にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

音が

2008-02-29 01:22:04 | オーケストラ
サントリーのホール・オペラの舞台稽古。
実際のセットが組まれた中に収まっての演奏。
これがまた大変で。

床もステージの壁面も全てセットで覆われているので、楽器の音が全て吸い込まれていくんです。
いつのもサントリーホールの音とは全く異なった感触。
大げさにいえば隣の音もよく聞こえないような感じ。
今日はその音響に慣れるのにだいぶ掛かりました。

そしてオケは後ろを向いて演奏、歌手は前を向いて歌う。
そんなですからいつものオペラのように歌を聴いて合わせて行くととんでもないことになってしまう。
きっちりと指揮者のテンポで進んでいくしかないのです。

歌手の息づかいや歌い回しにすっと寄り添っていくこともせず、まあモーツァルトのオペラなのでインテンポでも良いと言えば良いのですが。
でも実際には難しいですね。

コンサートホールのステージという制約はありますが演出は凝ってます。
ここまでやるかという演出も。
ちょっときわどくありませんか?と突っ込みを入れたくなる場面も。
でも皆さん芸達者、面白いです。

そして明日はサントリーの小ホールで歌合わせ。
こちらは小ホールで行われるアカデミーの「フィガロ」
指揮者は一緒ですがキャストは日本人のみ。
オケもぐっと小さくなって初演当時の人数でやるとか。
オケの配置はどうなるんだろう?

時効

2008-02-28 00:22:32 | Weblog
南の島で起こった逮捕劇、マスコミは昔の勢いで攻勢をかけているようですね。
日本で刑事事件としては片がついたはずの事件も事件の発生したアメリカではまだ事件としては終わってはいなかったと言う事。
それで改めて時効と言うものの認識の違いが浮き彫りになりました。

でもこのブログでは日米の法認識の差異などといったお固い事は書きません。
マスコミに踊らされたような事件への踏み込みもやりませんので。

それで何が言いたかったと言えば、テレビドラマのお話。
時効が無いアメリカならではのドラマ「コールド・ケース」を語りたかったという訳です。
「コールド・ケース」とはつまり迷宮入りした事件の事、殺人事件に時効が無いと言う事は事件が解決しない限り永遠にその事件は捜査が続くのです。
フィラデルフィア市警殺人科のリリー・ラッシュという女性刑事が迷宮入りしてしまった事件を解決していくというドラマ。
日本ではまずWowWowが放送を開始、次いでスカパーでAXNも放送を始めました。
ふとした切っ掛けで昔の事件が捜査線上に浮かびそれを捜査するうちに出てくる人間ドラマが胸を打ちます。
少しばかりノスタルジックなムードが強いかもしれませんが、事件が起こった当時のヒット曲が流れて時代を観じさせてくれます。
そしてフラッシュバックする昔の当事者の姿と現代の姿。
見事に入れ替わる姿にも驚かされました。
事件は悲しいものです。
被害者の悲しみ、加害者の慚愧の念。
それらが相まって胸をうつのです。
現実と昔とが入れ替わり、その超現実の世界観がまた凄い。

リリー・ラッシュ役のキャスリン・モリスという女優さん、現在の第3シーズンでは変に痩せてしまってちょっとイメージが変わりました。
いくら何でも痩せ過ぎだよなあと思いつつも見てしまうのですが。

この他にもCSIシリーズも好きでよく見ます。
地上波・WowWow・AXNの3局が3つのシリーズを放送しているのですが、放送しているシーズンがそれぞれバラバラなので混乱してしまいます。
でも色々見られて面白いのですけど。

さて今やっているのはサントリーホールのホール・オペラ「フィガロの結婚」です。
指揮のルイゾッティさんがとにかく凄い、全身からオペラが溢れ出しています。
それに底抜けに陽気、ご機嫌にリハーサルは進んでいます。
明日はいよいよホールで実際のセットの中でリハーサルします。
かなり普通では無い配置で演奏しなければいけないのが心配と言えば心配。
まあとにかく明日ホールでやってみます。

2008-02-27 00:49:54 | Weblog
日曜日の朝公演地である富山に向かおうと東京駅に向かったまではよかったのです。
前日からの爆弾低気圧の大暴れで交通機関が乱れるだろうとは予想していましたが、それが自分たちに降り掛かろうとは思ってもみなかった。

強風が吹き荒れた日曜の朝、東北新幹線がまずストップ、同じレールを走る上越新幹線も影響をもろに受けてダイヤがめちゃくちゃに。
我々が乗ろうとしていた新幹線が入ってくるホームには行き場のない東北新幹線が止まったまま。
皆で顔を突き合わせ途方に暮れていましたが、待つこと30分、やっと目指す新幹線が入線。
やれやれと乗り込むもののスピードを押さえたままのろのろと走るのです。
これでは越後湯沢で乗り換える特急はくたかに間に合う筈もなく、一本後のはくたかに乗りました。
でもこれが一大事、前のはくたかの指定席券を持った人ばかりが乗り込んだのです。
ですから車内は大混乱、自由席に押し掛けても既に満員。
指定席の空いている所にみんなとりあえず座ったのですがここでもまたまた大混乱。
車掌さんの誘導が悪く2号車に行けと言われ向かえばそこが喫煙車、3号車も良いといわれて取りあえず座っても途中から乗り込んでくる指定席券を持った人には譲らなきゃいけないし。
などどわいわいやっている内に列車は越後湯沢を発車、ここですでに富山に到着してホールに駆け込んでもゲネプロに間に合わない時間に。

しかし走り出したはくたかもスピードが上がらない、途中でどんどんと遅れ出し完璧にゲネプロには着かない時刻に。
直江津までやってきた列車はここでぴたりとも動かなくなるのです。
富山県の海岸を襲った高波の影響で運転見合わせになったのです。
直江津でも30分以上足止めになりやっと走り出しましたが新潟県の西の端「市振」の駅は海のすぐそば。
押し寄せる真っ黒な波の恐ろしいこと!
富山県側では犠牲者も出たほどの高波、目の当たりにして背筋が凍るほどの恐怖でした。

当初の予定では東京から3時間半で到着するはずが5時間半掛かりました。
ですが前日の土曜日に富山入りしようとしたメンバーが何人か居たのです。
あるメンバーは電車で向かい、また他のメンバーは飛行機で。
電車で向かった組は我々と同じように時間が掛かり、結局富山に着いたのが午前2時になってしまったそうです。
でも着いたのだからまだ良しとしなければ。
一番可哀想だったのは飛行機組。
夜8時の富山行きの便、飛び立って富山空港上空までは行ったのです。
ですが強風で着陸が出来ない、何度か旋回してチャンスを伺うも結局断念。
羽田に戻されて仕方なく家に帰るとこちらも日付が変わってしまっていて。
日曜の朝新幹線に切り替えてまた苦労するはめに。
皆さん本当にご苦労様でした。

自然が相手では我々はどうすることも出来ません。
今回は初日の富山公演のゲネプロが短くなってしまいましたが本番は出来ました。
でも正直言って皆心も体も疲れきっていて本番をできる状態ではなかった。
なんとかやり終えましたが最良の演奏ではなかったですね。
ちょっと残念な演奏会でした。

その点、2日目の高岡での公演はオケも状態が良くなっていましたからメインの「エロイカ」は不思議な高揚感に溢れた演奏。
初日も移動さえきちんと出来ていればなあ。

ヴィジョン

2008-02-24 00:12:20 | オーケストラ
サントリー定期でラフマニノフ、何とか終わりました。
私は後半の交響曲だけでしたがそれでも長い演奏会でした。

ラフマニノフは協奏曲ばかりが演奏されて交響曲はあまり演奏する機会に恵まれません。
私もこの曲は何年ぶりなんだろうと、記憶を辿ってみましたが正確な年数が思い出せなかった。
昔やった事実はあるのです、何となく指揮者が誰で何処で練習したかは覚えていてもそれが何時のことだったのか。
はて、困った。

滅多に演奏されないと言う事は我々にこの曲の貯金が無いという事。
どんなテンポやダイナミックで、ここはこんな感じで音を短くする、ここはテヌートで。
などと音楽的な積み重ねがあれば仕上げるにも手間はかかりません。
今回はそうではありませんでしたので苦労も。
指揮者が具体的な指示を出してくれればいいのです。
「この曲のここはこう演奏するぞ!」と音楽を具体的に提示してくれれば、あとは我々が音にしていくだけ。
ところが今回は極めて抽象的なイメージだけが提示され具体的に音楽を作り上げていくと行った感じではなかったのです。
「ロマンティックに!」と言われても、一人一人の感じ方、表現の仕方は全く違ってきてしまう。
指揮者の思い描くこの音楽の姿をきちんと我々に示して欲しかった。
何となくずれたイメージのまま、ボタンを掛け違ったまま最後までいってしまった感じでした。
ちょっと残念ではありましたが、元来この曲はこんな曖昧模糊とした手触りなのかもしれませんね。

さて明日から2泊3日で富山県に演奏旅行なのです。
ところがこの悪天候、明日は朝に移動してゲネプロ本番という強行軍。
時間的にもゆとりは無いのです。
はたして新幹線とほくほく線は時間通りに走ってくれるだろうか。
スリリングな一日になりそうです。

もう恋なんかしない

2008-02-22 02:00:55 | オーケストラ
学生時代によく聞いていたアメリカのシンガー・ソングライターに「エリック・カルメン」という人が居ました。
カルメンは「Carmen」と書きます、日本人はカルメンと読みたがりますね。
でも英語なら「カーメン」と言うはず。
このエリックのお父さんは確か指揮者の「マイケル・カーメン」だったと思います。
その父親の影響でしょうか、エリックはピアノの弾き語りで甘い歌を沢山歌っていました。

代表的なヒット曲に「All By Myself」や「Never Gonna Fall in Love Again」などがありました。
この二つの曲のどちらもラフマニノフのメロディを使っているんです。
All By Myselfはピアノ協奏曲第2番の第2楽章の、Never Gonna Fall in love Againの方は交響曲第2番の第3楽章のメロディが使われて甘い甘い世界を聞かせてくれています。
私はエリックの曲を始めに聞き、後になってから原曲のラフマニノフを聞いたのでこのメロディが聞こえてくるとどうしてもエリックの歌声と歌詞が聞こえて来てしまうのです。
特に交響曲の方が強烈に結びついていてバイオリンで弾きながら頭の中では歌ってしまう。
学生時代の体験は今もまだ強く体にしみ込んでいるようです。

さて明日のサントリー定期はこの曲がメイン、前プロはピアノ協奏曲第3番。
協奏曲が第2番だったら隠れテーマは「エリック・カルメン」でしたが、惜しくも第3番。
私は出番の都合で交響曲のみの出番。
協奏曲はおとなしく舞台裏で聞いています。

そこに山があるから

2008-02-21 01:09:48 | Weblog
昨日は佐世保から帰るだけの一日。
でもそれだけでは勿体ないのでちょっとオランダに寄り道です。

おとといの本番の後ハウステンボスの中のホテルに泊まって、昨日は夕方まで楽しんで帰宅。
本番後に佐世保の駅で少しアクシデントがありまして列車に乗り遅れるという事件、仕方なく30分をホームで過ごして次の列車でハウステンボスへ。
ホテルに着けばまわりは真っ暗、既に10時半を過ぎていましたのでこれも仕方がないかな。

話し出せば切りがなくなりますが佐世保へ移動した日はあちらこちらで事件が勃発。
すったもんだで大騒ぎ、いやいや、いろいろありますね。
などと今は笑い話で語れますが、ご当人達は生きた心地がしなかった事でしょう!
ご苦労様でした。

昨日一日オランダの雰囲気を満喫してきたのです、チューリップに風車、運河にレンガ作りの家並み。
これで背後に山がなければまさにオランダなんですが。
オランダは以前演奏旅行で行きましたが果てしなく平らな国。
全く山というものがありません。
ハウステンボスも美しい景観です、山に囲まれた異空間。
ちょっと不思議な夢の国でした。

ハウステンボスから長崎空港までは船で向かいました。
小さな船、20人も乗れば満員すし詰めになるちっぽけな船でした。
でもこの船が豪快に走るのです。
さすがに石垣島から西表島に向かう高速艇にはかないませんが、それでも白波を蹴立てて大村湾をぐんぐん走るのは楽しかった。

今度時間がある時に「旅の空」の方にアップしてみます。

さて今日からはサントリー定期の練習。
先週ハーディングさんでマーラーをやったばかりのサントリー定期ですが今度は渡邊一正さんでラフマニノフを2曲。
去年改装で使えなかったサントリーホール、そのしわ寄せで連続公演なのです。
定期4連発はさすがにこたえますね。
どうしよう。

佐世保!

2008-02-20 01:20:41 | Weblog
佐世保と言えば今や「佐世保バーガー」だそうで。
滅多にハンバーガーなど食べない私にも「食べたい」と思わせる魔力が潜んでいるようです。
佐世保公演のゲネプロが終わって目指すお店に1直線。
食べたのはこれ、「ビッグマン」の「黒豚バーガー」です。
薩摩黒豚のソテーがどんと挟まってこれが美味。
このお店は「ベーコン・エッグ・バーガー」の元祖だそうでこちらを食べたメンバーもベーコンが美味しかったと言っておりました。
私の食べた黒豚も塩胡椒だけの味付けながらこれが本当においしかった。

ゲネプロが終わってすぐに駆けつけて正解でした。
と言うのも東フィルのメンバーがどんどん後から現れて外は大混雑。
お店の中は10人も入れば満員、大行列をしているメンバーの視線を感じつつお店の中で黒豚バーガーを堪能しました。
一番乗りは良いものです。

さて昨日の佐世保公演でハーディングさんとのお仕事も終了。
彼の指揮にはついつい乗せられて弾かされて、気分は上々ですが体はガタガタ。
充実しすぎた感の8日間。
とっても面白かったのですが本当に疲れました。
限界を越えて楽器を鳴らしました。
体調の悪かったはずの彼に完全に負けた感じです。
肉体の不調をも凌駕してしまう才能、凄いものです。
それにまだあの若さ、このままずっと伸びていって今世紀初頭を飾る偉大な指揮者となってほしいものです。

制約など越えて

2008-02-18 01:56:52 | オーケストラ
マーラーに続きチャイコフスキー・プログラムのオーチャード定期。
昨日オーチャードで練習して今日が本番。
ですがオケは明らかにゲネプロはばてばて。
ともすれば集中力も切れ、音も出ない。
アンサンブルも乱れがち。

でもハーディングさんだけは異様に元気。
本当にこの人は体の不調など精神力で克服してしまうのだろう、などと思いつつこちらはそれについて行けない事に不甲斐なさも感じながら。
チャイコの5番の1楽章のアレグロのテーマ、弦楽器が弾き始めた部分を念入りに練習。
どうもここの部分のクレッシェンドが気に入らないようで何回も何回も。
こう弾いて欲しいと彼は歌うのです。
そうそう、そうやるんですね。
と感じながらも楽器で弾くとこれが巧くできない。
弦楽器は息では演奏しません、右手の弓で様々な表情を表現します。
そして弓使いはアップとダウンの往復運動。
アップとダウンをうまく組み合わせていくのですが、それだけに制約もある。
彼が歌うように演奏するためにはその制約など越えた領域に入らなければいけないのです。
超絶技巧を誇る大名人並みの技量があれば出来るかもしれないけれど。
イマジネーションを現実のものとする為には大変な努力が必要です。

本番はまたもや疲れなどどこかに忘れて来たような爆裂系の演奏。
でもチャイコの5番はこれくらいやらなきゃ詰まらない。
楽器の、集中力の、体力の、それぞれの制約などぶち抜いた演奏。
これくらいやればいいですよね。

ハーディングさんの指揮、体の動き、腕の動き、表情、そのどれもが無駄が無く、しかもやりたい音楽を雄弁に表現するのです。
体から発散される彼自身の音楽、凄い指揮者です。
そのハーディングさんとの仕事も明日の佐世保公演が最後。
また是非とも東フィルの指揮台に上がって欲しい指揮者です。

明日も爆発かな。

負の力

2008-02-16 01:48:01 | オーケストラ
サントリー定期の本番、昨日に引き続きマーラーの6番。
ハンマーは昨日よりも高らかに振り下ろされて、舞台の対角線上に居た私にさえ衝撃が来たほど。
ゲネプロでハンマーを打ち付ける台にひびが入ってしまいこれでは本番は保たないだろうと。
板を一枚打ち付けて本番の第1撃、第2撃に備えたのです。
以前にこの曲をオーチャードでやった時にはこのハンマーは私のすぐ後ろで振り下ろされたのです。
頭がしばらく痺れていたのを覚えてます、今日はホルンとチューバのすぐ後ろでした。
皆さん、良く耐えました!

指揮のハーディングさん、実はずっと風邪をひいていて高熱があるのです。
それを押してのこの演奏会。
普通の体調でさえ「悲劇的」は難曲、それをこの体調でリハーサルから本番2回。
凄い集中力と精神力で体の不調に打ち勝っていました。

オケの方も連日のハードワークで皆一様に疲れ果てて。
腕が上がらない、腰が痛い、いやあれもこれもと満身創痍。
でもハーディングさんの負のパワーに打ち勝つ精神力を見て、またその全身から発散される強力な「気」を感じればそんな疲れなど感じる事もなくなります。
あの舞台に彼と一緒に居るだけで戦闘モードに切り替わり体のことなど忘れてマーラーに挑むのです。
また曲が「負のエネルギー」を逆に大きな力に変えるような物。
偉大な曲を音にできる喜びを共有しつつ、そしてこの場に居ることに感謝しつつの本番。
凄かったです。

明日はオーチャード定期のリハーサル。
みんな大丈夫だろうか?

支配

2008-02-15 01:05:14 | オーケストラ
TOC定期でマーラーの6番。
指揮者は飛ぶ鳥を落とす勢いのダニエル・ハーディング。

とっても若い、そして驚くほどに小柄。
我々日本人の中にすっぽりと埋まってしまうほどに華奢。
しかし一度オーケストラの前に立てばオーラを発する。
彼の体の動きが全て音楽になる、オケからその通りの音が出て行く。
そしてオケだけでなく会場の全ての人をもコントロールしてしまう。
若きカリスマです。
初めてこの人と本番をやりましたがここまでやるとは思いませんでした。

その音楽の好き嫌いはともかく、間違いなく彼はオペラシティのホールを支配していました。
チョンさんでしか経験できない音楽的な空間が、形は違えどそこに確かに存在していたのです。
久しぶりに高揚感溢れる演奏会をやりました。
いいですね。

明日はサントリーに会場が変わります。
非常に開放的な空間になりますが果たして本番はどうなるか。
興味が湧くところです。

しかし連日の疲れが肝心な所で顔を出し、4楽章の後半はやっとのことで持ちこたえた状態。
ゲネプロも本番もそれまでは快調そのものだったのですが。
きついなあ。

ボディブロー

2008-02-14 02:12:39 | オーケストラ
定期の練習が続いていました。
マーラーの6番を演奏するTOCとサントリーの定期、それと日曜日に本番のオーチャード定期で演奏するチャイコフスキーの5番。
この両方を連続で練習するのですから堪ったものではありません。
体はガタガタになってきました。
正直言って凄いスケジュール、ハーディングさんの来日期間に合わせて無理矢理詰め込んだみたいなハードさ。
このオーチャード定期の翌日には長崎県の佐世保で同じプログラムの演奏会があるんです。
朝早く羽田を出発してゲネプロをしっかりやって夜の本番。
一日おいて次のサントリー定期の練習が始まります。
必殺のスケジュール。
さすがは日本一過酷なオーケストラ「東フィル」の面目躍如!

なかば焼けっぱちにもなってますが実際今月はもう休みがありません。
佐世保から帰ってくる日が演奏しないですむ一日なのですが移動しなければならないですから休みではないかも。
こうなったらハウステンボスにでも行って気持ちだけでもリフレッシュしてこようと計画をしています。

ハーディングさん、前回の時はちょっと歯車が噛み合わない場面もあったようで必ずしも幸福な出会いとはいかなかったようです。
今回はお互いにあれから積み重ねたものが生きているようで良い感じで練習できました。
彼もまだまだ若い、音楽は素晴らしいものを持っている。
そして自分の音楽をきちんと確立している。
あとはオケからどれだけの物を引き出せるか。
前回もマーラーを選んだわけです、でもマーラーはお互いの音楽的な接点が少ないように思えます。
ですから練習にも時間がかかりました。
今日の練習でスムーズに音楽が流れるようになりました。
彼の音楽です。
こだわりも一流、楽章の配列も変えます。
面白いマーラーになりました。

チャイコフスキーは5番ですがこちらはお互いに共通の認識がある。
ですから最初から彼の音楽が鳴る、素晴らしいチャイコフスキーが簡単に出てきたのです。
これは楽しい経験です。
彼も素直にやりたい事を棒で表現する、オケも彼の要求を直ぐに理解して音にして返す。
良いキャッチボールです。
今までにあまり経験した事の無いチャイコフスキー。
日本式では勿論ないしロシア人のものでもなく。
ダイナミックでしなやかで、スケールの大きい音楽になります。
マーラーの後で疲れきっているはずですが、ついつい乗せられて全力で練習してしまいました。
こちらも面白いです。

でも体力が最後まで保つのだろうか?

喪失

2008-02-12 01:16:27 | Weblog
7年前の1月、アジアフィルの練習と公演の為にソウルを訪れました。
非常に寒かった1月のソウル、うっすらと街も雪化粧。
ソウルのシンボルであるナムデムン(南大門)にも雪が残り壮大な建築物を飾っていました。
沢山の車が走り抜ける一角にその雄大な姿を見て不思議な感動を覚えたものです。

そのナムデムンが焼け落ちて無惨な姿になってしまいました。
ニュースによれば放火の疑いもあるとか、何と言っていいのか言葉に詰まります。
韓国の国宝第1号だそうですね、韓国の象徴とも言うべき建造物を喪失した国民の皆さんはさぞ落胆している事でしょう。
心よりお見舞い申し上げます。


さて今日から定期の練習、指揮はハーディングさん。
曲がまた「悲劇的」という難物。
今日は初日と言う事で比較的落ち着いたテンポでじっくりと練習しました。
オケの音、特に弦楽器の音質に関してチョンさんとは違ったこだわりを持っているようです。
クリアで強くて小さい音が要求されました。
これもまた難しい、極限まで神経を研ぎすませて演奏しないといけません。
そして音楽の流れを絶対に止めないよう何度も注意されました。
曖昧な事は極力排除したいようです。
明日・あさってと練習が進むともっと色々な厳しい要求が出てきそう。
どこまで出来るか勝負ですね。

今日の練習は和光市のサンゼリアで行われました。
悲劇的を演奏するにはとてつもない人数をかけないといけません。
木管楽器だけで20人、金管楽器もそのくらい。
弦楽器や打楽器を足せばとんでもない人の数。
あまりに多すぎて休憩時間など居場所も無いくらい、ホールも楽屋も人で溢れておりました。
明日からはオペラシティの練習場ですがこちらはもっと狭い。
いったいどんな事になるのやら。

近い!

2008-02-11 01:10:10 | Weblog
今日の本番は千葉県は東金市の文化会館で。
会場は市街地からは離れた山の中、森や池に囲まれた静かな環境の中にありました。
楽屋口から出て見ると写真の光景が広がります。
池があって森があって、池には鳥たちが遊んでいる。
実にのどか、いい所です。

夕べの雪は横浜も東金もほとんど影響がありませんでした。
東金などは雨だけで雪にはならなかったそうです。
ですから道路は全く通常の状態。
湾岸も京葉も東金道路も快調そのもの。
不測の事態に備えて早起きしましたがその必要はなかった。
ちょっとのんびりと出発しましたが行きは1時間15分で到着。
意外と近いのですね。
早く着き過ぎて時間を潰すのに苦労したくらい。
何しろホールの周りには何もありません。
散歩して写真を撮ったらもうやることがない。
まわりの山を見ると赤く花粉をたっぷりと付けた杉の木がいっぱい。
これはたまらんと楽屋に逃げ込みあとはひたすらテレビなどを見て過ごしました。

本番ではブルックナーなどをやりましたが、あきらかに場違いと言った感じの子供たちもいてちょっと可哀想でした。
彼らにブルックナーは無理ですよね。
よく耐えてくれました。

さて明日からはいよいよハーディングが登場してマーラーの「悲劇的」です。
私は初めての顔合わせとなります、どんな音楽をやるのだろう。
期待しましょう。

寒い国から

2008-02-10 01:02:45 | オーケストラ
今日は中央フィルの練習、曲は「フィンランディア」と「1812年」の2曲。
フィンランドとロシアというとっても寒い国の2曲。

フィンランディアはともかく1812年はなかなかに大変な技術を要する難曲。
ナポレオンとロシア軍との戦いを描き、最後はナポレオンが冬将軍に敗れ去るという壮大な物語。
ロシア国民の祈り、不安、悲壮な戦い、そして勝利。
大砲が鳴る事でも有名ですが普通は大太鼓で代用しますね。
ずっと昔のあるアマチュア・オーケストラの演奏会でこの曲をやったのを聞いた事があるのです。
そのときはシンセサイザーの大砲を大音量でぶちかましたのですが、やはりスピーカーから出る音というのは大きくてもどうも質感が足りないですね。
物足りなかったという思い出があります。

練習は午後6時過ぎから始まりました、その頃はまだ雨も雪も降ってはいない状態。
練習が進み冬将軍が登場する頃にはすっかり外は雪。
戦いの舞台になったロシアの冬はきっととんでもなく寒いのでしょうが、曲と天気とがあまりにシンクロしていて面白かった。
でも外に出て見れば短時間にも関わらず結構な積もり方。
すっかり立派な雪景色の東京でした。

しかし車で第3京浜を走り横浜に近づくにつれて雪はどんどん少なくなっていました。
家に帰ってみればほんのちょっと、かろうじて雪が残っているなあという程度。
東京ほどは降らなかったようです。
明日の朝は湾岸やアクアラインを通って東金に行くのですがこの状態なら道も大丈夫そうですね。
怖いのは路面凍結、なんとか通れると有り難い。
お願いしますよ。

辛抱、辛抱

2008-02-09 01:41:39 | Weblog
今年になってから実は色々と悩み事が押し寄せて来ているのです。
仕事のこと、仕事先でのこと、家庭のこと、それから自分のこと。
まあ生きていれば誰でも直面することですが、それらが一緒になってどどっと来たのです。

今日はその内の一つが解けました。
実はこの事柄が重くのしかかっていて昨日などはとてもではないけれどブログを書くなんて出来ない状態で。
しかし一発逆転、世の中はわかりませんね。
諦めていたのに実現したんです。
まずはほっと一息。

しかしまあ他の悩みはまだまだそこに厳然として存在しているのです。
じっくり時間を掛けて一つ一つ解決して行く他はありません。
解決出来ればいいなあ、出来ないこともありそうだなあ。
辛抱ですね、忍耐ですね。

さて今日もブルックナーの「ロマンティック」のリハーサル。
ブルックナーという作曲家は好きなのですが、好きとやるのとでは大違い。
物理的、体力的に限界を超えます。
それさえ無ければ本当に面白い曲だと思うんですが。
出来たら初稿版などをやってみたいとも思いますがだめかな。
いつもノヴァークの最終稿、たまには初稿や第2稿を音にしてみたいです。
確かロマンティックは全然違う曲なんですね、やりたいな。

本番はあさっての日曜日に千葉県の東金市で。
雪の予報が出ています、無事に会場までたどり着けると良いのですが。
果たして?