izumishのBody & Soul

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陳 小旺老師による「五層の功夫」とは

2010-09-05 13:44:08 | 太極拳
陳式太極拳をやっている人は耳にしたことがある「五層の功夫」。
修練を積んで五層になれば、相手が向かってきた時、身体のどこかに触れた瞬間に、相手はあっと思う間もなく飛ばされている(!)という技を身につけることができるというものである。
資料を整理していたら、かつて、陳小旺老師が日本陳式太極拳学会会報に寄稿したテキストが出てきたのであった。
年月不明だが、ここに書いてあることは日々の地味な練習を導く書でもある。
先の陳正雷老師のテキストと同様、今回も、日本陳式太極拳学会・及川氏の了解を得て、記載する。
五層、であるから、5回に分けての掲載。
せめて、二層三層くらいは目指したいなぁ。。。。

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五層の功夫                    陳 小旺 

 太極拳を開始してから達成するまでを五層の修業段階に分けます。各層は練拳者のの功夫の程度を技術水準を示します。いわば成功への道しるべです。 
 太極拳の練習は学問と同じで、小学校から大学まで徐々に知識を深めていきます。一足飛びに大学に入るわけにはいきません。基礎から日進月歩していきます。今,自分の水準および技撃面での能力がどの層に位置しているか、さらに、なにをマスターしたら良いかを確かめる手だてとするために、この五層の修行法を紹介します。

第一層の功夫
「練習面」
 まず、一路の連続動作を身につけることを主とし、練習時に内気の活動を感じ始めるところまで、とします。
 立身中正、虚領頂勁、松肩沈肘、含胸搨腰、開胯屈膝の要求に沿って練習し、心気が下降していけば,気沈丹田の目的に達します。
 もちろん、すぐ簡単にこれらの要求通りにいくわけではありません。頭と首を正し、身体が前後左右へ傾かないようにし、両足の虚実を認識する程度とします。動作のぎこちなさや不適格な箇所が存在しますが、一層功夫としては正常な現象とみなします。
 身を入れて毎日10分繰り返せば、普通半年で一路は熟練し、鍛錬内容が高まるにつれ、体内の気の流れを感じます。これが外形による内気をともなう過程で、第一層から第二層への境界線に位置します。
 
「技撃面」
 第一層では技撃の方法について学ぶわけですから、各式の技撃作用をことさら追求する必要はありません。
 太極拳を知らずしてこの面を行うとしても、全身が支離滅裂となり功夫の前途に悪影響を及ぼします。風格も未だほど遠いのです。
 第一層が終了しても技撃としての作用は大変限られたもので、強ばりの勁、断絶の勁、手応えのない勁、逆らいの勁がまだ残っており、動きには欠点が少なからずあります。内気の感覚がわずかにあるといっても一気貫通したものではなく、発勁をしても腰が軸とならず,節々を通らずに一挙に飛び越してしまうこまぎれの勁で、ちょうど、根のない木、水源のない水に例えられます。
 このような問題をかかえていますから、技撃に挑戦しても往々にして重心を掌握しきれずに好機を逃したり失態を演じます。
 もちろん、なにも知らない人に比べれば少しは強く,一定の敏捷性も備わり、相手の力を利用してたくみにかわす“引進落空”で偶然に勝ったとしても、その瞬間に自分もバランスを欠きやすいのです。“一陰九陽のしくじり”と称します。
 陰陽は対立の統一で、両者は相互に転化しあいます。太極拳の練習は虚実計算を十分に行うことにより、陰陽相等しいものにしていきます。すなわち五陰五陽が最高級の標準です。第一層では”一陰九陽”?剛があまりに多すぎるのです。
(日本陳式太極拳学会会報「陳家溝」より)

以下続く。

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