱」でも強力なノイズを発生します。影響を受けるのは145MHzのみ、430MHzは問題ありません。


ノイズでS8(室内)


 ということで、145MHz帯というのはノイズを拾いやすいバンド、という印象を強くしています。逆に言えば、各種インフラにしても家電、電子機器にしても、このバンドに影響を与える発生源がちまたにあふれている、あるいは激増中、ということだと思います。移動運用であっても送電線の多い里山などでは安心できない状況で、良くなることはなく、無線運用環境は悪化する一方ではないかと不安ではあります。

 ハンディ機やFT817はノイズ対策がされていないので、まともに影響を受けることになります。特に双方QRP運用の場合。モービル機や固定機はいくらかマシ。

 開局以来もっぱら145MHzを中心に運用してきましたが、これからは430MHzの機会を増やそうかと考えています。





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