JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550   特小・LCR 山岳移動 

山岳用軽量マスト その3 

2019年10月22日 | 移動運用装備


 長さ2m程度のマストでも、先端に取り付けたアンテナの重さで、風のある時はしなります。その際に、地面に打ち込んだテント用ペグとマスト下部の接続部に力が加わり、緩んでマストがズレてしまう、という事態が起こってしまいます。こうなると交信どころではありません。倒れないように押さえるので精一杯です。

 当初はゴムバンドを巻いて固定する方法をとったのですが、この作業が意外に山では煩わしいのです。さほど長くもないペグなので巻きにくく、つい緩めに巻いてしまう。これがズレの原因となるわけです。前回書いたとおり、改善策として、マスト下部のパイプを結束バンドと接着剤で固定しておき、上部マストを差し込むという方式に改めました。

 これで煩わしさからは解放されました。ただ、アルミのペグなのでなかなか接着固定がうまくいきません。マストの根元にかかる応力は相当なものです。先日の鷹討山移動の際も、倒れるほどではなかったものの、接着の一部がはがれてしまいました。いくらペグをしっかり固定しても、これでは意味なしです。

 ということで、2種類の接着剤を使い、乾いたら重ね塗りという感じでさらなる強化を図りました。また、ペグ上部の結束バンドが外れないよう固定しました。




上部マストを外した状態 ↑       連結状態 ↓



 見た目はひどいものになりましたが、接着強度が増し動く気配はありません。下部パイプへの上部パイプの挿入もスムーズ、ほぼワンタッチでマストを立てられます。ペグ・マスト一体型(折り畳み式)なので、ペグの持ち忘れや紛失の心配がないのもよいところかと。


 もう一つ。

 自分は手持ち式3エレをよく使います(D-STAR430レピーターへのアクセス用)。先日の鷹討山でも使いました。でも、手持ちではやはり疲れます。できれば固定して使いたい。ということで、目玉クリップ2個をボルトと塩ビパイプで連結し、簡単な取付け金具を作ってみました。マストに挟むだけ。マスト上部に取り付けると厳しいですが、中間なら問題ありません。課題としては、連結パイプなので風で勝手に回りかねないこと、アルミ製マストによる伝搬への影響など。実際使ってみてどうなのか?といったところです。










 山中での煩わしい作業はなるべく減らし、素早くアンテナを設営、撤収する、自分的にはそれが信条です。もっとよい方法もあるかと思います。思いついたらまた試してみます。

 



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鷹討山(亘理郡山元町)

2019年10月20日 | 里山 移動運用


 昨日からの低気圧の影響で、すっきり秋晴れとはいきません。奥羽山系を考えていたものの、無理せず低山に変更。常磐線山下駅から歩いて深山、鷹討山に登ってきました。

 台風19号の爪痕が登山道の至るところに残り、倒木で道をふさいでしまっていたり、深くえぐられた所が何ヶ所もありました。いつもはほとんど水量のない枯れ沢が相当な雨量だったとみえ、土砂と流木で一変していました。尾根道以外はかなり荒れた感じになっています。通行困難が予想される馬船峠には下りず、東街道ルートで下山しました。











 さて、無線運用。鷹討山は深山よりも少しだけ高く、といっても標高310m。太平洋が樹間から望める程度でさほど眺めは良くありませんが、いつもはこの山頂で運用しています。南に100mほど進んだところに眺望の開ける小さなスポットがあるものの、冬場は西風がまともに吹き付けるので運用はできません。今時期なら大丈夫かな、ということで今日はそこで運用してみました。

<本日の装備>
リグ ID-51(5W)
アンテナ RH-660S(145MHz)、3エレ八木(430MHz)

 テント用ペグ付きの自作マスト、ロッドアンテナ、手持ち3エレ、1.5D同軸ケーブルにハンディ機という軽量装備。いつもに比べるとほんと軽いです。

 雨上がりということもありペグは難なく地面に刺さり問題なし。長さ約2mのマスト先端にRH-660Sを取り付け、145MHzで1時間半ほど運用しました。仙台市、大崎市、山形県尾花沢市移動局、福島県伊達市、福島市、郡山市、二本松市など各局と交信。






 メインをワッチしていると /1栃木県、日光白根山移動局の弱めのCQが聞こえてきました。サブに移ったとたん1エリア各局からいっせいに呼ばれているようで、とても交信できそうにありません。しばらくワッチを続け、頃合いを見てダメもとで呼んでみたところ、なんとコールバックあり。白根山山頂2578mからハンディ機2.5W、RH-770で運用とのこと、54-53でレポート交換。終始安定した信号で、パイルの中、思いがけないQSOとなりました。当局との交信終了後、0エリア新潟市中央区局との交信が始まりました。驚いたことにこちらにも新潟局が31~41で入感。山岳移動の際に何度も交信いただいている局で、ノイズに埋もれそうになりながらも聞き覚えのある変調に耳を傾けました。この山域で0エリアの信号が聞こえたのは初めてです。低山では伝搬上のサプライズというのはめったにありません。運用場所を変えたのが良かったのか、単にタイミングなのか、それともアンテナとか・・・? RH-660S、145MHzにおいては悪くないのかもしれません。


 最後に、D-STARレピーターへのアクセスも試みました(3エレ八木)。仙台青葉430、仙台430、福島伊達430がアクセス可。ただし実用になりそうなのは仙台青葉430のみ。レピーター経由でJP7IEL局と交信後、430MHzシンプレックスに移行。FM、DVともかなり厳しく、短時間で終了としました。




 軽量装備、気に入りました。しばらくこれで試してみたいと思います。自作マストはペグとの固定に課題があり、もう一工夫必要といったところです。

 本日も交信いただきました各局さま、ありがとうございました。









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ハンディホイップ RH-660S

2019年10月14日 | 移動用市販アンテナ


 軽身で山を歩き、見晴らしの良いところで素早くアンテナを上げ無線運用、というのが自分的には理想です。実際は、あれもこれもと背負い、バテ気味になって登るのが常で、無線装備の軽量化はいつも悩みどころです。アンテナ設営のための三脚をやめ、軽量マストへの変更もその一つ。先端に取り付けるアンテナをさらに軽量化したいということで、RH-660Sというロッドアンテナを購入してみました。Made In China 。型番がRH-770に似ており、それだけで怪しさ満点ですが、はたして如何に。

 China製の似たようなものがネットでいくつも表示されるものの、実際のところどうなのか、全然わかりません。安過ぎて不安にもなります。144MHzの1/2λとの説明書きなので、電圧給電のノンラジアルでは?と考え購入しました(ノンラジアルとの表記はなし)。

<表示仕様>
・周波数:144/430Mhz
・ゲイン:3.0dBi(144MHz) / 5.0dBi(430MHz)
・耐入力:10W
・コネクター:SMA-P(BNCタイプもあり)
・重さ:約75g
・27.8cmから108.3cmの伸縮可






 108cmの長さを考えると軽量で、実際計ってみたところ65gでした。RH-770(約90g)と持ち比べてみても軽さがわかります。ノンラジアルなのかどうかが最も心配だったのですが、アナライザーに直結して計ったところ、問題なくマッチングが取れました(145MHz)。クリップベースに取り付けた状態でも変化なし。ノンラジアルであることに間違いないようです。430MHzについては簡易SWR計で計りましたが、108cmに伸ばした状態で1.3~1.4と、こちらも特に問題なし。RH-770と違い、中間コイルはありません。下部のマッチング回路のみで、144MHzの1/2λ、430MHzの5/8λ2段に電圧給電する構造のようです。




 さっそく自宅ベランダでRH-770と受信比較してみました。ハンディ機直結にして固定局からの弱めの信号を聞き比べたところ、145Mhz、430MHzとも同等との印象でした。ベランダに常設しているCSB7900を外し、RH-770、RH-660Sの3本を聞き比べた結果、CSB7900が少し強い感じがあり、RH-770とRH-660Sでは違いはわからず、でした。






 近くの愛宕神社に移動。JP7IEL局にお付き合いいただき、アンテナを切替えながら430MHzで比較実験しました。双方ハンディ機5W。距離約40km。もともと限界すれすれで、弱い信号の強弱がよくわかる位置関係です。IEL局からわずかにRH-770がスケルチが開きやすいとのレポートがありました。送信に関し多少の差があるのかもしれません。こちら側の受信に違いは感じられませんでした。(145MHzはどちらのアンテナも交信不可で、わかりませんでした)。

 玉石混交かつ個体差のばらつきも大きいのがChina製なので、何とも言えないところはあります。とりあえず悪くない感触なので、次回、山で使ってみます。




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山岳用軽量マスト その2

2019年10月13日 | 移動運用装備


 前回の試作では、ペグが地面に刺さりにくい、ペグとマストの固定が外れやすい、という問題がありました。応急処置ではありますが、アルミペグ先端をヤスリで削り鋭利にしました。ペグとマストの固定は瞬間接着剤ではなく、金属用ボンドに変更し、結束バンドの上からも塗り固めました。また応力が分散するようペグ上部にも結束バンドを追加しました。直径9mmのアルミパイプを連結した構造のため、先端にアンテナを取り付けると多少しなります。約200gの3/4λホイップが限界といったところです。



 
 高さはなくとも良いので、八木系も取り付けられるものを、ということで別のポールを1本購入してみました。タープ用で長さ1.5mと短いですが、下部は2cm程の太さがあってしならず、先端にカメラ固定用のネジが付いています(三脚のネジと同じ)。これがあると様々なアンテナ取付けに対応できます。重量210g。この手のポールはネットで検索するといくらでも出てきます。でも、長さや重量、連結のしやすさなど、ちょうど良いのがなかなか見当たりません。材質的にはアルミやカーボンでなく、グラスファイバーが理想ではあるものの、極端に細かったりします。








 さっそく、近くの大年寺山で使ってみました。自作マスト(長さ2m)にはクリップベースでRH770やハンディダイポール、1.5mのマストの方は48cmのプラスティックペグにゴムバンドで固定の上、430MHzの3エレ八木を取り付けました。雨上がりということもあり、どちらも造作なく地面に刺さってくれました。手で押し込み、足で体重をかける。コツさえつかめば三脚より素早く設置できるかもしれません。今日は台風通過直後とあって、ときどき突風が吹く状況でしたが、ペグとマストの固定も問題なく耐えてくれました。








 三脚の利点は、どんな地面でも設置でき、様々なアンテナに対応できるところかと思います。デメリットは重いこと、設置面積(場所)を取ること。一方、ペグ固定式のメリットは、軽いこと(ペグとマスト合わせて1セット200g~300g)、面積を取らず目立たないこと。デメリットは、軽いアンテナに限られること。設営は土でなくとも、石を積み上げて固定するとか、雪面に踏み固めるとか、たいてい対応できそうですが、この点は実戦を重ねてみないと何とも言えません。





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